ジョジョの奇妙な鬼殺の冒険   作:レイファルクス

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第2説《再会》

 

 

「終わったぞ」

 

 

十二鬼月、上弦の弐・童磨の死を見届けた承太郎はカナエの下へ歩いて向かった。

 

 

「私を助けてくれてありがとう。紹介するわね、私の妹のしのぶよ」

 

 

「姉を助けてくださってありがとうございます。私は胡蝶しのぶ、こちらにいる胡蝶カナエの妹です」

 

 

しのぶは承太郎に自己紹介をした。

 

 

「俺は空条承太郎、流れの科学者だ」

 

 

承太郎もしのぶに自己紹介をする。

 

 

「あの、もしよろしければ、お礼がしたいので私たちの屋敷に来てくださいませんか?」

 

 

しのぶは承太郎を屋敷に招待する。

 

 

「別にお前の姉のためにした訳じゃあ無かったが、いいぞ」

 

 

「分かりました。では案内しますので、私たちに付いて来てください」

 

 

カナエとしのぶは揃って歩き出し、承太郎は二人の後を追った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

暫く歩くと、一軒の屋敷に到着した。

 

 

「ここが私たちの屋敷、"蝶屋敷"です」

 

 

承太郎は蝶屋敷を見る。

 

 

「(俺の生家よりも大きいな…)」

 

 

承太郎の生家も十分大きい屋敷だったが、蝶屋敷はそれよりも大きかった。

 

 

「どうぞこちらに」

 

 

しのぶに促され、承太郎は屋敷に上がり、一つの部屋に通された。

 

 

「ここで暫しお待ちください。今お茶をお持ちしますので」

 

 

しのぶはそう言って部屋から退室した。

 

 

「(ここから中庭がよく見える。…蝶が沢山飛んでるな、なるほど、"蝶屋敷"とはよく言ったものだ)」

 

 

承太郎は中庭でヒラヒラ飛んでいる蝶を眺めていた。すると

 

 

「……そこにいるのは分かっている。大人しく出てきたらどうだ?」

 

 

承太郎は後ろを振り返りながら言った。そして部屋の襖の奥から、一人の少女が姿を現した。

 

 

「………」

 

 

「お前は誰だ?何で俺のことを見ていた?」

 

 

承太郎は少女に質問をするが、少女は承太郎を見ているだけで答えようとはしなかった。

 

 

「失礼します」

 

 

そこに湯呑みをお盆に乗せた女性が入室した。

 

 

「私、この屋敷でお世話になっている"神崎アオイ"と申します。以後お見知りおきを。それとお茶をお持ちしました」

 

 

アオイは自己紹介した後、湯呑みを承太郎の前に置いた。

 

 

「感謝する。聞いているとは思うが、俺は空条承太郎、流れの科学者だ」

 

 

承太郎はお茶のお礼を言い、自己紹介をした。

 

 

「しのぶ様からお聞きしました。この度はカナエ様を助けてくださり、ありがとうございます」

 

 

アオイは承太郎に向かって頭を下げた。

 

 

「別に感謝されることをした覚えは無い。それと一つ、聞きたいことがあるんだが、いいか?」

 

 

「はい、何でしょうか?」

 

 

アオイは頭を上げて承太郎の質問を聞こうとする。

 

 

「俺の後ろにいるあの少女は何者だ?さっきから俺のことをジッと見つめるだけで、こちらから質問しても何も答えないのだが」

 

 

承太郎は自分の後ろにいる少女を親指で差しながら質問をした。

 

 

「えっ?あらカナヲじゃない。ほら、そんな所にいないで、こっちに来て挨拶しなさい」

 

 

アオイは少女のことをカナヲと呼び、自分の下へ手招きする。カナヲと呼ばれた少女はアオイの下へトテトテと走り、アオイの側に座る。

 

 

「えっと…、栗花楽(つゆり)…カナヲ…、です」

 

 

カナヲは遠慮がちに自己紹介をする。

 

 

「カナヲは私同様、この屋敷で世話になっている子なんですが、以前"人売り"に出されていく所を、カナエ様としのぶ様が助けたのです。しかし、その前に酷い虐待を受けてしまっていたのか、自分では決断することが出来ず、誰かの"命令"を受けないと行動が出来なくなってしまったのです」

 

 

アオイはカナヲの過去を話した。

 

 

「"人売り"から引き取る際に名前が無いことを聞いていたお二方は、この子に"カナヲ"と名付けたのです」

 

 

「……そういうことか」

 

 

「あぁいたいた」

 

 

承太郎がアオイの説明に納得していると、カナエが入室してきた。

 

 

「もう大丈夫なのか?」

 

 

「えぇ、肺胞が一部壊死してしまって、今やってる仕事は辞めなくちゃいけないけど、日常生活を送るには支障は無いわ」

 

 

カナエは承太郎の質問に答えた。

 

 

「ところで、お前たちの仕事とは何だ?見た所、アオイと言う子と同じ服を着ているようだが」

 

 

「それに関しては私がお答えします」

 

 

カナエの後ろにいたしのぶが顔を出し、承太郎の質問に答えると言った。

 

 

「まず私たちは"鬼殺隊"と呼ばれる"政府非公認"の組織に属しています。鬼殺隊は夜な夜な現れて人を喰う鬼を滅殺していまして、今も他の地域で鬼を討伐する任務を行っている者がいます」

 

 

「私たちが着ている服は特殊な製法で編まれた布で作られていまして、"普通"の鬼の攻撃では切り裂かれることは無く、通気性も良くて着心地がいいんです」

 

 

「鬼殺隊には階級がございまして、上から(きのえ)(きのと)(ひのえ)(ひのと)(つちのえ)(つちのと)(かのえ)(かのと)(みずのえ)(みずのと)となります。そして"特殊な条件"を成し得た九名の者のみに与えられる階級が"柱"となります」

 

 

「姉さんは鬼殺隊の中でも、"柱"の階級を持っている数少ない人なんです」

 

 

しのぶが承太郎に分かりやすく丁寧に説明をすると

 

 

「納得した、教えてくれて感謝する。しかし、聞いた俺が言うのも何だが、機密事項をベラベラと部外者の俺に喋って大丈夫なのか?」

 

 

しのぶにお礼と新たな質問をした。

 

 

「実はそのことで、空条さんにお願いがございます。明日姉さんは柱が集まる"柱合会議"と言うものに参加するのですが、そこに私と空条さんを連れてくるように言われたのです」

 

 

「なので、申し訳ありませんが、明日、私と一緒に来てくださいませんでしょうか?」

 

 

しのぶは鬼殺隊の機密事項を話した理由を承太郎に伝える。

 

 

「……分かった。とりあえず赴くとしよう」

 

 

承太郎はしのぶのお願いを承諾し、茶を一口啜った。茶は少し温くなっていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

翌日、蝶屋敷の前に、しのぶと承太郎は並んで立っていた。

 

 

「空条さん、会議が行われる場所は柱、若しくは一部の者しか知らない場所で行われます。従ってその他の者は場所を悟らせないように目隠しと耳栓をしてもらう必要があります」

 

 

しのぶが承太郎に説明をしていると、男女二人の黒子の格好をした人が現れた。

 

 

「彼らは鬼殺隊の事後処理部隊"(かくし)"に所属している人たちです。会議が行われる場所までは彼らが運んでくれますよ」

 

 

しのぶは女性の隠隊員の前に移動すると、自ら目隠し用の布を巻き、耳栓をした。そして女性の隠隊員は、しのぶをおんぶしたのだった。

 

 

承太郎もしのぶの真似をして目隠し、耳栓をする。そしていざ男性の隠隊員が承太郎を背負った所で問題が発生した。

 

 

承太郎は同年代の人に比べて高身長であり、筋肉も発達しているため、体重も重いのである。

 

 

即ち、男性の隠隊員が承太郎を背負った瞬間、その重さに驚いて動けなくなってしまったのだ。しかし、彼の男としてのプライドがそうさせたのか、少しずつではあるが、前に進み始めたのだ。

 

 

こうして、しのぶと承太郎は亀が歩くような速度で、会議が開かれる場所へと向かった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

やっとの思いで何とか無事に到着した二人は、目隠しと耳栓を取り、会議が開かれる中庭へと向かった。因みに承太郎を背負った隊員は疲労困憊でぐったりしていた。

 

 

「あ、やっと来たわね」

 

 

「姉さんごめんなさい。承太郎さんが予想以上に重かったらしくて…」

 

 

しのぶは遅れた理由を伝えていた。

 

 

「胡蝶よ、そちらが件の恩人か?」

 

 

そこに炎を模したマント状の羽織を着た男性『炎柱・煉獄杏寿郎』が近づいてきた。

 

 

「ほぉ…?随分と派手な格好じゃねえか。ま、俺よりは地味だがな」

 

 

杏寿郎の後ろから宝石を散りばめたターバンを頭に巻いた男性『音柱・宇随天元』が承太郎の服装を褒める。

 

 

「南無…。胡蝶を助けてくれたことは、感謝する…」

 

 

更に柱の中でも一番高身長の『岩柱・悲鳴嶼行冥』が数珠をジャリジャリ鳴らしながら承太郎に感謝の言葉を送った。

 

 

「に、しても俄には信じられないぜェ。見た感じ、"全集中の呼吸"を使えるみてぇじゃねぇなァ」

 

 

承太郎をしげしげと見ていた上半身に傷痕が複数ある『風柱・不死川実弥』が疑問を言っていた。

 

 

「それは私も疑問に思っていました。あの時、鬼の後ろに障子が現れたと思ったら、いきなり鬼の体が障子の上を飛び越えたのですから」

 

 

カナエも実弥が疑問に思っていたことを口にした。

 

 

「「お館様のお成りです」」

 

 

「やぁみんな、おはよう。今日もいい天気だね。空は青いのかな?」

 

 

そこに一人の男性が現れた。その男性は承太郎より若干年上で、顔の鼻から上がまるで火傷の跡のように爛れていた。

 

 

「空条さん、私の横に並んで平伏してください」

 

 

カナエに声を掛けられた承太郎は横を見ると、いつの間に並んでいたのか、柱一同が横一列に並んで平伏していた。そして承太郎もカナエたちの真似をして平伏をした。

 

 

「お館様に置かれましても御壮健でなによりです!益々の御多幸を切にお祈り申し上げます!」

 

 

「ありがとう杏寿郎。さて、みんな聞いているとは思うが、カナエが十二鬼月、それも上弦の鬼と遭遇した。けれど負傷してしまったが、"とある人"に助けられたんだよ。そうだよね?カナエ」

 

 

お館様への挨拶を杏寿郎がし、お館様が礼を言う。そしてカナエに事の詳細を確認した。

 

 

「御意、私の隣にいるのが、命の恩人である空条承太郎君です。空条君、お館様にご挨拶を」

 

 

カナエに促された承太郎は立ち上がり、お館様の前に移動する。

 

 

「俺が空条承太郎だ。流れの科学者をしている」

 

 

承太郎はぶっきらぼうに自己紹介をする。

 

 

「お前、お館様に何て態度を!」

 

 

「勘違いすんじゃねぇ。俺は鬼殺隊とやらに入った覚えは無い。だからいくら年上でも、誰だか知らねぇ人に下げる頭なんか持っちゃいねぇよ」

 

 

天元が承太郎の態度を指摘するが、承太郎に論破されてしまった。

 

 

「確かに彼の言うとおりだね。自己紹介をしよう、私は『九十七代目産屋敷家当主』であり、鬼殺隊の棟梁の産屋敷耀哉だよ。空条承太郎君、よろしくお願いするね」

 

 

「これは失礼した。改めて、空条承太郎です。先程も言いましたが、流れの科学者をしております」

 

 

お館様こと耀哉が自己紹介をすると、承太郎は平伏して改めて敬語を用いて自己紹介をした。

 

 

「ありがとう。君がカナエを助けてくれなかったら、カナエは今、ここにはいなかっただろう。私の剣士(こども)を助けてくれて、本当にありがとう」

 

 

耀哉は改めて承太郎にお礼を言った。

 

 

「幾つか質問をします。なぜ剣士のことを子供と呼ぶのでしょうか?そして俺をここに呼んだ理由とは?」

 

 

「私は入隊した剣士を自分の子供のように思っているからね。だから剣士のことを子供と呼んでいるんだよ。それと、君を呼んだ理由は、君に鬼殺隊に入ってほしいからなんだ」

 

 

承太郎は耀哉に質問をし、耀哉はそれに律儀に答えた。

 

 

「一つ目の質問には納得しましたが、二つ目の答えには納得しかねます。なぜ俺を勧誘するのですか?」

 

 

「君は柱三人分の力を持つ十二鬼月の上弦を、たった一人で倒したからね。君には是非とも入隊してほしいから…じゃ、駄目かい?」

 

 

「申し訳ありませんが、入隊の話はお断りさせていただきます」

 

 

承太郎は耀哉からの勧誘を蹴った。それを聞いた柱全員は驚いていた。

 

 

「どうしてか…、理由を聞いても?」

 

 

耀哉は目を細めて勧誘を断った理由を聞く。

 

 

「俺に何の得も無いからです。金品に関しては盗賊等を捕まえた際に出る褒賞金で事足りると思いましたので…。それに俺は元々縛られるのが好きではありませんので」

 

 

承太郎は理由を淡々と述べる。

 

 

「そうかい…、残念だね。でも、せめて"この子"だけは受け取ってほしい」

 

 

耀哉が手を二回叩くと、空から鴉が舞い降りて来た。

 

 

「その子は鎹鴉と言って、私たち鬼殺隊の連絡要員なんだ。知能も高くて人の言葉も喋ることができるんだ」

 

 

耀哉の説明を他所に、承太郎は鴉を見る。すると鴉はニヤリと笑ったと思った瞬間、翼を大きく広げ、そこから炎が吹き出た。

 

 

「チィッ、《星の白金(スタープラチナ)》!」

 

 

《オラァ!》

 

 

承太郎は後ろに飛んで炎を回避し、自身の幽波紋(スタンド)を出す。

 

 

「(あの鴉、只者じゃねぇ!翼を広げた時、チラリと見えた!鴉の後ろに"炎を出す何か"を!)」

 

 

鴉は再び翼を大きく広げ、炎を出す。そして承太郎は炎を出す何かの正体を見破った。

 

 

「(今はっきりと見えた!しかしあり得ない!あれは…、あの幽波紋は…!)《星の白金》!」

 

 

承太郎が見たもの…、それは鳥の頭で赤色の羽毛、上半身裸で下半身は頭と同じ羽毛を生やした異形の人間だった。承太郎は自分の幽波紋の名を叫び、《星の白金》はパンチを繰り出す。それと同時に異形の人間も炎を纏ったパンチを繰り出す。

 

 

互いの腕が交差し、クロスカウンターの形となった時、互いの顔スレスレの所で、拳が止まった。

 

 

「フッ、腕は落ちてはいないようだな。承太郎」

 

 

異形の人間が先に構えを解く。そして鴉の中に消えたと同時に鴉が喋った。

 

 

「その口調…、その声…、その幽波紋…!間違いない、アヴドゥル、モハメド・アヴドゥルなのか!?」

 

 

承太郎は震えながら鴉に質問すると、その場で滞空していた鴉は地面に降り立ち

 

 

「チッチッチッ、Yes,I,am!」

 

 

舌打ちを三回しながら左の翼を目の前で左右に振り、その後左の翼を頭上に上げ、そのまま下へ振り下ろした。

 

 

「アヴドゥル、ポルナレフから聞いた。ヴァニラ・アイスとか言う奴に殺されたと。そしてイギーも…」

 

 

「確かに私は敵の幽波紋によって殺された。そしてイギーと共に空の彼方へと向かった。しかし、気がついた時には私はこの姿となっていたのだ。しかも私の幽波紋でもある《魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)》をも使える状態でな」

 

 

「そうだったのか…。けれど、また会えて嬉しいぜアヴドゥル」

 

 

承太郎は(アヴドゥル)を抱き上げた。

 

 

「産屋敷殿、先程の鬼殺隊への入隊を断った件、撤回させていただく。俺は鬼殺隊への入隊を希望する」

 

 

「…どうしてだい?先程はあんなに渋っていたのに」

 

 

耀哉は承太郎の心変わりに疑問を抱いていた。

 

 

「理由は至極簡単だ。鬼殺隊に入隊すれば、かつての仲間に会えるかも知れない。それだけだ」

 

 

「……まぁ、何はともあれ、君が鬼殺隊に入隊してくれるのはとても喜ばしいことだよ。けど、先ずは最終選別に合格しないといけないね」

 

 

「お館様、今年の最終選別はもう…」

 

 

入隊理由について少々納得がいっていなかった耀哉ではあった。そして承太郎の入隊に関して、カナエが口を挟んだ。

 

 

「もちろん、来年の最終選別に出てもらう。それでいいかい?」

 

 

「分かった」

 

 

承太郎もそれに納得し、承諾をした。

 

 

「それじゃ承太郎のことはこれで終わりだね。次はしのぶのことだけど、カナエが柱を引退するに当たって、彼女からの推薦でしのぶを柱に任命するけど、異議がある子はいるかい?」

 

 

耀哉の質問に柱は誰も口を閉ざしていた。

 

 

「無いみたいだから、しのぶを柱に任命するよ。しのぶ、今日から君を"蟲柱"に任命する」

 

 

「御意。今後より一層、悪鬼滅殺を胸に戦います」

 

 

カナエは柱を引退し、しのぶは蟲柱を襲名した。その間、承太郎は柱たちの後ろに移動しており、彼の肩にはアヴドゥルが乗っていた。

 

 

 

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