幻の超戦艦級   作:裕二

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戦闘開始

「リンクオン」

 

[演算機能起動 リンク対象 シナノ]

 

その言葉を紡いだ瞬間、俺の視界が一瞬ブラックアウトした

 

[表層リンク完了 深層リンク開始]

 

それが元に戻った瞬間、膨大なデータが俺の脳に入ってきた

 

「っ....」

 

「確認、承認」

 

シナノは表情を変えず、俺のバイタルを確認してくれている

 

[リンク完了 データ共有 正常]

 

この段階で、もう演算機能は少し戻ってる

 

「とりあえず牽制にミサイル撃ち込んで!」

 

シナノが敵にミサイルを撃った。そしてそれら全てが迎撃されたか、クライン・フィールドで防がれたというのを視た

 

[演算並列化完了 全行程終了]

 

「よし、シナノはクライン・フィールドと敵の攻撃の迎撃、回避行動を頼む」

 

「わかった。でも、無理はしないで」

 

今、俺は霧のシナノと繋がっている。勿論、物理ではなくデータ的にだ

 

この状態ならば俺でもシナノを動かすことができる

 

なんでそんなことが俺に、人間にできるのか

 

それは俺の脳に機械が埋め込まれているということに起因する

 

 

 

 

 

少し、昔話をしよう

 

過去、日本は戦争をしていた

 

そしてそれに負け、事実上アメリカに頼る形をとっていた

 

それから脱却しようとある極秘計画が開始された

 

機械と繋がることのできる人間

 

それを作れば日本はデータ上では無敗となれる

 

そんな希望を込めて開始された

 

しかし、成熟し切った人間に機械を埋めた場合、拒否反応が起こり、100%の確率で死んでしまった

 

いくら研究してもそれは変わらなかった

 

そして、禁断の道へ進んでしまった

 

それが、今のデザインチャイルド計画の元になった計画。言うならばプロトデザインチャイルド計画か

 

構想としては、産まれる前から調整をして機械に適合できる子供を作るという方向性が一つ

 

もう一つは、人工的に作り出せば機械に適合できる子供が出来るのではないか、という方向性の二つがあった

 

結果として、この計画も事実上の失敗だ

 

この計画では、100人の子供が作られた

 

そのうちの先ず30人は調整に耐えられず死亡。10人が人工的に作るのに失敗し死亡。ここまでで40人が死んだ

 

では残りの60人はどうなったのか

 

40人は、外に出た瞬間に死亡した。此方は人工的に作り出された子供達だ。ここで、人工的に作る方法が違うとわかった

 

それはこれからの研究で改善できるだろう

 

だがしかし、もう19人は機械を入れた時点で死んだ

 

理由は不明だが、恐らく機械に耐えられなかったとされている

 

では、ラスト一人は?

 

ラストの一人は成功した

 

いや、してしまったのだ

 

でも、この計画は破棄された。なぜか

 

先ず機械のコストと調整のコスト、人工的に作るのにかかるコストを足した場合、凄まじい事になる

 

それなのに成功率が低いというのはシャレにならなかったのだ

 

そして、もう一つ

 

この少しあと、霧の艦隊の発見報告が頻繁になってきたことで、それの解明の為の研究に人員を費やすことを強いられていた

 

そのため、こんな成功率が低い計画に人を割く余裕が無くなった

 

では成功例はどうなったのか

 

一人しか生まれなかった、しかも特異な力を持つ

 

そんな存在に恐怖を抱いたのか

 

まだ一歳にもなっていなかったので人がいないようなところに棄てられたのだ

 

もう気づいているだろう。ラスト一人こと、コードネーム零

 

それが俺だ

 

棄てられたが死んではなかったのだ

 

そして、色々あってこの船に乗ることになったのだった

 

 

 

 

 

「くそっ、戦艦二体って結構辛いな!」

 

「ごめん、全力出せれば....」

 

シナノが悲痛な顔をした。その責任は俺にもあるから、気にしないでいい、と言いたいが残念ながらそんな余裕はない

 

[照準 粒子砲発射 侵食弾頭発射]

 

くそっ、だめか

 

でもそろそろクライン・フィールド稼働率が50%になるはず

 

[ソナーに反応あり データ照合 白鯨]

 

っ、やっと来た!

 

[401も感知]

 

「シナノ!白鯨の援護に回るぞ!」

 

「了解!!」

 

今回の作戦はここからが正念場だ

 

白鯨のスーパーキャビテーション航行により、水中をかき回す

 

恐らくはそこを狙われる筈だ

 

それで白鯨が落とされないように援護をする

 

[海中騒音レベル中]

 

くるか!

 

[標的 ロック 主砲 副砲一斉射撃/海中騒音レベル極大 ソナー感度 極低下]

 

始まった これがスーパーキャビテーション航行か

 

確かにこのうるささならソナー感度が低下するわ

 

ハルナとキリシマが白鯨を狙おうとすれば、照準を外す=こちらに向けている目を離す=即撃沈なので、白鯨に注意を割く余裕はないだろう

 

これなら白鯨はわりかし安全に海を荒らせるな

 

そしてこの間に401が群像達と合流する予定だ

 

さて、401が戻ってくるまで頑張りますか!

 

[粒子砲射撃継続中 敵予測クライン・フィールド稼働率50%以下/シナノ クライン・フィールド稼働率93%]

 

意外にこのまま押し勝てるんじゃね?いけるパターンか??

 

[タナトニウム反応 侵食弾頭兵器 予測50発/迎撃可能予測 40発]

 

まじかよ!

 

「シナノ!侵食弾頭がくる!!クライン・フィールド頼むぞ!!」

 

「任せて!衝撃くるよ!」

 

船がかなり揺れる。例えクライン・フィールドで消滅を防げても衝撃はこっちまで来てしまうのだ

 

落とせたのは予想より多い43発

 

当たったのは5発 残りは回避できたが一気に稼働率が70%にまでなった

 

しかもその隙に白鯨に粒子砲が着弾してしまった

 

やっぱり戦艦二体相手っていうのは辛いものがあるかな....

 

「やべぇな。どうするか....」

 

「大丈夫だよ、彼らが来た」

 

[タナトニウム反応 目標敵艦 命中/401反応あり]

 

ようやくか!

 

「これで勝てるぞ。ここで両方落とす!!」

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