泥岩少女のヒーローアカデミア   作:中澤織部

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どうも、最新話です。
ヒロアカ世界に色んなキャラとかをぶっ込めるか色々と考えてみたんですが、私の知っている範囲だと凄い難しいんですよね。
歌で魅了するシンガーヒーローって良いと思いません?


それはそれとして花譜ちゃんはいいぞ。


岩繰泥花と入試結果

とある薄暗い一室。

 

「実技総合成績、出ました」

 

其処では、実技試験において上位の成績を残した受験生たちに対する話し合いが行われていた。

 

「救助ポイント0で二位とはなぁ!」

 

「1Pや2Pは標的を補足して近寄ってくる。後半、他が鈍くなっていく中、派手な個性で寄せ付け、迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 

そう評価されているのは、VTR画面の中でイガグリのような頭をした、両手から爆発を起こす少年の姿。

 

「対照的に敵ポイント0で八位」

 

「アレに立ち向かったのは過去にもいたけど……、ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね」

 

「思わずYEAH!って言っちゃったからなー」

 

「しかし、自身の衝撃で重大な負傷……、まるで発現したての幼児だ」

 

「妙な奴だよ、あそこ以外はずっと典型的な不合格者だった」

 

「細けえことはいんだよ! 俺はあいつ気に入ったよ!!」

 

そう評価されているのは、癖ッ毛の強い髪の少年。VTRの中で彼は、巨大な0Pヴィランをたった一撃で破壊していた。

 

「それはそうとして一位の奴は……」

 

「まあ、文句なしでしょうな」

 

画面に映った実技成績の順位には、77Pを獲得した爆豪の上に、圧倒的な数値を叩き出した一人の少女の名前があった。

 

「敵ポイント88に加えて救助ポイント21……、圧倒的な成績に加えてあの個性!!」

 

「近い個性としてはピクシーボブかセメントス先生が類似するのでしょうが、それにしてもあの年齢でこのレベルとはね」

 

「瞬時に五体の土人形を生み出して各所で戦闘を行いつつ、本人も純粋なパワーでポイントを稼ぎながら救助も行う判断力の良さも素晴らしい!」

 

「おまけに最後のアレ、まさか一回の試験で二体の0Pを破壊されるとは思いませんでしたよ」

 

VTR画面でスレッジハンマーを振るいながらヴィランロボットを破壊していく少女──岩繰泥花の姿に彼らは称賛を浴びせる。

 

「筆記試験の方も……まあこのくらいでしたら充分でしょう」

 

「しかし彼女の経歴は……、両親の欄が空白ですな」

 

「捨てられていたのを、今の後見人である馬渕庭恵倫が保護したとありますが……」

 

馬渕庭の名前が出た瞬間、室内の空気は微妙な感じになった。

雄英高校普通科の卒業生に名を連ねる馬渕庭は、かつて相当なヤンチャを起こした前科がある。

今でこそ環境保護団体の代表として、慈善活動などにも精を出す立派な人物として周知されているが、彼の学生時代を知る者たちは、彼が後見人というだけで難色を示し始めた。

しかし、そこに待ったをかけた者がいた。

 

「彼女は優れた成績で素質を見せてくれた。それで受け入れる理由は充分さ! それを育ての後見人の過去で判断するのは良くないと思う」

 

「校長……」

 

「それに、彼女はプロヒーローのΞ・Gとも親密だと聞いている。何かあっても、我々が導けばいいのさ!」

 

「まあ、校長がそう仰るのなら……」

 

「優れた個性を手放すのも惜しいですし、合格でよいでしょうな」

 

「それじゃ、次の子を見てみましょうか──」

 

 

……

 

 

試験が終わってから幾日が経った頃、泥花は施設の庭に面した縁側で、ぼうっと空を眺めていた。

掌の上の小さな友人を撫でながら、彼女は春が近いゆえの穏やかな陽気に身を任せていた。

と、背後の施設のなかを、此方に向かって歩く足音が聞こえてきた。

 

「おい嬢ちゃん、雄英から手紙が来てるぞ」

 

声の主に視線を向けると、野暮ったい普段着を着た、やや長めの茶髪に顔面の左側の傷跡と無精髭が特徴的な男が、雄英高校の名前と校章が記された封筒を持ってやったきた。

 

「本当か我有馬」

 

名前を呼ぶと、無精髭の男──能比流我有馬(のびるがうま)は手にしていた封筒を泥花に放り投げた。

危なげなく受けとると、封筒は少しだけ厚みがあり、書類以外の何かが入っているらしく重量もあった。

 

「……此所で開けてもいいだろうか」

 

「んなこと気にすんなよ。落ちても責める奴なんざ此処にはいねぇって」

 

封筒をやや無造作に開けると、中には掌に収まるサイズの小さなプロジェクターが入っていた。

 

「なんだそりゃ?」

 

「何って、プロジェクターだろう」

 

「んなこと知ってるっての……」

 

すると、プロジェクターが起動し、意外な人物か投影された。

 

『私が投影された!!!』

 

「お、オールマイトじゃねぇか!」

 

驚きのあまりに我有馬がそう叫ぶと、今まで遠巻きにこっそり見ていた他の職員や子供たちが寄ってくきた。

 

「オールマイト?」

 

「嘘でしょ何で!?」

 

「わぁ、おーるまいとだぁ!」

 

『やあ岩繰少女、私はオールマイト! 何故ここに投影されているのかと君は思っているだろう? それはね、私が四月から雄英高校の教師を勤めることになったからさ!』

 

『平和の象徴』の異名を持つナンバー1ヒーローのオールマイトが教師になる。

その事実は、プロジェクターの周りに集まっていた皆を驚かせるには充分だった。

 

『さて、早速だが入試の結果を発表させてもらおう』

 

皆で揃って食い入るように見つめると、オールマイトのバックでドラムロールが流れ始める。

 

『筆記試験は勿論合格、そして実技試験だが……88ポイント! 文句なしのトップ合格さ!』

 

派手な効果音と共に発せられたその言葉に、職員たちは泥花の将来を祝福して歓声を上げる。

泥花も、心の奥底で不合格になったのかもしれないという漠然とした不安が払拭されたことに、心の底から安堵した。

 

『──それだけ、ならね』

 

プロジェクターから放たれるオールマイトの言葉に、沸き立った空気も一瞬で静まり返る。

 

この試験、見ていたのは敵ポイントだけに非ず! ──救助ポイント!! これは審査制! 我々雄英が見ていたもう一つの基礎能力さ!!』

 

それを聞いて、泥花は浮空から聞いた話を思い出した。

 

──ヒーローってものが何か考えときゃ、自ずと答えは出る──

 

つまり、そういうことなのかと泥花はここで漸く理解した。

何もヒーローというのはヴィランを倒して終わりではない。

多くの人を助け、安心させること。雄英高校が実技試験で本当に見ていたのは、目の前の脅威ばかりに目を向けずに、本当に困っている人に手を差し伸べる本物のヒーローを見定めていたのだ。

 

『ヒーローってのは常にお節介上等! そんな君の救助ポイントは21!! あれだけのヴィランロボットを相手にしながらと考えれば及第点以上だ!』

 

プロジェクターの中の、彫りの深い頼もしさを感じる笑顔が此方に見やる。

 

『そして、君の合計ポイントは109!! ぶっちぎりで文句なしの首席合格だ! 来いよ岩繰少女、──此所が君の、ヒーローアカデミアだ!!』

 

瞬間、施設のみんなが大地を揺らすような歓声を上げた。

 

「おめでとう泥花ちゃん!」

 

「よくやったな、あの雄英を首席だなんて!」

 

「今日はお祝いだ! 外出中の馬渕庭さんも呼んで、あと櫛井も呼ばなきゃな!」

 

「おめでとう、でいかおねぇちゃん!」

 

「でいかねぇちゃんすげえ!」

 

重なるように色んな人に抱きつかれ、もみくちゃにされて押し潰されそうになった泥花だったが、しかし、その顔は何時にも増して明るい笑みを浮かべていた。

こうして、岩繰泥花はヒーローへの最初の一歩を踏み出したのだ。




サブキャラ紹介

・能比流我有馬(のびるがうま)
環境保護団体マフティーの施設に勤める男性職員。
元々はヒーロー飽和社会に反省を促すためヴィジランテ活動をしていたのだが、何回かヒーローに捕まったあと馬渕庭に誘われて施設で働くことになった。
会議などでの焚き付け役やドライバーのほか、格闘術を活かした護衛として活躍しており、野性的な見た目と相まって若い女性からそれなりに人気だったりする。

個性は『発破』
相手を焚き付けることで一時的に能力を向上させるサポート向け個性。
ヴィジランテとして活動してる時には、個性を活かして苦戦しているヒーローや仲間を強化していた。
そういう過去もあって「やってみせろよ、○○」が口癖になっている。
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