隻腕の鬼と魔女   作:砂利道

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 この模擬戦で戦闘描写の練習をしたんですがはっきりすごい難しいです。どうすれば迫力のある描写が出来るんでしょうかね…


合同模擬戦

あれから一週間、何とかバラキの悪ふざけの騒動を収め俺たちは訓練に励んでいた。北郷さん以外は新人同然なので寝ても覚めても特訓で少し参る。しかしそのおかげかここでの初戦果は海軍が貰い受けた。その後陸軍側からある提案が持ちかけられた。

「合同の模擬戦…ですか」

「そうだ、こちらが初戦果を挙げたといっても実力的にはあちらが上だ。共同戦線を張る身には不安に思うのも当然だろう」

「要するにあっちを負かせば納得させられるんだろ?楽勝だろ!」

「若、慢心はいけないぞ、仮にもあっちは陸軍の精鋭だ。舐めてかかると痛い目に遭うぞ」

「分かってるよ」

「それで参加メンバーだが私と若、それと坂本で行こうと思う」

「わ、私ですか」

「何狼狽えてんだよ。見返してやれるチャンスじゃねぇか!」

「う、うん。でも健人君の方がいいんじゃ…」

「いや、健人君には私たちの後の個人の模擬戦に出てもらう予定だ」

「個人のですか?」

「そうだ。その方が君も気兼ねなくできるだろう?」

「まぁはい、そうですね」

確かに俺の固有魔法は味方も巻き込みかねないからな、その方が良いだろう。

「みんな頑張ってね!私ちゃんと応援するから!」

 

 

 

 

 翌日、飛行場。

「ルールは単純、装備は自由!飛行隊長を墜とせばその時点で勝負あり!同高度ですれ違った時点から模擬戦開始よ!」

「「「「「「了解!」」」」」」

「始まったね…」

「あぁ…」

今上空では模擬戦が始まっていた。陸軍側は穴吹少尉、加東少尉、そして飛行隊長の加藤少尉だ。

ー加藤と加東ややこしいな…

どうでもいいことを考えていると戦況が動いた。互いに上昇していたのが陸軍側が反転して向かってきたのだ。打ち合いが始まった。北郷さんは弾を躱していくが徹子が数発被弾した。美緒も辛うじて避けているがどこか動きが変だ。ふらふらしている。

「あっ!」

すると美緒の左のストライカーが煙を上げ止まってしまった。発動機のトラブルらしい。

「まずい!」

加藤少尉が狙いを定めている。このままでは被弾する。だが

「はあああああーーーーーーーっ!!!」

「あれは!?」

隣にいた江藤敏子中佐が驚いた声を上げていた。

「ツバメ返しだと!?」

美緒は驚くほどに小さい旋回で加藤少尉の背後を取り引き金を引いた。弾はストライカーに命中。美緒たちの勝ちだった。

 

 

 「いやー、危なかったなぁ。あそこで坂本が決めてなきゃ負けていたかもしれない」

「まさかツバメ返しができるなんて…油断したわ…」

「あんな状態から持ち直すなんてすごいわよね~」

「やっぱり“あの”舞鶴部隊よね、さすがだわ」

「あ…あの」

美緒は褒められて顔を赤くしている。

「ま、いい経験になったわ。これからもよろしくね」

あまりの事に固まっていたが自分が認められたことは理解したのか顔は明るい。

「さて、次は健人君だ。頑張ってこい!」

「はい!」

俺はストライカーを装着した。

「よろしくね、手加減はしないわよ」

俺の相手は黒江少尉だ。北郷さん曰く剣の腕は確からしい。

「よろしくお願いします」

「ではルールは相手の吹き流しを断ち切れば勝ち。綾香勝ってきなさい!負けっぱなしは許さないわよ!」

「健人君頑張ってねー!」

下で醇子達が手を振っていた。俺も負けるつもりは毛頭ない。

俺たちは同高度に達した。自分の中でカウントをする。

ー三、二、一…今だ!

すれ違った瞬間血染に溜めていた魔力を解放する。

「な、なんだ!?」

俺は一瞬で百メートルは突き放した。旋回をする。黒江少尉は既に体勢を戻しこっちに来ていた。対する俺も向かっていく。互いにすれ違った瞬間刀を打ち付けた。火花が飛び散り腕が痺れる。俺は距離を取ろうとするがいつの間にか近づかれていた。魔力を溜める隙がない。俺は必死で剣戟を捌く。

「中々やるじゃない」

黒江少尉はまだ余裕そうだ。

「ありが、とうっ、ございます!」

こっちは余裕はない。特に左は打たれ弱い。すると刀を跳ね上げられた。俺は咄嗟にシールドを張り凌ぐが弾き飛ばされ体勢を崩す。

ーくそっ!一瞬でもあっちの体勢を崩せれば“あれ”を試せるのに!

実は以前の徹子の模擬戦以来周囲の被害が少なく且つ抜刀状態で使える技を考えていたのだ。こっそり地上で練習していたが空中で使えるかはわからなかったので試したかったのだ。もし成功すれば銃の代わりに遠距離の連撃が可能になる。

ーせめてさっき喰らったみたいに弾く事が出来れば…

待てよ、弾く?…いけるかもしれない。ぶっつけ本番だがやるしかない。俺は無理やり体勢を立て直した。だが次の攻撃に繋げやすいように仰向けにだ。

「悪いわね、もらったわ!」

黒江少尉は俺の吹き流しを断ちに来た。俺は寸前にシールドを張った。このままだとさっきと同じように吹き飛ばされるが俺はシールドに固有魔法を重ねた。つまりシールド自身が超振動を起こしているのだ。刀がシールドに触れた瞬間勢いよく弾かれた。

「なっ!!」

黒江少尉の目が見開かれる。俺は血染に魔力を流し込みぎりぎりまで引いた。攻撃範囲は極端に狭いがもっともリーチが長く見切られにくい技。突きの体勢。高密度の音が投擲槍のように飛んでいき敵を貫く。

「穿牙(せんが)!!」

音の槍は黒江少尉の横を掠め後ろの吹き流しを貫き引きちぎった。

「いよっしゃぁぁぁ!成功!」

「嘘でしょ…」

俺の勝ちだ。

 

 

 

 

 「まさか吹っかけたこっちが負けるなんてね、参ったわ…」

「いや、こっちもいい経験ができたよ、ありがとう」

「こちらこそ」

北郷と江藤はこれからの部下の成長を頼もしく思っていた。

 

 

 「全部負けるなんて…完全に明日から訓練十倍だよね…」

「「「うん…」」」

陸軍の皆さんは完全にお通夜状態だ。見てるこっちが辛くなる。

「あの…皆さん凄かったですよ!さすが精鋭って感じで!」

「そ、そうです!」

「俺なんか普通にやられたし」

「俺も固有魔法なければ完全に負けてました」

醇子が励まそうとし、俺たちも乗っかる。

「あ、ありがと~~~~~~!!」

穴吹少尉が抱き着いてくる。俺はすんでのところで躱したが三人は完全に捕まっている。

「にしても健人君の最後のシールドとあの技は何なの?」

加藤少尉が聞いてきた。

「そうだよ!あれはなに!?」

黒江少尉が食いついてきた。

「あれはシールドに超振動を付加したんです。結果刀が振動によってはじかれたんです」

「じゃああの吹き流しを引きちぎったのは?」

「あれも刀に超振動を起こさせたんですが圧縮して槍状にして突きに乗せて放ちました」

「というかその刀普通じゃないのよね?」

「はい、これは相棒の左腕を刀に打ちかえたものです」

「え、もともと腕?」

『そうじゃよ』

いつの間にか実体化したバラキがいた。もちろん普通の姿でだ。

「これはあなたの腕なんですか?」

『うむ、今から九百と五十年ほど前に切り飛ばされたあと儂は封印され、腕は各地を転々としながら刀へと姿を変えた様じゃな。おかげで封を解いた後探し出すのに四百年かかったわい』

俺たちはバラキのさらっと言った年数に驚いていた。

「前から思ってたけど長生き過ぎ…」

『なに、まだまだ!』

「い、いろいろとすごいわね…」

そんな話をしてると北郷さんと江藤中佐が戻ってきた。

「今日はみんないい経験が出来たでしょ?これを生かして精進しなさい。あと明日からあなた達は訓練十五倍だから」

「「「「えぇぇぇぇぇ!!!?」」」」

ご愁傷様です。

「みんなよく頑張ったね。私たちの全勝だよ。でもこれに驕らず自分の欠点を克服するようにしなきゃね」

「「「「はい!」」」」

「うん、いい返事だね」

 

 

 

 

 

 

 「あー、にしてももう少しで向こうの飛行隊長墜とせたのにな…」

「ごめんね…」

穴吹少尉の言葉に加藤少尉が落ち込む。

「っプ、ワハハハハ!何言ってんの!あんた達もいっぱしの扶桑軍人なら“軍神”の噂ぐらい聞いたことがあるでしょ?個人の戦闘力は当然、駐欧武官を務めたほど頭脳明晰、向こうの飛行隊長がその“軍神”北郷章香よ。つまりあんたらみたいなひよっこじゃ何人束になっても敵う相手じゃないのよ~、まっ私ならいい線いけると思うけど」

「「「「……えっ、ええええええええーーーーーー!!?」」」」

 

 

 

 

 俺もその話を盗み聞きして驚いていた。普段は気の良いお姉さんのような人が本当にすごい人だったのだ。俺はそんな人に教わっているのだから早く強くならなければ。そう心に強く決めた。

 




 最近自分の執筆力のなさを痛感します。皆さん上手過ぎですよ…
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