承太郎の柱稽古が始まってから1ヶ月が経過した頃、しのぶの柱稽古を終えた隊員たちが続々と波紋の習得のために集まりだした。
「師範、向こうの指導は終わりました」
「そうか、感謝する。……"炭治郎"」
そこには何故か炭治郎の姿があった。その理由は
「一人で稽古に出てもつまらないから」
だった。
「炭治郎、我妻たちの稽古ももうじき終わる。終わったら一緒に宇随の下へ向かうといい。こっちは俺とジジィの二人で大丈夫だ」
「はい!」
…
……
………
「よぉよぉ、久しいな!遊郭の任務以来だな!」
「「「「宇随さん(音柱様)、よろしくお願いします!」」」」
「よろしくな、祭りの神」
炭治郎が承太郎から次の柱の下へ行く許可をもらってから数日後、炭治郎たち"五感組"は天元の下を訪れていた。
因みに伊之助が天元のことを"祭りの神"と呼んでいるのは、遊郭潜入任務の途中、藤の花の家紋の家で自己紹介している時に、天元が自分でそう言っていたからである。
「そんじゃ俺様こと音柱・宇随天元様の稽古を開始する。内容は体力向上、まず走り込み、それから腕立て伏せなどを行ってもらう。いいな?」
「「「「「はい(おう)!」」」」」
「それと、波紋を使ってズルしようとしたら、もう一組やらせるからな?それじゃ、走って来な!」
天元の掛け声を合図に炭治郎たちは一斉に走り出した。
…
……
………
それから約2時間後…
「ハァ…、ハァ…、ハァ…」
「伊之助、やり過ぎ」
「もうちょっと体力配分考えようよ」
炭治郎、善逸、玄弥、カナヲは山を10回も走って往復しているにも関わらず、疲れを感じていないかのように立っていたが、伊之助は炭治郎たちと同じ回数を全力でやっていた性で、疲れ果てていた。
「コラ猪頭、誰が全力でやれって言った?最初は自分が無理しない程度でやれよ、それから徐々に負荷を掛けていけばいいんだよ」
天元も呆れた様子で伊之助にアドバイスを送る。
「とりあえずお前ら、飯を用意したから暫く休憩だ」
天元が竹刀で差した所を見ると、天元の妻である須磨、まきを、雛鶴の三人が飯を作っている所だった。
「あんたたち、もうすぐ飯ができるから、そこの桶で手を洗って来な」
まきをが指を差した所には、水が入った桶が置かれていた。
「「「「分かりました」」」」
炭治郎たちはまきをに言われた通り、桶の水で手を洗い、飯を食べた。
因みに飯はおにぎりと卵焼きで、おにぎりの具は梅干しだった。
…
……
………
炭治郎たちが天元の下を訪れてから約10日経過した頃、炭治郎たちは天元が課した稽古を順調にこなし、メニューを全て終えてもへばらない位にまで体力が向上していた。
そして炭治郎たち"五感組"は天元に呼ばれ集合していた。
「お前らは俺が課した稽古を全てやり遂げた。次の柱、霞柱の所へ行っていいぞ」
天元は炭治郎たちに次の柱の下へ行く許可を出したのだった。そして炭治郎たちは天元の下を去り、次の柱である有一郎がいる"霞屋敷"に向かうのだった。
…
……
………
「ようこそ霞屋敷へ。僕は霞柱の時透有一郎、隣にいるのは柱補佐で僕の弟の無一郎だ」
「初めまして、時透無一郎です」
炭治郎たちが霞屋敷に到着すると、門前に有一郎と無一郎が待っており、会うなり自己紹介をしてきた。
「初めまして、波紋柱、空条承太郎の継子の竈門炭治郎です」
「蟲柱、胡蝶しのぶの継子の栗花落カナヲです」
「風柱、不死川実弥の弟、不死川玄弥です」
「我妻善逸です」
「俺様は山の王、嘴平伊之助様だ!」
炭治郎たちは各々の自己紹介をする。
「皆、よろしく。早速だけど、僕からの稽古の内容を教えるよ。霞柱の稽古は"高速移動訓練"、筋肉の弛緩と緊張を滑らかにすることで、持久力を上げること。これが出来れば次の柱に行けるよ」
有一郎は分かりやすく、かつ丁寧に訓練内容を教える。
「内容は以上だよ。分からなかったことがあれば、休憩時間にでも聞いてね?それじゃ道場まで案内するよ、道場に着いたらまず柔軟をして体を
有一郎は炭治郎たちを道場に案内する道すがら、注意事項を述べていた。そして道場に到着すると、有一郎と無一郎が手本をしながらストレッチをした。
…
……
………
炭治郎たちが霞屋敷を訪れてから一週間が経過した頃、炭治郎たちは有一郎が言っていた"筋肉の弛緩と緊張"がスムーズに行えるようになっていた。
「筋肉の弛緩と緊張、並びに足腰の動きも滑らかになったね。僕たちの稽古は合格だよ、次の柱である甘露寺さんの所へ行っていいよ」
炭治郎たちは有一郎から合格を受け取り、霞屋敷を後にした。
因みに炭治郎たちが去った翌日から他の隊員たちが稽古を受けるが、炭治郎たちとの対応の落差が激しく、事あるごとに炭治郎たちと比べられていた。
…
……
………
「みんないらっしゃい!ようこそ我が家へ!」
「恋柱様、お久しぶりです」
「きゃ~、カナヲちゃん久しぶり!」ダキッ
蜜璃はカナヲを見つけると同時に抱きつき、頬擦りをする。
「恋柱様…、ちょっと、恥ずかしい…です」
「あわわっ、ごめんねカナヲちゃん!」
カナヲは恥ずかしさの余り、蜜璃にもの申したら、蜜璃は謝りながらカナヲから離れた。
「善逸、今日は穏やかだな…」
「だって、甘露寺さんは蛇柱様と恋仲だろ?卑猥な視線を出してみろよ?ネチネチとしつこく追い回されるぞ」
「「たっ、確かに…」」
善逸が終始穏やかだったのを見た炭治郎が善逸に質問をすると、至極真っ当な回答が帰ってきたので、玄弥と共に納得していた。
「それじゃ道場に案内するね!」
蜜璃を先頭に炭治郎たちは道場に向かった。
…
……
………
炭治郎たちは道場に着いた途端に蜜璃から服を渡され、それに着替えた。
蜜璃が渡したのは"レオタード"であり、炭治郎たち男性陣が着ると違和感有りまくりだった。
カナヲも蜜璃からレオタードを渡され、それに着替えると、胸や腰、尻のラインがくっきりと現れ、女性的なプロポーションが見て取れた。
「カナヲ…、凄く綺麗だ…」
「炭治郎…、あまり見ないで…。恥ずかしい…」
炭治郎はカナヲに見惚れ、本音を口にしてしまい、カナヲは恥ずかしさの余り、自分の体を抱き締めていた。その性で豊満な胸が押し潰され、より一層卑猥に見えてしまった。
「………」
「炭治郎…?炭治郎、炭じ…、!?ヤバい!炭治郎が鼻血を出しながら気絶している!」
炭治郎はカナヲの卑猥な姿を見て、鼻血を出しながら気絶してしまい、善逸が焦った様子で炭治郎の現状を語った。
…
……
………
「はい、それじゃ稽古を始めます!」
正気に戻った炭治郎を含めたメンバーは遂に蜜璃の稽古を開始することになった。
「まずは私がこの太鼓を鳴らすから、みんなは音に合わせて踊ってね!」
蜜璃は太鼓とバチを何処からか取り出し、テンポ良く叩き始めた。そして炭治郎たちもまた、太鼓の音に合わせて踊りだした。
因みに太鼓のリズムが偶然なのか"ヒノカミ神楽"と同じだったので、炭治郎はヒノカミ神楽を舞っていた。
「はい、次は柔軟を行います!」
踊り終わった炭治郎たちに蜜璃は次のステップへと進んだ。
「まずはカナヲちゃん、そこに足を開いて座ってみて」
カナヲは蜜璃に言われた通りに座る。すると蜜璃がカナヲと向かい合う形で座り、カナヲの足を自分の足で"広げ始めた"。
「あらカナヲちゃん、結構柔らかいのね」
蜜璃はカナヲの体の柔らかさに驚いていた。それもそのはず、カナヲが使う"花の呼吸"は高い身体能力が必要であり、必然的に体も柔らかくなければならなかったのだ。
「カナヲちゃんは合格、次は伊之助君、いってみようか」
蜜璃はカナヲに合格を出し、次に伊之助を指名した。そしてカナヲ同様に柔軟をするが、伊之助は蜜璃の予想を良い意味で裏切った。
伊之助はカナヲ以上に開脚をしてみせたのだ。
「伊之助は俺たちの中では一番体が柔らかいんです」
「一回、足を地面に着けたまま、海老反りして股から顔を覗かせたこともあったな」
伊之助の柔らかさを炭治郎と善逸が説明すると
「うん、伊之助君も合格!」
あっさり合格を貰った。
そして残る炭治郎、善逸、玄弥の三人は、蜜璃の力業に耐えきれず、撃沈するのだった。