淀の坂を乗り越えて   作:krm.nc55

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地味にお気に入りが3桁近づいてきて嬉しいです。


気づいたら年が明けていた件について

 時間の流れとは残酷なものである。

 そう、気づいたら年が明けたのだ。

 今年は、テイオーとマックイーンがデビュー予定ということもあり、二人とも気合が入っている。

 

 今年は今までと違いスピカのメンバーで初詣に来ている。もちろんトレーナーも一緒だ。

 

「こうやって大人数で初詣とか初めてだなぁ」

 

 ボソッと呟く。

 

 この神社はよくアニメでも出ていたところと同じだろう。露店などもあり、巫女服を来たマチカネフクキタルとメイショウドトウが占いをしていた。

 今年の運勢を占う為に色々な人が立ち寄っており、メイショウドトウの「救いはないのですかぁ~?」を生で聞くこともできた。実際に会ってみたけど本当にあの口なのね……好き……

 

 一通り神社内を周り、拝殿の前に全員で並ぶ。

 そこで願いをするのだが……(早くデビューして活躍したいです!)って願いを込めた。

 もちろん私も今はウマ娘だ。早くデビューして活躍したいと思うのは当然のことだ。……で、私の本格化はいつ来るんですかねぇ……

 

 ◆

 

 神社での初詣を終えてからは、学園に戻りスピカの部室で鍋パーティーをしていた。

 もちろん、準備はトレーナー持ちである。ウマ娘7人分の食材を用意するあたりさすが……って言ってあげたいがトレーナーの財布大丈夫なのかな? 

 

「皆で食べる鍋はおいしいですね!」

 

 気づいたら物凄い量を食べているスぺちゃん。

 

「そうですね、皆で囲んでわいわいするのすっごい楽しいです」

 

「お前らなぁ……」

 

 呆れ気味のトレーナー。そりゃそうだ、いくら追加してもすぐになくなるのでまともにゆっくり食べれていないトレーナーである。

 

「少しでもお前らに家庭的なこと期待した俺がバ鹿だったよ……」

 

 およそ数名の雰囲気が変わる。

 まぁ……お察しの通りプロレス技を決められているトレーナー。ウマ娘相手にプロレス技かけられ、蹴られても「痛い」ですむあたり、彼は人間なのかと疑いたくなる。

 

「トレーナー……少しは言葉選んだ方がいいですよ? あ、さすがに可哀そうなので私も手伝いますね」

 

「うぅ……アリス、お前だけだよ……俺の味方は……」

 

「そういうところですよ?」

 

 私も結構食べさせてもらったし、そろそろトレーナーも可哀そうに見えてきたので手伝うことにしたのだ。

 私も料理はそこまで得意ではないが、最低限はトレセン学園に来る前に家で手伝いとしてやっていたので簡単なことはやらせてもらって、用意しておいた食材は全部用意できたのだった。

 

 トレーナーも一息つき、一緒に食べ始めた。

 

「さて、今年はテイオーとマックイーンがデビューする予定なのだが……まずは、マックイーン。お前は、2月に阪神でデビューしてもらうぞ」

 

「分かりましたわ、トレーナー」

 

「そしてテイオーだが……できればもう少し完成度を上げてからデビューさせたいと思っている」

 

「おっけートレーナー!」

 

 そういえばテイオーはマックイーンとは1年ずれてクラシックに入っていたから恐らくこの世界でも1年はずれるだろう。……確か12月くらいだっけ? 

 

「で、スぺ。お前はまずはきさらぎ賞に出てもらう。そして、クラシック三冠……まずは一冠目である皐月賞に向けて同じ条件の弥生賞に出走するって感じでいいな?」

 

「分かりました! トレーナーさん!!」

 

「最後にスズカ」

 

「はい」

 

「少し悩んでいたんだが、直近だとバレンタインステークスで問題ないな?」

 

「分かりました」

 

 今年デビュー予定のテイオー、マックイーン。そして、既に活躍しているスぺちゃん、スズカの今後の予定について確認が行われた。

 

「それと、アリス、ウオッカ、スカーレット、ゴルシ。お前たちもいつデビューできるか分からないがしっかりと練習してデビューに備えておけよ」

 

「もちろん、わかっていますよトレーナー」

 

「おう! 俺も早くデビューしてーなー」

 

「ええ、もちろん!」

 

「うっす」

 

 もちろん私も手を抜くつもりはない。そのためには毎日全力で頑張るつもりだ。

 

 その後、わいわいしながら新年の夜明けを過ごすのだった。

 

 ◆

 

「そうだ、そろそろ()()の時間じゃないか?」

 

「もうそんな時間? トレーナーテレビつけて!」

 

「はいはい……」

 

 おっと、もうこんな時間だったのか。新年の楽しみの一つであるあのレースがそろそろ始まろうとしていた。

 新年の正月といえば……ニューイヤー駅伝! ……ではなくWDT(ウィンタードリームトロフィー)がこの世界での常識だ。

 これは、トゥインクルシリーズで好成績を収めたウマ娘が出場できる特殊なレースだ。このWDTは正月に行われている為、私たちはここで皆で観戦することになったのだ。

 

 WDT……確か1期のラストで夢の第11Rを再現したって言われている。残念ながらこの世界ではデビューの関係であのメンバーが集まるかどうか分からない。もしあるならば……

 

 出走メンバーは去年活躍した子に加えて、伝説と呼ばれるような存在も混ざっている。

 まさにオールスターである。

 ちなみにWDTに参加するとトゥインクルシリーズに戻れないらしいが、どうもこの世界だとトゥインクルシリーズから参戦した子たちはそのままトゥインクルシリーズに残るらしい。少しだけ私の知っている世界とは違うようだ。

 

『各ウマ娘、ゲートイン完了。出走の準備が整いました!』

 

「お! 始まるぞ!」

 

 WDTは普段の勝負服と違い、基本的に皆同じような勝負服になっている。白色を基調にしておりすっごく綺麗だ。

 条件は、東京レース場・芝2400mで行われている。

 

 レースの内容なのだが、さすがといえるような内容だ。トゥインクルシリーズで活躍して選ばれるような子たちだ。全員のレベルが高い。

 こういうハイレベルな勝負見ていると走りたくなるよね。

 

「全員ほぼ横並びで最終直線にはいったぞ!?」

 

「誰がここから抜け出すのかしら……!」

 

 釘付けになる。1期のラストのような熱い勝負だ。

 誰だ!? 誰が抜け出す……! 

 

 ほぼ横並びでゴールイン。若干であったが私が応援していたウマ娘がハナ差で1着だったようだ。

 

「いやーいいレースだったね」

 

「そうね、こんな熱いレース見ちゃうと早くデビューしたくなるわね!」

 

「かっけぇ……俺も負けてられねぇ!」

 

 私自身もスカーレットとウオッカの勝負は早く生で見たいので楽しみである。

 

 WDTも終わり、スピカとしての新年の集まりは終わりを告げる。だが、私はこの後別の用事があるのだ。その為にいったん寮に戻る。

 

 ◆

 

「あ、アリスちゃん。あけましておめでとうございます」

 

「ライスさん! こちらこそあけましておめでとうございます!」

 

「今年もよろしくね……!」

 

 この1年でライスシャワーと友好関係を大きく進めることができていたのだ。

 一番の功績は、図書室に通うようになったことでゼンノロブロイと知りあい、そこを経由でライスシャワーとも会う機会も多くなった。以前は逃げられることもあったが今はだいぶ心を開いてくれた。

 そして今年はこの後2回目の初詣にライスシャワーと私のルームメイトであるクラインと行くのだ。なんで2回も行くのかって? 君たちもたづなさんと樫本理事長代理とそれぞれ初詣行くでしょ? それと同じさ(違う)。

 

「それじゃあ、クライン呼んでくるのでここで待っててください」

 

 クラインなら多分部屋に居るのではないかと思う。結構あの子もインドア派だからね。

 

「おーい、クライン居るか……って、寝てる……」

 

 一度起きてはいたのだろう。きちんと着替えは済ませているがそのままベッドインしたのか死んだように寝ている。

 分かる。分かるよその気持ち。寝るつもりなくてもベッドに入ってしまったら寝てしまうやつ……

 とはいえ、既に昼過ぎである。早くいかないと日が落ちてしまうのだ。

 

 ……というわけで起こすことにしよう。うん。

 

「クラインちゃん……? 早く起きないとイタズラしちゃうよ……?」

 

 耳元でささやく。優しく甘い声で。前世の自分がやったら吐き気を覚えそうだが、今はウマ娘、つまり女の子である。しかし、我ながら少し恥ずかしい。

 

「ふへぇ!?」

 

「おはよう、クライン」

 

「い、今の声アリスちゃんですか!?」

 

「うん……そうだけど……」

 

「あ、いえ! なんでもありません! 録音しておけばよかった……

 

 聞こえてるぞ。まぁ、ウマ娘になってから聴覚がよくなったのか小声でも聞こえることが多い。それでも聞こえないこともあるけどね☆

 

「って! もうこんな時間!?」

 

「ライスさん待ってるから早く行こうね? あと少し寝ぐせできてるよ」

 

 軽く跳ねている寝ぐせを直してあげる。そのままでも可愛いけど身だしなみくらいはきちんとしておかなければね。

 

「お待たせしました。うちのクラインが寝ていて……」

 

「あー! そういうところだよ、アリスちゃん!!」

 

「ふふ……本当に仲良しだね」

 

 私がライスシャワーと絡むことが増えてから彼女も心を開いてくれた。そしてよく出かける時もあり、その時にクラインもよく同行するのでいつの間にか仲良しになっていたのだ。

 ゼンノロブロイは別の用事で居ないので今回は三人で出かけたのだ。

 

 先ほどとは違う神社に向かい初詣を済ませる。

 

「ライスさんとクラインはお願いはすませた?」

 

「うん! 僕はアリスちゃん達と一年元気に過ごせますようにってお願いしたよ」

 

「言ったら意味がないんじゃ……ま、いっか

 この後二人とも用事はなかったよね?」

 

「もちろん僕は空いてるよ」

 

「ライスも大丈夫……だよ!」

 

「それならば三人で遊ばない? まだ門限まで時間あるし」

 

 というわけで二人を誘って近場のショッピングモールをまわることにした。

 普段はこうしてショッピングモールに出かけることもないので新鮮だ。

 

「そういえばアリスちゃんっていつも地味目の服多いけどせっかく可愛いんだからもっと可愛い服着ればいいのに……」

 

「そうだよね……ライスもそう思うな」

 

「待って、二人とも。私に何をさせるつもりなのかね……?」

 

「やだなー、ほんとは分かってるんでしょ?」

 

「ふふ、偶にはこういうのもいいよね?」

 

「あ、待って、分かった分かったから二人して背中押さないで!」

 

 ついて早々洋服売り場に連れていかれる。

 いや、確かにいっつも私服は地味なのは認める。女の子っぽい服はほとんどないし、私服にスカートが一切ない。どうも慣れんのだよ……制服は仕方ないが。

 

「というわけで! アリスちゃんを着せ替え人形にしたいと思います!! どんどんパフパフ! 

 僕とライス先輩でアリスちゃんに似合いそうな服探してくれるからそれを着てもらいます!」

 

 こうなったクラインは止められない。もしや出かける前のお返しか!? 

 意外にもライスシャワーも乗り気で楽しそうに物色している。大人しい子だと思っていたが仲良くなると結構グイグイ来る。

 そういうところが可愛い。やっぱりライスシャワーはいいぞ。

 

「それでは第1回、アリスちゃん着せ替え大会を開きたいと思っています! 

 ライス先輩と僕が選んできた洋服をアリスちゃんに着てもらい、アリスちゃんがより気に入った洋服を選んだ方が勝利となります!!」

 

「一応私に選択権はあるのね……」

 

 ライスシャワーとグローサークラインの二人が持ってきた服を着ることにした。

 ライスシャワーは、シンプルだが可愛い服が多く、クラインはどちらかというと女児服……よりが多かった。デジタルの私服ほどではないが子供っぽいのはちょっと……

 

「で、アリスちゃん。ライス先輩と僕の選んできた服ならどっちがいいかな?」

 

「……ライスさんので」

 

 ライスシャワーが持ってきたものの中で特にシンプルなのを選ばせてもらった。スカートもミディアムくらいなので短すぎなくてちょうど良さそうだった。

 ライスシャワーがえらんでくれた服……ふへへ……

 

「おーい? アリスちゃん?」

 

 おっといけないいけない。憧れのライスシャワーに選んでもらったと考えてたら少し飛んでたようだ。

 

「アリスちゃんに喜んで貰ってよかった……!」

 

「私はライスさんになら何してもらっても嬉しいですよ」

 

「アリスちゃんってライス先輩のこと大好きだよね」

 

「まぁ、私とライスさんは運命的な何かに引かれた仲だからね☆」

 

「ちょ、ちょっとアリスちゃん……」

 

 照れてるライスシャワーも可愛い。いや、ライスシャワーは何しても可愛いよね! 

 

「ささ、そういうわけなので買いに行きますか」

 

「アリスちゃん、それ着て帰らないの?」

 

「えっ?」

 

「せっかくのアリスちゃんの大好きなライス先輩が選んだ洋服なんだから着て帰ろうよ」

 

「しっかたないなぁ~

 店員さん、このまま着て帰れますか?」

 

 ライスシャワーに選んでもらった服を着てそのままお店をでた。

 少し恥ずかしいがこういう服に慣れるいい機会かもしれないね。

 

 そのままライスシャワーに選んでもらった服を着てショッピングモールをまわった。

 

 ◆

 

「ふふ、今日は楽しかったね」

 

「はい! ライスさんと一緒なら何しても楽しいですよ!!」

 

「アリスちゃんったら……恥ずかしいよぉ」

 

照れてるライスさん可愛いなぁ……

 

「アリスちゃん、心の声漏れてるしライス先輩にも聞こえてるよ?」

 

「マ゛?」

 

 目の前には顔を真っ赤にしているライスシャワー。

 

「ア、アリスちゃん……」

 

「……はぁ……ほんとこの二人は……」

 

 呆れ気味のクライン、顔真っ赤にしているライスシャワー。

 

「本当はもっとライスさんと居たいけど門限も近いので戻りましょうか

 また明日も会えるでしょうし」

 

「そ、そうだね……ヒシアマさんに怒られちゃうから戻ろうか」

 

「あ、ライスさんこの後そのままお風呂行きませんか? 背中流しますよ!」

 

「僕も一緒にいいですか? なんかこのままアリスちゃんを放置してたらやばそうな気がしてきたので……」

 

「おっと、それだと私がやばい人扱いされてる気がするのだが?」

 

「ライス先輩のこととなるとよく暴走するでしょ……」

 

 そっかぁ……周りからはそう見えてたのか。自制しなければな。

 

 そのまま三人それって大浴場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 え、なんでそのシーンがないのかって? 

 ……えっちなのはダメですよ? 

 

 人のこと言えないとか言わないで!! 

 

 

 

 しかし、新年だが忙しい一日だった。だが、楽しい一日だったのは間違いない。

 さて、今年も頑張りますか!!




Q.時間の流れ早くない?

A.このままだとデビューできないから許して
 今年中には間に合いそうにないですね……
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