ジョジョの奇妙な鬼殺の冒険   作:レイファルクス

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第30説

 

 

獪岳・善逸、承太郎・炭治郎師弟、時透・不死川兄弟・ポルナレフ・花京院と言ったメンバーが十二鬼月を倒したのと同時刻、無限城の一角に"肉の繭"があった。

 

 

この"肉の繭"は無惨が自身の体を変化させた物である。

 

 

何故無惨が"肉の繭"になっているのか?その理由は、無惨が産屋敷邸で花京院に攻撃された時まで遡る。

 

 

花京院は自身の《幽波紋(スタンド)》である《法皇の緑(ハイエレファントグリーン)》に珠世としのぶが共同で開発した『鬼を人間に戻す薬』を持たせ、《360度エメラルドスプラッシュ》にこっそり"混ぜて"撃ち出していたのだ。

 

 

その為、無惨の体内に薬が混入されてしまったため、無惨はその薬を分解するために自身の体を"肉の繭"に変化させたのだった。

 

 

ピシッ

 

 

そしてその"肉の繭"に亀裂が走り、

 

 

ピシッ ピシッ

 

 

その亀裂が徐々に大きくなり、

 

 

ピシッ ピシピシッ バガンツ

 

 

"肉の繭"から"人ならざる者"が生まれた。

 

 

「……ふむ、この身体を"乗っ取った"はいいが、今まで表に出ることはできなかった。だが、"奴ら"のお陰で再び"この世"に生を得ることができた」

 

 

"肉の繭"から生まれたのは無惨では無かった。

 

 

ウェーブがかかった金髪にハートを着けたサークレットを装着し、黄色の服に身を包み、ベルトや膝にはサークレットと同じハートの装飾が施されていた。

 

 

そして瞳の色は紅梅色、瞳孔は猫のように縦長。口元からは鋭い牙が見えていた。

 

 

「……どうやら、この身体の"元の主"の配下は一体を残して全滅してしまったようだな」

 

 

男はこめかみに指を当て、気配を探ると、自分に似た気配は"一つだけ"となっていた。

 

 

ベベンッ

 

 

すると何処からか琵琶の音が鳴り響き、男は今までいた場所から姿を消し、琵琶を持った女がいる所に一瞬でワープしたのだった。

 

 

「ほう…?一瞬で他の場所に移動したか…。どうやらお前は"空間を操る能力"を持っているようだな」

 

 

「貴様…、無惨様を何処へやった!?」

 

 

琵琶を持った女の鬼『十二鬼月・上弦の肆 鳴女』は一つしかない目で男を睨む。

 

 

「何処へも何も、"ここにいる"ではないか?お前の"目の前"に」

 

 

男は親指で自分自身を指差す。

 

 

「違う!お前は無惨様では無い!」ベベンッ

 

 

鳴女は琵琶を鳴らすと城の一部が動き、男を押し潰そうとする。

 

 

「無駄なことを…」

 

 

男はその場を動かず、遂に城の一部に押し潰されてしまった。

 

 

「やった…、やりましたよ無惨様…」

 

 

「何をやったと言うのかね?」

 

 

「っ?!」バッ

 

 

鳴女は男を倒した優越感に浸っていた矢先、背後から声がしたので振り返ると、そこには倒したと思っていた男が平然と立っていたのだ。

 

 

「貴様…、いつの間に!?」

 

 

「あれしきでは私を倒すことなど、夢のまた夢」

 

 

「くぅっ!!」

 

 

鳴女は琵琶を再び鳴らそうとするが、琵琶は鳴らず、しかも手には"違和感"があった。

 

 

鳴女はふと自分の手元を見ると、持っていたはずの琵琶が無かったのだった。

 

 

「ふふっ、探し物は…"これ"かな?」

 

 

鳴女は無くした琵琶を探して辺りを見渡していると、男の声がしたので視線をそこに向ける。そこには無くした琵琶が男の手の中に収まっていたのだった。

 

 

「貴様…、いつの間に…」

 

 

鳴女は何時、自分から琵琶を奪い取ったのか分からず、冷や汗を流しながら男に問いかける。

 

 

「さぁ…、何時だろうな?」

 

 

男は不気味に笑いながら鳴女の質問に答えようとはしなかった。

 

 

「なら貴様を殺し、奪い返すまで!」

 

 

鳴女は男に襲い掛かろうとしたその時、

 

 

「カハッ?!」

 

 

鳴女は男から離れるようにぶっ飛び、壁に背中を激突させてしまった。

 

 

「この物は私には不要な物。返して欲しければ返してやろう」

 

 

男は鳴女に琵琶を投げ返し、背中を向け歩き始めた。

 

 

「……私に背を向けた。それが貴様の敗因だ!!」

 

 

鳴女は琵琶を手に取り、鳴らそうとする。

 

 

「無駄だ、貴様は私に触れることすら叶わない」

 

 

しかし次の瞬間、鳴女の体はバラバラにされてしまった。

 

 

「なっ…(私の体が…!)」

 

 

体をバラバラにされた鳴女の視界に、男の血塗(ちまみ)れになった手が見えた。

 

 

「(まさか…、この男は一瞬の内に私の体をバラバラにしたというのか!?だが、私たち鬼は例え心の臓を潰されても、陽光を浴びるか、日輪刀で頚を斬られない限り死なない!)」

 

 

鳴女は自身の体をくっ付け、傷口が再生するのを待った。

 

 

「そうそう、一つ言い忘れていたが」

 

 

「???」

 

 

男はふと足を止め、指を一本立てる。

 

 

「貴様の体をバラバラにする際、私の《波紋(はもん)》を加えておいた。体をくっ付けようとすれば、そこから崩壊するからくっ付けないほうが身のためだぞ?」

 

 

男が鳴女にそう言った瞬間、鳴女の体が崩壊し始めた。

 

 

「(馬鹿な…、私の体が崩壊している…!このままでは私は死ぬ!かくなる上は!)」

 

 

ベベンッ

 

 

鳴女は最後の力を使って琵琶を鳴らした。

 

 

「ふふふっ、私を倒したのは間違いだったな…。この城は私の血鬼術で作られている…、つまり私を倒せばこの城は崩れ落ちる…。鬼狩りは全員地上に逃がした…、貴様をこの城諸とも道連れに…」

 

 

鳴女は最後まで言い切る前に崩れ去った。そして鳴女が死んだと同時に無限城が崩壊し始めたのだった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

無限城が崩壊している最中、承太郎たち無限城に落とされた鬼殺隊のメンバー全員は、鳴女の血鬼術により地上へと戻されていた。

 

 

「師範、大丈夫でしたか!?」

 

 

「炭治郎か…、俺なら大丈夫だ。しかし一体何が起きたと言うんだ…」

 

 

炭治郎は承太郎と合流し、承太郎は何が起きたのか思考を巡らせる。

 

 

「「承太郎!」」

 

 

「「「「炭治郎!」」」」

 

 

「花京院!ポルナレフ!」

 

 

「カナヲ!善逸!玄弥!伊之助!」

 

 

するとそこに花京院やポルナレフ、カナヲや玄弥たちと言った無限城に落とされたメンバーが次々と集まって来た。

 

 

「お前ら、何でここに…」

 

 

「いや俺たちもわからないんだ」

 

 

「琵琶の音色が響いたと思ったら、いきなり足下に障子が現れて勝手に開いたんだ」

 

 

「そして気づいたら地上にいた…と。俺と炭治郎に起きた出来事と同じだな」

 

 

承太郎は花京院とポルナレフから聞いたことと、自分と炭治郎が経験したことを照らし合わせていた。

 

 

ドゴ~ン…

 

 

すると承太郎たちがいる所から差程離れていない所から爆発音が聞こえた。

 

 

「なんだ!?」

 

 

「何かが爆発したような音だったような…」

 

 

「距離は…、そんなに離れてはいないみたいだな。みんな、敵の罠かもしれん、慎重に行動するぞ」

 

 

メンバーが動揺している中、年長者の行冥がメンバーの落ち着きを取り戻させ、爆発音がした方へ向かった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

承太郎たちが爆発音がした所に到着すると、そこには地面に穴が空いており、その穴の側に一人の男が立っていた。

 

 

「ふんっ、貴様の最後の悪あがきも無駄に終わったな…」

 

 

男は腕を胸の前で組みながら穴に向かって呟いていた。

 

 

「きっ…、貴様は…!」

 

 

「そんな…、あり得ない!」

 

 

「おいおい…、俺は悪い夢でも見てるのか…?」

 

 

承太郎、花京院、ポルナレフの三人は男の姿を見た瞬間、信じられないような表情をしていた。

 

 

「んっ?何やら懐かしい気配を感じるとは思ってはいたが、まさかお前たちまでいるとはな…」

 

 

男は承太郎たちに気づき、承太郎たちの方へ振り向く。

 

 

「まさかとは思ってはいたが、お前までいるとは思わなかったぞ…、DIO(ディオ)!」

 

 

そう、鳴女が命を()して倒そうとし、今承太郎たちの目の前にいる男の正体は、かつて自分たちに数々の刺客を送り、エジプトの地で死闘を繰り広げ、最終的に承太郎に倒された『吸血鬼・DIO』だったのだ。

 

 

「DIO、なんでテメェがこの世にいる?テメェは確か"無限地獄"に落とされたはずだ」

 

 

承太郎は以前大正時代(この世界)に転移する前、『生と死の狭間の世界』で自分の曾祖父である『ジョナサン・ジョースター』と共に出会っていたのを思い出し、その事をDIOに問い掛ける。

 

 

「その事か…。"無限地獄"に送られたのは私の"善の魂"だ、今お前たちの前にいる私は"悪の魂"を宿した鬼舞辻無惨と言う訳だ」

 

 

「"悪の魂"…だと?」

 

 

承太郎の質問に答えたDIOの回答に、承太郎は眉をピクリと動かす。

 

 

「そうだ。かつて私はエジプトの地で承太郎、お前に倒された。そしてどういう訳か、私の魂は"善"と"悪"、2つの魂に別れた」

 

 

「そして"善の魂"は無限地獄に落とされ、"悪の魂"である私は"生と死の狭間の世界"に漂うことになった。その後私は承太郎より早くこの世界に辿り着き、鬼舞辻無惨の体に憑依したのだ」

 

 

「それからは無惨の体に隠れながら復活の時を待っていたのだ。そして今、この時!私は復活を成し遂げたのだ!」

 

 

DIOは両手を空に高々と上げ、声を張り上げた。

 

 

「感謝するぞ花京院。お前が無惨の体に薬を撃ち込んだお陰で私は復活することができたのだからな」

 

 

花京院はDIOを復活させてしまったことに冷や汗を流す。

 

 

「安心しろ花京院。奴は俺が倒す」

 

 

そこに承太郎が花京院の肩に手を置いて心を落ち着かせた。

 

 

「……ありがとう承太郎。できることは無いかもしれないが、できる限り援護はしよう」

 

 

心を落ち着かせた花京院は笑みを浮かべ、承太郎に援護を申し出た。

 

 

「……感謝するぞ、花京院。DIO!お前の相手は俺だ!」

 

 

承太郎は一歩前に出ると、DIOに戦いを挑んだ。

 

 

「ふんっ、やはり貴様が挑むか空条承太郎。まあ妥当な判断だな、なにせ私の"対抗策"は貴様しか持っていないのだからな」

 

 

「"対抗策"…?」

 

 

DIOの言葉に炭治郎が首を傾げる。

 

 

「DIOの《幽波紋》は《世界(ザ・ワールド)》。能力は『時を止める』能力だ」

 

 

「"時"…ですか?」

 

 

炭治郎の疑問に花京院が答えると、今度は善逸が首を傾げる。

 

 

「そう、『時』すなわち"時間"。奴は『自分以外の時間を止める』ことができるんだ」

 

 

「そんな…!それじゃその能力を使われたら…」

 

 

「ああ、俺たちは何の抵抗も出来ず奴に殺される」

 

 

ポルナレフの言葉に花京院を除く全員が顔を青ざめた。

 

 

「……承太郎以外はな」

 

 

「…えっ?」

 

 

「承太郎の《幽波紋》は奴の《幽波紋》と同種の《幽波紋》、つまり奴の《幽波紋》に対抗できるのは承太郎の《幽波紋》だけなんだ」

 

 

ポルナレフは意地悪が決まった子供のようなニンマリした顔をして、炭治郎たちを見た。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「時間が惜しい、早速始めようか」

 

 

DIOは腕を組んだまま、承太郎に言う。

 

 

「だな。行くぞ!《星の白金(スタープラチナ)》!」

 

 

《オラァ!》

 

 

承太郎は先手必勝と言わんばかりに《星の白金》を出し、先制攻撃を仕掛ける。

 

 

「向かえ打て!《世界》!」

 

 

DIOも自身の《幽波紋》を出し、承太郎に攻撃を仕掛ける。

 

 

《オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!》

 

 

《無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄、無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!》

 

 

《星の白金》と《世界》は互いにスピードラッシュを行い、時々フェイントを混ぜながら相手を殴ろうとする。

 

 

《オラァ!》

 

 

《無駄ァ!》

 

 

そして互いの拳を打ち付け合った瞬間、衝撃波が周囲に広がり、炭治郎たちに襲い掛かった。

 

 

「うわぁっ!」

 

 

「なんて衝撃波だ!以前より威力が増していやがる!」

 

 

衝撃波を喰らった炭治郎たちは、吹き飛ばされないよう、足を踏ん張り、衝撃に耐える。

 

 

「……どうやら、以前よりもパワーが上がっているようだな」

 

 

「お陰様で、他の幽波紋使いと戦っていたからな。パワーが上がっていても不思議じゃ無いだろ?」

 

 

DIOは《星の白金》のパワーが上がっていることに驚き、承太郎は不敵に笑う。

 

 

「……面白い、面白いぞ空条承太郎!貴様は私を楽しませてくれる!ならば、"この技"をもって更に楽しませよう!《世界》、"時よ止まれ"!」

 

 

ドゥ~ン…コッチ…コッチ…コッチ…

 

 

DIOは《世界》の能力を使い、自分以外の"時を止めた"。そして承太郎に向かって服に忍ばせていたナイフを取り出し、承太郎に向けて放った。

 

 

ナイフは真っ直ぐ承太郎に向かい、承太郎に刺さる"手前"でピタリと止まった。

 

 

「3…、2…、1…、"時は動き出す"」パチンッ

 

 

DIOは指を鳴らし《世界》の能力を解く。すると止まっていたナイフが一斉に承太郎目掛けて進み始めた。

 

 

《オラァ!》

 

 

しかし、承太郎に刺さる寸前で《星の白金》がナイフを全て弾いたのだった。

 

 

「DIO、貴様がやろうとしていることは全て把握している。今の俺には時を止めても意味が無い」

 

 

「フフフッ、果たしてそうかな?《世界》!」

 

 

DIOは再び時を止め、弾かれたナイフを回収すると、今度は承太郎では無く、炭治郎たちに向けてナイフを投げた。

 

 

「承太郎、貴様はこれを止めることができるか?3…、2…、1…、時よ動け」パチンッ

 

 

DIOが再び時を動かす。承太郎は自分にナイフが来ると思って腕を目の前でクロスさせていたが、ナイフは飛んで来ず、その代わりに炭治郎たちにナイフが向かっていた。

 

 

「《銀の戦車(シルバーチャリオッツ)》!」

 

 

「《法皇の緑》!《エメラルドスプラッシュ》!」

 

 

承太郎は《星の白金》を炭治郎たちに向かわせたが、間に合いそうにも無かった。しかし、ポルナレフと花京院が自身の《幽波紋》を出し、迫るナイフを全て弾き落とした。

 

 

「承太郎!コイツらのお守りは俺たちに任せろ!」

 

 

「君はDIOを倒すことに専念してくれればいい!」

 

 

ポルナレフと花京院の援護に承太郎は笑みを浮かべる。

 

 

「……頼むぞ、ポルナレフ、花京院。DIO!こっから先は俺と一対一(サシ)で勝負しやがれ!」

 

 

「…よかろう。貴様にこのDIO様の力を思う存分見せてやろう!」

 

 

承太郎とDIOは互いの《幽波紋》を出した状態で走り出した。

 

 

to be continued…

 

 




次回予告

承太郎とDIOとの最終決戦!

DIOが時を止める中、承太郎が決死の一撃を放つ!

次回『ジョジョの奇妙な鬼殺の冒険』第31説『決戦』
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