ジョジョの奇妙な鬼殺の冒険   作:レイファルクス

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第9説《移動》

 

 

柱合会議が終わった後、柱たちはそれぞれ自分の屋敷へと戻って行った。

 

 

そして炭治郎は承太郎としのぶに連れられて蝶屋敷に来た。その理由は炭治郎の怪我の状態を診るためだった。

 

 

「それじゃ空条さん、竈門君を大病室に案内してくださいね」

 

 

しのぶに頼まれた承太郎は頷き、炭治郎を大病室へと案内した。すると

 

 

「ねぇ、この薬とっても苦いんだけど!?」

 

 

誰かの叫び声が聞こえた。承太郎たちは大病室を覗くと、黄色い頭髪の少年、我妻善逸がなほを困らせていた。

 

 

「ぜっ、善逸?」

 

 

「ちょっと、横失礼します。ちょっと静かになさってください!この病室には他の方だっていらっしゃるんですよ!?これ以上煩くするならその口を猿轡で塞ぎますからね!?」

 

 

そこにアオイが承太郎たちの側を通り過ぎ、少年を叱った。

 

 

「あ~、神崎。いつもながら大変だな…」

 

 

「えっ?あっ、空条さん。いつお戻りに?」

 

 

承太郎はアオイを労うために声を掛け、振り向いたアオイは今承太郎たちの存在に気づいた感じだった。

 

 

「ついさっきだ。それと、彼のことも頼む。見た感じ、軽症だと思うが、念のために胡蝶が後で診察すると言っていた」

 

 

「分かりました。ではまず、この服に着替えてください。それと、使用する寝台はあの猪の被り物をしている方の隣を使用してください」

 

 

承太郎が炭治郎のことについて説明すると、アオイは部屋の片隅にある箪笥から病院服を取り出し、炭治郎に渡す。そして炭治郎が使うベッドを指差した。そこには猪の頭の被り物をした少年、嘴平伊之助が善逸のベッドの横のベッドに横たわっていた。

 

 

「あっ、伊之助!?」

 

 

炭治郎は一目散に伊之助の下に行く。

 

 

 

「伊之助、良かった。散り散りになってしまったから心配してたんだ!無事で良かった…」

 

 

「イイヨ、気ニシナイデ」

 

 

「いっ…、伊之助?」

 

 

伊之助の声は明らかに異常なガラガラ声だった。

 

 

「あ~っ、神崎、説明を頼む」

 

 

「はい。猪の被り物をした人、嘴平さんは鬼に喉を強く握られて声帯が損傷しているらしく、声は出すことはできるようですが、酷いガラガラ声になるそうです」

 

 

「黄色い頭髪の人、我妻さんは毒に犯されて手足が縮んでしまっている状態です。なので薬を1日5回飲んで、日光を浴びていれば元に戻るのですが…」

 

 

「その薬が苦くて『飲まない』と駄々を捏ねている訳か…。やれやれだぜ…」

 

 

承太郎は事情を察し、ため息を一つ吐いた。

 

 

「あっ、そうだ!ねぇ、ここに禰豆子はいませんか?」

 

 

炭治郎は思い出したかのように禰豆子のことをアオイに聞く。

 

 

「禰豆子さんなら、皆さんより比較的軽症だったので、私たちの手伝いを自らしてくれていますよ」

 

 

アオイは今禰豆子が何をしているのかを話した。どうやらアオイたちの手伝いをしているようだった。そのことを聞いた炭治郎は安堵の息を洩らし、その場で隊服を脱ぎ、病院服に着替えようとした。

 

 

「アオイさん、向こうは終わりましたよ」

 

 

「あっ、禰豆子さん」

 

 

そして炭治郎が上半身裸になったその時、幸か不幸か、割烹着を着た禰豆子が炭治郎がいる大病室に入って来た。

 

 

「えっ、禰豆子?」

 

 

「おっ、お兄ちゃん!?」

 

 

炭治郎は着替えを一旦中止して禰豆子の方を見る。炭治郎の存在に気づいた禰豆子は炭治郎の姿を見た途端、顔を真っ赤にし、炭治郎から視線を外した。

 

 

「(うわ~っ、お兄ちゃんの裸見ちゃった~!お兄ちゃん、ここ最近の鍛練で筋肉質になってるから見てるこっちが恥ずかしいよ~!!)」

 

 

「(禰豆子どうしたんだろう?視線を外したと同時に恥ずかしい匂いが強くなったけど…)」

 

 

恥ずかしがる禰豆子を余所に、首をかしげる炭治郎であった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

その後炭治郎は隊服から病院服に着替え終わると、禰豆子が炭治郎の隊服と羽織を持ってそそくさと退室していった。

 

 

「炭治郎さんって、結構筋肉質なんですね」

 

 

「そうかな?普段から結構鍛えているから、他の人がどうなのか分からないや」

 

 

なほは炭治郎の胸や腹、腕などを触っており、炭治郎は首をかしげていた。尚、なほが炭治郎の体を触っているのは、彼女が炭治郎にお願いした所、炭治郎が快く了承したためである。

 

 

「炭治郎、診察の時間だ。今から診察室に行くぞ」

 

 

「分かりました。なほちゃん、またね」

 

 

炭治郎は病院服を着直し、承太郎の後を追った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

承太郎たちが診察室に到着してから数分後、診察室から炭治郎が出てきた。

 

 

「炭治郎、容態はどうだった?」

 

 

「擦り傷が多く見られたけど、任務に支障は無いとのことでした」

 

 

診察室の扉の側に寄り掛かっていた承太郎が炭治郎の容態を聞くと、炭治郎は問題無いと答えた。

 

 

「それなら良かった。それから、禰豆子がここに来てな、会議で話したことを彼女にも伝えておいた。禰豆子も俺たちに同行するそうだ、何でも『久しぶりに家族の顔を見たいから』だそうだ」

 

 

「そうなんですか。確かに初任務を伝えられてからもう何ヵ月も帰ってないからなぁ…」

 

 

承太郎と炭治郎は大病室に向かいながら話していると、廊下の向こう側から一人の女性が歩いて来た。

 

 

「あら空条さん、お帰りなさい」

 

 

「胡蝶か」

 

 

「えっ?胡蝶?」

 

 

炭治郎は承太郎が目の前の女性をしのぶと同じ『胡蝶』と呼ばれたことに驚いていた。

 

 

「あっ君は初めてよね?私は胡蝶カナエ。鬼殺隊の元花柱よ。因みに蟲柱のしのぶのお姉さんよ」

 

 

「はっ、初めまして。竈門炭治郎です」

 

 

カナエと炭治郎は互いに自己紹介をする。

 

 

「聞いたわよ、前の任務で人を喰べない鬼がいたのでしょ?私も会いたかったわぁ、もしかしたらお友達になれたかもしれないのに…」

 

 

カナエは累のことを残念そうに話した。

 

 

「全くです。鬼になりたくないって言っていたのに、無理矢理鬼にさせるなんて…。鬼舞辻無惨は本当に許せない奴です!」

 

 

炭治郎は累の悲しみに染まった顔を思い出し、無惨への怒りが湧いていた。

 

 

「あなたとは仲良くなれそうね。もし良かったら、これからは私のことをカナエって呼んでね」

 

 

「はいカナエさん!俺のことは炭治郎で構いません!」

 

 

炭治郎とカナエは意気投合し、がっちりと握手をした。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

炭治郎とカナエが意気投合してから数日後、蝶屋敷に任務を終わらせた伊山砂子ことイギー、花京院、ポルナレフが到着した。

 

 

「承太郎、久しぶり!」

 

 

「久しぶりだなイギー。雲取山の任務以来か」

 

 

蝶屋敷の玄関で出迎えた承太郎にイギーは抱きつき、承太郎はイギーの頭を撫でた。

 

 

「僕たちは時々任務で一緒になる時があったけど、承太郎と一緒の任務は本当に久しぶりだね」

 

 

「それにジョースターさんもこれからお世話になるんだろ?益々旅のメンバーとの交流が深くなるぜ」

 

 

「確かにな」

 

 

花京院とポルナレフの言葉に承太郎は頷いた。

 

 

「皆さん、お待たせしました」

 

 

「花京院さん、ポルナレフさん。お久しぶりです」

 

 

そこに炭治郎と禰豆子が蝶屋敷から現れた。

 

 

「おお炭治郎に禰豆子か!久しぶりだな!」

 

 

ポルナレフは炭治郎と禰豆子との再会に喜んでいた。

 

 

「これで残るメンバーは玄弥と言う人だけだね」

 

 

「そうだな。炭治郎、その玄弥と言う人はどんな格好なんだ?」

 

 

承太郎は炭治郎に玄弥の容姿を聞いた。

 

 

「そうですね…、身長は俺より高くて、頭髪は左右を刈り上げていて、それから…、鼻の辺りに横一文字に傷がありました」

 

 

炭治郎は玄弥の容姿を覚えている限り伝えた。

 

 

「あの…、すみません」

 

 

すると、ポルナレフたちの後ろから、炭治郎が今言った容姿の青年が現れた。

 

 

「ここに雲取山に向かう人たちが集まるって鴉から聞いたのですが…」

 

 

「あっ、玄弥!久しぶり!」

 

 

「玄弥さん、久しぶりです!」

 

 

「えっ、炭治郎に禰豆子!?」

 

 

玄弥は炭治郎と禰豆子がいることに驚いていた。

 

 

「なんだ、知り合いか?」

 

 

「はい。彼が不死川玄弥、今回の任務の同行者で、俺たちの同期です」

 

 

「は、初めまして。不死川実弥の弟の不死川玄弥です」

 

 

「自己紹介痛み入る。俺は空条承太郎、このチームのリーダーを務める。よろしくな」

 

 

玄弥と承太郎は互いに自己紹介をする。が、承太郎が言っていた"チーム"や"リーダー"の意味が分からず、首を傾げていた。

 

 

「承太郎さんは俺たちの隊長だと思ってくれればいいんじゃない?」

 

 

そこに禰豆子がフォローをし、玄弥は納得したようで首を縦に振っていた。

 

 

「さてメンバーが全員揃った所で、雲取山に向かうとするか」

 

 

『おぉ~!』

 

 

メンバーが揃ったことを伝えた承太郎は出立を伝え、残りのメンバー(玄弥除く)は拳を空に高々と上げた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

承太郎たちが蝶屋敷を出てから三日後、承太郎一行は雲取山の麓に到着していた。

 

 

「ここから先は俺と禰豆子が案内します」

 

 

「はぐれないように気をつけてくださいね」

 

 

承太郎たちが山を昇ろうとした所で、炭治郎と禰豆子が先導をかって出て、そのまま山を登り始めた。

 

 

「あの、空条さん。何で彼らが先に行くことに何も言わないんですか?」

 

 

ある程度昇った所で、玄弥が承太郎に質問をしてきた。

 

 

「この山にある炭焼き小屋は炭治郎たちの実家なんだ。だから俺たちの中では一番この山について知っている、それだけだ」

 

 

承太郎の説明に玄弥はほぼほぼ納得していた。

 

 

それから少し歩くと、唐突に炭治郎と禰豆子が立ち止まった。

 

 

「気をつけてください。この先からは罠が仕掛けられていますから」

 

 

「おいおい、何で罠が仕掛けられているんだよ!?前来た時にはそんなの無かったじゃねぇか!?」

 

 

炭治郎の罠が仕掛けられている発言にポルナレフが異議を唱えた。

 

 

「この罠はジョースターさんが俺たちの訓練の為に仕掛けたものなので…」

 

 

「承太郎さんたちが帰られた後に仕掛けた物なので、知らないのも無理は無いと思いますが…」

 

 

ポルナレフの異議に炭治郎と禰豆子が苦笑いをしながら答えた。そして承太郎たちは途中で炭治郎の弟の竹雄と茂と再会し、ジョセフが仕掛けた罠を潜り抜け、やっとの思いで炭治郎と禰豆子の実家に到着した。

 

 

「皆さん、到着しましたよ」

 

 

「あれが私たちの家です」

 

 

「やっ…、やっとかよ…」

 

 

「お疲れ様、ポルナレフ」

 

 

竈門家に到着した承太郎一行、しかし、玄弥はともかくポルナレフがやけに疲れていた。

 

 

その理由は、炭治郎と禰豆子が忠告したにも関わらず、ポルナレフ一人が矢鱈と罠に引っ掛かっていたからだった。

 

 

「この山は罠のオンパレードだったね。とても楽しかったよ」

 

 

「俺は全然楽しくは無かったぞ!何だよ!?丸太が振り子のように襲って来たと思えば、落とし穴の中に刃物が切っ先を上にして敷き詰められてたり、更には短刀まで飛んでくる始末だぜ!はっきり言って殺意以外何ものでも無かったぜ!」

 

 

「罠は相手を倒す以外ではそこにあると思わせて精神的に疲労させる目的もある。"罠は一つ見つければ百あると思え"と昔の人は言ってたな」

 

 

「そんな言葉…、聞いたことがねぇぞ…」

 

 

承太郎の言葉にポルナレフはぐったりしていた。

 

 

「承太郎、遅かったな」

 

 

そこに承太郎の鴉であるアヴドゥルがポルナレフの頭の上に降り立った。

 

 

「悪かったなアヴドゥル。ポルナレフの奴が罠に悉く引っ掛かってな」

 

 

「ほう?炭治郎たちが事前に忠告していたのでは無いのか?」

 

 

「していたけど、大方大したこと無いと思っていたんじゃない?」

 

 

イギーが手を頭の後ろで組んだ状態で言うと、正にその通りだったのか、ポルナレフは肩を落としていた。

 

 

「ポルナレフよ…、少しは疑うってことを覚えんと…」

 

 

「今ひしひしとうちひしがれているぜ…」

 

 

アヴドゥルの言葉にポルナレフは『OTZ』のポーズをした。

 

 

「まぁそんなことだろうと思っていてな、出立を明朝にしてもらっておいた。今日は旨い飯を食って鋭気を養いたまえ」

 

 

「えっ!?それじゃ…」

 

 

「うむ。炭十郎殿は勿論、竈門家の皆や珠世殿たちも承諾してくださったぞ!」

 

 

実はアヴドゥルは事前に竈門家に先駆けとして来ており、炭十郎に今回の任務を話していたのだ。

 

 

「旨い飯!?アヴドゥル、それを早く言ってくれよ!さぁ早く飯を食おうぜ!」

 

 

ポルナレフは頭にアヴドゥルを乗せたまま立ち上がり、スタスタとまるで何事も無かったかのように歩き出した。

 

 

「まったく…、食い意地が張ってる奴だ…」

 

 

「やれやれだぜ…」

 

 

イギーと承太郎はポルナレフの言動に呆れていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

その後承太郎たちは夕飯を御馳走になり、一晩厄介になった。

 

 

そして翌朝…

 

 

「それじゃ全員準備が整った所で、出発するとしますか」

 

 

竈門家の前に身支度を整えた炭十郎と葵枝、竹雄と茂、花子と六太、珠世と愈史郎、ジョセフが並んでいた。

 

 

そして何故かポルナレフが仕切っていた。

 

 

「所で珠世さんと愈史郎さんは陽光は平気なんですか?」

 

 

炭治郎は珠世と愈史郎に質問をした。

 

 

何故なら、珠世と愈史郎は鬼であり、陽光は一番の天敵だからだった。

 

 

「心配してくださってありがとうございます。けど、大丈夫ですよ」

 

 

「俺と珠世様は陽光を克服したからな」

 

 

何と珠世と愈史郎は既に陽光を克服していたのだった。

 

 

「えぇ~!?陽光を克服したんですか!?一体どうやって」

 

 

「陽光を克服した最大の貢献者は、ジョースターさんです」

 

 

「彼は"波紋(はもん)"と呼ばれる太陽と似た力を持っている。俺と珠世様は彼の血に波紋を少しだけ加えた血を飲んだんだ」

 

 

「その血を飲み続けていたある日、偶然にも私たちは陽光の下に出てしまったのです」

 

 

「だが、いつまで経っても体が焼かれることは無かった。原因を探っていたら、波紋の力を体内に入れたことで陽光への耐性がついていたんだ」

 

 

珠世と愈史郎は陽光を克服した原因を話すと炭治郎は感心していた。

 

 

「へぇ~、波紋ってそんなこともできるんですね…」

 

 

「いや、そうとは限らんぞ?」

 

 

感心していた炭治郎にジョセフが待ったを掛けた。

 

 

「確かに波紋は誰でも会得することは出来る。じゃが、良し悪しは有る。儂はたまたま波紋との相性が良かったが、相性が悪い者が儂と同じことをすれば、相手を殺しかねん」

 

 

ジョセフの言葉に炭治郎は思わず身震いしてしまった。

 

 

「なに、炭治郎もそういうことはいずれ出来るようになる。様は慣れじゃ、慣れ」

 

 

ジョセフは不安そうな表情の炭治郎の頭を軽く叩く。

 

 

「鍛練を怠らなければいずれ出来る。精進せいよ?」

 

 

「ジョジョおじさん…、はい!」

 

 

炭治郎は力強く返事をした。

 

 

「よしそれじゃ出発するとしようか!」

 

 

ジョセフは先導を切るかのように先に歩く。

 

 

「ちょっと待てジジイ、蝶屋敷までの道のりを知っているのか?」

 

 

そこに承太郎が待ったを掛けると、ジョセフは立ち止まり

 

 

「……知らんかった。承太郎、すまんが教えてくれんか?」

 

 

『だぁああっ!?』ズデッ

 

 

「やれやれだぜ…」

 

 

頬を羞恥の色に染めて振り向いた。炭治郎たちはその場でズッこけ、承太郎はため息を一つ吐きながら帽子を目深にずらした。

 

 

 

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