銀ガイル   作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!

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アイドルとは偶像を売る者たちのことである

 

あれから俺たちは爆弾魔扱いされて拘置所に居たんだが......

 

「全く......これからお通ちゃんのライブだったんだからギリギリでしたよ」

 

新八が見せた驚異のブチギレで出てくることが出来た。普段おとなしい奴ほどキレるとヤバイって本当だったか......

 

「もう僕帰りますよ!あんたらと居たらいつかホントに捕まる......」

「なんだよテメー、新八のくせに。調子乗りやがって!」

「いや酷くない神楽ちゃん!?」

 

と帰って行った新八。そして俺たちは今......

 

「ゲロ吐け神楽!この憎たらしい警察署にゲロ吐いてやれ!!俺はゴールデンウォーターかけるから」

「分かったよ銀ちゃん!......ウ、ウグ........ウググ......」

 

ジャンプ主人公とヒロインがすることじゃねーなコレ。銀さんはマジでチャック開けだしたし神楽も指を喉に突っ込みだしやがった......はぁ......

 

「全く、あんたもいい大人でしょうが。またPTAに怒られますよ」

「そ、それもそうだな......」

「オ、オエェェェェ......」

「おい神楽テンメッ!どこで吐いてんだ!!」

「えぇ...だって銀ちゃんが吐けって」

 

神楽のゲロが銀さんのブーツに当たったからキレだしたようだ。この人は自分のことを棚に上げてまぁ......と思っていると

 

「てぇい!まだ捕まるわけにはいかないんでい!!」

「......?」

 

誰かが手錠をつけ、囚人服で警察署の塀に飛び乗っていた。おそらく脱獄囚であろう白髪の老人は俺たちに飛びかかろうとしたのだが......

 

「のわっ!?なんだこれクッサ!!めちゃくちゃ臭い!!」

 

神楽のゲロで滑って転んだ。おいおい、大丈夫かよ......

すると銀さんがその白髪の老人に聞く

 

「おい大丈夫かよジーサン」

「悪いがまだワシは捕まるわけにはイカン。許せよッ!」

 

そう言うと突然老人は銀さんを手錠の鎖で自分と括り付けた。その直後に

 

「貴様!いい加減に観念しろッ!!また刑期が伸びるぞ!!またお上に逆らう気か!!」

「うるさい!ワシは今日命に代えても行かなければならないところがあるんじゃい!!」

 

警官が俺たちを取り囲んだ。俺たちも銀さんを人質にされているので戦闘態勢に———

 

「八幡、神楽。下がれ」

 

入らなかった。銀さんが制止したのだ。そしてそのまま老人は少しずつ下がる。俺たちも来るよう言われたので着いて行く。するとそこにあったのは天人の介入により空中浮遊が可能となったパトカーがあった。老人はそこに乗るように促した。

 

「おい天然パーマ。運転はできるか?」

「へいへい」

 

そして銀さんに運転を命じて発車する。すると銀さんが老人に聞いた。

 

「おいジーサン。あんた何で脱獄なんかしたんだ?」

「あん?さっきも言った通り今日特別な日なんだよ」

 

すると後ろからパトカーのサイレンの音が聞こえてきた。

 

「お、おい!飛ばしてくれ!!」

「あいよ!ブーストオン!!」

 

そういうと銀さんは後ろからの追手から逃れるためにアクセルを踏み込んだ。

そして銀さんの荒々しい運転は......

 

「今日新装開店したメイド喫茶で~す♪寄っていきませんか?ご主人様♪」

「も、萌え......」

「どけいっ!!」

 

歩行者天国を通り、パトカーの追走を妨げる......っていやいや

 

「危ないでしょ、もう少しで轢くところでしたよ」

「大丈夫だ!俺の運転テクを舐めるなよっ!」

 

いやそれでも危ないって......って神楽は何でこんな状況で寝てられんだよ。

 

『~交差点を封鎖しろ!そこで止めるんだ!』

「あ、銀さん!前にパトカーが!!」

 

封鎖の指示があったようで、目の前の道が横向きのパトカーでふさがっている。前にもパトカー、後ろにもパトカーで詰んでいそうな状況だ。しかし......

 

「こんなもん朝飯前よっ!!」

 

銀さんはギリギリまで粘ってからドリフトで一気に曲がり、パトカーを躱した。そして後ろのパトカーは曲がり切れず前のパトカーと衝突する。だが俺たちの曲がった先も......

 

「おい天然パーマ!前はビルだぞ!!」

「まぁ任せとけって!!」

 

そびえたつビル、そして先程後ろの方に居て曲がり切ったパトカーに囲まれる。

 

「銀さん!」

「焦るな......ここだっ!!」

 

銀さんはギアを一気にF(フライ)まで入れてタイヤを収納し飛んだ。

 

「やったな!振り切ったぞ!!」

「俺のドラテク見たか!!」

 

そう喜ぶ二人だが......

 

「銀さん、後ろです」

「は?なぁ!!」

 

まだまだ増えた20台ほどのパトカーが飛行しながら追ってきた。

 

「ちぃ!私もニュータイプのはずだ......!」

「それ今ですか?」

 

上を飛ぶ飛行船の間を見極めて、縦になったり横になったりしながらパトカーを振り切りビルを超えたところで大きめの艇の陰に隠れてパトカーの群れをやり過ごした。そしてなるべくそこから離れたところに着地した。

すると誰からかは分からんが、振り切った爽快さから笑い出した。

 

「アッハッハッハ!やりやがった!!」

「ハハハハハ!!」

「はっはっはっ......あれ、前の」

 

しかしそのせいで誰も前を見ておらず、前にベビーカーを押した子連れの帯刀した狼の天人がいるのに気づかなかった。

 

「「こ、子連れ......!!!」」

 

それを躱そうと銀さんはハンドルを切って、予定調和かのように道にあった電柱にぶつかりパトカーは横転する。

 

「チャーン!」

「われら親子、冥府魔道に生きるもの。先を急ぎますゆえ、これにてご免」

「あのクソ狼が...車は急に止まれねぇって習わなかったのか!」

 

俺たちは何とかパトカーから這い出し、銀さんは狼の天人に悪態をつく.

俺と老人はいまだに眠る神楽を車から引きずり出した。

 

「スース―......」

「いい加減起きろよ......夜兎ってみんなこんななの......?」

「いたぞ!必ず捕まえろ!」

「しまった!」

 

一度逃げ切ったと思っていたが、事故の騒ぎにより警官たちが嗅ぎつけてきた。

 

「こっちだ、着いてこい」

「はい」

「お、おう」

 

銀さんが路地裏を指さしたので神楽を担いで着いて行く。

 

 

「クソっ、どこ行きやがった!?」

「探せ!遠くには行ってないはずだ!!」

 

 

俺たちは銀さんの案内で下水管に入り、老人の目的地を目指して走っていた。

 

「おい、もういい加減に起きろよ神楽!」

「う、ううん......クサッ!ううん......クサッ!」

 

どうでもいいけど人の背中の上でクサッ!っていうのやめてくんない神楽ちゃん?なんか加齢臭でてんのかって不安になるから。

すると老人が聞いてきた。

 

「なぜ俺に手を貸すんだ!おかしいじゃねーか、お前らは巻き込まれただけなのに!それなのに......」

「俺はよぉ、あいつらが嫌いってのもあるが......」

 

銀さんは一拍ためて言った。

 

「見届けたいのかもしれねぇな、あんたの言う特別な日ってやつを」

「へっ」

 

老人は銀さんの言葉を聞くとそう笑った。

 

「もうすぐ目的地だ!急ぐぞ!!」

「「おう!」」

 

あの老人の目。あれは本当に大切なことをしようとしているんだろう。銀さんはそれに協力したかったのではないだろうか?

 

 

 

 

 

 

鳴り響く音楽。きらめくステージ。そして......

 

「みんな~!今日はお通のデビューライブに来てくれてありがとうきびうんこー!!!」

「「「「「「とうきびうんこー!!!」」」」」

 

青いはっぴを着て意味の分からない言葉にレスポンスするオタク軍団、一人馬鹿みたいにでかいのいるけど人形か?後ろのお客さん見れねぇじゃねーか。最後に

 

「「とうきびうんこー!!!!!!」」

 

それに負けないほど元気に腕をぶん回しながら返事をする脱獄ジジイとバカチャイナ......

 

「今日は!浮世のことなんか忘れてたのしんでいってネクロマンサー!!」

「「「「「「「ネクロマンサー!!!!!!」」」」」」」

「じゃあ一曲目!お前の父ちゃん✕✕(チョメチョメ)!楽しんで行って下さインドメタシン!!」

「「「「「インドメタシン!!!!」」」」」

 

そして✕✕(チョメチョメ)から始まる歌詞はもうヤバイ、何がヤバイってもう会場の空気がヤバイ。

 

「おい、なんだこれは」

 

空気に耐えきれず銀さんがジジイ(もうこれでいいや)に聞く。

 

「今巷で人気沸騰中のアイドル、寺門お通ちゃんの初ライブだ。」

「人生舐めとんのかァァァァ!!!」

「その程度のことで脱獄したんか!?」

「グアァァ!!」

 

その理由に銀さんと二人でジジイの脳天に踵落としをくらわす。この野郎......

 

「お前、アイドルのライブなんかで人生棒に振るんじゃねーよ!!」

「一時の享楽でそんなことするから牢屋に入れられたんじゃないのか?」

 

俺たちの言葉にジジイがやけに決め顔で返す。

 

「ふっ、人生を棒に振った俺だからこそ本当に人生に大事なことがわかるのさ......さぁ!楽しむぞ!!L・O・V・E・お・つ・う!!L・O・V・E・お・つ・う!!......」

「神楽、八幡帰るぞ。」

「はい、神楽帰るぞ」

 

もうくだらないので神楽にも帰ろうと促す。すると......

 

「え~もうちょっと居たインキンタマシ」

「影響されてんじゃねぇ」

 

割と楽しかったようだ......しかしこの空間、騒がしいな。それに体感温度外より2℃くらい高いし......なんか臭いし。と、そそくさと帰ろうとすると......

 

「「「「「L・O・V・E・お・つ・う!!L・O・V・E・お・つ・う!!」」」」」」

「声が小さい!!オラそこ!!ボケッとすんな!!!!」

「すいません隊長!」

 

知ってる奴がいた......えぇ...あいつメガネだけじゃキャラが弱いからってこれはねぇよ......

 

「おい、新八。お前はいつから隊長になったんだ?」

「俺は生まれた時からお通ちゃん親衛隊隊長だ......って銀さん!?」

 

あまりの情けなさに涙が出てくる......そこは貫き通せよ............

 

「お前がまさかこんな軟弱なモンに傾倒してるなんて......俺はお妙になんて言えばいいんだよ......」

「新八、俺たちも甘味に傾倒してる分強いことは言えないが......せめてアレ、町娘とか相手に騒いだ方が良いぞ?」

「いや別にガキじゃねーから!自分のことぐらい自分で決められるワイ!!あと八幡さんは逆に傷つくんでやめてもらっていいですか?」

 

俺たちのアドバイスを聞かず応援を続ける新八。これが新八の大事な用事かよ......

俺たちがうだうだやっていると妙齢の女性の声が聞こえてきた。

 

「あなたたち!ライブ中に立ち歩くのなら帰っていただけるかしら?」

「あ、すいませんマネージャーさん!僕が締め出しておくんで!!」

「親衛隊の方?よろしくね。」

 

どうやら寺門お通のマネージャーだったようだ。その人は見周りを続けようとしたのだがある一点で視線が止まった。

 

「あ、あなた......!!」

「ん?」

 

どうやらあのジジイはただのアイドルファンってわけじゃなさそうだな......

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどな......」

 

話をまとめるとどうやらあのジジイは寺門お通の実の父親だったようだ。そしてマネージャーは母親。寺門お通は父に対する質問が上がるたびに落ち込むらしく、父が犯罪者とはいえないので捕まった13年前に死んだことにしてあるそうだ。そして

 

「もう二度とお通の前にその顔を見せないで頂戴」

「............」

 

締め出されたってわけだ。俺と銀さん、そしてジジイはベンチに座って黄昏ていた。ちなみに神楽はライブ会場に戻って楽しんでいる。

 

「とうきびうんこ~!!!」

 

 

銀さんがジジイに切り出す。

 

「ガム食べる?」

「んなガキみたいなもん食えるか!」

「八幡は?」

「貰います」

 

あ、これハッカ味のフーセンガムだ。普通に上手い。銀さんはガムを膨らませてわり、口の周りにべとぉと張り付かせた。うわぁ......

 

「人生上手く生きるコツは童心を忘れないことだぜ?な、八幡」

「ええ。まぁ、娘の晴れ舞台の、クチャクチャ、為に脱獄、クチャクチャ、するなんて子供みたいなことしてますけどね、クチャクチャ」

「へっ......そんなんじゃねーよ」

 

そう言うとジジイは遠くを見つめた。

 

『ア↑~イ↓~ド↓~ル↑~ニ→、ナ↑~リ↓~タ↓~イ~→』

『へっ、お通。やっぱりお前は俺の子供だな!とんでもねぇ音痴だ!!』

 

まだ寺門お通小さかったころ、しゃもじをマイクにしてのライブを老人は愉快そうに聞いていた。

 

『おめぇに歌手は無理だ!お前になれるんだったらキリギリスにもなれるわ!』

『うっさいわボケ!なるって言ったらなるんだよ!!』

『はっはっはっ!面白れぇ!ならお前が歌手になったら俺がいの一番に百万本のバラもって行ってやるわ!!』

『い、言ったね!絶対だかんな!』

『ああ、約束だ......』

 

その約束は.....

 

 

「覚えてるわけねーよな。13年も前の話だ」

 

そんな過去があったのか......と俺と銀さんも同時に風船ガムを膨らませる。

 

「それに覚えてても思い出したくねぇよな......人を殺めちまった親父のことなんざ」

 

俺たちの風船ガムは思いの外膨らみ......顔の大きさを超えたぐらいで割れた。うわぁベトベトする!つーか息が出来ねぇ!!

 

「俺もう帰るわ。バラも買い忘れちまったし......迷惑かけたな」

 

い、息が出来ねぇ......と必死になって風船ガムを剝がす。すると......

 

「銀ちゃん!八幡!大変だヨ!!お客さんの一人が暴れだしてパダンファッショんう」

「普通にしゃべれ」

 

何を言っているのか分からなかったので銀さんが神楽の頬をつまむ。

 

「あ、あのですね。お客さんの一人に天人がいたみたいで。それが質の悪いことに“食恋族”興奮すると好きな異性を捕食するという変態天人なんですよ。」

 

いや標準語喋れたのかよ。

 

 

 

 

 

「も、モウガマンデキネェ!!」

「き、キャァァァァァァ!!!!!!!!」

 

やたらと大きな穏やかな間抜け面をした隊員が突如暴れだした。

 

「何事だ!!」

 

新八が聞くと、安っぽいサングラスをかけた金髪のリーゼントが焦ったように答える。

 

「た、隊長!隊員ナンバー49が暴走しました!」

「あれも隊員だったのか......マスコット人形かと思ってた......」

 

その暴走を止めようと親衛隊も木刀を持って立ち向かうが......

 

「「「「「やめろぉ!!」」」」」

「オツウチャン!!!」

「「「「「グアァァ!!!!!!」」」」」

 

あっけなく張り手でやられてしまう。そして隊服である腹の包帯をちぎり、腹が割れてそこが口になり触手が何本も出てきた。

 

「い、いやぁぁぁぁ!!!!」

「お通!!」

 

そしてお通に向けて大きな手が振るわれる。その衝撃を想像してお通は目を閉じて母親はお通を庇う。しかし......

 

「おぉりゃ!!」

「え............?」

 

正体を隠すためにレジ袋を被った父親が二人を庇いその手を受け止めた。だが天人も負けじと触手を振り回す。

 

「ジャマインスイーパー!!」

「のわぁ!!」

 

そしてその衝撃で父親は壁に打ち付けられてしまい、意識が遠くなる。

 

「行くぞ!僕らもお通ちゃんを守るんだ!!!」

 

負けじと新八も木刀を持ち、親衛隊を率いて立ち向かう。しかし所詮はオタクの軍勢、非力なので当たり負けする。

そして一人残った新八ににじり寄る。

 

「う、うわぁ......!」

 

うろたえる新八。しかしそこに

 

「ホアタァ!!」

「か、神楽ちゃん!!」

 

神楽が飛び蹴りをくらわせる。それでも負けじと触手を伸ばすが......

 

「イイカゲンシツコインドカレー!!」

「それはこっちのセリフだイニングキッチン!!」

「公共の場でこんなことをするとはいい度胸だ南斗神拳」

 

銀時と八幡がそれを切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

たく......無理しやがって。いい年だろ?

 

「クルナイトコード!!」

「観念しロイド・キャロル!!」

「これで終わりだい爆発!!」

 

俺たちは二人で触手を斬り切る。

そして天人に肉薄する。しかし

 

「おわっ!!」

「......!」

 

その触手は瞬時に再生した。俺たちは体勢を立て直しもう一度反撃しようと

 

「待った!!」

 

したのだが新八の並々ならぬ気迫で一歩引いた。そして新八は......

 

「お通ちゃんは僕が守ルパン三世!!」

「グワァ!!」

 

脳天に木刀を叩き込み、天人を昏倒させた。

 

「あんた!なんて無茶してんだい!!」

「だ、大丈夫ですか!?」

 

如何やらジジイも目が覚めたようだ。銀さんはジジイに近づき......

 

「百万本にはちとたりねぇが......これで勘弁してくれや」

「な、お前ら......!」

 

先程摘んだ四本のタンポポの花束を渡した。あの様子ならもう大丈夫だろ......

 

 

 

 

 

 

天然パーマ......いや銀時から貰ったタンポポの安っぽい花束を見つめて考える。

覚えているかどうか、だと?そんなもん関係あるか。俺が約束を果たせばいいんだ。

俺はお通にずいっと花束を渡す。

 

「こんなもんしかねぇが、頑張ってくれよ」

「え......?」

 

これでよかったんだ。こんな人殺しの親父のことなんざ忘れた方が幸せに決まってる、俺も刑務所で残りの人生を全う———

 

「待って!!......今度は、ちゃんとバラもってきてよ!お父ちゃん!!」

 

お通......覚えてやがったのか......

俺はおぼつかない足で会場から出る。すると......

 

「涙のお別れは済んだのかい?」

 

銀時が柱にもたれかかって待っていやがった。確かに目頭も厚い、鼻に水分を感じる。だが違う。

 

「そんなんじゃねーよ。また......会いに来るさ」

 

これは、別れなんかじゃねぇ

 

 

 

 

 

 

 

「あんなこともあったけど仕切り直して楽しんで行って下さインドメタシン!!」

「「「「インドメタシン!!!」」」」

 

お通はライブを再開していた。しかし......

 

「この曲は私のお父ちゃんに捧げます。聞いてください!”お前の父ちゃん✕✕(チョメチョメ)!”」

 

それはアイドルとしてではなく、一人の娘として。父親(バカ)に捧げるライブだ。

 

そしてそのバカが乗ったパトカーもライブの喧騒に包まれながら走る。

それが通り過ぎた道端には、風に揺られながらもしっかりと立っているタンポポの姿があった。

 

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