隻腕の鬼と魔女   作:砂利道

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 物語の構成を考えていたのですが手元に資料が無く情報集めに苦戦しております。このままだと物語が迷走しそうな予感…
 さらにリアルの生活の方で失敗して気分低迷…次に響きそう…
 というわけでみなさんどうも、砂利道です。いきなりブルーな報告でしたが実際はそこまで落ち込んでおりません。あーやっちまったな(笑)ぐらいです。いや、本当ならもっと深刻に見るべきなのですが、自分楽観主義なのでwww(危機感無しともいう)
さて、前回時間がかかると書きましたがそんなにかかりませんでした。頭の中である程度出来ていたおかげですかね?皆さんがどうやって小説を書いているのか知りたいです。自分は素人に毛が生えた様なレベルですから…まぁ長々と書くのもあれですから本編をどうぞ!


変化、混乱

 そこは夜の森の中だった。所々に焚き木が燃えている。かなり前時代的な野営地に見えなくもない。

『情けないのう』

闇の中から声が聞こえた。

『あっさりと儂の鬼気にあてらるとはな』

「…やっぱりお前のせいか。というかここはどこだ?」

『ここは儂と主の精神世界の狭間じゃよ。まぁ今は儂の世界が色濃く出ているがの。』

そう言うとようやく姿を表した。相変わらず容姿と口調が噛み合っていない。

『それと儂のせいと言ったがそれは違うぞ』

「何…?」

『あやつも言っていたじゃろう、あれは主そのものじゃ。儂の鬼気と主の心の暗い部分が混ざり生まれたものじゃよ』

「…俺の心の姿はあんな怪物みたいになっていると?」

薄れゆく意識の中で見たもうひとりの俺の姿は猛り狂う獣そのものだった。

「ふざけるなっ!俺は確かに人を辞めたがあんな見境なく破壊を繰り返す獣になった覚えはないぞ!」

俺が復讐したいのは家族を奪った怪異共だけである。

『だが納得はしていない』

「ッ!!」

『あの時もっと早く魔女が来ていれば、周りの人間がもっと早く知らせてくれれば…』

 

 

『あの時もっと力があれば守れたのに』

 

 

俺は黙る事しかできなかった。茨木童子が言うことは全て的を射ていたし、目が覚めてから何回も考えていたからだ。

『もっとも儂が主と契約し、主が力を得たのは全てが終わり傷だらけで気絶していた時じゃった。最初は契約する気はなかったのじゃがな』

「…じゃあ何で契約したんだ?」

『一つは儂の片腕の魂を返してもらうため』

「片腕の魂?」

血染の事だろうか?でも刀に魂…?

『元は儂の片腕。儂の魂の一部じゃよ。だがその魂が戻る事を拒否してな、疑問に思った儂は主の心を見た』

『正直驚いたわい。まだ齢十の坊主があそこまで色濃く怒りをみなぎらすとは。普通なら恐怖や絶望が真っ先に浮かぶ筈なのにの』

どうやら俺は意識を失っていた時から怒りを覚えていたようだ。

『気に入った儂は主に戦いを挑んだ』

「はっ?」

ちょっと待て。こいつ今戦いを挑んだって言ったか?俺が気を失っている間になにしてんだ?でもそうだとすると俺がこいつの名前を知っていたのに説明がつく。覚えてはいないが戦っている時に名前を聞いたのだろう。

『精神世界故にいくら殺されようが何度も生き返るからな。百近くは儂に向かって来たぞ』

…俺ってそんなに血の気多かったっけ?てかそっちから挑んできたんじゃ無いのか?

『最初十回はあまりに呆気なかったが片腕が主に力を貸しての、五十超えたあたりから儂の攻撃を見切ってきよった』

『久々じゃったな、あんなに血をたぎらしたのは。そしておよそ百回目、遂に儂の首を跳ねよった。まさか僅か百の戦いで儂の首を獲るまでになるとはおもわなんだ。そのとき儂はようやく片腕の拒否した理由を知った。この坊主についていけばさらに面白い事を知ることができるとな』

「…つまりお前は自分を退屈させない奴を見付けたから契約したと?」

『そうじゃ。その為なら主の復讐にでも何でも付き合おう。そう思った。そして今に至るというところじゃな』

「悪趣味な奴だな。人の復讐を娯楽に利用するなんて」

『じゃが悪い事ばかりではあるまい。儂の知識のお陰で知り得ぬ事も知る事ができ、何より…』

「力を得られた…」

『そういうことじゃ』

確かにそう考えると良いことの方が多い気がする。だけども…

「なら一つ教えてくれ」

『なんじゃ?』

「…もう一人の俺のねじ伏せ方を」

 

 

やはりな。こやつは頭が良い。今の語りで拒絶するのと受け入れるのどちらが得かを即座に判断しよった。受け入れれば周りを傷付け自分を見失うかもしれないが、拒絶すれば自分はただ途方もない怒りを抱えてもなにも出来ない子供になるというのがわかっておる。

『…簡単なことじゃ』

 

 

 

 

 

『強き意思をもって向き合い屈服させろ』

 

 

 

 

茨木童子が言うには何事にも動じない意思でそいつと戦えば良いらしい。そうすれば同時に魔力も呼吸するように扱えるようになると言っていた。要するにもう一度自分の目的と決意を確立させればいいということだ。

「俺の目的は怪異共の殲滅。その為ならどんな事でもしてやる!」

『だめじゃな』

「な、何でだよ!」

『その目的と決意では甘い。すぐに呑み込まれるぞ』

「じゃあどんなのがいいんだよ」

『それは自分で見つけ、決めることじゃ。もし見つける事が出来たのなら儂を呼べ、場を設けてやる。この空間もそろそろ限界じゃ』

「は?限界って」

『いつまでも寝てるなってことじゃ。ほれ、行くぞい』

茨木童子はおもいっきり息を吸い込んだ。

「いや、ちょっと待…」

『起きんかいっっっ!!!!』

その瞬間俺と茨木童子の世界は砕けた。

 

 

 

「うわぁぁぁぁ!」

「うお!だ、大丈夫か?」

俺は飛び起きた。どうやら看病していてくれたらしい北郷さんが驚きの声出した。そこは最初に見た病室だった。

「お、俺は…」

「ようやく目が覚めたか。丸一日寝ていたんだぞ。この寝坊助が!」

そう言った北郷さんは笑っていた。茨木童子と話している間に現実では丸一日が経っていた。あそこにそんなに長くいたのかと驚いた。

「あ、あの…」

「安心しろ、三人は無事だ。私もこの通りだし君が気に病む事ではない」

そこまで言うと北郷さんはかおを曇らせた。

「ただ今回の件で上層部は君を二週間の自室待機を決定した。その後はどうやら精神鑑定にまわすらしい」

それはそうだ。器物破損に加え四人を危険に晒したのだ。本来なら除隊もあり得た筈だ。

「俺は大丈夫です。それより北郷さんは処分とか大丈夫だったんですか?」

そう言うと北郷さんは少し驚いた顔をした。

「健人君、少し変わったな」

「そ、そうですか?」

自分ではそうは思わない。

「前までは我関せずって感じで他人にはあまり興味を持たなかったが今は私の事を心配してくれた。これは明確に変わっている」

確かに茨木童子と話す前までは復讐の事しか頭になかったがあいつと話したことで少し整理が出来たらしい。だが依然分からない事がある。

『その目的と決意では甘い。すぐに呑み込まれるぞ』

この言葉で俺は混乱していた。復讐をするために人である事をやめ、力を得たのにそれでは甘いと言われた。これ以上どのような覚悟が必要というのか。第一あいつは復讐こそ我が存在って言っていたじゃないか。俺と何が違うというのか。

『知りたければ儂が納得できる言葉を探せ』

ー…お前はいつも唐突だな。というか心を読むなよ。

『使い魔になった時から主の心を直に感じられるようになっての、人の心の変わりようは面白いのう。もっと早くに知りたかったわい。』

ー俺以外に契約した事はないのか?

『無い。儂は生まれてからのおよそ九百五十年、その半分は酒呑童子殿が討たれた際に封印されておったからな』

今さらっとすごい年齢を言われたな。それだけ生きていて見た目十五歳とはどういうことか。鬼は老化が遅いのか?

『封印された後遺症で体の時が止まっておるだけだ。寿命も変わらん』

ーちなみに後どれくらい生きれるんだ?

『そうじゃの…約百五十年といったところかの』

ー…十分過ぎないか?

『何を言う。こんな楽しみを見つけたのじゃ、そんな早くくたばれはせん!』

ー人から見れば長生き過ぎるんだよ!

「どうかしたのか健人君。急に黙り込んで」

「い、いえ。何でもありません」

会話に集中しすぎて北郷さんのことすっかり忘れていた。

「?そうか。それより健人君、お腹が空かないか?」

そういわれると腹が減っている。一日食べていないのだから当然か。

「はい」

「そうか。ならお粥を作ってやろう。少し待っていてくれ」

そういうと北郷さんは退室していった。

ーお粥か…最後に食べたの何時だっけ?

ここ二年は病気を患った記憶はない。体は丈夫で風邪なんか一回あるかないか程度だった。

ーまぁ明子は病気どころか怪我もほとんどなかったけどな。

もっとも明子の場合は怪我しても一分あれば治ったのだけど。

 

 

 三十分後、俺の前にはかつてない危機が迫っていた。そこにはほぼ餅に近いお粥に真っ黒に焦げたおそらくネギだったもの丸ごと一本。とどめは湯気が立っているみかんがお粥の真ん中を陣取っている。

『こ、これは…』

茨木童子も言葉を失っている。

「ネギは少し焦がしてしまったがお腹に良いようにちゃんと温めといたぞ!我ながらに自信作だ!」

どう考えてもこれを食べたほうがお腹に悪いだろう。しかし食べないのはさすがに申し訳ない。

「…南無三!」

「南無三?」

このあと俺は絶対に北郷さんの料理にはお世話にならないと誓った。




 茨木童子のキャラが固まりませんね…いい奴なのか悪い奴なのかはっきりさせなければ…
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