俺が来てから一週間、新八がせわしなく動いている中俺は昼飯を作り、神楽は新聞を読み、銀さんは食品庫を漁っていた。
「何してんすか銀さん。てか調理の邪魔なんでどいてください。」
すると銀さんはおもむろに言った。
「俺のチョコレートが無い......」
「は......?」
「誰だ!俺の買いだめしてたチョコくったやつァ!!!」
そしていきなり叫んだ。び、びっくりした......
「何言ってんですかチョコごときで!!」
「また大使館で爆弾事故......地球は物騒アルな.....」
新八が銀さんのみみっちさにハイテンションでツッコむ。そして神楽は我関せずといった感じだが......
「おい、神楽。お前顔しっかり見せろ」
「え、何アルか急に......」
新聞紙の奥に隠れていた神楽は鼻血を垂らしていた。それを見てからの銀さんのこうどうは速かった。
「物騒なのはオメーだ!!しらじらしい顔でいやがって!!!白状しやがれ!!」
神楽のほっぺを手でつまみ、自白を要求する。いやその前に神楽がジャンプヒロインにあるまじき姿になってんぞ......
「
いやいや......
「今どきの女の子は鼻血出るまでハナクソ深追いしないって」
「え゛....アンタ今の聞き取れたんですか?」
新八がそう聞くが......いやだって
「上にルビ振ってあんだろうが」
「いやメタいわ!!アンタ一応常識人設定でしたよね!?」
あ、設定とか言うなよ。メタいぞ。
すると下のスナックお登勢から何かがぶつかったような音が聞こえた。
「ど、どうしたんですか!?」
そう焦る新八に続き俺たちも降りる。すると......
「何してくれとんじゃワレェェ!!!うちの店に突っ込んでくるなんざただじゃ済まさねぇぞォ!!」
突っ込んできた飛脚らしい人物の胸倉を掴んで揺さぶるお登勢さんの姿があった。いやいや、相手事故にあって傷だらけですって......
すると飛脚は俺たちに一つの小包を渡してきた。
「こ、これを届けて貰えませんか?あ、あのすごく大事な荷物っぽかったんでコレ渡せなきゃクビになるかもしれないんです......!」
ボロボロの飛脚から渡された小包を銀さんが受け取った。
「よし、その依頼!この万事屋銀ちゃんが承った!」
そして俺たちは小包に書いてあった住所に来たのだが......
「こ、ここってイヌイ星の大使館じゃないですか!」
そこはイヌイ星大使館の正門の前だった。その横には笠を被った僧侶が座っていた。なんだこいつ、修行の途中で力尽きたんか?
まあ、とりあえずイヌイ星の天人は真っ先に地球に降り立ち、その圧倒的な武力で江戸を開国させた危険な奴らだ。まぁ要約すると......
「犬だな」
「マジか!?ワンちゃんいるアルか!?」
「いや、何をどうしたらそうなるんですか!?危険な天人なんですよね!?」
神楽が目を輝かせて、新八はツッコみに声を張り上げる。やっぱりこいつはツッコみの為に生まれてきたのではないだろうか。
すると衛兵が俺たちに近寄ってきた。
「オイ貴様ら!何者だ!」
「俺たちは届け物を届けに来たんですけど......」
「今は連続爆弾事件で警戒状態だ!しかも届け物の予定は今日はない!」
なるほど......確かに今は今朝の新聞にも書いてあったが爆弾魔がいるらしいからな。
「で、でもこれを届けなきゃ飛脚の人が......!」
「まぁ任せろぱっつぁん。」
食い下がる新八を銀さんが制する。何言うつもりだ......?
「ほら、ドックフードかも知んねーぞ?」
「いやそのネタ引っ張るんかいィ!?」
「さすが銀さん。犬はドックフードに目がないからな」
「何なのコレ?僕がおかしいの?」
と、銀さんの策で小包を渡す......ってあれ?コレ何かいかにも爆弾入りそうな......
「誰がドックフードなんて食うか!?バカにしているのか!!」
そう衛兵が言い、小包を弾くとそれが地面に触れた瞬間大爆発した。
「貴様ら......何をしたか分かっているのか......?」
衛兵がギラリと歯を見せて凄む。
「いや、俺たちが今すべきことは分かるよ......」
そう銀さんが言い切るのを皮切りに......
「逃げろォォ!!!!」
俺たちは一斉に逃げた。だァァァァァァァァァァァクッソ!!とんでもないの掴まされた!!!
すると一番衛兵に近かった新八が捕まった。そして新八が銀さんを道連れにしようと掴み、銀さんが神楽を、神楽が俺を掴み一列に並んでしまった。てか神楽力つよっ!!!
「新八ィ......お前、“俺を置いて先に行け”ぐらい言えんのかァ......!!!」
「い、嫌だ!一人で死ぬぐらいなら道連れに......!!」
「二人とも私を置いて先にあの世へ行ってぇ......!!」
「死ぬときゃお前も道連れじゃあァァ!!」
「百年後ぐらいには必ず行くんで......!あの世で待っててください......!!!!」
「大往生じゃねーかァァ!!!!」
クソ、馬鹿らしくなってきた。さっきは流れ的に言ったが銀さんたちを置いて逃げことはしない。こいつ一人なら余裕だが後が面倒だ。じり貧だな......!
するとおもむろに横で寝ていた僧侶が立ち上がり、新八の腕を掴んでいた天人を蹴り飛ばした。そしてその拍子に笠が落ちる。
「全く......手のかかる奴らだ」
こ、この人は......!
「お前はヅラか?ヅラ小太郎か?」
「ヅラじゃない、桂だ!」
名前を間違えた銀さんが殴り飛ばされる。この人は桂小太郎。天人にみすみす国を受け渡した幕府相手に革命を起こそうとする攘夷志士という活動家、といえば聞こえはいいが実態はほぼテロリスト。そして俺と銀さんの同門であり三人いる俺の兄的な人の一人だ。ちなみに銀さんもそうだったりする。
まあヅラさんだ。
「ヅラじゃない!桂だ!!」
「何で平然と心読んだ上に少しテンション上げてんすか......」
「久々の再会だ!喜ばんわけがないだろう!!」
「久々の再会でアッパーカットはないんじゃないの......?」
起き上がってきた銀さんがそう抗議する。
しかしそんな暇もないようだ。
「き、来たァ!!!た、大使館から沢山飛び出してきましたよ!!!」
「とりあえず逃げるぞ!!」
「あ、待てヅラ!!」
「ヅラじゃない!!桂だ!!!」
いやもうそれ三回目ですって
「よーやく尻尾を出しやがったか。あいつらのアジトを探し出して血祭りにあげてやる。」
その近くの一室で、何者かが八幡たちを望遠鏡で見つめていた。それは四人いて全員黒を基調とした金の刺繍が入った服を着ている。
「山崎ィ、あいつらの後を追いアジトを見つけ出せ」
「はいっ!副長!」
山崎と呼ばれた特筆すべき特徴のない男が敬礼をする。
「そして葉山、お前はそこで寝てる
「分かったよ土方さん。俺の十一番隊もそろそろ限界だったようでね、喧嘩を始めるならやるよ」
そして金髪の爽やかな男が物騒なことを言いながら笑った。