C.E.に転生した男がとにかく生きようと奮闘する話   作:QAAM_M1911

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G奪取

「これより援護射撃を開始!ミゲルさん!」

 

「分かってる!」

 

砲塔と思われるものを全て初撃で潰し、ミゲルが暴れられる様に弾をばら撒く。

 

「よーし、奪取部隊は行動を開始したな?」

 

「ヘキサ、向こうから一機対MS砲が伸びやがった!始末してくれ!」

 

「了解!」

 

ハルコンネンの砲身を伸ばそうとして、コロニーへの被害があるとマズイと思いとどまった。流石にナスカ級を縦に2艦連ねても全て轟沈させ、尚且つジンを大破させる貫通力を誇るハルコンネンではコロニーの外壁など戦車の砲弾に相対するベニヤ板だ。

 

仕方ないのでその推力を生かして接近し、砲塔に向けてガトリングをばら撒く。

 

「破壊!」

 

「その化け物ライフルはどうした?」

 

「アイツらの親を多忙にさせる様なマネできませんって!」

 

「確かにな。」

 

と、モニターの端で何かが動いた。イザークとディアッカ、ニコルが乗る予定の機体…

 

「成功したか。ラスティとアスランは?」

 

「分かんねぇな。とにかく、俺たちは真っすぐ帰るぜ。」

 

「全く…こんなひどいOSでMSを動かそうなどとは…」

 

「成程、良いのはデザインだけって感じか?」

 

「いえ、何か凄いものが搭載されています…とにかく、データを吸い出しましょう!」

 

「了解、三人を宙域外まで護衛する。ミゲルさん、ここはお願いします!」

 

「はいよ、それを頼むぜ!」

 

そう言って俺は三機を先導する。

 

「…車両か。待ってろ、道を開ける!」

 

「俺たちも戦えればなぁ。」

 

シェーレを回し、一気に車両を破壊する。

 

「外でジンと合流…何だ?」

 

何やらミゲルが居る地区が騒がしい、そう思った瞬間通信が入る。

 

「クソー!ヘキサ、援護をくれ!」

 

「了解です、何が?」

 

「ラスティがやられた!アスランが一機奪取したが取り損ねた奴が動き出しやがった!」

 

「…了解、直ぐに!聞いたな、お前ら直ぐに行け!」

 

「…ッ頼みます!」

 

「マジかよ、ラスティがやられたのか!?」

 

「死んでるかどうかは分からねぇけど、操縦不能らしい!」

 

そう答えて直ぐに、ミゲルの方へ向かった。

 

「クソー!実弾が効かねえ!」

 

「ミゲルさん!一度距離を取って…」

 

その瞬間、白い機体がナイフでミゲルのジンを切った。ミゲルはどうやら脱出し、ジンを自爆させた様だ。

 

「…回収します!」

 

「頼む!」

 

ミゲルを手に乗せてコックピットへと導く。

 

「宇宙空間で道に落ちたガムになりたくなければ中へ。」

 

「言われなくても…」

 

ミゲルがコックピットへ入った瞬間に後退、ジンの爆炎からは傷一つついていない化け物の姿があった。

 

「…実弾と爆風に耐性がある、か。」

 

『ヘキサ、帰還したまえ。』

 

「隊長…そうさせて貰います。ぶっちゃけ実弾が効かないとなれば分が悪い。」

 

『データを持ち帰って来い。アスランが着艦したところだ、直ぐに来たまえ。作戦会議を始める。』

 

「了解、最大速度で行きます。」

 

一度ガトリングを奴に向けて牽制し、脱出口へと向かった。その時である。

 

「…ッヘキサ後ろだ!」

 

「ッ了解!」

 

バーニアを一気に右へと吹かし、発射された何かを避ける。何とか被弾はしなかったものの、その眼前にはとんでもないものが映っていた。

 

「…クソ、何だよこの威力は!コロニーに穴が開いたぜ!?」

 

「これは真面目にデータを持ち帰らないと…帰還します!」

 

 

 

畜生、ラスティを救いたいだとか言っときながらこの様か。仕方ない、と切り捨てられれば良いが、そこまで感情を捨てている訳でもない。あまり喋る事はなくとも同じ釜の飯を食った間柄、それなりに傷心はした。救いは死んだ場面と遺体を見ていなかった事だろう。だからか、次の作戦にすっと入る事が出来てしまった。

 

「ミゲルの持ち帰ったデータ、解析途中の4機からして相手はどうやら実弾兵装を無効化する装甲を完成させているみたいだね?」

 

「ナチュラルだったから、OSなんて酷いもんでしたけどね。」

 

「ディアッカ、向こうはモビルスーツなんて持ってなかったんですよ?煩雑とは言え一応はMSを動かせるんです、動かない状態じゃなかった事に感謝しないと。」

 

「…ヘキサ、この状況をどう思う?」

 

隊長が俺に問うてきた。

 

「…そうですね、かなりマズイ状況かと。」

 

「何故だ!ナチュラルなぞこんな酷いOSしか作れない奴等だぞ!恐れるに足りん!」

 

「それが問題なんだよ、あの奪取しそこねたMS…このOSで動かせる代物か?」

 

「…そうだな、最後のあの一機だけはOSが完成していたのかもしれない…けど。」

 

「含みのある言い方をするな、アスラン。何か嫌な事あったのか?」

 

「…ディアッカやめとけ。状況から察するに、アスランはラスティが死んだとこ直に見てるんだよ。」

 

「あー、そりゃ悪かった。」

 

「…話を戻してくれるかね?」

 

「失礼しました。しかしOSが完成していた、と言うには甚だ疑問が。」

 

「何かね?」

 

「あのMS、急に動きが良くなったと思いません?」

 

「ふむ、やはりそう思うかね。」

 

「あ…確かに、硬直した後動きが急に…」

 

「恐らく、完成していたのではなく“完成させた”んです。パイロットがあの硬直中にね。」

 

「何だと…そんな芸当がナチュラルに出来る筈ない!」

 

「出来る可能性はある、がそれは限りなく低いだろうな。そう考えると自然に行きつく結論はパイロットになる。」

 

「…コーディネイターが操縦している、か。」

 

「隊長もやはりその結論に?」

 

「やはり君を引きぬいて正解だったよ。話が早い。」

 

「何だと…裏切り者が居ると言うのか!?」

 

「裏切り者かどうかは分からない。でも相応の対応はしないといけない。」

 

「よし、次の作戦は全機出撃だ。」

 

「奪取した四機も使うんですか?」

 

「いや、アスランの機体しかOSの書き換えが終わっていない。が、あの機体がああまで動けてあの破壊力を持っているとなれば捕獲する…出来ないとなれば、今ここで破壊する。戦艦もな。ジンの部隊、そしてアスランは出撃せよ!」

 

「了解!」

 

その声と共に、ジン乗りとアスラン、俺は自分の機体へと向かった。

 

「アスラン。」

 

「何だ?」

 

「何があったかは詳しく聞かねぇけど、ラスティが死んだ事以上の何かがあったんだろ?迷ってる事があるんなら一回自分を信じてみろ。もしそれでまた迷いが出たんならいつでも相談しな。」

 

「…そうだな、決心がついたら相談するよ。」

 

「あぁ、俺らは仲間なんだからな。頼れる時はいつでも頼れ。」

 

そう言って俺はジンHMASのコックピットに乗り込んだ。

 

「…よし、全システムオールグリーン。」

 

『ジンHMASは最後…アスランの後に出撃、後方支援を。』

 

「了解。」

 

『よぉヘキサ、初陣の感想聞いてなかったな。撃った感覚はどうだった?』

 

「ディアッカ、作戦中だぞ。まぁ一言だけ言ってやる。“それどころじゃなかった”ってな。」

 

『なるほどな。んじゃ切るぜ、作戦の邪魔して悪かったな。』

 

「ったく…」

 

見れば今アスランがカタパルトから打ち出されたところだ。それを見て、俺はジンを進める。

 

「…よし、発進準備完了。」

 

『了解、発進シークエンスに移行。』

 

「ジンHMAS、ヘキサ・ラプトリオ。出撃する!」

 

カタパルトを踏んだジンが宇宙空間へと投げ出され、二度目の出撃を促した。

 

「聞こえてるか、アスラン?」

 

「あぁ。」

 

「取り敢えず好きな様にやってみな。援護は任せろ。」

 

そう言って、ハルコンネンを構えた。

 

「攻撃を開始する!データリンク開始、各機はミサイルを発射、ヘキサの射線上から退避!」

 

「よし、行けるな?」

 

「初弾命中は無理ですね。でも修正すればいくらでも。」

 

「ならよし!お前は戦艦をやれ!」

 

「了解!」

 

ハルコンネンの照準をミサイルで破壊されたコロニーの出口へと合わせ、時を待つ。

 

「…っし、射撃を開始します!」

 

まずは別の戦艦の残骸に一度射撃する。しかし、弾は右にズレて命中しない。

 

「…設計士と技師呼べ!ブレが酷過ぎるぞ!狙撃出来たもんじゃねぇ!」

 

「んだって?」

 

「手動で修正出来る様なブレの仕方じゃねぇんだよ!」

 

取り敢えずこの戦闘中は俺の感覚でどうにかするしかない。溜息を吐きながらも足つきに向かって狙撃を続ける。まぁ、曲がったバレルでは当たるはずもないのだが。

 

「ッチィ、見えたぞ足つき!攻撃はどうなってる!?」

 

だがマトモな援護射撃も今は出来ないのだ。曲がったハルコンネンで何度かブレを考慮した射撃を行い、残骸に命中させる。これでどこに着弾するか覚えた。

 

「…ッミゲル!」

 

「クソ!ナチュラルなんかにイイイィィ!!」

 

コックピットに光の刃が突き付けられ、ミゲルのジンが爆発した。畜生、手練れがこうも簡単にやられるか!

 

「アスラン!残りのジンは何機だ!」

 

「…ッ全部、やられた。」

 

「…アスラン、援護射撃をする。撤退だ!」

 

「…だが」

 

『アスラン、ヘキサの言う通りだ。撤退したまえ。確かに君とヘキサが居れば百人力…だが、全く慣熟していない機体ではそうそう戦えるものではないぞ。』

 

「…了解。」

 

巡行形態になったイージスを横目に、俺は先程覚えた着弾点に白いのを合わせてハルコンネンをぶっ放す。

 

「…着弾!」

 

『む、ハルコンネンを防いだだと?』

 

「はい、ですが装甲の一部は凹みコントロールを失った模様。」

 

『十分だ、今は撤退を優先したまえ。』

 

「はい!」

 

モニターを見ればエンデュミオンの鷹がくるくると回る白いのを牽引しているところだった。撃っても良かったが外しでもすれば逆に俺に向かってきて撃破されかねない。足つきが居たので適当に狙ってハルコンネンをぶっ放した反動で反転し、ヴェサリウスへの帰路を急いだ。




ハルコンネンのブレはワールド以前のボウガンで言うブレ右大を通り越した感じ。
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