C.E.に転生した男がとにかく生きようと奮闘する話   作:QAAM_M1911

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ヘリオポリス

「本日から君たちには任務遂行の為、頑張って貰いたい。期待しているぞ。」

 

「ハッ!」

 

ラウ・ル・クルーゼ隊長に言われ、俺たちは敬礼する。

 

成績上位者10名のみが着れる赤いザフトの制服…これを着れるとなれば心も躍るし緊張もする。だが、俺は俺の目的の為に動くだけだ。

 

俺はヘキサ・ラプトリオ。コーディネーターであり、転生者だ。

 

 

 

さて、まず目的を話そうか。前世俺はかなりガンダムSEEDと言う作品に疑問を持っていた。いや、まぁメカデザインはかっこいいしガンダムと言うシリーズ入門と言うにはピッタリな作品ではある。俺もそれなりにSEED自体は好きではある。

 

んで問題のDESTINYだ。前半戦はまぁ良いだろう。ZZのオマージュみたいな部分もあってまぁ妥協は出来るし元クルーゼ隊3人の連携も見てて面白かった。だがキラが登場してからはどうだ。アークエンジェルが余計な武力介入をして戦況は混乱しっぱなし、最終的にシンから主人公の座を掻っ攫った始末である。

 

キラにも立腹する部分はあるがSEED後半から行動は伴わないが元は民間人だし一応考え自体の芯は通っているのでまぁ大丈夫ではある。だがアスランはどうだ。仕方がないとは言え何度もザフトとラクシズを行ったり来たりである。しかも理念もキラと口論したりでコロコロと変わる…何とも度し難い。まだ現状で出来る事はそこまで無いし、今言ってしまえば俺自身がどうかしてると思われてしまうのでその都度言おうと思っている。

 

と、言う訳で俺の目的はアスランの更生。出来なければ誅殺。シンを救う。キラを抑える事。これも出来なければアスランと同様。救えるならニコルとラスティを救う。特にスーパーコーディネーターのキラに対抗するには高い技術が必要なのでMSの操縦には専念した。大体他の5人とはどっこいどっこいと言ったところか。

 

んでもってそんな俺が覚醒キラ、アスランに勝てるかと言われれば…まぁ無理だろう。でも舌戦で負ける気はしない。俺の信念は本当に大きな事が起きなければ曲げない。

 

…と思っていたのだが。大きな問題が生じた。まぁ、根本的に技術が不足していると言う事だ。これでは更生云々の前に死ぬ。だから、俺は取り敢えず今は戦場で生き残る事を目標にしてみた。

 

 

 

「しかしさぁ、本当にお前は良く赤服になれたよな。」

 

「努力した結果さ。あともしかしたら才能とかもあったのかもな。ディアッカこそ射撃得意じゃないか。」

 

「才能って奴だよ。でもよくもまぁ…金もないのに食い込んだよ。」

 

「訓練以外やる事がなかったからな。それに孤児院に金も返したいから。」

 

「そういや前から言ってたよな、それ。」

 

食事を摂りながら会話をする。6人の中では成績は最下位だが、アカデミーから推薦をされて本来は入るはずのないクルーゼ隊に参加出来たのだ。これを拒否する訳がない。

 

「ふん…ナチュラル同然の生まれで良くも…」

 

「イザーク、ヘキサはアカデミーの推薦なんですよ?そんな物言いは…」

 

「分かっている!」

 

「ヘキサは援護に関して言えばスペシャリストだからな?」

 

「お前が言うなよ、ディアッカ。射撃の達人だろ、お前は。」

 

「分かってるって。な、イザーク。」

 

「なら少しは真面目になれ!」

 

「お前は頭固すぎんだよ。」

 

「ラスティは斜に構えすぎだ!」

 

「イザークは献血した方が良いな。」

 

「全くですね。」

 

「全く…どいつもこいつも!」

 

いつもこんな感じだ。出来ればこの6人で生き延びたいものだ。

 

 

 

「ヘリオポリスにオーブの新造艦とMS?」

 

「あぁ、君たちにその奪取を任せたい。」

 

「ですがMSは5機ですよ?1人余ってしまいます。」

 

「ヘキサにはその援護を頼みたいと思っている。ミゲルの隊も一緒だ。」

 

「それでは俺はジンに乗って陽動ですか。」

 

「それだが…君には試作機のジンHMASが支給されることになった。」

 

「すげぇなヘキサ!ほぼワンオフ機の受領か!」

 

ディアッカがそう言って我が事の様に喜ぶ。ディアッカとは仲良くなれるか心配ではあったが思想こそ違えど直ぐに腹を割って話せる間柄になった。現在仲が良いのはディアッカとニコルの2人。

 

「ミゲルさんの機体の補給はどうなってます?」

 

「残念だがまだだ。本人も承知の上で次の作戦は通常のジンで参加するが…それを聞いて何をしようと言うのかね?」

 

「…いえ、何も。ただベテランがポテンシャルが発揮できないとなると作戦に支障をきたすかもと思い。」

 

「状況が違えど作戦を遂行するのがベテランと言うものだよ…他に質問はあるか?」

 

「はい。ヘリオポリスは中立コロニーです。いくらなんでも攻め込むのはマズイのでは?」

 

「なに、中立と言いながら連合に場所を提供しているのだ。攻めても何も問題ない。違うかな?」

 

「そうだぞニコル。ナチュラルなど汚い手しか使わん奴らだ!容赦はしなくて良い!」

 

「ま、犠牲者は出さないに越したことはない。万が一民間人を大量に犠牲になんかしたら議員(お前らの親)の仕事が増える。」

 

「多少の犠牲は構わないが…素早く奪い、素早く引き返せ。以上だ。」

 

 

 

「新型モビルスーツねぇ…ナチュラル共に何が出来るんだか。」

 

「全くだ!」

 

「案外、ここが歴史の転換点になるかもな。」

 

「と言いますと?」

 

「頭が奪えって言うくらいの代物だ。もし駄作なら奪う事はしないで破壊すれば良い。研究を止めるだけで良いんだからな。だろ?」

 

「…その通りだな。」

 

「ま、ナチュラルの技術を見る良い機会だ。楽しませて貰おうぜ。」

 

「おっと、俺これから機体の受領に行くんだった。じゃあな、向こうでの動きでも確認しときな。」

 

 

 

「これが新型…」

 

「ジンハイマニューバ・アサルト。通称ジンHMAS(ハマス)。本来ならシグーアサルトの改良機を届ける予定だったんだが、何やら私に上層部が配慮してしまったようでね。こうして実験機が届けられたのだよ。」

 

「隊長?ご足労ありがとうございます。」

 

「構わんさ、私もこの機体を見てみたかったからね。」

 

そう言ってクルーゼ隊長は機体を見上げる。

 

「今までのジンとは勝手が違うぞ。気を付けたまえ。」

 

「はい。しかし、コロニーの中ではこれ…デッドウェイトになりそうですが。」

 

「元々コロニーでは推力に任せた飛行しか出来んよ。アカデミーで習っただろう?…あぁ心配は無用だよ。歩行も関節部に50%の強化がされているからね。」

 

「はい。隣のジンはミゲルさんの?」

 

「あぁ、それ専用にある程度カスタムする必要があるのでな。次の出撃ではエレメントを組んで貰うからな、挨拶しておけ。」

 

「了解です。」

 

クルーゼ隊長はそう言うとハンガーを去っていった。つくづく不思議な人だ。知識がある為に真意は分かるが、その時その時に考えている事は本当に分からない。

 

「よ。」

 

「あ、ミゲルさん。次の作戦ではよろしくお願いします。」

 

「頼むぜ。しかし、新型の受領か。隊長に目を付けられているだけはあるな!」

 

「俺が…ですか?」

 

「何たってアカデミーの推薦だからな。多分、隊長は一番お前に期待してるんじゃないか?」

 

「そんな…何もかもが6人の中では中堅ですよ。」

 

「だからこそだろ?そうお前みたいに何でも出来るジェネラリストは居ないぜ?俺も、多少は安心して背中を預けられるってもんだよ。あと6人の中でも扱いやすい。」

 

「扱いやすいっつーか、ニコル以外がヤバいだけですって。」

 

「まぁな。機体のチェックは入念にしとけよ。」

 

「了解です。」

 

そう言われて、俺の機体のデータに目を通す。

 

武装やスラスターに関してはハイマニューバの通りに大増設。武装からグレネードランチャーと脚部ミサイルを排除してガトリング砲「シュトゥーム」を左腕に二門。そしてそれらの装弾数を増加、右腕に重斬刀と同じ材質で出来た刃の付いた盾、通称「シェーレ」を装備。そして折り畳み式の試作120mm対物ライフル「ハルコンネン」を装備した支援機だ。だが機動性は並のジンよりも上、全体的な武装はジンアサルトよりも抑えられている為にバッテリーや推進剤の増加により継戦能力も上昇。ただしシェーレがあるとは言え接近戦には弱く、また推進剤の増加によりアサルトシュラウドの装甲増加があるとは言え誘爆しやすいと言う欠点もある。

 

だが要は近付かれる前に倒し、当たらなければどうという事は無いという訳だ。それに今はMS開発もされておらず接近戦は無いに等しいのもこの改修が進められた一つの理由である。何より俺が一撃離脱に秀でている事も要因である。高火力で戦艦を一気に叩き潰すのではなく、的確に弱点…艦橋や砲門、エンジンなどを突く事が出来るからこれを配備された。ハルコンネンは主にそれらで対処出来ない様な硬い奴に向けて撃つのが仕事である。

 

まぁしっかしシミュレーターでこいつを動かしたら振り回されるわ、コロニー内では早すぎてぶつかるわでてんやわんやだ。慣れた頃に試しにディアッカとアスランに動かさせてみたらディアッカはブースターをフルに入れた結果開始から7秒で大破。アスランは俺と同じく振り回されたものの、最終的には慣熟した様だ。まぁ動きながらハルコンネン撃つもんだから反動でひっくり返ったんだが。ハルコンネンの反動どんだけだよ、と思って試しに仮想宇宙でこれ直立で撃ってみたら反動で回転するもんだからびっくりした。ちょっとケチ付けようとも思ったが案外これが使えるかもしれないのでそのままにしておいた。

 

 

 

「さて…と。」

 

ジンHMASのコックピットで息を整えた。初めての実戦、緊張しないはずがない。

 

「ヘキサ、まずは生き残れよ。赤の実力ってもん、見させてくれよ!」

 

「了解です。」

 

ミゲルのジンがカタパルトから打ち出され、次は俺のジンだ。

 

「…ヘキサ・ラプトリオ、発進します!」

 

大量のバーニアが宇宙空間に投げ出された機体を一気に加速させる。押し潰されるかと思えるほどのGが身体を襲い、わずかに苦悶の声が漏れる。

 

「おーおー速いな!だが一応これは奇襲だぜ、バーニアをいくつか切れよ?」

 

「了解!」

 

バーニアをオフにして、慣性に任せてヘリオポリスへと向かう。

 

 

「ミゲルさん、例の新型…どう思います?」

 

「さぁな、だが所詮はナチュラルの作った代物だ。ジンの設計も取り入れてるとなれば…そうだな、お前のHMASと同等の性能じゃないか?」

 

「そうですかね…私見ですが、戦局が変わる様な…そんな兵器になる気がします。」

 

「そうか?」

 

「いくらナチュラルだっつっても結局俺らは同じ人間、ナチュラルの本当の天才には勝てません。兵器開発局には天才は確実に居ると思っても良い。そして鹵獲したジンと言う完成度の高い素材…ヤバいもん作られてても仕方ないと思います。」

 

「ま、その為の奪取作戦だろ?そうだとしてもどうにかなる。」

 

「…そうですね。とりあえず、暴れまくって注意を惹きますか。」

 

「おう、俺は前に出るぜ。遠距離から援護を頼むぜ!」

 

「了解です。」

 

コロニーの内部に侵入し、俺はシュトゥームを回転させた。

 

「それじゃ…一番槍は貰います!」

 

「よし、行くぜ!」

 

ガトリングの嵐が、軍事基地を一瞬にして薙ぎ払った。

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