目が覚めたら異世界だったByカズマ 作:スーバル・フォン・ナッツキー2世
⭕異世界召喚
カズめぐ要素を入れて考えました。10分ほど。
気が付いたら知らない世界に居た。
レンガや木組みの街並みがヨーロッパらしい雰囲気を出していたが、俺が先程までいた所は片田舎の田んぼ道。こんな風景とは到底離れていた。
人気ネットゲームの初回限定版を購入するため、珍しく買い物に行ったのにも関わらず品切れで手に入らず、失意のままに道中のコンビニでインスタントのラーメンとスナック菓子とジュースを買った帰り道。何ヶ月も通っていない同じ学校の制服を着た女の子とすれ違ったと思ったらこんな所にいた。
これって今流行りの異世界転生…?
いや、俺死んでないよな…死んでないよね?
じゃあなんでこんな所に…?
普通はこう言うのって俺を召喚した人間が目の前にいるとか、神様がチート能力を与えてくれて異世界で無双してハーレムつくるとかそう言った事だよね!?チート能力なんて貰ってないぞ!俺ただの一般人!無双してハーレムとか夢のまた夢!!どうなってるんだよ!これじゃあ街の外出たらそのままお亡くなりなる奴!そんなの俺の同期だけで良いんだよ!同期って誰だよ。
終わった…俺の人生。幼馴染と将来結婚しようと意気込んでいたのに先輩ヤンキーに寝取られた挙句ヤンキーのバイク2ケツしてたら事故って逝っちまった時から俺の人生終わってるんだよ…いっそ殺せ!俺の事をスパッと殺せ!!
いや死ぬのは怖いですやめて許してください。
おっと、俺としたことが随分と錯乱してしまった。筋トレしないと。筋肉は全てを解決してくれる。
いや、街中でやるのは恥ずかしいな。
…と、取り敢えずここが何処なのかハッキリさせないと。…気に食わないがあそこの金髪イケメンに話しかけるか…。
「あ、あの!すいません!」
「はい…俺を呼びましたか?」
「あのー、遠くの国からこの街に来て、右も左も分からないんですがー。ここはどこですか?」
「ここですか?このはアクセルの街ですよ。…そのジャージ…。もしかして君は日本人?」
「日本人…ってことはもしかしてあんたも…?」
ラッキー!初っ端から日本人とは!同郷の奴がいて良かった!…あれ?もしかしてここ日本だったりする?
「こんな所で日本人に会えるとは…俺はサトウカズマ!気付いたらこの街に居たんだ」
「僕の名前はミツルギキョウヤ。僕も最近このアクセルっていう初心者の街に来たばかりなんだ。…所で気付いたらって、女神様とは会ってないのかい?」
「へっ?女神?」
「え?」
…確かにこのイケメン。初心者って割には随分と強そうな剣を持っている。服装はこの世界に合わせた感じになっているが、対して強そうに見えない。
まさかこいつが主人公で、俺はただのモブ…?
「君は向こうで死んだんじゃ…」
「いや、家に帰ってる途中、気付いたらここに居たんだよ。痛い思いなんてしてないし」
「でもそれだと、ここは言語が違うから…この文字読めるかい?」
「んー…なんだこれ?どこの言葉だ?俺日本語と英語しか出来ねぇぞ」
もしかして、これ異世界語?こう言うのって普通は読めるもんじゃないの?言葉は分かるのに、読めないってマジかよ…一気に難易度上がってきたぞ。
「…これは困ったかもしれない」
「えっ?」
「この世界は街の外には魔物がいて、冒険者ギルドに登録された職業の人間が外の魔物を狩って平和を守り、いずれは魔王軍っていう脅威を倒しに行くんだ。特に僕みたいな転生者は女神様に魔王を討てと使命があるんだけど…」
なんか自分語り始まったぞ?大丈夫かこいつ?なんかナルシスト入ってない?
「本題に入ってくれないか?話が理解できない」
「おっと、すまない。その冒険者ギルドでの依頼は全てこの言語で書かれているし、街の地図や資料も全てこの字だ」
「…つまり、言葉が理解できない俺は」
「相当苦労することになると思う。本当は転生する時に頭の中に言語の知識がインプットされるみたいなんだけど、君はその過程が飛ばされているんだ。何故ここで会話が成り立つかは分からないんだけど、君は本当に言葉も分からない外国人みたいな存在なんだ」
…引きこもりのニートが誰かと円滑に話せるわけねぇよ。それって詰みなんじゃねぇか?
「都合良くお前が日本人で、それで意思疎通取れているって線は…」
「否定できないね。でもそうと決まった訳ではない。これから僕と一緒に冒険者ギルドに行かないか?」
「良いのか?」
「ここで見捨てるような真似をしたら、女神様に顔向けできないからね」
こいつ紳士か?いや、自分のこと勇者だと思っている典型的ななろう系主人公だろうな。俺とは正直合いそうにない。
「それなら頼む。流石に右も左も分からないのは辛い」
「それなら僕に着いてきて。案内するよ」
「あ、あぁ。ありがとう」
見た感じ勇者っぽいイケメンと、こんな異世界に似合わないジャージの男。周りから明らかに浮いた服装に俺は縮こまってしまう。ただ、聞き耳立てて聞こえるのは「珍しい格好をしている」とハッキリ聞き取れたので、言語の障害は文字だけなのではと希望が強くなった。
「ここが冒険者ギルドだよ」
周りには2階や高くても3階と言った背の低い建物ばかりだった。ギルドも例に漏れず建物の大きさ高くないが、他と違い屋根が高く、非常に目立っていた。
「やっぱ冒険者ギルドと言っても、この時代背景を見るにそこまで技術の発展は見られないんだな」
「ここは科学より魔法が発展しているからね。でもやろうと思えば作れるかな。遠く見えるかい?」
「…遠く…あれか。外に巨人でも居るのか?」
「そこまでの高さはないよ。それでも20m近くあるんじゃないかな?」
「まあ、中身空洞じゃないならおかしな話では無いか」
何かで読んだ気もするが、流石に異世界でそんな簡単に建物が崩れられてたまるか。
ギルドの中に入ると、昼間と言うのに大盛り上がり。食堂らしき所ではイカつい野郎共が木製のジョッキを掲げて揚げ物を摘んでいる。美味そう。
「おっと、魔剣の兄ちゃんじゃねぇか。隣に居るのは見ねぇ顔だ。新入りか?」
やっぱ言葉は理解できる。それだけでも知れて良かったかもしれない。
「俺はカズマ。訳あってこの街に来た。よろしく頼む」
「ほう…どうやら事情があるみたいだな」
「あぁ。詮索しないでくれると助かる」
「そうか…それなら俺も深入りしねぇ。カズマと言ったな。ようこそ地獄の入口へ。歓迎するぜ」
じ、地獄。いや、こういう世界だと外にやべぇモンスターがいるから死と隣り合わせと言うなら間違いないな…。
「あぁ、ありがとう」
昼からの呑んだくれだから恐らく茶番劇入っていると思うが、この世界での先輩の言葉だ。あながち間違いではないのだろう。
「それじゃあ佐藤くん。冒険者登録はあっちだよ。登録にはお金が必要なんだけど…」
「あぁ、俺は財布の中には諭吉3人と小銭が数枚くらいしかない」
「それじゃあ無理かな…。ここの通貨はエリスと言うんだ。登録には1000エリス必要なんだ」
じゃあ俺冒険者になれないじゃん。やっぱモブが関の山だったか…。
「だからこれで登録をすると良い。この2枚で1000エリス。これで冒険者登録ができる」
こいつ神か?そんな金をポンと渡していいものなのか?
「いいのか?」
「もちろん。本当はここに来る時にはこれと数日分の最低限の生活費は貰えるんだ。本当は生活費もあげたいんだけど、僕も装備を整えて魔王軍に一刻も早く立ち向かわないとだから」
「いや、貰えるだけありがたい。モンスターは倒せなくても仕事なら探せばありそうだ」
ミツルギは自分の事を勇者だと思っている。これは間違いないだろう。女神からの使命とか言っていた。俺はその女神に会っていないが、こんなイケメンが使命に焚き付けられる程なのだから、よっぽど美人で慈愛に溢れた女神なのだろう。
「佐藤くんは強いんだね」
「さあな。もしかしたら本当に強いかもな」
「だね。僕も付き添うから冒険者登録しようか」
途中で終了