マシーナリーサーガ   作:晩舞龍

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蓮覚寺の武器を奪ったゴーストがインドに向かい進行。ゴーストを封印するために戦う諸岡&生天目と激突する。一方、蓮覚寺は幻の剣を手に入れ、反撃を狙う。


ロード・シャーマン4

 ◆登場人物紹介◆

 フィニッシュヒム諸岡/疑似徳サイボーグ

 武器はレールガン、回転体は納豆。

 ワニツバメの東京襲撃によって仲間と友人である生天目を失う。生天目に再び会うため降霊術に救いを求めてエジプトへ。

 

 エジプトのシャーマン(クラッシュトリガー生天目)/バリツシャーマン

 カラフルなサングラスにスーツの男という、奇抜なシャーマン。その正体は、ワニツバメとの戦いで死亡したサイボーグが、降霊術によって意識のみ復活し、シャーマンの体を乗っ取り現世に蘇ったもの。

 精神はサイボーグであるが肉体は人間であるため、徳の供給を必要としない。

 

 グラインドグリッド古賀(サドナー)/疑似徳サイボーグゴースト

 日本の疑似徳サイボーグ・グラインドグリッド古賀に、解き放たれたゴーストの一体・サドナーが憑依。

 

 レヴェリーソード蓮覚寺/疑似徳サイボーグ

 ロシアに滞在していた疑似徳サイボーグ。他のサイボーグの武器のメンテナンスを行う一方で、刃物を集めている。ゴーストに妖刀を乗っ取られ、全ての武器を奪われてしまう。

 

 妖刀集合体(アンガイル)/ブレードゴースト

 レヴェリーソード蓮覚寺の妖刀に解き放たれたゴーストの一体・アンガイルが憑依。彼女の武器で刃物の体を構成した。

 

 ドラゴニュート(プレイジア)/ドラゴニュートゴースト

 アメリカのドラゴニュートに、解き放たれたゴーストの一体・プレイジアが憑依。

 ◆ ◆

 

 解き放たれた三体のゴーストを封印するため、エジプトからロシア方面へ向かった諸岡と生天目。ふたりがイランに到着した時、そこでカザフスタン方面から飛来する怪物を発見した。

「あれは……刀の集合体!?」

「間違いない、あれは新しい体を手に入れたゴーストだ」

 全身が刀で構成された人型の存在が、都市の上空を飛翔。生天目はすかさず降霊術で、ゴーストのスピリット本体に攻撃を与える。

「落ちろ!」

 衝撃を受けた敵が地面へと高度を下げ、露天に落下。

 土煙が舞い上がり、近くにいた人類たちが逃げていく。

 その内の数人は、体を分断されてしまったまま数歩走り、無残な死体を晒す。

「俺の怒りを……死によって静めてもらおう、シャーマンよ」

 怒りの思念を音として周囲に発散しながら、刀の怪物が露店の残骸から姿を現す。全身に付いた返り血はすぐに全身の刀身に吸収されていく。

「妖刀を身体として手に入れたのか……こいつは厄介だぞ」

「生天目、私はどうすれば!?」

「私が封印を試みるけど、確実に抵抗される。私を守りながら、奴の注意をそらして欲しい。できる?」

「やってみる」

 言うが早いか、諸岡は生天目を背に駆けだす。

 生天目は現在、ゴーストに対抗できる唯一の手段であると同時に、脆い人間の体だ。

 諸岡が素早く徳納豆による網を飛ばす。

 足止めのために放たれたそれを、ゴーストは刀で両断。続けて放たれたそれも切り伏せながら、妖力による飛行で諸岡との距離を詰める。

「貴様に俺の怒りは受け止められん!」

 力任せに振り下ろされる刃を諸岡はかわすが、地面には鋭い切れ込みが走る。

 諸岡はすかさず至近距離からのレールガン発射。ゴーストの体の表面を破壊する。

「まだ終わらんぞ!」

 壊れた刀と刀の合間から、別の刀が出現し、全身が再成される。

「やはり体を壊すのは無駄なようですね……」

 そう零しながら、遠距離から射撃をするが、これは見切られてかわされてしまう。

「貴様の攻撃は見切ったぞ。そして狙いもな」

 距離を詰めようとする諸岡をステップでかわし、距離を置くゴースト。次の瞬間、ゴーストの体から一本の刀が発射される。

「ぐっ!!」

 それは一直線に生天目の元へ向かい、右腕を抉った。

「生天目!」

「悪い、しくじった」

 血を流し後方に下がる生天目。それを守るよう位置取りする諸岡だが、好機と判断したゴーストは諸岡を飛び越えるように飛翔する。

「シャーマンよ! 貴様の命、貰った!」

 首元めがけて飛び切り鋭い刀が飛ぶ。

 

「生天目、いま私が!」

 諸岡が網を放つが、刃の妖力はそれを貫く。

「まずい!」

 

 その時、刃と刃がぶつかり合う音が響いた。

 

「なんだ……!?」

 生天目めがけて放たれた刀は弾かれ、遠方へと飛んでいく。

 そして、生天目の眼前に現れたのは、小ぶりな刀を持ったサイボーグだった。

「見たところ人間のようだが……サイボーグのような気がして守ってしまった」

 肩にはナイフケース、肘には砥石。

 メンテナンス担当の疑似徳サイボーグ・レヴェリーソード蓮覚寺だ! 

 

 諸岡がすかさず網を放ち、不意を突かれたゴーストの動きが止まる。

「蓮覚寺さん! 訳あっていま、その人間に生天目の精神が入り込んでいます! そして、生天目の力なしではあいつを倒せません!」

「よくわからんが分かった。ちょうどアイツには借りがあったんだ」

 そう言うと蓮覚寺は手に持った幻の守り刀・今剣を構えた。

 諸岡は蓮覚寺が普段、大量に保持している刀剣が無くなっていることに気づく。

「行きましょう蓮覚寺さん、生天目の準備が整うまで奴を引き付けるんです」

「オッケー!」

 二機のサイボーグが左右から挟撃を仕掛ける。全身が刀のゴーストは、双方向に刀剣を射出するが、サイボーグの体には軽傷だ。妖力でパワーを上げるも、各々の武器によって叩き落される。諸岡が網をばらまき、動きを封じたところに蓮覚寺が突貫。

 幻の刀の力によって、妖力を吸い上げながら無数の剣を叩き折っていく。

「どらぁぁぁぁ!!!」

 蓮覚寺から奪った武器も底をつき始め、ゴーストの射出する武器の中にはついにゼスターグレーターやフォークが混じり始める。その隙を突いて、蓮覚寺は刀剣の塊の中心部分に刀を突き立てる。

「ぐ、保てん! 体が! 武器が!」

 刀剣が霧散。中心の妖刀があらわとなった。

 

「今だ!」

「分かってる! これで、どうだァ!!」

 その瞬間を逃さず、生天目がゴーストのスピリットを押さえつける。

 二機のサイボーグによる猛攻でエネルギーを消耗したゴースト。先ほどまで放っていた怒りの感情すらも押さえつけられたまま、妖刀から引きはがされ、瓶状の封具に吸い込まれた。

「これで、二体。あと二体だ」

 

 レヴェリーソード蓮覚寺は生天目の今の状況について、深くは聞いてこなかった。それよりも、自分の集めていた刀剣に夢中だった。自分で叩き折った刀剣のかけらを集めた後、二人の元を去っていった。どうやら、クラフトワークささみに頼んで修復してもらうつもりのようだ。

 

「それで、ゴーストはあと二体残っていることになっていますけど……」

 生天目の肉体の治療を終え、次の目的地への準備を進める諸岡。

 生天目は怪我した腕をさすりながら応える。

「うん。次の行き先は日本だ。この肉体はそっちから大きな力を感じている」

「次は怪物じゃないといいんですけど」

 シャーマンの肉体の力を頼りに、諸岡と生天目は再びゴースト封印に向かうのだった。

 

 

 

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