ジョジョの奇妙な鬼殺の冒険   作:レイファルクス

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第15話

 

 

ベンッ ベンッ ベベンッ ベンッ

 

 

「あの子三味線上手いわね…」

 

 

「耳がいいみたいよ?一回聞いただけで三味線でも琴でも弾けるらしいわ」

 

 

ここは京極屋。その中の稽古場の一角で善逸が三味線を優雅に弾いていた。

 

 

「それにしても…、すごく可愛い。女のあたしでも惚れそう…」

 

 

「それは同感。あのの指さばきなんか美しいもの…」

 

 

「アタイには分かるよ。あの子はのし上がるね」

 

 

善逸を見ていた舞妓が話していると、その人たちよりも格上の舞妓がキセルを吹かしながら現れた。

 

 

「自分を買ってくれた京極屋(ウチ)に恩返ししようと言う気持ちが音色に込められている。あの子はいい花魁になるよ」

 

 

舞妓は喉を鳴らしながら善逸を見ていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

その頃蝶屋敷では、カナエにしのぶ、アオイになほ、すみ、きよ、葵枝に花子、珠世と言った女性陣がお茶会を開いていた。

 

 

「そう言えば、炭治郎君、ここ最近見ないですね」

 

 

珠世が淹れた紅茶を飲んだしのぶが不意に炭治郎のことを口にした。

 

 

「怪我をしていなければ此処へ来る必要はありませんけど、時々は顔を見せて欲しいですね」

 

 

しのぶと同じように紅茶を飲んでいた葵枝は息子のことを心配していた。

 

 

「あら、炭治郎君ならこの前ウチに来たわよ?」

 

 

そんな二人を知ってか知らずか、カナエが炭治郎が蝶屋敷に訪れていたことを話した。

 

 

「えぇっ!?いつの間に?」

 

 

「しのぶはちょうど任務に出てたから知らなかったのよね。あれは確か4~5日前だったかしら?その日宇随さんが蝶屋敷に訪れて、『女性隊員を貸して欲しい』って言われたのだけど、ウチも女性隊員がいなかったからどうしようか迷っていた時に、炭治郎君が自ら申し出たのよ」

 

 

「それで、炭治郎君は何処に連れて行かれたのか分かるの?」

 

 

しのぶはカナエから炭治郎が"連れて行かれた"(と思っている)所を聞き出そうとする。

 

 

「ごめんなさい。私も何処に行ったのか分からないのよ…」

 

 

カナエは申し訳無さそうに言うと、しのぶは肩を落としてしまった。

 

 

「あぁ…、あの純粋無垢な炭治郎君が彼から悪い影響を受けていなければいいけど…」

 

 

しのぶは天元から悪影響を受けていないか心配になっていた。

 

 

「炭治郎が今いる所なら知ってるぞ」

 

 

するとそこに承太郎が姿を現した。

 

 

「炭治郎は今"遊郭"と呼ばれる所に潜入捜査をしているらしい。ついさっき鴉から手紙が届いた」

 

 

承太郎は鴉からの手紙を女性陣に差し出した。するとしのぶはその手紙を引ったくるように奪い、その場で読み始めた。他の女性陣も手紙の内容が気になるのか、しのぶの後ろに集まって一緒に読む。

 

 

手紙には

 

 

『炭治郎です。俺は今、善逸と伊之助と一緒に鬼がいると思われる遊郭で潜入捜査をしています。勝手な行動を取って申し訳ありませんでした。また手紙が書ける暇があれば送ります。』

 

 

と書かれていた。

 

 

「あん…の派手柱~っ!遊郭なんて、炭治郎君に悪影響しか出ない場所に連れ込んで!」

 

 

しのぶは怒りを露にして、手にしてした手紙をグシャグシャに握り潰していた。

 

 

「姉さん、私今から遊郭に行って炭治郎君を連れ戻しに行ってきます!」

 

 

しのぶは炭治郎を連れ戻しに行こうとする。

 

 

「ちょっと待ちなさいしのぶ」

 

 

だが、カナエに肩を掴まれ、しのぶはカナエの方を向く。

 

 

「姉さん、その手を退けて」

 

 

「落ち着きなさいしのぶ。あなた、炭治郎君がどの店にいるのか分かってるの?」

 

 

カナエに言われ、しのぶは動きを止める。確かに手紙には"遊郭"と書かれていたが、遊郭の"店の名前"は書かれてはいなかった。

 

 

「まずは宇随さんに炭治郎君が潜入した店の名前を聞いて、それで何か酷い目にあっていたら、助けましょう?」

 

 

カナエの言葉にしのぶは頷き、先程まで座っていた椅子に再び腰を降ろした。

 

 

「それで、遊郭に行く人を選別したいのだけど、まずしのぶと承太郎君は確定として、それじゃ…、ついて行きたい人は挙手!」

 

 

カナエは同行する人を決めようとするが、誰一人手を上げる人はいなかった。

 

 

「じゃあ、俺が行こうか?」

 

 

そこに手を上げたのは伊山砂子ことイギーだった。

 

 

「俺なら女だから店の中まで潜入できるし、炭治郎ほどじゃ無いけど鼻が効くから」

 

 

「…確かに、イギーにうってつけだな。頼めるか?」

 

 

承太郎はイギーに同行をお願いすると、イギーは頷いた。

 

 

「なら遊郭に向かうのは、しのぶに承太郎君に砂子ちゃんね。気をつけて行ってらっしゃい」

 

 

カナエの言葉に三人は頷き、アオイから切り火をしてもらい、蝶屋敷を出立した。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「ねぇ炭子ちゃん、ちょっとあの荷物を鯉夏花魁の部屋まで運んでくれない?今人手が足りなくて…」

 

 

「分かりました。今から運んできますね」

 

 

ここは炭治郎が潜入しているときと屋。その一室で洗濯物を畳んでいた炭治郎に一人の女性が手伝いを頼んでいた。

 

 

炭治郎は部屋の側に積まれていた荷物を一気に持ち上げると、そのまま鯉夏花魁の部屋に向かった。

 

 

「なんか……、力…、強くない?」

 

 

炭治郎の力強さに女性は若干引いていた。

 

 

「(えっと…、鯉夏花魁の部屋は…、ここかな?)」

 

 

炭治郎は荷物を持ったまま鯉夏花魁の部屋を探していると、部屋の中で二人の少女が内緒話をしていた。

 

 

「"京極屋"の女将さん、窓から落ちて死んじゃったんだって。怖いね、気をつけようね」

 

 

「最近は"足抜け"していなくなる姐さんも多いしね、怖いね」

 

 

「"足抜け"ってなに?」

 

 

炭治郎は足抜けの意味を知ろうと、少女たちに話しかけた。

 

 

「えーっ、炭ちゃん知らないの?」

 

 

「すごい荷物だね!」

 

 

「これ全部、鯉夏花魁への贈り物だよ」ズンッ

 

 

炭治郎は荷物を全部、部屋の片隅に置いた。

 

 

「え~っと、"足抜け"って言うのはねぇ、借金を返さずにお店から逃げることだよ」

 

 

「見つかったらひどいんだよ」

 

 

少女たちの説明に炭治郎は悲しい表情をした。

 

 

「こないだだって"須磨"花魁が…」

 

 

「!(須磨!宇随さんの奥さんの一人だ)、あの…」

 

 

少女の口から須磨の名前を聞いた炭治郎は須磨がどうなったのか聞こうとする。

 

 

「噂話はよしなさい。本当に逃げ切れたかどうかなんて…、誰にもわからないのよ」

 

 

「はぁい」

 

 

そこに鯉夏花魁が入室し、 話を遮った。

 

 

「炭ちゃん、荷物を運んでくれたんだね。こっちにおいで」

 

 

鯉夏は炭治郎を自分の方に呼び寄せると

 

 

「はいこれお礼。隠れて食べるのよ」

 

 

炭治郎にお菓子を渡した。

 

 

「わっちもお菓子欲しい!」

 

 

「花魁、花魁!」

 

 

「駄目よ。あなたたちはさっき食べたでしょ?」

 

 

少女たちが鯉夏にお菓子を催促するが、鯉夏は少女たちをさりげなく叱った。

 

 

「ねぇ、良かったらこれ、食べていいよ」

 

 

すると炭治郎は鯉夏から貰ったお菓子を半分に分けて、少女たちに渡した。

 

 

「炭ちゃん、いいの?」

 

 

「えぇ」

 

 

鯉夏は炭治郎にお菓子を渡したことを質問すると、炭治郎は頷き、少女たちは嬉しそうにお菓子を頬張っていた。

 

 

「あの、"須磨"花魁は足抜けしたんですか?」

 

 

「!、どうしてそんなことを聞くんだい?」

 

 

炭治郎は須磨のことを聞くと、逆に鯉夏に質問された。

 

 

「(警戒されてる…、須磨さんのことうまく聞かないと…)ええと…、須磨花魁は私の…、私の…、"姉"なんです」

 

 

炭治郎が鯉夏の質問に答えるが、鯉夏たちは驚愕した。

 

 

その理由は炭治郎の"顔"だった。炭治郎は正直者ゆえ、嘘をつく時は罪悪感で顔が歪んでしまうのだった。

 

 

「お姉さんに続いて炭ちゃんも遊郭に売られてきたの?」

 

 

「は…、はい。姉とはずっと手紙のやりとりをしてきましたが、足抜けするような人ではないはずで…」

 

 

 

そこまで言って、炭治郎は口を紡いだ。

 

 

「確かに私も須磨ちゃんが足抜けするとは思わなかった。しっかりした子だったもの」

 

 

「男の人にのぼせている素振りも無かったのに。だけど日記が見つかっていて…、それには足抜けするって書いてあったそうなの」

 

 

「捕まったという話も聞かないから、逃げきれてればいいんだけど…」

 

 

鯉夏は須磨のことを気にしている様子だった。

 

 

「("足抜け"…。これは鬼にとってかなり都合がいい、人がいなくなっても遊郭から逃亡したのだと思われるだけ。日記は恐らく偽装だ。どうか無事でいて欲しい…、須磨さん…、必ず助け出します…!)」

 

 

炭治郎は一人、須磨を助け出すことを心に誓った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

その日の夕方、天元は"いつもの格好"で家屋の上から軒並みを見下ろしていた。

 

 

「(今日も異常無し、やっぱり尻尾を出さねぇぜ。嫌ぁな感じはするが、鬼の気配ははっきりしねぇ。煙に巻かれているようだ)」

 

 

「(気配の隠し方の巧さ…地味さ、もしやここに巣食っている鬼、上弦の鬼か?だとすると、ド派手な"殺り合い"になるかもな)」

 

 

天元は一人、遊郭に潜む鬼のことを考察していた。

 

 

 

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