C.E.に転生した男がとにかく生きようと奮闘する話   作:QAAM_M1911

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大晦日ですね。年内に投稿したかったのでちょいと短め+駆け足。帰省したんで一人暮らしの家にSEEDのディスク忘れたんだよ…


アラスカ

「よぉアスラン、怪我こそしてるけど無事みたいだな。」

 

「貴様!どの面下げて帰ってきた!」

 

「…ストライクは討ったさ。」

 

「…フン、なら良い。」

 

 

 

「…アスランよ、お前さんワンマンアーミーになったんだってな。気分はどうだ?」

 

「…良いと思うか?」

 

「愚問だったな、忘れてくれ。ま、元気でやれよな。俺もニコルの機体を受け継ぐ…戦場で会おう。」

 

「あぁ。」

 

「じゃな、俺はちょいとニコルの顔見て来らぁ。」

 

アスランの肩をポン、と叩いてから俺はその場を去った。話せるのはこれで最後かもしれないが、それで良いのだ。今の今まで戦争の最中で戦ってきて分かって来た事がある。それは世界には悪意が満ちているという事。どこもかしこもクソの掃き溜め、どうしようもない世界だ。この戦争を止めるのには第三勢力は確かに必要になる。ならば俺はまだ止めない。確実に戦争を終わらせるならここで下手を打つわけにはいかない。

 

「…ったく、ニコル。愚かだよな、人類ってな。」

 

「藪から棒になんですか?」

 

「思った事を言っただけさ。なんでもねぇ。」

 

「そうですか…まぁ思いつめない様にしてください。」

 

「分かってる。それより、お前は家に帰るで良いのか?」

 

「はい。母が介助の人を雇ってくれたそうです。車いすもあるし、義足も作れば問題ないと思うんですけどね。」

 

「義足が出来るまでのってことだろ。積もる話はまた今度だな。」

 

「えぇ。死なない様にしてくださいね?」

 

「勿論だ。俺を誰だと思ってる?今まで中破したことのないスペシャル様だぞ?」

 

「確かに、Gを持ってなくても僕たちについて行くどころか先を行ってましたもんね。でも無茶はダメです、貴方が欠けて約束が果たせないなんて事はしたくありません。」

 

「分かってるって。じゃな、今度はプラントで会おう。」

 

 

 

「…行ったな、アイツら。」

 

「あぁ…」

 

「何をアスランと話してたんだ?」

 

「フン、今度は俺の下で働かせてやると言ってやった。」

 

「成程、でもすぐにそうなると思うぜ。お前は強いからな。何度折れても立ち上がれるのは本当に尊敬したいもんだ。人間、そこまで心が強くなれないしな。」

 

そう言うと俺はコーヒーを啜る。

 

「ふぅ…さぁて、次の作戦を立てに行こう。隊長の所に行こうか。」

 

「分かっている!もう少し良いだろう!」

 

「…ま、飽きるまで見送れよ。俺は先に行ってるからな。」

 

 

 

「作戦を開始する!総員、目標はアラスカ!侵攻せよ!」

 

「あ?隊長、目標変わったんすか?」

 

「あぁ。君は私に随伴したまえ。」

 

「了解です。イザーク、暴れて来いよ!」

 

「フン…」

 

「しかしまぁ…アラスカねぇ。今は連合の防衛隊もあっち行ってるし、好都合…いや、元からアラスカが目的地か。敵を騙すには味方から、って訳か。」

 

「ヘキサ機、発進どうぞ。」

 

「了解!ヘキサ・ラプトリオ、ジンHMAS/AA…行くぜ!」

 

ウィングを展開して滑空を始める。既に隊長のディンは浮かんでいるためその横につける。

 

「私は内部に入る、君も来たまえ。」

 

「了解、侵入路の風通しを良くします!」

 

一気に加速して隊長の前に出ると、左腕のガトリングを唸らせる。重低音が響いて、周辺に展開していた敵部隊諸共吹き飛ばす。

 

「降りるぞ。」

 

「了解!」

 

ジンの中に入れてある俺のコレクションもとい護身用のSG553を持って、俺は隊長の後ろを着いて行く。

 

 

 

「隊長…やけに静かですね。」

 

「あぁ…やはり、連中はここを放棄する腹積りらしい。」

 

「ここを…でもそんな簡単に明け渡しますかね?ここだって重要な一拠点……いやまさか…」

 

「それを確かめる為に、司令室に向かうのだよ。見張りは任せるぞ。」

 

「はっ。」

 

ホロサイトを覗き、グリップを握りしめながら隊長の作業が終わるのを待つ。

 

「…ふむ。中々面白い。」

 

「良いデータが取れましたか?」

 

「あぁ…その前に!」

 

人影…認識した瞬間に、俺は引き金を引いていた。隠れているから当たりはしないがそれでも良い牽制にはなる。対して向こうは拳銃をしっかりと放つ。

 

「久しぶりだな…ムウ・ラ・フラガ!」

 

「クルーゼ!貴様こんな所で何を!」

 

「エンデュミオンの鷹?足付きは外にいる筈なのに…」

 

「ッへぇ、側に誰かを付けるだなんて珍しいじゃないの…さ!」

 

「フ…確かにそうだ、だが私も人さ!理解者は近くに置いておきたいものだよ。」

 

「…ッおい坊主!お前ジン改修機のパイロットだな!?お前騙されてんだぞ!クルーゼの口車に乗せられて」

 

「隊長は俺を信じて全てを話して下さった、全てに賛同は出来ないが恩が多い!返し方は俺のやりたいようにするだけだ!」

 

マガジンに残った弾をばら撒いた後に、隊長に目配せする。

 

「隊長…」

 

「必要なデータはとれた、早めに帰投するぞ。長居は出来ないのでね。」

 

「了解。」

 

リロードした瞬間にはもう引き金を引きっぱなしにする。

 

「おい!待ちやがれクルーゼ!」

 

「気になるならそこのデータを読むが良いさ!」

 

「さて…また会おう鷹。次は戦場で、だ…楽しみにしてるぞ。」

 

「くっそ…」

 

 

 

「隊長、先行します。」

 

「頼む。」

 

横づけされたドットサイトに集中しながら、俺は外から爆音の聞こえる基地の中で警戒する。先程俺の辿り着いた正解は自爆。まだ起こりはしないが早めに帰投した方が良いのは確かだ。しかし酷い作戦だ、味方を囮にしてお偉いさんは全員逃げおおせるか。大方あそこで戦っている奴等にも知らされていないだろう。

 

「…ん?隊長!」

 

「…いい交渉材料になる、気絶させたまえ。」

 

「はっ!」

 

「嫌!来ないで!」

 

「悪いが、これが戦争ってもんだよ嬢ちゃん!」

 

銃を構えた瞬間にしゃがみ込む少女。だが軍服を着ている以上は兵士である。手加減はせずに銃床で殴りつけた。

 

「…上出来だ。私が運ぶ、君はこのまま警戒をしたまえ。」

 

「はっ。」

 

まぁぶっちゃけ連合兵はもう居ないだろうが。居るとしたら捨て駒の作業員くらいなもんだろう。そいつらも侵入したジン部隊に殲滅されているだろうし、問題はない。

 

「隊長、彼らには伝えなくてよいので?」

 

「構わん、その方が“面白い”。」

 

「なるほど。隊長、そちらの女はどちらのモビルスーツに?」

 

「私が運ぶ。どうせ私はまた帰投したら艦長の席に座る事になるからね。」

 

「了解、護衛致します。」

 

そう言って俺はMSの方へと向かう。しかし、ここで思わぬ事が起こった。

 

「…なぜ整備員があんな場所に居る。」

 

「やるぞ、ヘキサ。構えろ。」

 

隊長に言われてそちらを見ると、ピストルを腰から抜いた隊長が居た。少女は膝元に置いている。

 

「指示をどうぞ。」

 

「カウントと共に斉射しろ。3…2…1……今だ!」

 

SG553のリコイルを抑えながら横へ横へと薙ぎ払う。アサルトライフルの拡張マガジンなのだからこのくらいしていいだろう。

 

「よし、片付いた!」

 

「流石に基地の近くに置いておいたのはまずかったか。急いでいたから仕方ないとは言え、危なかった。直ぐに行くぞ、次が来ないとも限らん。」

 

「はい!」

 

コックピットへとよじ登り、ハッチを閉じた瞬間だった。先ほど俺たちが脱出した道から武装した兵が飛び出してきた。対MS兵器も持っている、マズイ。

 

「早く起動しろ…まだか!」

 

「ヘキサ、ハッチを開けて弾幕を張れ。それまでにこちらの機体を立ち上げる。」

 

「了解!」

 

ACOGを覗いて対MS兵器を持った奴目掛けて弾をばら撒く。弾をばら撒いた後はリロード、その時に出た空のマガジンを外に投げ捨てて誰かの目に当たれば大勝利として装填を完了する。その間空マガジンを手榴弾と勘違いしたのか連合兵は伏せまくっていた。

 

「良い時間稼ぎだ。」

 

その瞬間に連邦兵の上半身下半身が潰したザクロの様になるのを確認した。

 

「隊長!」

 

「早く起動させたまえ。直ぐに出る。」

 

「了解です!」

 

そう言うと、俺はOSを起動して直ぐに隊長の横へと並んだ。誰にも見つからない様に、戦闘空域外を飛んでいたが、とても気が休まる感じはなかった。

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