C.E.に転生した男がとにかく生きようと奮闘する話 作:QAAM_M1911
「どうだヘキサ、ブリッツの調子は?」
「上々、と言えます。…議長は本当にジェネシスを?」
「あぁ、核が使われたと聞いてね。面白いだろう?最後の扉は私が開いた…戦争を終わらせる扉が開いたのだ。良い事だと思うかね?」
「人類が滅亡するなら、悪い事。それでも存続するなら一つの大きな壁、乗り越えれば人類はもっと強くなる。だから、まだ分からない。」
「未来は分からない、か…私とて考えなしではないよ。先見せたキラ・ヤマトのデータ、見ただろう?スーパーコーディネーター。そして君は天然の天才。君たちが先をつないでくれるとの…期待。」
「ありがとうございます。俺に出来る事は微力ですが…出来る事はさせて頂きます。」
「それでいい。さぁ、行くとするかね。君は連合のアークエンジェル級をやってくれ。」
「了解、まずは本丸から…!」
「今日が量産MSと戦うのは初めてだっつーのに、中々面白いじゃねぇか!」
「ヘキサ!戦列に加われ!っアレを落とせ!」
「核か!ブースター点火、SWBM発射!」
核の前へと弾道ミサイルが発射され、とんでもない爆発を引き起こした。こんなんだが核ではない。それと同時に別方向から何者かからの一斉射が飛んでくる。この火力はフリーダムとジャスティス。
「だが、核を迎撃するのなら当てにするか。ジェネシスの発射が始まる、総員退避!」
「何!?ジェネシスだと!?」
「早く離れろ、お前の隊も離れさせろ!」
「…分かった、お前も死ぬなよ!」
「おうよ!」
一旦帰還して、ブースターに格納されていたミサイルを補給して再出撃…の前に。
「母上!」
「イザーク!それにヘキサ君!」
俺は隊長に会う為にイザークと共に基地を歩いていた。その際イザークの母親にばったり会ったのである。
「お久しぶりであります、エザリア・ジュール議員。私は隊長にご用がありますので、失礼いたします。」
「分かった、クルーゼの所に案内してあげなさい!」
「ずっとこちらに?」
「えぇ…」
「大変ですな、クルーゼの補佐官なのでしょう?」
「大変ですが、また大変な恩がありますのでね。粉骨砕身で頑張りますよ。」
「続いて二射目がありますが、その際集中し過ぎて巻き込まれぬように。」
「そんなヘマ、したくはありませんね。」
「クルーゼ様、副隊長殿がお呼びです。」
「む、そうか。では議長閣下、失礼いたします。」
ザラ議長に敬礼した隊長は俺の方へと向かってきた。
「私のプロヴィデンスは君のMSが暴れ始めてから出撃する、先にやり始めてくれ。」
「了解です、フリーダムとジャスティスはどうしますか?」
「フリーダムは私がやる、君はそれさえ念頭に置いてくれれば好きに戦ってくれ。」
「了解しました。」
「最終確認はそれだけだな?少し議長ともお話する、やるぞ。」
「最後の扉が開くのを、楽しみにしております。」
「ふ、世辞はいい。扉が開いたら君は困るだろう?」
「確かに困ります、が開かれたのなら人類はそれまでだったという事です。どうでも良い世界だっただけ。」
「ふ…」
最後に隊長は笑って、議長の元へと歩いて行った。
「月基地への攻撃成功。さぁブリッツ…遊ぼうか!!」
ストライクダガーを重点的に狙う。メビウスはSWBMの餌食。直々に相手するまでもない。ビームと実弾の嵐がストライクダガーへと殺到し、盾ごと吹き飛ばす。背後から襲ってきたストライクダガーには右腕のサーベルを切り払って対応、続いてゲヴァイトにバラエーナを繋ぎ、戦艦へ発射する。戦艦は轟沈、前線に来る間にも一隻やっているので二隻目だ。
「連合のMS隊か…こりゃキラのストライクと戦ってた方が窮地に陥ってたな…ん、あれがアークエンジェル級か。」
随分と深く侵入しているみたいだ。群がるストライクダガーを軽くあしらいながら接近していく。
「そんなものを持ちだして…どうされるおつもりですか。船を乗っ取ろうとでもいうんですか!」
「乗っ取るも何も、命令してるのは最初から僕だ!!君たちはそれに従うのが仕事だろ!なんで一々お前はそれに逆らうんだよ!」
ドミニオン艦内、ブルーコスモスのアズラエルは艦長のナタルへと銃を突き付けていた。核を使うか使うまいか、その目標はという事で揉めているのだ。
「各官警戒!接近する機影一…ブリッツ!?モニターに表示…こいつは!紫毒のスナイパーです!」
「なんだと…!アイツらを呼び戻せ!ピースメーカー隊は発進させろ!」
「核を搭載したメビウスが発進し始めている…悪いが発進前にやらせてもらおう!SWBM発射、艦橋で炸裂。アークエンジェル級はメビウスを搭載していないか。後回しだ。」
SWBMの衝撃波が発進したばかりのメビウスを押しつぶし、衝撃に耐えていた戦艦にはバラエーナやビームガンを発射してそっから圧壊させる。たったそれだけの仕事である。
「あれが報告にあった新型か…三機いるな。」
「ヘキサ!」
「イザークか、隊を率いて俺とあの三機を止められるか?」
「…あぁ、やってみせる。」
イザークには少し厄介な相手だ、ここで戦う以外手はないだろう。
「…緑色の盾野郎は任せてくれ。」
そう言ってガトリングを回転させ、狙いを定める。
「…ビームが曲がった?でもなぁ、それだけじゃ…ねぇ!」
背中にラックされていた特殊弾頭“MRSM”を発射した。相手方は紅いビームを発射、すると曲がってこちらへ追尾してきた。運よく逃れられたが、初撃撃墜が出来なかったのが運の尽き。
「燻してやる、テメェは用済みだ!」
今発射したのはスモークミサイル。目くらましだ。だが特殊兵装を多く積んだこの機体は様々なセンサーが多く積まれている。スモーク程度で目が見えなくなることは無い。
「はあああああああ!!」
ビームサーベルを発振してコックピットへと突き立てた。背後から緑色のビームが二条、襲い掛かってきたのを盾で受け流しながら、装填したバラエーナを発射して青色の機体にも大きな穴を開けた。このブリッツを彩るのは二輪の爆発。自分でも今の反応が出来た事を褒めたいほどの神業だと思っている。
「流石だなヘキサ…残ったのは任せろ!」
「生きてやがったのかディアッカ!…まぁ戦後色々と面倒な事になるだろうけどよ、今はともかくアークエンジェル級を!」
そう言うと、俺は灰色の戦艦の方へとスラスターを吹かした。
「ディアッカ…アスランと共に向こうに、か。まぁ良いさ、俺は俺で隊長と扉を開く。奴らはやってくれる、扉を封印する為に死力を尽くす。だが、相応の試練は!」
半壊しているアークエンジェル級へと望遠する。見れば退艦している…何があった?ともかく、破壊してやろう。ブリッジの窓に向けてバラエーナを狙う…内部で血を流した女と男が争っているのが分かった。地球内部での抗争が、あの船で起こっていたのであれば納得だ。
「じゃあな、初めて会った忌々しい足付きさん。」
ブリッジを完全に融解させ、反転して再びバラエーナを放つ。そう、我らがライバルの本物のアークエンジェルへと。
しかし、射線へと躍り出て来たのはストライク。それを見た瞬間にバラエーナでは削り切れない事を予感した。直ぐにブースターパックのラックから特殊弾頭を発射する。弾頭名“EW1”、通称トリニティ。
「実験じゃPS装甲でさえぶっ壊したとんでもねぇ兵器…あばよ、鷹さんよ。」
大きな爆炎がストライクを飲み込み、跡形もなく消し飛ばした。反撃するアークエンジェル、破壊しようと思ったが、近付いて来た友軍機の番号を見てそれを取りやめる事にした。
「隊長!」
「ふむ、ムウは君の手に落ちたか。まぁ良い、よくやった。どうする?私と共に行くかね?」
「…いえ、俺はジャスティスを。隊長、ご武運を。フリーダムに光あらんことを祈っております。」
「フフフ…アーッハッハッハハ!私ではなく敵に光あれ、とはね!私もそう祈っているよ…!君こそ死なない様に気を付けたまえ…!」
「えぇ、扉開かれんことを。」
「…少し待て、ヘキサ。このデータを渡しておこう。扉が封印されるための鍵となろう。貴様がその番人だ…!」
「…フフ、了解!」
ヘルメットを一度脱ぎ、少し長くなった髪を流して再びヘルメットを被った。
「番人として、きっちりこの手…汚させて頂きます!」
ブースターに火をつけ、ヤキンへと向かった。その道すがら、データを解凍して内容を読んでいく。
「…これは、ヤキンの!直結する鍵か。良いねぇ…これこそが本物の戦争を終わらせる鍵!それこそ俺の守る宝、アスランに託すには丁度良いものだ。」
そう言って俺はガトリング砲をジャスティスのミーティア向けて放つ。左エンジンと左砲塔破壊。ストライクの同型機にはビームライフルを撃つが、ジャスティスを優先したためか気付かれて避けられた。
「クッ…ブリッツか!?ヘキサ!」
「おうよ、俺だ。間もなく扉が開かれる、扉を封印したくば俺の持つ鍵を持ってやってみるといい。さぁ、戦いの始まりだ、二人まとめてかかってこい!」