案外自分だけだと気づかないので感謝しかないです。
ヒシアマゾンからルームメイトの情報をもらって数日後、彼女の荷物が届いた。聞いた話では今日転入することになるそうだ。
ちなみに部屋の片づけはどうにか間に合った……疲れた……
学園に着きいつも通りの日常が始まろうとしていた。
「今日から転入生がくるらしいわよ」
登校してスカーレットが話しかけてくれた。
「らしいねぇ、そしてちょうど私の部屋のルームメイトも入る予定らしいから多分その子なんだろうね」
「アンタルームメイトいなかったのね……ちなみにその子の名前聞いた?」
「うん。確か……」
キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴ったのでそれぞれの席に戻ることにした。
「今日は転入生を紹介するぞ。入っておいで」
栗毛のロングの子が入ってきた。結構長く腰くらいまで伸びていた。身長は私より結構小さい。思っていたより可愛い子だった。
「初めまして。ドイツから来ましたグローサークラインです。日本についてはまだまだ勉強不足なのでいろいろ教えてくれると助かります!」
礼儀正しい子だな。日本語も上手かった為しっかりと練習していたようだ。
グローサークライン……そうだな、日本語だと「偉大なる小さきもの」とでも訳そうか。
「席は……アリスシャッハの隣で大丈夫か?」
栗毛の美少女が私の隣の席に座る。
「初めまして、私はアリスシャッハ。アリスって気軽に呼んでくれると嬉しいな。えっと……君のことはなんて呼んだらいいかな?」
グローサークラインに尋ねる。そのままだと長いしどっち取って呼べばいいか分からないからね……
「あ、はい! アリスちゃんよろしくお願いします!! 僕のことは親しみを持ってクラインと呼んでほしいな」
「わかった、今日からよろしくねクライン」
こうして、新しい仲間が増え心躍るアリスシャッハなのであった。
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一日も終わり、寮に戻ってきたところ先にクラインが戻っていた。
「あれ? アリスちゃん同じ部屋だったの?」
「あ、そっか。言い忘れてたね。ごめんごめん」
届いていた荷物を片付けていたクラインが驚いた顔をしていた。
「というわけだけど今日からルームメイトとしてもよろしくね!」
「うん!」
クラインの私物を一緒に片づけること数時間。私だけだったら殺風景だった部屋が急にかわいらしくなった。
彼女の私物は可愛いものが多く、部屋自体が明るくなった気がする。
なんせ私は青と黒色のもの……寒色系のものが多いため女の子らしさの欠片すらなかったのだ。それに対してクラインの私物は暖色系のものが多い為見事に対極的すぎてやばい。
「こうも一気に部屋の雰囲気変わるもんだなぁ……」
あまりの変化にボソッと声が漏れてしまう。
「アリスちゃんって見た目はすごくかわいいのに部屋はシンプルなんですね……ちょっと意外でした」
一応私の部屋がシンプルすぎることは気にしている。でもなんかこう……女の子しているのはどうしても慣れないのだ。
実家の方もかなりシンプルでしかも趣味が全開しているせいで余計ここより酷かったりする。
たまに「あんたも一応女の子なんだからもう少し部屋をどうにかできないのか」って言われるくらいだ。
「ハハ……一応気にしてはいるんだけどね……」
「なら今度のお休みのとき親睦も兼ねてお出かけしませんか?」
急なお誘い。せっかく同室になった仲間なのでもちろん喜んで行く。
「うん、今週は予定ないし問題ないよ」
ウマ娘ちゃんとの休みの日のお出かけデートの予定が埋まった!
「アリスちゃん」
「どうしたの?」
「アリスちゃんって結構感情が尻尾に出やすいんですね」
……まじ? 今まであんまり気にしていなかったがこういうのって無意識で動くものなのかな……もしかして今までスカーレット達にもバレていた可能性も……?
そう考えるとすごく恥ずかしくなってきた。今後は目立ちすぎないように気を付けるようにしよう。
「そ、そんなことより片づけで汗もかいたしお風呂行こうよ! ついでに寮の設備とかの案内もしてあげるね」
「そうだね……まだまだ寮について分からないし教えてもらおうかな」
照れ隠しであったがクラインが鈍感なのかあるいは天然なのかあんまり気にしていないようだった。
その後、寮の設備について案内をし、二人でお風呂で汗を流した。
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週末、クラインと共に街に出た。私自身もまだこの土地になれていないので二人で迷いながら色々な店をまわった。
そして、前々から気になっていたウマ娘のグッズを専門に取り扱っている店に行ってみたかったので訪れることにした。
「へぇ~、色々置いてあるんだなぁ……」
シンボリルドルフやミスターシービーなど有名なウマ娘のグッズが多く取り扱われている。……前世の頃もこれくらいあったら嬉しかったがそもそも買いに行けるような身体じゃなかったな。うん。
「アリスちゃん、この方って……会長さん?」
「そうだね、会長は無敗で3冠取っていている凄いウマ娘だよ」
「3冠って皐月賞、ダービー、菊花賞……でしたっけ?」
「うん、それを無敗で達成してるからみんなから尊敬されているウマ娘だね」
アニメやゲームだとダジャレ好きなウマ娘って認識してたけど実際に会うとすっごい人物だった。
「うへへ……今日もウマ娘ちゃん達のグッズに囲まれて幸せぇ……」
どこからかなんか聞いたことある声が聞こえた。この何とも言えない気持ちわr……特徴的な声としゃべり方は一人しか居ない。
とりあえず声のする方に行くことにした。
物陰から覗くとそこにはピンクの髪で赤色の大きなリボン、まるで小学生の頃から着ていそうな服を着ているウマ娘がグッズを見ながらにやにやしていた。
彼女はアグネスデジタル。変態、勇者と呼ばれ芝、ダート問わず走るやべぇーウマ娘だ。……まだデビュー前だけど。
というわけでせっかくなので声をかけてみることにした。
「あのぉ~すみません」
「はい、なんでしょう……はう! ウマ娘ちゃんがどうしてこんなところに!?」
「驚かしてしまってすみません。私たち以外のウマ娘が居たのでつい声をかけてしまって……」
「いえいえ! むしろあたしにとってご褒美……いえ、何でもありません! あなたもウマ娘ちゃんのグッズに囲まれに来たのですか?」
「いえ、私の地元にはグッズ専門店なかったので見にきたって感じですね」
「アリスちゃーん! ここに居たんですね!」
「またウマ娘ちゃんが増えて……幸せ……」
「あっ……」
気絶してしまっているようだ……立ったまま気絶とはなんて器用な……とりあえずこのままほっとく訳には行かないので背負って連れ帰ることにした。
デジタルはたしか栗東寮だったな……
「やぁポニーちゃん達……デジタルくんがまた何かやらかしたようだね」
寮に着くと栗東寮長であるフジキセキに出迎えられた。ちなみにここに運ぶ間に何度かデジタルは目を覚ましたがその度に気絶していたので結局ここまで運んできた。
デジタルが軽いのかウマ娘になってパワーがあるのかあっさり抱えあげられてここまで運ぶことができた。ウマ娘って不思議だよねぇ……
「あ、はい。外で出会って声をかけたら気絶してしまったのでとりあえず連れて帰ってきました」
「あぁ……これはすまないね。デジタルくんが気絶するのはよくあることだから気にしないでほしい」
「はう! ここは!?」
「あ、おはようございます」
「デジタルくん、君が気絶している間にポニーちゃん達がここまで運んできてくれたそうだ。全く、そうやってすぐ気絶する癖は何とかならないのかい?」
「ウマ娘ちゃんたちの尊い姿を見て正気でいれますか? 否、あたしには無理です!!」
既に開き直っているデジタル。実際彼女はよく気絶しているイメージが多い。
「とりあえずデジタルさんは無事届けたし、私たちは帰りますね」
「うん、今回はありがとうねポニーちゃん達」
はう! いきなりのウィンクであまりのイケメンっぷりに堕ちそうになるがギリギリ耐える。
人気があるのも納得するレベルだ。危うく女の子にされるところだったよ……一応身体は女の子ではあるけど。
「あはは、可愛い反応するね! 今回の件は感謝しているよ」
フジキセキさん……侮れないなぁ。
「あのウマ娘凄い子だったね……」
「まぁ……ウマ娘のことが大好きな子で悪い子じゃないと思うよ、多分」
アグネスデジタルとの出会いは少し驚きもあったがリアルで会うとやっぱりやばかった。
会長といいアニメやゲームで見た印象と結構変わるもんだな。うん。
……そういえばデジタルに対して名前名乗ってなかったな……まぁまたどこかで会うだろうし、彼女のことだし私のこと覚えていそうだからその時でいいか。
そういや今週、模擬レースだったな。クラスの為にも私の今後の為にも頑張らないといけないな。
気合を入れなおし新しいルームメイトと頑張っていこうと決意した。
オリジナルウマ娘2人目参戦!!
っていうことで所謂ライバル枠としてクラインちゃんです。史実のウマ娘とライバルでもよかったけど歴史変わっちゃうので参戦しました。
ドイツ語表記だとgroßer klein「グローサークライン」、ウマ娘としての元ネタはありませんが名前の元ネタはあります。ドイツ語の名前ってかっこいいよね……
ちなみに私自身はデジタルもフジキセキも持っていません(血涙)。デジタルとカフェは引けずに後悔しています。
というわけでオリジナルウマ娘なので今回も簡単な彼女のデータ載せておきますね。
・グローサークライン
「僕は誰にも負けない、誰が相手でも……!」
誕生日…5月5日
身長…140cm
体重…増減なし
スリーサイズ…B69、W52、B72
ドイツから留学してきたウマ娘。日本の文化が好きらしく結構オタク気質だったりする。そのためルームメイトでもあるアリスシャッハとよく話が盛り上がることもあるとか。この小さい身体から繰り出されるそのスピードとパワーは見ているものを虜にさせる。