ウマ娘に転生しました。えぇ…足無いじゃん…   作:(トヨ)

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おひさしぶりーふ
gw期間中にたくさん更新したいですよろしくおねがいします。
30連でチアネイチャ2人、団長キング1人お迎え出来ました。


ペロッ……これは敗北の味!

知っていた、分かっていたつもりだったんだ。

スポーツに怪我は付き物って。

身近にいる人が…ルドルフちゃんが、グラスちゃんが怪我をしたから理解していたつもりだったんだよ……

でも、怪我をしたところを目の当たりにした事はなかった。

砂浜に倒れているキングちゃんを見た瞬間、頭の中が真っ白になった。

気がついたら全身砂まみれになっていた………いや本当に。

恐らくハイハイだか匍匐だかでキングちゃんの元に行ったんだろうけど…キングちゃんにも砂めっちゃかかってるやん……ごめんなさい…

 

結果的にキングちゃんは砂に足を取られて転んじゃっただけ…らしい。

けど念の為に2日間は体を動かすトレーニングを休んでもらうことにした。

これでもめっちゃ譲歩したんだけど…

本当はレントゲンを撮りに近くの病院まで連れて行こうとしたんだけど、足に痛みも違和感もないから大丈夫とか言ってめっちゃ抵抗された!!

うぐぐ……ちょっとでも違和感があったら僕に言うんだぞキングちゃん!!!え?大袈裟なんかじゃないわ!!!

 

 

 

あれから、時間的にもトレーニングは終了となり、みんなから取り敢えず落ち着け、と部屋に放り込まれた。

……キングちゃんの元に行った時…僕はオロオロするだけで何も出来なかった…

グラスちゃんが足の確認、ルドルフちゃんがアイシングの準備、葵ちゃんとミークちゃんがトレーナーを呼んで来てくれたけど……

僕キングちゃんに砂ぶっかけた(意味深)だけじゃん…

取り敢えずキングちゃんのマッサージとストレッチはトレーニングしない日でも欠かさないようにしてもらおう。

 

結局僕は……トレーナーとしてもウマ娘としても半人前だ…いざと言う時の冷静な判断力がない。ウマ娘ちゃん天国にいるという状況に甘えて、無意識にもしものことに関して目を逸らしていた……

対応に関しては人に頼らなきゃ物理的に無理。

怪我人を揺らさずに運んだり、手当てする為の道具の安定した持ち運びや用意が出来ない…………………クソが……………

 

 

 

 

 

この足が、この足さえ

 

 

 

 

いや

 

 

 

 

 

それは言い訳だ、要は四六時中重い物を持ち運びしながら義足で歩いたり走ったり出来るようになれば良いだけだろ!メンタルとフィジカル!!

レッツマッスルマッスル!!

 

 

僕には夢がある。ウマ娘ちゃん達と併走すると言う夢が!走りながら彼女らのお顔!

chichi!

shiri!

hutomomo!

を直近で見ると言う夢が!その為にも命燃やすぜ!死んでも死にきれねえ!

 

 

というわけで、ジーっとしててもドうにもならねぇ!

ウマ娘の身体は頑丈だから無理をしたって早々は壊れないでしょ。

ギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張って!

(限界を)振り切るぜ!

限界なんてぶっ壊してやれ、自分の手で!!

まずは走り込み1000本からだ!!!

我が身は既に覚悟完了!

 

 

 

 

 

 

 


 

「ひゃわあ!?」

 

「え?」

 

おや?

声がした方に姉さんと一緒に顔を向けるとキングヘイローが砂浜に倒れている……怪我か!?

 

「キングちゃん!!!!」

 

姉さんが悲痛な声でキングヘイローの名前を呼んだ直後、座っていた椅子から砂浜へ顔面からダイブした。

…………ダイブ!?

 

「姉さん!大丈夫か!?」

顔を上げた姉さんは私の声を無視して両手を器用に使い砂浜を駆けて行く、その動きはまるで…………蜥蜴?いや、私も早くキングヘイローの元へ向かわねば。

 

「キングヘイロー!大丈夫か!?」

 

「キングヘイローさん!?大丈夫ですか!?」

 

「キングちゃん!!!」

 

「ぶわっぷ!!!ちょっと!ス■■さん!!砂!!!」

 

姉さんの勢いが強過ぎてキングヘイローがおもいっきり砂をかぶっている…とにかく姉さんを落ち着かせないと!

 

 

 

 

 

 

キングヘイローの容態を見たところ、何処にも異常は無い…砂に足を取られて転んだか、あるいは足を捻って転んだか?

 

「キングちゃんキングちゃんキングちゃん…」

 

「皆さん、大きな声を出してしまってごめんなさい。少し足首がヒリヒリするだけで、少し休めば治る程度の痛みだわ、大丈夫よ。」

 

「キングちゃん、立ちあがろうとしないでください。会長さん、アイシングの用意をお願いしてもよろしいでしょうか?どうやら、砂に足を取られて転んでしまったみたいで」

 

「委細承知した、少し待っていてくれ。」

 

「キングちゃんキングちゃんキングちゃん…」

 

「あの、グラスさんに会長さん。私の話聞いていたのかしら?平気よ。」

 

「私たちは、トレーナーさん呼んできますね!!」

 

「あの……」

 

「キングちゃんキングちゃんキングちゃん…」

 

「あぁもう!貴方はさっきから私の名前を念仏の様にブツブツと唱えるのをやめなさい!気味が悪いのよ!!」

 

「…ぁ………キングちゃん!!病院!!!救急車!!!呼ぶから!!」

 

「貴方も貴方でぜんっぜん私の話を聞いていないのね……殆ど痛くないのだから平気よ、救急車は呼ばないで」

 

「痛みないの!?骨折!?!?靭帯断裂!?!?びょういん!!きゅうきゅうしゃ!!!」

 

「今何を聞いていたの!?いい加減に落ち着きなさいよもうーー!!!」

 

あそこまで冷静さを失った姉さんは珍しいな…手早く準備して戻ろうか。

 

 

 

処置をした後、キングヘイローを医者に診て貰ったところ、骨や筋肉、関節に異常は無かったようだ。落ち着き払ったキングヘイローとは逆に姉さんの方が周章狼狽して煩かったのがとても珍しくて印象に残っている。

なんとか2日程トレーニングを休ませる、という条件で落ち着いては貰えたが、凄く不満気な顔をしていた。

思えば、私が怪我をした時も大袈裟なくらい心配をしてくれたものだ。あの時は毎日電話をしてくれて…!

だが、今回のキングヘイローの時の方が私の時より………むぅ……

 

 

 

 

 

 


 

毎日王冠、私の復帰レースとなります。エルやスズカさんも出走するレース、絶対に負けられません。

ただ、懸念事項が2つ…。

1つは、結局私の走りが朝日杯FSの時の走りに戻ってないこと。更に、約10ヶ月ぶりのレースですから、レース感も鈍ってしまっていることでしょう。

しかし、それは勝てない言い訳にはなりません。ス■■さんの指導の下で培ってきたこの走りで勝利を掴んでみせる所存です!

……が2つ目の懸念はそのス■■さんのこと。

私たちの指導の際にどこか集中力を欠いている…そんな気がしてならないのです…

キングちゃんが砂浜で転んだ日、結果的にはなんともありませんでしたが、ス■■さんはとても取り乱していました。今まであんな彼女は見たことありません。その日は夕食も取らず塞ぎ込んでしまっていたり、以降暫く元気が無いように見えましたが、今日までしっかりと指導をして下さっています。

そして、あの日から1番変わったことは、私たちのトレーニング中は必ず義足を着用して来られることです。ス■■さんに一体どのような心の変化があったのか、私にお話して下さらないので分からないのです!キングちゃんも指導することになった時にあれ程何かあったら相談して欲しいとお願いしましたのに……。

私は信用されていないのでしょうか?

やはり生徒の身では出過ぎた真似だったのでしょうか?

……いけません、邪念を振り払ってレースに集中しないと、もう間もなくゲートインなのに…!

 

 

 

 

 

『小細工無用の真っ向勝負、府中1800毎日王冠スタート!』

 

「っ!」

 

やってしまいました、スタートミス…ですが落ち着いて持ち直します。

やはりスズカさんは先頭キープ、その後ろにぴったりとエル。スズカさんを徹底マークする気ですね。私も少しずつスズカさんと距離を詰めなければ!

 

 

くっ…ペースが速いっ!?今の私では……

スズカさんが息を入れるタイミングで一気に仕掛けるしかない!

 

「……………っ!今です!!」

 

 

『グラスワンダーが早めに出てきた大欅の向こう側!さあどうだどうだどうだ!

サイレンススズカに、詰め寄って来たのは外外"怪物二世"グラスワンダー!さあ真っ向勝負!!』

 

 

あと少し!ここで!!

 

あ、足が……

「くうっ!!」

 

届かない……届かない!届かない届かない!!!

 

 

『坂を登る!サイレンスまだ逃げる!外に少し寄れたかエルコンドルパサー!グラスワンダーは伸びが苦しい!

200を通過!!サイレンススズカだサイレンススズカだ!!

2番手はエルコンドルパサーだが離れている!

グラスワンダーは3番手も苦しい!

 

グランプリウマ娘の貫禄!!!

サイレンススズカ今ゴールイン!!!

どこまって行っても逃げてやる!!!

見事だ見事だサイレンススズカ天皇盾に向けて視界良し!』

 

 

「ハァッ…ハァッ……ハァッ………」

 

……………私はっ……ごめんなさい………ス■■さん……

………ス■■さん?

 

 

……今のほっと安心したような表情は何ですか?

 

 

 

 

 

 

今……スズカさんを見て……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がついたら控え室にいました。3着にも入らなかった私にウイニングライブに出る資格はありません…

 

 

コンッコンッ

 

「グラスちゃん?入りますよ?」

 

この声はス■■さん…

 

「……はい…」

 

彼女が車椅子で入ってきました…

 

ス■■さん……何故…?…どうして?…なんで?……

 

「グラスちゃんごめんなさい、私の能力不足で

「なんでですか?…なんでスズカさんを見ていたんですか?」

 

「…え?」

ス■■さんが目が大きく見開いて驚いてます。

私の感情は止まりません、涙が溢れるのも厭わず私は叫びます。

 

「貴方の指導を受けているのは私です!私の指導をしているのは貴方だけなんです!!

レース中はわたしだけを見てください!!!

私は!

勝てなかった悔しさや罪悪感よりも、貴方に見てもらえていなかったことの方が……っ」

 

これ以上は言葉が続きません…

 

「ごめんなさいグラスちゃん、その通りですよね…ほんとにごめんなさい。駄目なサブトレーナーで

「謝罪はいりません。何故スズカさんを見ていたのですか、スズカさんの方が良いんですか?教えてください。」

「スズカちゃんの方が良いとかではないんですよ!本当に

「では何ですか!何で見てたんですか!!」

「それは…その…言えないんです…」

「それは私が信頼するに足り得ないからですか」

「違うの!そうじゃなくて

「ス■■さんが夏合宿の時から悩んでいるのは知っています!なんで私に相談してくださらないんですか!なんで………っ」

 

 

堪らず私は控え室を飛び出してしまいました。

 

 





世界を魅せたその走り
このレースで解き放て
凱旋に賭ける娘
走れ走れエルコンドル



大和の誇りを胸に秘め
女グラス今行くぞ
さあ薙刀振り回し
勝利を掴め
グ・ラ・ス!ワンダー!
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