それと、前の話を今後どこかでリメイクしたいと思っています。まだ手探り状態で書いていたので今と書き方も違うのでできれば揃えたいなーって思ったので。
大筋は変わらないのであまり気にしなくても大丈夫です(予定)。
『先頭は変わらず、ミホノブルボン! そして、その後ろにはライスシャワー!
果たしてライスシャワーはミホノブルボンを差せるのか!?』
ライスさんの日本ダービーは惜しくも2着に破れた。しかしその差はクビ差である。本来なら4バ身差で敗北していたのだが、ここまで追いつけたのは私達と共に過ごしてきたからなのかもしれない。
「ライスさーん!」
控室に戻ろうとするライスに声をかけた。
「アリスちゃん……? ごめんねライス、せっかくスピカの皆と一緒に頑張ってきたのに負けちゃった……」
「でもライスさん、最後の直線さすがでしたよ! もう少し長ければライスさんが差し返してたと思います!」
確実にこの一ヶ月でライスさんは強くなった。あのミホノブルボンを射程に収めたのだ。
「ありがとう……アリスちゃん。ライス、もっともっと強くなって、ブルボンさんに……勝ちたいの……!」
「えぇ! 次の菊花賞、必ず勝ちましょう!!」
「……うん!」
負けたのに次の目標の為に頑張ろうとするその姿勢はライスさんらしくて大好きだ。
「……ライスシャワー……」
◆
「……では、本当に?」
「はい、本人がそう望んでいますので……私としてはもっと彼女と夢を見たかったのですが、あの子が望むのであれば……」
「……分かりました。あなたの夢を、彼女の夢を俺が必ず叶えます!」
「……っ! ありがとうございます!!
心残りはありますが……よろしくおねがいします!」
◆
ライスさんの日本ダービーから暫く時間がたった。
トレーナーの言うとおり、私の本格化が始まってきた。……身体面はほとんど変化は無いが……
ともかく以前より明らかに食欲が増え、走るときのパワーや速度にも変化が出てきた。
ちなみに同時期に私のルームメイトであるクラインも本格化が始まりつつあるそうだ。やはり彼女が私の同期兼ライバルか……!
「おーし、お前らちょっとこっちこーい」
トレーナーがチーム全員を呼び集める。
こんなこと滅多に無いので何が起きるのだろうか?
「全員集まったな? よし! お前達に一つ報告がある」
なんだ、なんだと盛り上がる。
「この前、ライスシャワーと一緒にトレーニングしていたの覚えているよな?
実は本人からチームの移籍の要望が出て、このチームスピカに入りたいとのことを受けたんだ」
なんだって……!?
ありえない展開が起きた。本来、ライスさんはスピカには所属していない。しかも、本人からの要望となるとライスさんが移籍を申し出たと言うことなのか?
「もちろん、ライスシャワー本人とそのトレーナーとの話はもう既に済んでいる。今日は用事の為不在だが、明日からのトレーニングには参加する。
皆よろしく頼むぞ!」
わーお。それは予想外だった。
本来ならライスさんはスピカにはおらず、ブルボンさんの菊花賞とマックイーンの天皇賞・春でスピカと関わったくらいだ。
……これ、私が関わったからか? 悩んでも仕方ないしとりあえず本人に聞いてみるとするか。
ちなみにスピカの様子はと言うと……
「ライスさんとまた一緒に走れるなら楽しみですわ!」
マックイーンは凄く嬉しそうだ。同じステイヤー同士、そして天皇賞・春で戦うライバルとして何か惹かれるものがあるのだろう。
その他の面々も喜んでいる。短い期間ではあったが共にトレーニングしてきた仲間でもある。
なんだかシリウスに近づいてきた気もするが気の所為だろう……多分。
⏰
そして、その日のトレーニングが終わりライスさんにこの話を聞くために寮に戻った。
そしたら丁度ライスさんも戻ってきたようで玄関近くでばったり会った。
「あ! ライスさん。丁度よかった。
トレーナーから聞きましたよ、ライスさんスピカに移籍するって……」
「本当だよ、アリスちゃん。ライスね、スピカの皆とトレーニングして凄く楽しかったし、前のライスより強くなれた気がしたんだ……
も、もちろん前のチームが悪かったわけじゃないよ? でもね……スピカに居るととてと暖かくて……ライスも、もっと頑張ろうと思えたんだ」
そんなことを感じてたんだ。なるほど、本来のライスさんはダービーではもっと差をつけられていた。でもスピカに一時的に所属することで実力以上を引き出すことができた。
それは果たしてスピカに出会ったからなのかそれとも……
「それなら明日からトレーニングに合流する……と言うことで間違いないですか?」
「そうだね、明日からよろしくねアリスちゃん!」
「……はい!」
◆
ライスさんがチームに所属してからもうすぐ一ヶ月を過ぎようとしていた。
そろそろ夏も本番になってきて暑いこと暑いこと……
正直東京の暑さは大変だ。それは私達にとっても同じでトレーニングどころじゃない時もある。
その為か夏になるとチームごとに合宿で海のあるところに行ったりと、少しでもトレーニングしやすい環境、そして楽しめるような場所で合宿を行うことも多い。
一応、スピカも毎年合宿をやってはいるがトレーナーの資金的問題なのかあまりいい宿に泊まることはなかった。
どうせ、今年もそんなもんだろと思っていた矢先にトレーナーから今年の合宿についての話があった。
「それ……本当なのですか?」
「あぁ、本当だ。俺もさっきたづなさんから聞いてな。
いやまぁ正直、いつもお前らに食費やらなんやらで財布が軽いから助かるぜ」
トレーナーがたづなさんから聞いた話とは、
「今年から夏の合宿はトレセン学園側が宿とトレーニングの場所を提供する」
とのことだ。
学園側が用意するとなると……アプリ版でよく見た場所なのかな?
どうやら理事長のポケットマネーから資金は出てるようだが大丈夫なのだろうか? よく暴走してる姿はよく見てたがそれでもお金に余裕あるあたり……
「それと合宿の期間だが一ヶ月ほど確保されてるらしい。用事などがあって離れる場合とかも連絡さえしてくれれば問題ないとのことだ。
あぁ、それと合宿は2週間後から始まるらしいから準備しておけよ! 細かいことに関しては……えっとたづなさんからこれを預かったからあとでよく目を通しておいて欲しい」
……ふむふむ、なるほど。
学園側が場所を提供はするけどトレーニングやその他イベントはチームごとにすること。基本的には何するにもチームごとになるのか。
持ち物に関しても特に規制などはないのか。自由な校風で私は好きだぞ。
念の為、替えのジャージや砂浜用に水着の用意、蹄鉄などを確認しておくか。持ち物も結構多くなりそうだ。
「なぁなぁ、アリス。今回の合宿はいつもみたいなところじゃないよな?」
「あー、うん。大丈夫だと思うよ。いつもみたいにボロボロの宿じゃないと思うし、部屋もチームごとみたいだからいつも通りにスカーレットとも寝れるよ」
「……ボロの宿で悪かったな」
あはは……確かにトレーナーにお金使わせすぎてる私達も悪いよね。でも、活躍するメンバーも増えてきたし少し余裕あるんじゃないんですかね、トレーナーさん?
まあ、私もトレーナーのお金消費させる側なのであんまりヒトの事言えないんですけどね……アハハ……
ともかく、合宿に向けて準備もせねばならない。忘れ物したら洒落になんないからね。
◆
「うひょー! 今までとは比にならないレベルで綺麗だな!」
「ゴールドシップ、少し落ち着きなさい」
「わぁかってるよマックイーン。ほら、早く行こうぜ!」
「待ってくださいまし!」
ゴールドシップに振り回されるマックイーン……いつも通りすぎて安心した。
「あいつらはとりあえず置いておいて……
今回はいつもと違って他のチームが居ることは忘れるなよ。迷惑かけるわけにはいかないからな」
今回の合宿は、複数の合宿所に分かれている。リギルとかカノープスとは同じ合宿所ではないようだ。残念。
だが、私も知っているウマ娘もいるようだ。お近づきできるタイミングがあればよいのだがね。
「よし、とりあえず今日は部屋に荷物を置いて片付けておいてくれ。トレーニングは明日からやるからしっかり休んでおくだぞ」
「「「はい!」」」
チームそれぞれに与えられた部屋、スピカはそこまで人数も多くないので、一つの部屋に全員が入れて寝ることができるだけのスペースのある部屋だった。
こうやってチームの仲間と一つの部屋で過ごすのもまた一つの楽しみだ。今までより豪華な宿なので皆テンションが高い。
楽しむのはいいが、明日からトレーニングあるってこと忘れてないか? ウマ娘の体力ならなんとかなるのかもしれないが。
さて、私は大人しく明日以降に備えて休むとしますか。