ジョジョの奇妙な鬼殺の冒険   作:レイファルクス

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第13説《完成》

 

 

「煉獄さんは左目失明に肋骨骨折に内臓損傷、炭治郎君は腹部を刺されての出血。まったく、怪我をするなとは言いませんが、なるべく怪我を負わないようにお願いしますね?」

 

 

「よもやよもや、申し訳ない」

 

 

「善処します…」

 

 

無限列車の任務を終えた炭治郎たちは、蝶屋敷で治療を施された。

 

 

その中でも杏寿郎と炭治郎の怪我が酷く、杏寿郎に関しては柱を勤めるのは困難な怪我を負っていた。

 

 

「竈門少年、申し訳ない。俺がもう少し強ければ…」

 

 

「関係ありませんよ。煉獄さんは列車に乗っていた人たちを助けたんですから」

 

 

「……ありがとう」

 

 

杏寿郎は炭治郎に謝ると、炭治郎に励まされ、お礼を言った。

 

 

「あの…、ここに兄上がいると聞いたのですが…」

 

 

「おお千寿郎!こっちだ!」

 

 

そこに杏寿郎そっくりの少年が恐る恐るといった感じて顔を覗かせる。それを見た杏寿郎はその少年を自分の下へと呼んだ。

 

 

「竈門少年、紹介しよう。俺の弟の千寿郎だ」

 

 

「は、はじめまして。煉獄千寿郎です」

 

 

「俺は竈門炭治郎、よろしく」

 

 

千寿郎と炭治郎は互いに自己紹介をした。

 

 

「兄上、着替えをお持ちしましたので、そこに置いておきますね」

 

 

「うむ、かたじけない」

 

 

千寿郎が杏寿郎の着替えをベッドの側にあるサイドテーブルに置き、杏寿郎が礼を言う。

 

 

「杏寿郎、体の方は大丈夫ですか?」

 

 

「母上」

 

 

そこに杏寿郎を女性にした感じの人が入室してきた。

 

 

「煉獄さんのお母さん…ですか?」

 

 

「煉獄瑠火よ。よろしく」

 

 

「母上、母上がいると言うことは、父上も?」

 

 

「ええ、今は炭十郎さんの所へ行っているわ。直にこちらにもくると思います」

 

 

杏寿郎と瑠火が二~三回話すと

 

 

「おお杏寿郎、ここにいたか」

 

 

杏寿郎が若干老けた感じの男性が入ってきた。

 

 

「竈門少年、紹介しよう。俺の父の…」

 

 

「煉獄槇寿郎だ。よろしくな坊主」

 

 

「よ…、よろしくお願いします…」

 

 

炭治郎はしどろもどろに受け答えした。

 

 

「あの…、つかぬことをお聞きしますが、俺の父とは一体どのようなご関係で?」

 

 

「うむ。儂は昔鬼殺隊で"炎柱"を勤めていてな、同じ柱であった炭十郎とは共に切磋琢磨した仲なのだよ」

 

 

「ウチの旦那と炭十郎さんは互いを意識していたこともあって『鬼殺隊の二大柱』とまで呼ばれていたほどなんですよ」

 

 

「おい瑠火、そんなこっ恥ずかしい昔話をするな。今は文通する仲なんだから…」

 

 

槇寿郎と瑠火のやり取りに炭治郎は苦笑いを浮かべていた。

 

 

「炭治郎、具合はどうだ?」

 

 

そこに承太郎が饅頭を乗せた皿を持って入室してきた。

 

 

「あっ、師範。はい、今のところは大丈夫です」

 

 

「そうか、これはさっき買ってきた饅頭だ。みんなで食べるといい」

 

 

承太郎は皿を炭治郎の側にあるサイドテーブルに置き、退室していった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

それから一ヶ月後、炭治郎は腹の傷が塞がり、任務に支障が無いほどにまで回復したため、機能回復訓練を受けるために蝶屋敷の道場に来ていた。

 

 

「それでは炭治郎さん、機能回復訓練の説明をさせていただきます」

 

 

「まず最初にあちらで寝たきりで固くなってしまった筋肉を解します」

 

 

アオイが指で示した場所には布団がしかれており、なほ、すみ、きよの三人娘が気合いを入れていた。

 

 

「それからあちらは反射訓練を行います。湯飲みの中には薬湯が入っており、相手より先に薬湯をかければ勝ちです。ですが、湯飲みを持ち上げる前に上から押さえられたら持ち上げられません」

 

 

次にアオイが指指した所にはちゃぶ台が置かれており、その上に湯飲みが幾つも置かれていた。そしてそのちゃぶ台の前にカナヲが座っていた。

 

 

「そして最後に全身訓練、端的に言えば"鬼ごっこ"です。時間内に逃げ切るか相手を捕まえて下さい。これと反射訓練は私アオイとカナヲが担当します。ここまでで分からないことはありますか?」

 

 

説明を終えたアオイが炭治郎に質問をすると、炭治郎は首を横に振り、質問が無いことを伝えた。

 

 

「ではまず、柔軟から始めて下さい」

 

 

アオイの指示の下、炭治郎はなほたちの所へ向かった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「炭治郎さん、随分体が柔らかくなりましたね」

 

 

「お陰様でね。最初の内はコチコチに固まっていたから、身体中悲鳴上げてたし」

 

 

炭治郎が機能回復訓練を始めてから五日、炭治郎の体は以前よりも柔らかくなっていた。

 

 

「その後にやった反射訓練や全身訓練も負け続けていたのに、今ではカナヲに追い付く位にまで回復しましたからね」

 

 

そう、柔軟の後に行う反射訓練や全身訓練では、炭治郎はアオイに惨敗していたのだ。しかし、四日目にはアオイに勝ち、カナヲとは互角の勝負を繰り広げていた。

 

 

「それでも負けは負けさ。実際カナヲは俺に合わせて訓練の相手をしてくれていたから」

 

 

炭治郎の言った通り、カナヲは炭治郎に合わせて訓練の相手をしていた。これは炭治郎を気遣うカナヲの心配りでもあった。

 

 

「カナヲは本当に炭治郎さんのことが好きなんですねまあ私もですけど

 

 

「えっ?何か言った?」

 

 

「いいえ何も」

 

 

炭治郎に独り言を聞かれたと思ったアオイは目線を反らした。最も、炭治郎には聞こえてはいなかったが。

 

 

「では柔軟も終わったことですし、早速反射訓練を開始しましょうか」

 

 

「はい!カナヲ、よろしく」

 

 

「よろしく、炭治郎」

 

 

柔軟が終わった炭治郎はカナヲの下に行き、ちゃぶ台を挟んだ形で向かいあった。

 

 

「では…、始め!」

 

 

アオイの掛け声で炭治郎とカナヲは物凄いスピードで相手が取ろうとした湯飲みを押さえ、別の湯飲みを持とうとする。

 

 

「「「頑張れ、炭治郎さん!」」」

 

 

なほ、すみ、きよの三人は炭治郎を応援する。すると炭治郎が湯飲みを掴んだと同時に持ち上げ、カナヲの押さえようとする手を逃れた。

 

 

炭治郎は持ち上げた湯飲みの中身をかけようとする。

 

 

『それ臭いよ?かけたら可哀想だよ』

 

 

しかしそこで炭治郎の"理性"が待ったを掛ける。そして炭治郎は湯飲みをカナヲの頭の上に置いた。

 

 

「勝った!」

 

 

「勝ったのかな?」

 

 

「かけるのも置くのも同じだよ!」

 

 

なほ、すみ、きよは炭治郎が勝ったことに、まるで我が事のように喜んだ。

 

 

続く全身訓練(鬼ごっこ)でも、炭治郎はヒラリヒラリとまるで蝶のように逃げるカナヲに追い付いていた。

 

 

そして数分の攻防の末、炭治郎はカナヲの手首を掴んだ。

 

 

「炭治郎さん、全身訓練でもカナヲさんに勝った!」

 

 

「「凄い凄い!」」

 

 

またもや三人娘は炭治郎の勝利を喜ぶ。

 

 

「ありがとう。でも、まだまだだよ。カナヲ、次にやる時は"全力"で相手をしてくれ」

 

 

「いいの?」

 

 

「もちろん!」

 

 

「…分かった」

 

 

カナヲは炭治郎のお願いに渋々と言った感じで頷いた。

 

 

それから翌日、カナヲは炭治郎に言われた通り、全力で炭治郎の相手をした。無論炭治郎は手も足も出なかった。だが、一日、二日と時間が経過するにつれ、炭治郎は全力のカナヲに追い付くようになった。

 

 

そして炭治郎がカナヲに勝ってから更に五日後、炭治郎は全力のカナヲに反射訓練、全身訓練共に勝利することになった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

その後炭治郎は任務に勤しんだ。単独の任務があれば、善逸や伊之助、禰豆子にカナヲと言った同期との共同任務、更には承太郎やしのぶと言った柱との任務をこなしていた。

 

 

そしてこの日炭治郎は単独任務を終えて蝶屋敷へと戻っていた。

 

 

「今まで世話になったな。あのトランプはせめてものお礼として受け取ってほしい」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

すると、荷物を持った承太郎が蝶屋敷の門前にいたので、炭治郎は承太郎の下へと駆け寄った。

 

 

「師範、これから任務ですか?」

 

 

「いや、建設されていた俺の屋敷が完成したのでな。荷物をまとめて引っ越しをしていた所だ」

 

 

承太郎は炭治郎に説明をすると、確かに蝶屋敷の隣に蝶屋敷と同じ規模の屋敷が建っていた。

 

 

「炭治郎、蝶屋敷の中にある自分の荷物をまとめときな」

 

 

「はい!」

 

 

炭治郎は急いで自分が借りていた部屋に向かい、荷物をまとめた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「おぉ~」

 

 

そして炭治郎は承太郎の屋敷『波紋屋敷(はもんやしき)』に入ると、その広さに驚いた。

 

 

「炭治郎、お前の部屋は向こうだ。扉にお前の名前が書いてある札が掛かっているから解るはずだ」

 

 

「解りました!」

 

 

炭治郎は承太郎に言われた通りに進み、扉に『炭治郎』と書かれた札を見つけたので中に入る。すると中は畳六畳分はあり、家具も新品が置かれていた。

 

 

炭治郎は早速荷物を部屋に置き、波紋屋敷の中を探索する。

 

 

まず目に入ったのは、自分の部屋の両隣。扉に向かって左に『善逸』、右に『伊之助』の名前が書かれた札だった。

 

 

そして向かいの部屋には『禰豆子』の名前があった。

 

 

「善逸に伊之助、禰豆子の部屋まであるのか…、ん?」

 

 

炭治郎はふと扉に掛かっている札に目をやると、そこには『典昭』の名前があった。更にその横には『ジャン=ピエール・ポルナレフ』と流暢な筆跡で書かれた札があった。

 

 

「何て書いてあるんだ…?」

 

 

炭治郎はポルナレフが書いた達筆な文字を読むことはできなかった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

炭治郎はそれから屋敷の様々な所を巡り、最後にみんなが集まっている居間に到着した。

 

 

「どうだったか炭治郎?屋敷の中を探索してみて」

 

 

「はい、とても凄かったです!」

 

 

承太郎の質問に炭治郎は鼻息を荒くしながら答えた。

 

 

「そうか、良かった良かった」

 

 

承太郎は何度も頷くと、何かを思い出したかのように手を叩いた。

 

 

「あぁそうだ、嘴平なんだが、当人の要望で外で寝るからな」

 

 

「えっ、そうなんですか!?でも寝床は…」

 

 

「それなら心配無い。あれを見るんだ」

 

 

承太郎が指を指した所を炭治郎が見ると

 

 

「ガハハハハッコイツはいいぜ!」

 

 

伊之助が木と木の間に繋がれた網のような物に寝転がっていた。

 

 

「あの、師範。伊之助が寝転がっているあれは…」

 

 

「あれは『ハンモック』と呼ばれる野宿用の寝具さ。あんな感じで木と木の間に吊るすんだ」

 

 

炭治郎の質問に花京院が答えた。

 

 

「雨や雪、風の強い日や寒い日などは部屋に入るように言ってあるが、基本あいつはあそこで寝ることになる」

 

 

「そ…、そうですか」

 

 

「俺も一回寝転がってみたが、中々の寝心地だったぜ?」

 

 

「へぇ~」

 

 

ポルナレフの感想に、炭治郎は興味をそそられた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

それから時間が過ぎ、波紋屋敷完成の祝いの宴が催されることになり、カナエ、しのぶ、アオイ、カナヲ、なほ、すみ、きよ、杏寿郎、槇寿郎、千寿郎、瑠火の11名が招待された。

 

 

そして炭治郎と葵枝が招待客の好物を作り、それを振る舞った。

 

 

 

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