健人「自業自得」
うるせぇ! さて今回私はとてもテンションが高いです!なぜならば!“罪背負いし影”が想像以上に評価が高かったから!
健人「いい加減ごっちゃにするのやめろよ」
何か後ろで言ってるが気にしない!いやーうれしいもんですね!作者冥利に尽きます!
健人「こんなんで作者気取りかよ」
そこ!さっきからうるさい!出番減らすぞ!
健人「バラキ、やるぞ」
茨木『承知』
え?ちょっと待ってそれ冗談じゃ済まな「空断!」真っ二つううぅぅぅ!!
醇子「えっと…始まります!」
醇子とバラキに諭され俺は医務室に向かっていたが気分的に屋内にはいたくなかったので以前醇子が逃げた時にいた土手に来ていた。こんな日に限って風は吹いていない。醇子とバラキにはああ言ったが実際かなり寝不足なので今はゆっくり寝ようと目を瞑る。そのまま意識は遠退いていった。
炎が揺らめいている。それも一ヶ所ではなくあらゆるところでだ。後ろを振り返る。
「あ、あ、あああぁぁ…」
家が焼けている。良く昼寝をした居間も、母さんと一緒に料理した台所も、何もかもだ。ふと異臭が鼻をついた。足元を見る。母さんが、父さんが、明子が、肌は赤黒く焼け爛れ衣服は今も燃えている。
「水…水をくれ…」
「熱い…火を消しておくれ…」
「助けて…お兄ちゃん…」
三人が弱々しく掠れた声で言う。
「あ…ああ……?」
左肩に違和感がある。ゆっくりとそちらを向く。燃えていた。勢いよく左腕が炎を上げていた。
「あああぁぁあああああ!!!」
俺はその場で転げ回る。
「熱い!だ、誰か!水をくれぇぇぇぇぇ!!」
瞬間ズバンッという音が聞こえた。
「え?」
燃えていた左腕はなくなっていた。ボトリと目の前に焼け焦げた棒状のものが落ちてきたのだ。それは間違いなく俺の左腕だった。
「!!!?!???!?!!?」
訳が分からない、あまりの痛みに声も上げられない。
「その程度で泣き叫んでんじゃねぇよ」
声が聞こえた。明らかに俺の声だ。
「さぁ思い出せよ…母さんを、父さんを、明子を殺したのはなんだ?」
明子達を殺したの…?
俺は脳裏に黒と赤の無機質な物体が浮かんだ。
「怪異…」
「そうだ、どうだ?憎いだろ?殺したいだろ?その怒りに身を任せちまえよ」
そうもう一人の俺は言うと姿を変えた。あの忌々しい怪異へと。
「お前が……お前らがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
俺はいつの間にか持っていた血染を怪異に向けて振るった。だが刀身はすり抜けてしまう。そして怪異はその数を無数に増やしていった。俺は手当たり次第に怪異を壊していった。気付いたら空を飛んでいた。俺の周りを怪異の攻撃が行き交っている。直後背後で爆発音がした。そちらを振り向くと隊の仲間が煙の尾を引きながら墜ちていた。俺は必死に手を伸ばす。でも届かない。今度は真横で音がした。徹子と美緒が墜ちていた。俺は必死で向かっていく。なのに追い付けない。そのまま二人は海へと消えた。そして俺は慌てて醇子を探した。遠くに見えた。せめて醇子だけでもとストライカーを飛ばす。そして、醇子の背後から赤い光がきた。醇子は光に呑まれ消滅した。その顔は絶望に染まっていた。俺は光が来た方を見た。そこには黒い鋼鉄の山が鎮座していた。
「何でだ…何で何だよーーーーーーーー!!!」
俺の叫びは大空へと吸い込まれていった。
…
……ん
……とくん
「健人くん!!」
目を開けると目の前に醇子がいた。
「良かったぁ…医務室に行ったら来てないって言うんだもん、慌てて探したよ。そしたらこんな所で寝てるし、いくら春になったからって風邪引いちゃうよ?」
「あ、ああ。ごめん」
「…大丈夫?すごくうなされてたよ?」
醇子にそう言われ俺は夢の事を思い出した。醇子の最期を思い出す。
「け、健人くん!?」
俺は醇子を抱き締めていた。こうしてないと何処かに行ってしまいそうで怖かった。
私は突然健人くんが抱き付いてきて固まってしまっていた。
「ど、どうしたの突然」
「……くれ」
「え?」
「行かないでくれ…」
その声は健人くんとは思えないほど弱々しくとても脆そうに思えた。
ーいつも忘れちゃうけど健人くんって私より年下なんだよね…
いつもは健人くんが私を励ましてくれていたけど今だけはお姉さんになっても良いよね?
「大丈夫だよ、私はここにいる。どこにも行かないよ」
「本当か?」
「本当だよ、ずっと側にいるから」
「うん…」
健人くんは泣き始めてしまった。余程酷い夢だったようだ。私は健人くんが泣き止むまでその背中をさすり続けていた。
私達が見張りから戻ってきた時健人くんと醇ちゃんは互いに顔を逸らしていた。二人に何かあったのかと聞いても返ってくるのは「何でも無いです、気にしないでください」の一点張りだ。徹子は何か気付いた様だが私と坂本にはさっぱりだ。何があったのだろうか?
俺はあのあとずっと醇子を抱き締めたまま泣き続けていた様だ。 様だと言うのもあの時は夢が後を引いていて現実と曖昧になっていたのだ。正気に戻った時はあまりの恥ずかしさに飛びずさってしまった。あれから既に三時間は経つが未だに恥ずかしすぎて顔を見れない。おまけに徹子がどうやら感付いたらしくさっきからしつこい。
「なあなあやっぱり醇子となにかあったんだろ?面白い事が!」
「しつこいぞ徹子、何も無い」
「何も無かったら顔ぐらい会わすだろー」
「あぁもう!うるさい!」
「グヒャ!?」
俺は徹子の脳天に拳骨を落とした。自業自得なので謝る気はない。
『ほうほうこれは思った以上に効果があったようじゃな』
「バラキ!?…ちょっと待てお前何した?」
『なに、醇子に少しお願いをしただけじゃよ』
「何をお願いしたんだよ!」
『ただお前さんの側にいてほしいと言っただけじゃよ』
「…ホントにか?」
『疑い深いのう…本当じゃよ』
「そうか…それはそうと」
『ん?』
「どうやら俺が休んでる間にやらかしてくれたようだな」
『…さらば!』
「まてこらぁぁぁぁぁぁ!!」
とりあえず徹子とかで溜まってた鬱憤をこいつで晴らす!
ーああもう恥ずかしいよう…顔見れない…
あの時はいつも頼りにしていた健人君が守ってあげたい弟のように見えた。いつも助けられていたばかりだった私が支えてあげられるかもしれないと思った。そう考えると自然と口から言葉が出ていた。
ーでもだからって“ずっとそばにいる”ってまるでこ、こここ告白だよね…確かに健人君は私が逃げちゃった時も、模擬戦の時も助けてもらったし付きっきりで“可変シールド”も教えてくれたけど…うぅ~
「いてて…ん?おーい醇子ー!」
「ひゃい!」
「?なに叫んでんだ?」
「て、徹子ちゃん…どうしたの?」
私がそういうと徹子ちゃんはものすごく悪い顔をした。嫌な予感しかしない。
「なあ、醇子は健人が好きなのか?」
「え、ええええぇぇぇぇぇぇ!?」
「ちょ!叫ぶなよ!」
私は慌てて口を押える。
「な、なんでそう思うの?」
「いやーだってさっきから健人と顔合わせようとしないし顔赤いし、なのに横目で見てる。もう何かあったとしか思えない!」
「か、勘繰らなくてもいいよう…」
「で、何があったんだよ!」
「話聞いてた!?」
あ、だめだ。完全に徹子ちゃん話聞かない状態になってる。
「教えろよ~、じゃないと周りに言いふらすぞ!」
「なにを!?」
いつもこんな時は健人君が止めてくれてたからどうしたらいいか分からないよ…、本当に私助けられてばっかだったんだなぁ…
「俺達が見張りに行ってた間の事だけでいいからさ!」
「それ全部ってことだよね!?」
「ああもう!健人に醇子の事どう思ってるか聞いてくる!」
健人君に?それはダメ!私は徹子ちゃんの肩を掴んだ。
「徹子ちゃん?」
「なんだよ止めんな醇……子?」
あれどうしたのかな?突然固まって。
「じゅ、醇子。落ち着けって…」
「大丈夫だよ、私は冷静だから。それより落ち着くのは徹子ちゃんだよね…?」
「わ、分かった、落ち着くからその手を離してくれ!てか何でそんな力強い痛たたたたた!」
「ちょっと私徹子ちゃんに話す事が出来ちゃった、徹子ちゃんも私に聞きたいことあるんだよね?じゃああの部屋で話そうか」
「ご、ごめんってもう聞かないから!許してくれ!」
「あれ?徹子ちゃんは何で謝ってるのかな?別に悪いことしてないよね?ただ気になって聞いてきただけだよね?じゃあ気が済むまで話そうよ、お互いに」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁたすけてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
バタン!その後しばらくの間徹子ちゃんは私の事をさん付けで呼んでいた、何でだろ?
砂利・茨木「『・・・・・・・』」
健人「・・・・・・・・」
砂利・茨木「『泣き虫』」
健人「うるせぇ!!」
いやー、これラブコメ展開プンプンするねぇ(ニヤニヤ)
健人「それはお前の匙加減だろ!」
ごもっとも!だからいかようにも出来る!あんな事やこんな事もキヒヒ…
醇子「砂利道さんちょっといいですか?」
あれー醇子ちゃんじゃないか、どうしたの?
醇子「少しお話したいなって」
……どうしてだろ嫌な予感しかしない。
醇子「大丈夫ですよすぐ終わりますから、さぁ逝きましょう」
いやーーーーーーー字が違うーーーーーーーー!!
健人・茨木「『醇子は怒らせないようにしよう…』」