ジョジョの奇妙な鬼殺の冒険   作:レイファルクス

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第14説《遊郭》

 

 

承太郎の屋敷『波紋屋敷』が完成してから3ヶ月が経過した。

 

 

その間炭治郎は順調に鬼を討伐し、階級は(つちのえ)、善逸は(つちのと)、伊之助は(かのえ)に上がっていた。

 

 

そしてこの日炭治郎は単独任務を終えて波紋屋敷まで帰っている所だった。

 

 

「たのも~!」

 

 

すると蝶屋敷の方から声がしたので、炭治郎は声がした方へと向かった。

 

 

「たのも~!」

 

 

炭治郎が見た光景は、門前に一人の男性『音柱・宇随天元』が口元に手を当てて大声を出している所だった。

 

 

「あの~、何か御用ですか?」

 

 

炭治郎は恐る恐る天元に声を掛ける。

 

 

「んっ?お前は誰だ?蝶屋敷の人間か?」

 

 

「俺は竈門炭治郎と言います。今は蝶屋敷では無くて隣の波紋屋敷に住んでいます」

 

 

炭治郎は天元に質問されて自己紹介をする。どうやら柱合会議でのやり取りは忘れられているようだ。

 

 

「は~い、どちら様…あら、宇随さん」

 

 

そこにカナエが玄関から顔を覗かせた。

 

 

「おぉ胡蝶姉、丁度良かった。ちょいと頼みがあるんだが…」

 

 

「何でしょうか?」

 

 

「実は…、これから向かう先で女性隊員が必要なんだが、ちょいとそちらにいる隊員を貸してもらえんかと思ってな」

 

 

天元はカナエに訪問理由を述べる。

 

 

「あらあら、困ったわね。今しのぶは任務でいないし、カナヲもついさっき任務が来てしまったの。かと言ってアオイたちがいなくなると蝶屋敷が稼働しなくなるし…」

 

 

カナエは頬に手を当てて困った表情をする。

 

 

「あの、もし良かったら俺が同行しましょうか?」

 

 

そこに炭治郎が天元の任務の同行を申し出た。

 

 

「それはありがてぇが、少なくとも同行者は"三人"必要なんだわ。お前を入れても後二人必要なんだが…」

 

 

「それなら俺様たちが行くぜ!」

 

 

天元が申し訳無さそうにしていると、後ろから声がしたので振り返ると、善逸と伊之助がいた。

 

 

「任務から帰ったばかりだが、体力は有り余っているぜ!」

 

 

「俺も多少疲れは感じてはいるけど、やれないことはないよ」

 

 

善逸と伊之助は行く気満々の様子だった。

 

 

「いいのか?俺にとっちゃ派手に喜ばしいが…」

 

 

「「大丈夫です」」

 

 

「この山の王たる伊之助様に任せとけ!」

 

 

天元の質問に三人は確りと答えた。

 

 

「……分かった。なら一緒に来てもらうぜ?泣き言は聞かないからな?」

 

 

「「「臨む所です(だ)!」」」

 

 

「よっしゃそれじゃ俺にド派手に着いてきな!」

 

 

天元は炭治郎たち『かまぼこ隊』を連れて蝶屋敷を後にした。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「あの、これから向かう所って何処なんですか?」

 

 

炭治郎が任務先の場所を天元に質問する。

 

 

「これから向かう所は、花街、遊郭と呼ばれる人間の欲望が渦巻く所だ」

 

 

天元は腕を組みながら炭治郎の質問に答える。

 

 

「此所から遊郭までの間に『藤の家紋の家』がある。そこで一旦準備を整える。歩きながら進むから遅れるなよ?」

 

 

天元はスタコラサッサと歩き出した。しかしそのスピードは速く、あっという間に後ろ姿が見えなくなってしまった。

 

 

「んなっ、速ぇ!」

 

 

「炭治郎、伊之助。このままじゃ置いてきぼりを喰らう!急いで追い駆けよう!」

 

 

「分かった!」

 

 

炭治郎たちは急いで天元の後を追った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

炭治郎たちはやっとの思いで天元に追い付き、遊郭までの道のりの途中にある『藤の家紋の家』で準備を整えることになった。

 

 

藤の家紋の家

 

 

正確には『藤の花の家紋の家』。この家紋を持つ家に住む人は以前鬼殺隊に命を救われた人たちであり、鬼殺隊の者であれば全てを"無償"で用意してくれるのだ。

 

 

天元は藤の家紋の家の者にあれやこれやと色々注文をし、炭治郎たちを家の二階に上がらせた。

 

 

「遊郭に潜入したら、まず俺の嫁"たち"に接触するんだ。俺も外から鬼の情報を探る」

 

 

「嫁"たち"?」

 

 

天元の指示にまず善逸が気になるフレーズを聞いた。

 

 

「ああ、まず俺の嫁は三人いる。そして嫁たちは既に遊郭の店の中に潜入しているんだ」

 

 

「なるほど…」

 

 

善逸の疑問に天元が答えると、炭治郎が納得していた。

 

 

「でも、それなら何故貴方自らが遊郭に出向くのですか?」

 

 

「三人の嫁の内一人の定期連絡が途絶えたんでな。それで何かあったんじゃねぇかと思って向かうんだ」

 

 

炭治郎の質問に天元はさらりと答える。

 

 

「怪しい店は既に絞ってある。まず"ときと屋"、次に"荻本屋"、最後に"京極屋"。ときと屋には"須磨"、荻本屋には"まきを"、京極屋には"雛鶴"が潜入している。さっきも言った通り、まずは俺の嫁たちに接触するんだ」

 

 

天元は怪しい店の名前と潜入している嫁の名前を伝える。

 

 

「あの、一ついいですか?」

 

 

「どうした?」

 

 

そこに善逸が挙手をして天元に質問を促す。

 

 

「潜入って言ってもどうやって?」

 

 

善逸の疑問は最もなものだった。

 

 

「無論"変装"に決まっている。そしてお前らにはあること(・・・・)をしてもらう。それに必要な物は既に家の者に頼んでおいたからな」

 

 

「「???」」

 

 

天元は善逸の質問に答えたが、炭治郎と善逸は首を傾げていた。そして伊之助は終始出された菓子を一人で食い尽くしていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

ここは"ときと屋"。その門前に三人の少女と一人の男性、そして店の旦那と女将が向かい合う形で対面していた。

 

 

「いやぁこりゃまた、別嬪な子たちだねぇ」

 

 

「どの子も粒揃いだからね」

 

 

旦那が目の前の少女三人を褒めると、男性が若干嬉しそうに話す。

 

 

「じゃあ、真ん中の子を貰おうかね。素直そうだし」

 

 

「一生懸命頑張ります!」

 

 

女将が三人の内、真ん中の少女を選び、選ばれた少女は元気よく返事をする。

 

 

「ありがとよ女将さん。あっ、それと一つお願いしたいんだが?」

 

 

「なんだい?」

 

 

男性は女将にお礼を言うと、指を一本立てた。

 

 

「今白粉で隠しているけど、こいつは額の右側に痣があってね。それで近所の子供たちから苛められていたんだよ。だから…」

 

 

「分かったよ、なるべく白粉は取らないようにするよ」

 

 

男性が言いたいことが分かったのか、女将は男性のお願いに頷いた。

 

 

「ありがとよ、それじゃ"炭子"、達者でな」

 

 

「はい!ありがとうございました!」

 

 

男性は少女のことを"炭子"と呼んでときと屋を後にした。

 

 

もうお分かりだろうが、先程の男性は化粧を落とした天元であり、三人の少女は炭治郎、善逸、伊之助が"女装"した姿であった。

 

 

因みに炭治郎は"炭子"、善逸は"善子"、伊之助は"猪子"と偽名を名乗っている。

 

 

「すげぇなこりゃ。まさかこんな大金で売れるとはな」

 

 

「あなたが施した化粧が効いたんでしょうね。俺でも炭治郎に惚れそうになりましたから」

 

 

天元は予想以上の値で炭治郎が売れたことに驚き、善逸はその理由を述べた。

 

 

「ありがとよ善逸。いや、今は"善子"か」

 

 

天元は褒められたことが嬉しくて善逸の頭を撫でる。

 

 

「それにしても、あなたって化粧を落としたら結構色男ですね。嫁が三人もいるのも納得できます。男の俺でさえも惚れそうになりますもん」

 

 

「男のお前に惚れられても嬉かねぇよ」

 

 

「おい!何かあの辺人間がウジャウジャ集まってんぞ!」

 

 

天元と善逸が話していると、伊之助が人が集まっている所を指差した。

 

 

「んぉ?どれどれ…。あー、ありゃ"花魁道中"だな。確か名前は…、お、あったあった。へぇ~、さっきまでいたときと屋の"鯉夏花魁"か」

 

 

天元が野次馬の先を見ると、綺麗な衣装や装飾を着けた花魁が人を連れて歩いていた。そして天元は手元に持っていた番付を見て、花魁が誰なのかを言った。

 

 

「一番位の高い遊女が客を迎えに行ってんだ。っにしても派手な衣装に装飾だせ、一体いくらかかってんだ?」

 

 

「あの~、その手に持っているのは?」

 

 

手元の説明が終わったと同時に善逸が天元の手元にある番付を指差して尋ねた。

 

 

「これか?これは"番付"って言ってどの店にどの遊女がいるのかが記載されているんだ。一番位の高い遊女になると、似顔絵まで載るんだぜ?」

 

 

天元は番付をヒラヒラさせながら善逸に説明をする。

 

 

「歩くの遅っ、山の中にいたらすぐ殺されるぜ」

 

 

伊之助は耳をほじくりながら花魁道中を見ていると、すぐ側の女性が伊之助を食い入るように見ていた。

 

 

「ちょいと旦那、この子ウチで引き取らせて貰うよ。いいかい?」

 

 

そして女性は手元に伊之助を引き取りたいと申し出た。

 

 

「"荻本屋"の遣手…、アタシの目に狂いはないのさ」

 

 

「荻本屋さん!?そりゃありがたい!丁度そちらに伺おうとしていた所なんですよ!」

 

 

天元は話しかけられた女性がこれから向かおうとしていた荻本屋の人間であることを知ると、渡りに船と言った感じで喜んだ。

 

 

「猪子、達者でな~」

 

 

そして猪子こと伊之助は荻本屋ひ引き取られていった。

 

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「さて、ちょいと予定が狂ったが、このまま京極屋まで行くか」

 

 

伊之助を見送った天元は予定を切り上げて京極屋まで向かおうとしていた。

 

 

「そうですね。…ん?あれは何だ?」

 

 

「どうした善子?」

 

 

天元の申し出に同意した善逸はふとあるものが目に入った。

 

 

「いえ、あの猿なんですが…」

 

 

「んん?確かに。妙な猿だな」

 

 

善逸が指を指した所を天元が見ると、そこには二足歩行で歩く猿がおり、その前を二人の男性が歩いていた。

 

 

「ちょいと気になるな…。よし、いっちょ声を掛けてみるか」

 

 

二人と一頭が気になった天元は声を掛けることにし、その人たちの所へと向かった。

 

 

「すみません」

 

 

「おや、どうされました?」

 

 

「いえ、ちょいとおたくらの後ろにいる猿が気になりましてね」

 

 

天元に声を掛けられた男性の一人が天元に応対する。

 

 

「そうでしたか。この『フォーエバー』は"類人猿"と言う種族に属してまして、総称を"オランウータン"と言うのですよ」

 

 

「"類人猿"…、"オランウータン"…ですか?」

 

 

「えぇ、我々"人"と"猿"は骨格などが似ている所があるのですが、オランウータンの骨格は人に近い形をしていましてね。それに知能も高いから、人の真似をすることも容易いのですよ」

 

 

「ウホッ!」

 

 

フォーエバーと呼ばれたオランウータンはその場でガッツポーズをする。

 

 

「申し遅れました。私はフォーエバーの飼い主の『ダニエル・J・ダービー』、隣にいるのは私の弟の『テレンス・T・ダービー』と申します」

 

 

「これはご丁寧に痛み入ります。俺は宇随天元、この子は善子と言います」

 

 

「よろしくお願いします」

 

 

天元たちは互いに自己紹介をした。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「ほぅ…、賭け事を生業に」

 

 

「えぇ、この花街から離れた大通りの道端で」

 

 

天元たちは一緒に京極屋へと向かっていた。その理由はお互いの目的地が同じ京極屋であったからだった。

 

 

「に、しても…、まさか散財するまでやる奴がいるとは…」

 

 

「困ったものですよ。その性で借金取りが私たちの所にまで来る始末でして…」

 

 

「それは…、お気の毒様です」

 

 

ダニエルたちの苦労話を聞いた善逸はダニエルたちを労った。

 

 

「ありがとうございます。ですが、私たちもただ黙っている訳ではありません」

 

 

「ここ遊郭の店に散財した人を売って労働力にしていますからね。これで遊郭の店の人は労働力を得る、借金取りは貸した金が全額戻る、私たちも追われることも無い。正に一石二鳥ならぬ"一石三鳥"って訳だよ」

 

 

ダニエルとテレンスは誇らしげに話していると、目的地である京極屋に到着した。

 

 

そしてダニエルたちと天元は互いの用事を済ませ、善逸は京極屋に引き取られた。

 

 

 

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