悪魔も泣き出す召喚獣   作:ミステリーフード

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遅れて申し訳ない。


Mission 3

「Aクラスに試召戦争をしてみないか?」

 

その一言ははっきり言って無謀以外の何物でもない。成績最低者が集まるFクラスが成績最高者が集まるAクラスに勝てる訳がない。それが普通の反応である。現に

 

「Aクラス相手に?勝てる訳がない」

 

「だよな~これ以上設備が下がるのもな……」

 

「姫路さんがいれば何もいらない」

 

どうやらFクラスにいるバカ達にもその無謀さが分かったようだ。若干一名変なことを言っていたが、それはスルーされた。

 

試召戦争とは、テストの点数がそのまま召喚獣の強さになり、召喚獣を使って擬似的な戦争をするというものである。点数は最後に受けたテストの点数が反映されるため、振り分け試験の結果がそのままクラスの戦力差としてあらわれる。その戦力差を埋めるために代表が作戦を練ったりするため、下位のクラスが絶対に勝てないわけではない。

 

「いや、勝てる。このクラスにはAクラスに勝てるだけの戦力がある。」

 

そう言いきって雄二は康太に向かって

 

「おいムッツリーニ、畳に顔を付けて姫路のスカートを覗こうとしてないでちょっと前まで来い」

 

「……!!」ブンブン

 

「はわわ?!」

 

康太は首を振って否定しているが誰が見ても覗こうとしているのは明らかである。

 

「こいつは知る人ぞ知る寡黙なる性識者(ムッツリーニ)だ」

 

「「「「……な、なにーーー!!!!」」」」

 

Fクラスの男子全員が驚くのも無理はない。土屋 康太という名前は特別有名というわけではないが、寡黙なる性識者(ムッツリーニ)というのなら話は変わってくる。ムッツリーニという名前は男子からは畏怖と畏敬を 、女子からは軽蔑の対象として挙げられる。

 

「ム、ムッツリーニだと………」

 

「バ、バカな奴があのムッツリーニだというのか!」

 

「だが、あの明らかに覗こうとしていた証拠を隠そうとしている姿……」

 

「ああ……ムッツリーニの名に恥じない姿だ」

 

「それに木下 秀吉もいる」

 

そう言って雄二は秀吉の方を見た。

 

「儂かの?」

 

秀吉の成績は得意教科ならAクラスに匹敵するので十分戦力に成りうる。

 

「おお、秀吉は確か演劇部のホープで……」

 

「Aクラスの木下 優子の……」

 

「「「「妹!!」」」」

 

「儂は男じゃ!!!」

 

そんなコントが繰り広げられている中、雄二の紹介は続いていく。

 

「姫路の実力はお前らも知っているな」

 

「わ、私ですか?」

 

「ああ。頼りにしている」

 

姫路 瑞希の名前は学年順位の上位に常に上がっており、去年の終わりには学年順位は3位になっていた。このクラスの中では最高戦力と言っても過言ではない。

 

「そうだ!俺達には姫路さんがいる!」

 

「彼女ならAクラスにひけをとらない!」

 

「彼女がいれば何もいらない」

 

また変なことを言っているバカがいたがスルーされた。

 

「俺も本気を出す」

 

「確か坂本って小学生の時『神童』って呼ばれていたよな」

 

「おいおい、こんなに有名人がこのクラスにいるのか!」

 

「これなら本当に勝てそうだ!」

 

クラスの士気が最高潮に達しようとしていると

 

「そして……吉井・A・明久がいる!」

 

雄二がそう言った途端、クラスの時間が一瞬止まった。

 

「誰だ?吉井って?」

 

「そんなやつクラスにいたか?」

 

クラスの士気がどんどん下がっていく。

 

「ねえ、何でこのタイミングで僕の名前を出したのかな?」

 

明久が立ち上がってとてもいい笑顔(目が笑っていない)で雄二に聞いた。雄二はビビりながらも答えた。

 

「そっそうか……知らない奴に教えてやる。こいつは観察処分者だ」

 

「……それって確かバカの代名詞じゃなかったか?」

 

「確かにバカの代名詞だが、こいつの成績はAクラスに匹敵するぞ。それに観察処分者にもメリットがある。」

 

そう言って雄二は明久の方をみてきたので、明久は

 

「まあ雑用で召喚獣を操作する機会が多かったし操作に関しては慣れてるよ」

 

召喚獣の操作は意外と難しく、慣れていないと点数による力押しになってしまうことが多い。操作に慣れるということはその点数差を覆すことも可能なのである。

 

「おお!こんなに戦力が揃っているなら……」

 

「ああ。Aクラスにも勝てる!」

 

「そういうことだ。今呼んだ奴らを中心に作戦を「ちょっとウチは!」……あぁ?」

 

雄二が話しを締めくくろうとした時、いきなり島田が大声を上げた。

雄二はそれに不機嫌になりながらも聞き返した。

 

「なんだ島田、文句があるのか?」

 

「何でウチが呼ばれないで観察処分者でバカな吉井が呼ばれるのよ!」

 

どうやら話しを聞いていなかったようだ。

 

「島田、お前の成績は確か……」

 

「数学ならBクラス並みよ!」

 

「おいおい、話しを聞いていたのか?俺はAクラスに勝てるメンバーを紹介したんだ。確かにお前は数学はBクラス並みだろうけどBクラス並みの成績でどうやってAクラスに勝つつもりだ?それにそれ以外の成績はFクラスでも下の方だろ」

 

「うぐ……じゃあ何で吉井が呼ばれたのよ!」

 

「明久の成績は得意教科ならAクラスに匹敵するからだ」

 

「バカな吉井がそんな成績とれる訳がないじゃない!」

 

島田がそう言った途端、雄二は溜め息をついて

 

「あ~もうどうでもいい」

 

と話しを切った。

 

「あ~あとAクラスに勝ってもクラスの設備は入れ替えないからな。俺は学園長と交渉するつもりだ」

 

雄二がそう言った途端、クラスのほぼ全員から非難の声が挙がった。

 

「それなら戦争する意味が無いんじゃないのか!!」

 

その非難に対して雄二は冷静に

 

「お前ら、冷静に考えてみろ。例えAクラスに勝って設備を入れ替えてもクラスのメンバーはそのままだ。こんな男ばっかりのメンバーよりも女子がいるほうがいいだろ?」

 

そう言うと非難の声はなくなった。

 

「うおおぉぉ何か勝てそうな気がしてきた!」

 

「俺達に必要なのはちゃぶ台じゃなくシステムディスクだ!」

 

「お前らペンを取れ!出陣だ!」

 

「「「「おおおおおおお!!!!」」」」」

 

「お……おお」

 

姫路だけ控えに腕を上げた。

 

 

 




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