ジョジョの奇妙な鬼殺の冒険   作:レイファルクス

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第17説

 

 

「だーかーら、俺の所に鬼がいんだよ!こういう奴がいるんだってこういうのか!」グワッ

 

 

この日は定期連絡の日で、屋根の上に炭治郎と伊之助がおり、伊之助は身振り手振りで鬼がいたことを伝えていた。

 

 

「いや…、うん、それはあの…。ちょっと待ってくれ」

 

 

しかし、炭治郎には伝わらなかった。

 

 

「こうか!?これならわかるか!?」ワキッ

 

 

「そろそろ宇随さんと善逸が定期連絡に来ると思うから…」

 

 

炭治郎は天元と善逸が来るから止めさせようとするが、伊之助は止まらなかった。

 

 

「すまない、遅くなった」

 

 

そこに善逸が遅れて到着した。

 

 

「遅ぇぞ紋逸!何やってたんだ!?」

 

 

「いや、店の女の子にめっちゃ懐かれちゃって…。無理矢理振り解くのも忍びないから、霹靂一閃の応用で素早く動いたんだ。それから伊之助、俺の名前は紋逸じゃなくて善逸だ」

 

 

善逸は伊之助の誤りを訂正しながら遅れた理由を伝えた。

 

 

「そうだったんだ…」

 

 

「離れる時は心が傷んだぜ。それと、二人の会話は聞こえていたよ。実は、俺の所にも鬼がいたんだ。それも上弦」

 

 

「えっ!?」

 

 

「何っ!?」

 

 

善逸の情報に炭治郎と伊之助は驚いた。

 

 

「花魁の姿に化けて過ごしていたから、多分有名所の花魁を見つけては何らかの方法で捕らえて、人知れず喰っていたのかもしれない」

 

 

「もしそれが本当だとしたら…」

 

 

「次に狙われるのは、炭治郎の所の鯉夏花魁かもしれない。宇随さんが持っていた番付ってやつに載ってたから」

 

 

炭治郎と善逸の予想に三人は(だんま)りになってしまった。

 

 

「とにかくこのことを宇随さんに伝え「必要ない」…えっ?」

 

 

炭治郎は手に入れた情報を天元に伝えようと提案しようとした所を別の誰かに遮られた。

 

 

「お前たちの話は最初から最後まで、全部聞いていたからな」

 

 

「師範!」

 

 

炭治郎の提案を遮ったのは承太郎だった。

 

 

「炭治郎、善逸の話が本当なら、お前たちでは手に余る。だから、俺たちが手を貸す」

 

 

「本当ですか!?…んっ?俺"たち"?」

 

 

善逸は承太郎が言ったことに疑問を感じた。

 

 

「ああ。俺と宇随、それから"彼女たち"だ」

 

 

「お久しぶりです、炭治郎君」

 

 

「久しぶり、お兄ちゃん」

 

 

「しのぶさん!禰豆子!」

 

 

承太郎の後ろからしのぶと禰豆子が顔を覗かせた。

 

 

「炭治郎君、ここから先は私たちで戦います。なのであなたたちの潜入捜査はこれで終了、遊郭から早々に去ってください」

 

 

しのぶは炭治郎たちを遊郭から追い出そうとする。

 

 

「しのぶさん、俺たちは鬼を倒すまで遊郭から出ません。ですから、俺たちを戦力の一端に加えてください」

 

 

「そうですよ!俺たちだって炭治郎から少しではありますけど波紋(はもん)を教わっているんです!それに、仲間は多いに越したことはないじゃないですか!」

 

 

「俺様だって、やる時はやるぜ!」

 

 

しかし炭治郎たちは遊郭を去る気は無かった。

 

 

「胡蝶、こいつらは引く気は無さそうだ。それに善逸が言った通り戦力は少しでも多い方が良い」

 

 

「……分かりました。でも、これだけは守ってください。"絶対に無茶はしないこと"。いいですね?」

 

 

「「「はい(おう)!」」」

 

 

しのぶとの約束に三人は返事をした。

 

 

「まったく…、炭治郎君が頑固なのをすっかり忘れてました…」

 

 

「それがお兄ちゃんのカッコいい所です!」

 

 

しのぶは炭治郎が頑固なのを忘れていたことに落ち込み、禰豆子は炭治郎を見てうっとりしていた。

 

 

そして炭治郎たちは話し合いの末、お互いの店を調べた後に伊之助が潜入している荻本屋に集合することになった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「もう支度はいいから御飯を食べておいで」

 

 

その日の夕方、ときと屋の鯉夏花魁は支度を手伝ってくれていた女の子たちを食事に行かせた。すると

 

 

「鯉夏さん、不躾に申し訳ありません。俺はときと屋を出ます。お世話になった間の食事代などを、旦那さんに渡していただけませんか?」

 

 

化粧を落とし、鬼殺隊服に身を包み、市松模様の羽織、腰に日輪刀を携えた炭治郎が鯉夏花魁の前に現れ、お金が入っているであろう包みを差し出した。

 

 

「炭ちゃん…、その格好は…」

 

 

炭治郎の姿を見た鯉夏花魁は驚いていた。

 

 

「訳あって女性の姿をしていましたが、実は俺は男なんです」

 

 

「あっ、それは知ってるわ。見れば分かるし…、声も」

 

 

「……えっ?」

 

 

「男の子だってことは最初から分かってたの。何してるのかなって思ってはいたんだけど…」

 

 

「(まさかバレていたとは…)」

 

 

炭治郎のカミングアウトは既にバレていたようだ。

 

 

「事情があるのよね?須磨ちゃんを心配していたのは本当よね?」

 

 

「はい、それは本当です!嘘ではありません、信じてください!」

 

 

鯉夏の質問に炭治郎は力強く答える。

 

 

「……ありがとう、少し安心できたわ。私ね…、明日にはこの店を出て行くのよ。こんな私でも奥さんにしてくれる人がいて…、本当に幸せなの」

 

 

「そうなんですか!それは喜ばしいことですね!」

 

 

鯉夏の嫁入りに炭治郎はまるで我がことのように喜んだ。

 

 

「でも…、だからこそ残していく皆のことが心配でたまらなかった。嫌な感じのする出来事があっても、私には調べる術すらない……」

 

 

鯉夏は心苦しい表情をする。

 

 

「それは当然です。どうか気にしないで、笑顔でいてください」

 

 

そんな鯉夏を炭治郎は励ます。

 

 

「……私はあなたにもいなくなってほしくないのよ、"炭ちゃん"」

 

 

鯉夏の優しさが嬉しかった炭治郎は、鯉夏に頭を下げ、部屋を去った。

 

 

「何か忘れ物?」

 

 

それから数分後、後ろに人の気配を感じた鯉夏は振り向きながら質問をする。

 

 

「そうよ、忘れないように喰っておかなきゃ。アンタは今夜までしかいないから、ねぇ鯉夏」

 

 

炭子だと思っていた鯉夏は目の前の存在に驚いていた。その姿は肌を晒した女性で、目には左目に"上弦"、右目に"肆"の文字が刻まれていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「よし、こんなもんかな?」

 

 

一方こちらは善逸がいる京極屋。その部屋の中で善逸は女性の格好では無く、鬼殺隊服を着ていた。

 

 

「善子さん…、その格好…」

 

 

そこに以前仲良くなった女の子が覗いていた。

 

 

「ごめん、訳あって女性の格好をしていたけど、本当は男なんだ」

 

 

「そんな…」

 

 

善逸のカミングアウトに女の子は驚いていた。

 

 

「俺は京極屋を出る。今から旦那さんの所に向かうから…」

 

 

善逸は女の子の方を向かずに喋っていると、女の子は善逸の腰に抱きついた。

 

 

「お願い、行かないで!」

 

 

「……俺はこれから悪い鬼を倒さなくちゃいけないんだ。頼むから離してくれないか?」

 

 

善逸は女の子に離れるようお願いするが、女の子は善逸の背中に頭を押し付けてグリグリと横に振った。

 

 

善逸はため息を一つ吐くと、女の子の手を掴み、その手を振り解いて体を自分の前に移動させた。

 

 

「……ごめん」

 

 

トスッ

 

 

善逸は女の子の首に手刀を当て、気絶させた。

 

 

気を失った女の子を善逸は抱え、押し入れから布団を出し、その布団に女の子を寝かせた。

 

 

「今まで俺を慕ってくれてありがとう。幸せになるんだよ」

 

 

善逸は女の子の頭を優しく撫で、額にキスをすると、そのまま部屋を去った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

トントンッ

 

 

『善子です。お話があり、参りました』

 

 

「入れ」

 

 

ここは京極屋の部屋の一つ。その部屋に京極屋の旦那が亡くなった妻の着物を手に持って眺めていると、善逸が襖をノックし入室 してもいいか訪ねて来た。

 

 

スッ「失礼します」

 

 

入室を許可された善逸は襖を開け、部屋に入った。

 

 

「善子…、お前…その格好は…!」

 

 

「申し訳ありません旦那さん、俺は"鬼狩り"の善逸と言います。今まで訳あって女性の姿をしていました」

 

 

善逸は懐から紙の包みを取り出すと

 

 

「今までの食事代などをお持ちしました、どうぞお納めください」

 

 

旦那の前に差し出した。

 

 

「"鬼狩り"…だと……」

 

 

「旦那さん、教えてください。雛鶴さんと怪しい人物のことを。女将さんの仇は俺が…、いえ、"俺たち"が討ちます」

 

 

善逸の眼差しを見た旦那は目を瞑り、ため息を一つ吐く。

 

 

「雛鶴は病に掛かり"切見世"に運ばれた。そして怪しい人物は蕨姫だ。彼女は私がこの店を引き継いだ時からいる花魁で、全く歳を重ねているようには見えない。普段は日の当たらない北側の部屋に住んでいる…」

 

 

旦那は善逸に質問されたことを話す。

 

 

「頼む…!妻の…、"お三津"の仇を……」

 

 

旦那は土下座するように頭を下げ、善逸にお願いした。

 

 

「分かりました。情報、ありがとうございます。宇随さん!」

 

 

「話は地味に聞いていたぜ。善逸、お前は例の部屋に向かえ。俺は切見世の方に行く」

 

 

善逸は不意に声を大きく出すと、旦那の後ろから天元が現れ、指示を出す。

 

 

「了解しました。何かあれば"うこぎ"をそちらに向かわせます」

 

 

「……頼むぞ」

 

 

天元はそれだけ言うと、姿を消し、善逸も蕨姫の部屋に向かった。

 

 

 

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