C.E.に転生した男がとにかく生きようと奮闘する話   作:QAAM_M1911

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お久しぶりです。途中で回想に入るため、タイトルは二つです。
Gジェネエターナルで追加されたシナリオのやつと調整してたら遅くなりました。


葬送曲に劈く梵鐘の音 / 乾いた血を嘗める者ども

「やれやれ、どういった目的だい?」

「さてな。だが落とすべきものであるのは確かだろう。」

「こんな宙域にこーんな大部隊。しかもオマケ付きだぜ?きっと何かある。」

 

ハイネ率いるオレンジショルダー、そしてジュール隊。この2隊が異常事態への対処に当たっていた。双方共に流石というべきか、あっという間に艦隊を殲滅してしまった。伊達にFAITHのバッジ、白服、黒服を着ているわけではないし、その部下も相応以上の腕を持つ。

 

そして気になるデカブツ。イザークはそれを鹵獲するか破壊すべきか迷うが、ともかくどういったものであるかは調べねばならない。

 

「ハイネ、俺が突入してどういったものか調べてみる。」

『いや、その必要はないんじゃないの?こう言う形してるんじゃ、一発撃てば分かる。』

 

コロニー内部を覗いてみるが、居住区は全くそのまま。だが、コロニーの両端に明らかに装置が組み込まれている。ディアッカがコロニーの穴を通すようにオルトロスを放った。すると、ビームが曲がる。心当たりがあるディアッカはこの可能性が1番の気掛かりであったのだ。

 

『……ビンゴだな。こいつがいくつも組み合わせりゃ、どっからでも何でも撃ち抜ける。』

「狙いはプラントだな。コントロールを奪って動かす時間もない。」

『ならぶっ壊すしかないってね!』

「コロニーへ一斉射撃だ!撃て!!」

 

何本ものビームが廃コロニーに殺到し、赤いビームが表面を薙ぎ払う。元が民間用のコロニー。デブリなどへの頑強さはあれどもビーム、それが何本もとなれば無理もない。呆気なく破壊され……

 

『イザーク!高エネルギー体が接近してる!』

「何だと!?総員、回避!!」

 

間一髪だった。破壊が遅れていればプラントが撃たれていた。そう思うと背筋が凍る思いだった。 

 

「……総員帰還!いったん休憩するぞ。何か動きがあればすぐに出れるように!」

『やれやれ、困ったもんだ。どれだけ殺せば気が済むのやら。』

『狂ってるな、完全に。』

「全くだ。」

 

ブルーコスモスの横暴にも困ったものだし、遠くでこの騒ぎを見ている彼らにも少しは手伝わんかと吐き捨てたくなる。が、そんな距離から届くようなものを持っているだろうからには簡単に手出しすることが出来ないのも分かる話だ。

 


 

「艦長、よろしかったのですか?」

「最初から分かっていた。あの的をぶち抜く価値はない。もっと、もっと難しい的をぶち抜く。」

 

マティアスはこの局面を読んでいた。ザフトの新型……ディステニーは相応以上の戦力となることも、それを駆るハイネの腕前も、よく理解していた。だからこそ今回は手出しをしなかった。

 

必殺の技は隠すべき。そして、対策を練られないこと。これが今回の戦争では重要だった。

 

「標的は?」

「月の裏側、ダイダロスです。」

「なるほど……いや、面白い手を打とう。偽装展開。」

「艦長?」

 

再びデブリの中に隠れるユニコーンとサビトゥン。アリコーンは未だファクトリーから程遠からずだが、主砲は常に発射可能な状態にされている。

 

「美しく、標的をぶち抜く。ユニコーンとサビトゥンはこのまま月の裏側へ転進せよ。ダイダロスを含め……月の全方位に少なくとも一隻撃てる位置へ行け。」

「艦長……それは自殺行為です!」

「どちらにせよ、あの兵器は壊さなくてはならない。なら行動は早い方がいいだろう。それに、遅かれ早かれ我々の所在は暴かれる。ならば疾く参るのが最善だ。」

 

マティアスの言うことは最も効果的である。だが同時に副艦長の言う通りに自殺行為。ロクな自衛手段を持たない……メビウス小隊に壊滅させられる程度には貧弱なこの艦を単独行動させるのは乗組員の命を無視する行動。

 

「良いか諸君……我等の手は既に血塗られている!これ以上の血を浴びる事は罰であり!因果であり!そして後世に教訓を遺す!後願の憂いは絶つ!世界に見せ付けるのだ!100万の死を!愚か者の末路を!」

「両舷、微速!」

 

艦が近くで単独で接近するとは、訓練された兵士ほど思わない。小さい艦だからこそ出来る戦術でもある。

 

「……諸君。健闘を祈る。」

 


 

「宇宙に上がったは良いが、補給はまだか?」

「そろそろのはずだが……付近に艦隊か居るのかもな。」

「プリンシパリティ、エターナル発見、確認しました!」

「未だ健在って訳。」

「続いて12時の方向!連合艦隊接近中!」

「……ん!?発光信号……合言葉だ!」

 

直ぐに専用のチャンネルにつないだ。すると、聞いた覚えのある声がスピーカーから流れる。

 

『こちらは地球軌道上迎撃部隊、“クロス”。久しぶりだな、ヘキサ。』

「スケール隊以来だな、ディメス隊長……あぁ悪い、スケール隊での癖が抜けてねぇな。」

『昔馴染みってことで通してやりたいが、仕事なんでな。』

「……あぁ。手出し無用だ。フェイス、出すぞ!」

 

一対一のタイマン。対するはエールストライカーを装備したウィンダム。こちらの手数はライフルと複合防盾システムのみ。一応そこにサーベルが一基あるとはいえ、取り回しがしづらい。

 

相手はかつて前大戦後、共に戦ったナチュラルの隊長だ。相応に頭が切れ、それでいて柔軟。パイロットとしての腕も並みのコーディネーター以上だ。油断できる相手でもない……が。

 

「始めよう。」

『あぁ、このくだらない戦争をたった一手で終わらせよう。』

 



 

「哨戒艦が一隻ロストしただと?」

「はい。名をカルマン。通信衛星網の整備を行っていた艦でして……」

「……狙いは地上。ここビクトリア基地、ハビリス。」

「はい?」

 

前大戦の後の話だ。俺はACESの賛同者を集めるため……表向きは、ザフトからの援軍という体で、南アフリカのマスドライバー防衛部隊に集められている。俺はそこのナンバー2といったところだ。

 

連合とザフト、つい最近までドンパチやってたわけだが、こういう所に配属される奴らは案外悪いやつらではない。というか、そうでなきゃやっていけない。紳士協定ってやつだ。

 

んで、そこを中心にACESの話を振っていっている。どいつもこいつも話が分かる奴らで助かる。何せ戦争やってて疲れた連中が集まってんだ。そりゃ平和になるってんなら協力してくれるもんさ。

 

「スケール隊諸君。緊急要件が発生した。ブリーフィングルームに集まれ。」

「どうした?」

「ザフトの方で怪しい動きが。」

「……了解した。全く……割り切るってことができないのは人間的だが、いざという時のブレーキがないと。」

「全くです。」

 

数分もしないうちに、部隊員全員が集合した。練度もそれなり以上の部隊、良い動きができそうだ。

 

「先ほど、ザフトの哨戒艦が消息を絶ったという。プラントの通信衛星網の復旧を行っていた隊だ。が、恐ろしいことに撃沈のシグナルは発せられていない。」

「哨戒艦を何に使うんだ?」

「拠点では?」

「そんな練度を持った奴らが今更哨戒艦を拿捕するとは思えんが。」

「なら連合側が侵入して復旧を遅らせたというのは?」

「ありえんだろう。もし制圧されたのだとしてもSOSの一つや二つ鳴るもんだ。なにより、MS隊は破壊されたというシグナルもある。」

「連合ならそんなまどろっこしいことはせんだろう。ダガーあたりでとっとと撃沈するだろう。」

「そしたら全面戦争に逆戻りだが。」

「移動の足?」

「荷物を運ぶとか……まぁ、曳航はMSでも出来ますが。」

「恐らく正解だ。ディメス隊長、先の戦争で使われた核のデータは?」

「アクセスできる範囲だけだぞ。発射されてないものを見つければいいんだな?」

「そういう事です。」

 

隊長がキーボード操作を行っている間に、俺は作戦概要を説明する。

 

「連合の手先なら、それはプラントに発射されるだろう。だが、先の理由によりその線は無くなる。ザフトのテロリストであれば、確実にこのハビリスを狙う。」

「今連合で使えるマスドライバーはここしかないからな。だからこうして防衛が手厚いんだ。」

「それをどうやって破壊する?答えは核しかない。」

「陽電子砲はどうでしょう?核を使う輩なら大気汚染も気にしないのでは……」

「対費用効果が薄いな。そもそもノーリスクで手に入れられて、かつ大火力を安定して出せるならそれを使うに越したことはない。それに、例の試作機(ゼ―イーゲル)もある。アークエンジェル級の陽電子砲であれば、何とか防御も可能だろう。」

「データにアクセス完了だ。ピースメーカー隊によりほとんど撃ち尽くされている、が発射数が合わんからいくつかは残っている。どれもこれも撃沈しているがな。」

「でもよ、艦自体は丈夫で核ならさらに頑丈なケースに収納されている。艦が木端微塵になってなきゃ核も確実に生きてるだろう。誘爆もしてないんだしな。」

「我々の任務はテロリストの迎撃だ。更に広範囲の索敵をこれから開始する。また、連合艦隊とのコネクションも利用して宇宙域までをも監視する。先日カナーバ議長が最高評議会へお戻りになった。襲撃としては、またこちらに到着する時だろう。カナーバ議長は、ザラ派にとっては目の上のたん瘤だしな。」

 


 

「アスラン・ザラの名前を使って蜂起か……」

「どう思う?上層部もかなりピリついているみたいだが。」

「あり得ん。あいつはむしろパトリック・ザラを止めようとしていたからな。」

「そうだろう。お上もそうお考えだ。」

「だが、民意はそうなるか?まぁならんよな。」

「そうは言っても、アスラン・ザラがジャスティスに乗って父の凶行を止めたことは伝説的に受け止められている。人それぞれだ。」

「そうだな……ん?レーダーに感あり、機数6。」

「総員戦闘配備、まだ撃つなよ!」

「了か……ッ撃ってきた!」

「反撃許可!ウェポンズフリー!」

 

数機のゲイツが即座に交戦を開始。俺の機体は新たに開発されている“バビ”と言う機体のプロトタイプだ。ディンの後継機で、空戦特化の機体でビームマシンガンが装備されている。空爆を主眼としているが、今作戦では意味がないので仮としてロングビームライフルが装備されている。

 

「大丈夫か?」

「ドッペルホルンが片方やられた!」

「下がって支援砲撃に専念しろ、バランサーも見とけ!」

「隊長!遠方にボギー探知!ボギー同士で交戦中と思われる!」

「情報量が多いなクソ!まずこっちを片付けるぞ!」

「……多分大丈夫だと思うがな。MAが出たぞ。」

「流石に司令部も判断が早い。」

 

まぁ、対外的にここは安全ですよと言うならまず出動の早さが肝だ。今回の作戦はとにかく敵を近づけさせない。核ミサイルを大気圏内で撃てるならもう撃ってるだろうし、恐らく弾頭と信管しか持ちだせない、もしくは運べなかったのだろう。

 

……この戦闘は 陽動だとして、向こうの戦闘も陽動……もしくは核を防衛しているとするなら。戦術データにある全くの不明機は核をどうするつもりだ?そもそも、単騎で核を奪えるのか?

 

「……行った方がいいな。」

「俺もそう思う、行ってくれ!」

「司令部、海上に警戒。奴ら潜水艦からミサイルを発射する可能性が高い!」

『了解した、支援はいるか?』

「とにかく向かってくるミサイルに誘導!絶対にこの基地を死守!いいな!」

『了解。周辺の海域データから潜水艦が潜んでいる可能性がある箇所を送る。』

「良いぞ……」

 

真反対が恐らく怪しくはある、が潜水艦ならソノブイ・バリアーによる探知でボズゴロフ級は探知できるので除外。残った個所を条件付けするなら……

 

ボギー同士の戦闘区域付近が怪しい。

 

「ゼ―イーゲル!核はこっちに任せろ!」

『分かった、あのボギーをどうにかする!』

「……しかし凄まじいな、アレ。」

 

あの可変機は俺だと勝てそうにない。どこの機体かはちょっと分かりづらいが、M1アストレイに似ている。オーブの試験機か何かか?……あぁいや、そういう事か。

 

「ありゃアスランだな。ったく面倒なことになりやがって!」

 

その瞬間、ミサイルが発射された。潜航していたのか、ボズゴロフ級の姿はないが、熱源探知ですぐに反応する。

 

「ま、楽勝ってね。」

 

ミサイルにはマシンガンが呆れるほどに有効だ。どれか一発でも当たれば機能を失うからな。実際、ちょっと偏差をつければほら、この通り。ミサイルに当たって核はその機能を喪失した。

 

「こちらヘキサ、ミサイルの撃墜を確認。司令部でも確認できたか?」

『こちらでも確認した。まだ周辺に潜んでいる可能性があるため、警戒は解くな。』

「了解……ボギー同士の戦闘が終わった。可変機が逃走する、追うか?」

『ノーだ。周辺警戒を厳にせよ。』

「了解した。」

 

結局のところ、この後核が発射されることもなく。ボギーもザフトから離反した一派であるとも判明。これが足枷となったか、プラントは不利な状況で和平を結ぶこととなった。

 

が、少なくとも全滅戦争よりはマシってやつだ。カナーバ議長に感謝すべきか、それとも責任追及で辞職するのか、俺には分からんが……まだ戦乱は続きそうだな。ACESの結成を急ぐべきだ、今夜の飯時にでも改めてディメスと練り直しておこう。

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