ジョジョの奇妙な鬼殺の冒険   作:レイファルクス

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第3説《集結》

 

 

柱合会議が終わり、柱はそれぞれの屋敷へと帰った。そして承太郎は蝶屋敷で世話になることになり、カナエとしのぶの胡蝶姉妹と一緒に帰宅していた。

 

 

なぜ承太郎は隠におんぶされていないのか?その理由は隠の隊員たちがこぞって承太郎を背負うのを"拒否"したからだった。

 

 

前話にも書いた通り、承太郎は同年代の人に比べると、高身長・筋肉隆々で体重もあるので、隠の隊員一人では運ぶことができないのだった。(一番の理由は承太郎をおんぶした隊員の状態を見ていたからだった)

 

 

そこで仕方なく承太郎は胡蝶姉妹と一緒に歩いて帰ることとなったのだった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

それから約1年、承太郎は最終選別に合格するために、修行や勉学に勤しんだ。

 

 

勉学…、即ち知識に関しては元々成績優秀だったこともあるが、講師がしのぶだったこともあり、すんなりと覚えることが出来た。

 

 

そして修行…、即ち運動に関しては一つ"以外"は問題は無かった。

 

 

たった一つの問題…、それは"全集中の呼吸"だった。

 

 

承太郎はどの呼吸を習得すれば良いのか分からず、一先ず刀を握らせ、その"色"で呼吸を習得させようとしていた。しかし承太郎が刀を握っても、刀の色は"変わらなかった"。

 

 

承太郎は全集中の呼吸の"適正が無い"のだった。

 

 

呼吸の適正が無いことが分かった承太郎は、一先ず体力を向上させるために屋敷の周りを走ることにした。

 

 

まずは屋敷の外周を全力疾走で五周、それから腕立て伏せ等の筋トレを行った。それを一日、二日、一週間、二週間、一ヶ月、二ヶ月と少しずつこなす量を増やしていった。

 

 

時々ではあるが、承太郎は炎屋敷に訪れる時があった。その理由は杏寿郎に剣の教えを乞うためだった。

 

 

杏寿郎はまず父の槙寿郎、母の瑠火、弟の千寿郎、継子である甘露寺蜜璃を紹介し、剣の振り方などを教えた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

承太郎が修行を始めてから約半年、最終選別が近くなった頃、蝶屋敷の道場で承太郎は木刀を手にしのぶと対峙していた。

 

 

「空条さん、これまでの修行の成果、見せてくださいね」

 

 

「あぁ」

 

 

承太郎としのぶは互いに木刀を構える。

 

 

「…行きます!『蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ』!」

 

 

先に動いたのはしのぶだった。しのぶは承太郎に突き技を繰り出すが、承太郎は後ろに飛んでしのぶの突きを回避した。

 

 

そして承太郎は後ろに飛んだ反動を利用してしのぶに接近し、しのぶに突き技をお見舞いしようとするが、しのぶはそれを横に回避した。

 

 

一進一退の攻防が続く中、勝敗は決した。しのぶが回避した隙を突いた承太郎が、続け様に木刀を振り、しのぶを転倒させたのだ。そして承太郎はしのぶが転倒した隙を突いて彼女の首に木刀を突き付けた。

 

 

「…参りました、降参です」

 

 

しのぶは木刀を手放し、両手を上げた。承太郎はしのぶから木刀を離し、手を差し出した。その手をしのぶが掴むと、承太郎は掴んだ手を引き、しのぶを起き上がらせた。

 

 

「ギリギリだったな承太郎」

 

 

「全集中の呼吸が使えないからな。使えないなら使えないなりの戦い方を模索するだけさ」

 

 

道場の窓の縁にいたアヴドゥルが試合の感想を言った。承太郎もそれを受け入れていた。

 

 

「これなら半月後の最終選別も大丈夫ですね。私は任務でお見送りはできませんが、御武運をお祈り申し上げます」

 

 

しのぶはにっこりと笑った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

しのぶとの試合から半月後、承太郎はしのぶを除く蝶屋敷のメンバーに見送られ、アヴドゥルの案内の下、最終選別が行われる『藤襲山(ふじかさねやま)』に到着した。

 

 

「珍しいな…。花が咲く季節でも無いのに、藤の花がこんなにも咲いているなんて…」

 

 

承太郎は藤の花に見惚れていた。

 

 

「承太郎、花を愛でるのは構わんが、早く行かないと遅れるぞ?」

 

 

承太郎はアヴドゥルに指摘され、山にある階段を急ぎ足で登った。

 

 

そして階段の先、山の中腹に到着すると、そこは広場のようになっており、そこに最終選別を受けるために集まった人がざっと二十人近くいた。

 

 

「お時間となりました。皆さん、今宵は最終選別にお集まりいただき、ありがとうございます」

 

 

すると目の前にいた二人の少女の一人が声を上げた。どうやら最終選別についての説明をするようだ。

 

 

「この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込められており、外に出ることはできません」

 

 

「山の麓から中腹にかけて鬼共の嫌う藤の花が一年中狂い咲いているからでございます」

 

 

「しかしここから先には藤の花は咲いておりませんから鬼共がおります」

 

 

「この中で七日間生き抜く。それが最終選別の合格条件です」

 

 

「「では、行ってらっしゃいませ」」

 

 

少女たちが頭を下げると同時に、承太郎たちは山の上へと入っていった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

承太郎が山に入ってから三日、その間、承太郎は十体以上の鬼を倒していた。

 

 

幽波紋(スタンド)を使わずに鬼を倒すとは、お見逸れしたな」

 

 

「悠長なことを言ってる場合じゃねぇぞアヴドゥル。幽波紋を使わなければ勝てない奴だっているんだ、この程度で音を上げていては何れ此方が殺される」

 

 

「それもそうだな。…ん?」

 

 

承太郎と話していたアヴドゥルは何かの気配を感じ取った。

 

 

「どうした、アヴドゥル?」

 

 

「何者かがこちらに近づいてくる…」

 

 

アヴドゥルがそう言った瞬間、目の前の草壁が揺れ、そこから一人の少女が姿を見せた。

 

 

少女の見た目は年齢が14~15、髪型はウェーブがかかったショートヘアで、黒い頭髪の所々が白くなっていた。

 

 

「あんたたち、早く逃げな!鬼が迫っているんだ!」

 

 

少女は口早に警告する。が、時既に遅し。少女の後を追っていた鬼(その数五体)が姿を見せた。

 

 

「チィッ、あまり使いたくは無かったが、今はそんなこと言ってる場合じゃねぇ!《星の白金(スタープラチナ)》!」

 

 

《オラァ!》

 

 

承太郎は自身の幽波紋である《星の白金》を呼び出し、鬼を蹴散らした。

 

 

「大丈夫だったか?」

 

 

承太郎は少女と目線を合わせ、怪我が無いか確認する。少女は立ったまま頭を下げて俯き、わなわなと震えていた。

 

 

「じょう…たろ……う、承太…郎、承太郎!」

 

 

頭を上げた少女は涙目となっていて、承太郎にしがみついた。だが承太郎は困惑していた。その理由は『何故自分の名を知っている』のかだった。

 

 

自分は愚か、アヴドゥルにさえ"承太郎"の名を言ってはいなかった。けれど目の前の少女は自己紹介をする前に自分の名を言ったのだった。

 

 

「やっと…、やっと会えた…。"ご主人様"…」

 

 

少女が言った"ご主人様"のフレーズに、承太郎とアヴドゥルの空気が一瞬凍った。

 

 

「承太郎…、そんな趣味が…」

 

 

「待てアヴドゥル!誤解だ!俺はこの少女とは初対面だ!」

 

 

承太郎は誤解を解こうとするが、アヴドゥルは承太郎が近づいた分だけ遠ざかった。

 

 

「酷いよご主人様。俺と"あんなこと"や"こんなこと"をしたって言うのに…、忘れちゃったの?」

 

 

そこに少女が追い討ちを掛けるように涙目+上目遣いで言った。

 

 

「承太郎…、君と言う男は…」

 

 

「待てアヴドゥル!誤解だと言ってるだろう!君もややこしくなることを言わないでくれ!」

 

 

承太郎は未だしがみついている少女に注意をする。

 

 

「え~っ?忘れたとは言わせないよ?エジプトの砂漠でDIOの刺客に近づくために俺を利用したり、俺をぶん投げて囮にしたり…」

 

 

少女がエジプトでの出来事を言った瞬間、承太郎の警戒心が上がった。

 

 

「ちょっと待て、俺はお前とは初対面のはずだ。なのになぜその事を知っている?それを知っているのは今は俺だけのはずだ。お前は一体、何者だ?」

 

 

承太郎に質問された少女は、承太郎から体を離すと

 

 

「これだけヒントを言っても気づかないなんて…、ちょっと落ち込んじゃうなぁ…。じゃあ"コレ"を見れば、分かるよね?」

 

 

少女は地面に手を付けると、その地面、正確には地面にある"砂"が動き出した。そしてある形を取った。

 

 

その形は、まるで"機械の犬"のような形だった。だが、前脚は犬の脚だが、後脚はタイヤになっていた。

 

 

「それは…!」

 

 

「そう、俺の幽波紋。《愚者(ザ・フール)》だよ。これで思い出してくれた?」

 

 

少女は幽波紋を解除してにっこりと笑う。

 

 

「あぁ…、今はっきりと思い出したぜ。お前は…、"イギー"だな!」

 

 

「そう!俺はエジプトから仲間に加わった犬のイギーだよ!」

 

 

承太郎は少女の正体を見破り、少女ことイギーは再び承太郎に抱き付いた。

 

 

「まさかお前"も"この世界で生まれ変わっていたとはな…」

 

 

承太郎は抱き付いたイギーの頭を撫でた。

 

 

「えへへ…。今は『伊山砂子(いやまさこ)』って名前なんだ。…って"お前も"?」

 

 

イギーは自己紹介をした後、承太郎の言葉に疑問を持った。

 

 

「あぁ、生まれ変わったのはイギーだけじゃ無いんだ。あそこにいる鴉、アイツはアヴドゥルだ」

 

 

「えぇ~、嘘!?」

 

 

承太郎がアヴドゥルを指差すと、イギーはびっくりした。

 

 

「嘘では無い!見よ、我が幽波紋を!《魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)》!」

 

 

アヴドゥルは自分の正体を教えるために幽波紋を出す。

 

 

「うわぁ~、確かにアヴドゥルの《魔術師の赤》だ!それじゃ、本当にアヴドゥルなんだ!」

 

 

「チッチッチッ、Yes,I,Am!」

 

 

アヴドゥルは承太郎と再会した時にした動作と台詞を言った。

 

 

するとイギーが来た方向とは違う方向からこちらに近づく人の気配を承太郎は感じ取った。

 

 

「おいこんな所で火を点ける奴なんかいるのか?鬼に見つけてくれって言ってるようなもんだぜ?」

 

 

「だけど僕は確かにこっちから火の灯りが見えたんだ!」

 

 

現れたのは、銀色の頭髪を上に真っ直ぐ立てた風変わりな髪型に割れたハートのピアス、ノースリーブの黒シャツに銀色のズボンを履いた男性と、緑色の学ランを着た(しし)色の頭髪をリーゼント風にした髪型の青年だった。

 

 

「おっ?丁度いいや。ちょいとそこのお二人さん、ちょっと聞きたいことがあるんだが、いいかい?」

 

 

「さっき、この辺りで火を点けていた人はいなかったでしょうか?」

 

 

男性と青年はそれぞれ質問をする。

 

 

「……さあな」

 

 

「俺も知らない」

 

 

承太郎とイギーは口裏を合わせたかのように白を切る。

 

 

「まぁそんなこと言わずに、教えてくれよ」

 

 

男性はしつこく聞く。すると痺れを切らせたイギーが男性に襲い掛かった。

 

 

「うわぁ!?何しやがるこの(アマ)!」

 

 

イギーは男性の頭髪を囓り、更に

 

 

プゥ~

 

 

おならを顔面に浴びせた。

 

 

「こ…、この女…!俺様のイケてる髪型を無茶苦茶にした挙げ句、屁まで浴びせやがっ…て……」

 

 

怒り心頭だった男性は髪型を直しながらイギーの行動を叱ろうとしていたが、急に静かになった。

 

 

「俺の髪を無茶苦茶に…。顔面に屁…。お前、まさかイギーか!?」

 

 

「イギーだって!?この少女がか!?」

 

 

男性はイギーの正体に気づき、青年は男性が言ったことに驚いていた。

 

 

「へぇ~、まさかあの行動で分かるなんて、流石だね。"ジャン=ピエール・ポルナレフ"」

 

 

「やっぱり!イギー、久しぶりだな!人間に生まれ変わるなんて驚きだぜ!なぁ"花京院(かきょういん)"?」

 

 

「花京院?"花京院典明(のりあき)"か!?」

 

 

「そう言う君は、空条承太郎!」

 

 

「私もいるぞポルナレフ、花京院!見よ私の幽波紋を!《魔術師の赤》!」

 

 

「「その幽波紋はアヴドゥル(さん)!?」」

 

 

承太郎たちは互いがかつて苦楽を共に過ごし、そして戦った仲間であることに驚いた。

 

 

「アヴドゥル!」

 

 

「相変わらず泣き虫だな、ポルナレフ」

 

 

アヴドゥルの姿を見たポルナレフは目に涙を浮かべていた。

 

 

「お?丁度いい所に獲物がいるじゃねぇか!」

 

 

しかし喜びの空気を壊すように鬼が現れた。

 

 

「テメェ…、俺たちの再会を、邪魔すんじゃねぇ!《銀の戦車(シルバーチャリオッツ)》!」

 

 

再会を邪魔されたことに怒ったポルナレフは、自身の幽波紋である《銀の戦車》を出した。

 

 

「加勢するぞポルナレフ!《法皇の緑(ハイエロファントグリーン)》!」

 

 

花京院もまた、自身の幽波紋である《法皇の緑》を出す。

 

 

「《星の白金》!」

 

 

「《魔術師の赤》!」

 

 

「《愚者》!」

 

 

承太郎たちもまた、自身の幽波紋を出す。その時、この鬼の未来は決した。

 

 

「喰らえ!《エメラルド・スプラッシュ》!」

 

 

「《クロスファイヤー・ハリケーン》!」

 

 

《オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オ~ラァ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ…オラァ!》

 

 

鬼は声を出すことも無く、五人(内一羽)の幽波紋の攻撃を受け、原型が何だったのか分からなくなる位の肉塊になってしまった。

 

 

「止めは任せて!『全集中 砂の呼吸 参ノ型 砂の斬撃(サンド・スラッシュ)』!」

 

 

止めはイギーが全集中の呼吸を使い、頚を斬って消滅させた。

 

 

「まったく、少しは空気を読んでほしいもんだな」

 

 

「同意だな。ところで提案なんだが…」

 

 

「皆まで言わなくても分かる。最後までこのメンバーで一緒に行動しよう」

 

 

「流石アヴドゥル!話が分かる!」

 

 

「そうと決まれば、早くここから移動するとしよう」

 

 

承太郎たちは残りの四日を一緒に過ごすことになった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

最終選別が始まってから八日後の朝。最終選別が終了し、承太郎たちは山の中腹まで降りた。しかし目の前に現れた光景は、承太郎たち以外"誰もいなかった"。

 

 

「お帰りなさいませ」

 

 

「最終選別、ご苦労様でした」

 

 

初日に出会った少女二人が、承太郎たちを労った。

 

 

「今年の合格者は貴方方のみです」

 

 

「まず体の採寸をいたします。その後あちらにございます"玉鋼"を選んでいただきます」

 

 

「ご自身が振るう鬼殺の刀、それを作る鋼は皆様が選ぶのです」

 

 

「それから皆様にこちらを」パンパンッ

 

 

少女の一人が手を叩くと、空から鴉が降り立った。

 

 

「こちらは"鎹鴉"と申しまして、主に連絡要員でございます」

 

 

「空条様は既に鴉をお持ちなので、ご用意は致しませんでした」

 

 

「最後に皆様に階級を授けます。階級は甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸でございます」

 

 

「皆様は一番下の癸でございます」

 

 

少女二人の説明が終わると、体の採寸、そして玉鋼の選択、最後に階級の授与を行い、最終選別は全て終了となった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「いや~、漸く終わったぜ」

 

 

ポルナレフは階段を降りながら背伸びをしていた。

 

 

「承太郎、君はどうする?もし君さえ良ければ僕たちがお世話になっている所に案内するが?」

 

 

花京院は承太郎にこれからどうするのか尋ねる。

 

 

「俺は今世話になっている屋敷に戻る。お前たちさえ良ければ案内するが、どうする?」

 

 

承太郎は蝶屋敷に戻ることを伝え、三人を誘う。

 

 

「ごめん、俺は戻らなきゃいけない所があるから」

 

 

「俺たちもだ。それにもし行くなら、先に荷物を取りに戻らねぇとな」

 

 

だが全員からの答えは"否"だった。

 

 

「そうか。だが、また直ぐに会えるさ。俺は蝶屋敷って所で世話になっているから、いつでも来てくれ」

 

 

承太郎は三人に向けて拳を突き出す。三人は承太郎が何をしたいのかを即座に理解し、自分の拳を承太郎の拳に重ねた。

 

 

『また会おう!』

 

 

拳を突き出した四人は再会を願って再び別れた。彼らの道が再び交わるのはきっとそう遠くない未来の出来事だろう…。

 

 

 




『全集中 砂の呼吸』

伊山砂子ことイギーが習得した呼吸。

岩の呼吸の派生。


『参ノ型 砂の斬撃(サンド・スラッシュ)

刀に砂を纏うエフェクトが付いた斬撃。

モチーフは『炎の呼吸 壱ノ型 不知火』。
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