今回僭越ながらハーメルン様に処女作を投稿させていただくことになりました。
小説のしの字も分かっていない駄文で自らの欲求をそのまま綴った恥ずかしいものですが生暖かく見守ってやって下さい。
更新ペースは超不定期ですが最低でも月1で上げられるように尽力します。何分PCとスマホで書いているので操作が混乱しまして…
始まりの出会い
熱い、痛い
ただただこの二つが思考を埋め尽くしていた。それ以外は考える事すら出来ない。いや、考える事を放棄している。今、自分とその周りに起きている事から全力で目をそらしていた。認めてしまうのが嫌だから。こんな状況になれば誰でもそうしてしまうだろう。だって…
自分の大切な家族が焼けていくのをただ見ていることしか出来ないのだから。
1937年、扶桑に突如怪異…怪異が襲来。突然の急襲に扶桑の人々は混乱を極め多大な被害を出した。僅かに残った人も大半が家族や恋人を失い絶望の淵にいた。
その中に一人の少年がいた。全身を酷い火傷に晒されさらには左腕を肩から無くしていた。その惨状には目も当てられないがその少年は不思議な事に発見された時には既に傷は塞がり、血は止まっていた。また発見された時、少年の右手には一本の刀が握られていた。その刀は淡く輝き少年の体を包み込んでいた。
少年を発見した魔女 北郷章香はその刀、ひいてはその少年の発している輝きが魔法力だと気付き驚愕した。北郷は少年を保護して病室のベッドの上に寝かした。少年は時折うめき声を上げ何かに抗っている様に見えた。
周りが騒がしい、この匂いは消毒液かな?
少年はうっすらと目を開けた。周囲を見渡すとどうやらそこは病室の様に思えた。一瞬何故自分が此所にいるのか分からなかった。しかしすぐに思い出した。その瞬間凄い吐き気を感じ両手で口を押さえようとした。だがどうも左手の感覚がしない。右手で口を押さえながら左腕を見た。
「えっ?」
そこにはあるべき筈のものが無かった。少年が驚愕に見舞われているとき、病室のドアが開いた。
「!?目を覚ましたか!」
ドアから入ってきたのは長い髪を後ろで束ねた腰に刀を携えた、起伏ある体の女性だった。
「私は北郷章香と言う。どうだ、気分は悪くないか?自分が誰だか分かるか?」
早口で捲し立てる北郷章香と名乗った女性に驚きながらも
「少し吐き気がします。俺の名前は…」
一瞬二つの名前が浮かび上がった。何故自分がその名前を知っているのか分からないが俺は答えた。
「…鈴木 健人」
「鈴木健人君か」
彼は最初状況が読めず動揺していたが話している内に落ち着いてきたようだ。だが同時に自分の身に何があったのかを理解したようだ。私は彼に何があったかは分からないが今の彼の表情を見れば大体は察しがつく。その顔にはありありと恐怖と絶望が浮かんでいる。
「健人君、幾つか聞きたい事があるのだがいいかい?」
彼は黙って頷いた。
「ではまず一つ、君を見つけた時そこの刀を持っていたのだがそれは君のかい?」
北郷が指差した方には一本の刀が立て掛けられていた。
「はい、あれはうちにあった刀です」
「あの刀について何かご家族から聞いてないかい?」
少年は少し思い出すような仕草をすると。
「ええと…確か昔京都にいた怪異を退治した際に切り飛ばした腕を刀にしたって聞きました」
「京都?確かにあそこははるか昔から怪異に幾度となく危険に晒されていたがそのような史実はあったかな…」
『やはりそうか…』
「…!?なんだ!」
何もないところから低く大気を震わすような声が聞こえた。北郷は咄嗟に腰の刀に手を伸ばした。しかしそこには何もないただ見慣れた病室の風景が広がっていた。
「ぐっ…」
突然健人が苦しみだした。その体は淡く輝いている。その光は徐々に強さを増し、一か所に集まりだした。そして一際強く輝いた瞬間そこには15歳ほどの浅黒い肌に白くボサボサの長い髪の赤い目をした左腕を無くした少年がいた。更にその少年の額には二本の長さ10センチ程の角があった。
「なっ…!?」
北郷は今起こった現象にも目を剥いたが、何よりその少年が発する魔法力のとてつもない強さに体を強張らせていた。ストライカーユニットを履いて魔法力を増強させても勝てる気がしなかった。
健人はその少年のことを見たことがある気がした。だがどこで見たのかを思い出せなかった。ただその少年を見たときから変に自分が高ぶっているのを感じた。
「何者だ…」
北郷さんの声は少し震えていた。どうやら目の前の少年は相当に異質そうだ。
『儂の名は…』
健人は自然とその名前を呟いていた。
「茨木童子…」
北郷はその名を聞いた瞬間健人から聞いた話からある伝説を思い出していた。
茨木童子…かつて丹波国にある大江山に住んでいた大妖怪、酒呑童子の腹心の部下。渡辺綱ら頼光四天王と五十余りの魔女により討伐された酒呑童子の一味の生き残り。その際片腕を切り飛ばされていた。
本物かと疑ったが彼が発している魔法力の強さに信じることを余儀なくされていた。
その時病室のドアが再び開いた。
「北郷なんだこの魔力は!?」
入ってきたは江藤敏子とその部下黒江綾香だった。病院に運ばれた友の見舞いに来たとき北郷が来ていると聞きついでに会おうとして向かっていた際にこの魔力を感じて急いできたそうだ。二人も使い魔の耳と尻尾を出し、臨戦態勢を取った。
『また威勢のいい女子だのう』
茨木童子は動じることもなく事もなげに言った。
『安心せい、今の儂に戦うつもりなどない。ただ確認とそこの坊主に用があるだけじゃ』
そう言うと茨木童子は健人に向き合った。
『坊主、その刀は主の家にあったのだな?』
健人は頷いた。
『その刀は何と呼ばれていた?』
「…狂刀 血染」
健人は父親からこの刀を決して他者に渡してはならないと聞いていた。なんでもこの刀を使うと自我を失い、その命を吸い尽くすまで破壊を続けると聞いていたからだ。
『そうか、中々に滑稽だな。たかが左腕にそこまでの力があるわけないだろうに。』
「えっ」
『儂の全てを刀に変えるならまだしも左腕だけなら精々戦闘意欲が増すだけだろうに。』
「そうなの?」
『うむ、まあそれでも使えるのは坊主だけだろうがな。』
「そうなのか?」
北郷が聞き返した。
『うむ。扱うことができるのは儂を打ち負かした坊主のみじゃよ』
「「「なっ…」」」
三人は絶句した。この10歳ほどの少年が目の前の文字どうりの化け物を負かしたということが信じられなかった。
健人も茨木童子の話に驚いていた。なぜならそんな覚えがどこにもないからだ。一体いつ勝負したというのか。
『覚えてないという顔じゃな』
茨木童子は見透かしたように言った。
『いづれ解るじゃろう。それにな、儂は坊主が気に入った。その心、儂はそれに惹かれた。これからよろしく頼むぞ、我が主よ。』
そう言うと茨木童子は健人の中に入っていった。
ちなみに自分は超チキンです。中傷や厳し過ぎる意見はご控え願います。
ただ誤字、脱字、アドバイスは受け付けさせてもらいます。
本当に勝手で申し訳ありません。
色々後で知ったことがあるので一斉編集しました。