目が覚めたら異世界だったByカズマ   作:スーバル・フォン・ナッツキー2世

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どうして平日毎日電車が遅れるんですか?


予想外の満員電車に心も身体も潰される(物理)

長いことおまたせしました。




18話 【秘技】リッチーのスキル

 

しかしリッチーのスキルか。棚からぼたもちと言うべきか。案外予想だにしないところから見つかるんだな。こんな寂れた魔道具店の店主さんがリッチーだなんて、この世界なんかおかしいよな本当に。

 

「ところでドレインタッチってどんなスキルなんだ?ドレインと言うくらいだし、なにか吸い取る様なスキルな気がするが」

 

「その通りで、ドレインタッチとは触れた相手の体力や魔力を吸い取るのが主なスキルです。それ以外にも触れた相手に自分の魔力や体力を与えたりも出来るんです。カズマさんは十分な魔力と体力を持っていますし、めぐみんさんやゆんゆんさんはアークウィザードなので、より効果的に発揮出来ると思います!」

 

なるほど。確かにクエスト中めぐみんやゆんゆんに魔力を与えられるならばうちのパーティーの火力を補うことが出来る。俺のような初心者が魔法を使うよりも、その道のプロが使う方が戦力にもなるだろうからな。魔力は本職並みにあるらしいし、いい感じにサポートに徹することが出来るだろう。

 

「お願いします!俺にスキルを教えてください!」

 

使えるものならなんだって使う。それが例え禁呪を超えた先にあるとしても。リスク無しでそれが使えるから俺は手に入れるだけだ。こんなイベントゲームだって終盤に行かないと、もしくは隠しイベントで発生するようなものだ。ここは習得しないって選択肢が無い!

 

「しかし本当に良いのだろうか…。カズマが魔の手に染まり…」

 

「スキルとしてある以上は問題ないのだと思いますよ。でもそう考えると魔物のスキルですら覚えられてしまう冒険者って、やり方によっては大成しますよね。カズマはその中でも特殊過ぎますが」

 

まあ、通常威力が下がるところ下がらなかったり習得コスト跳ね上がるところ跳ね上がらない、見たスキルを覚えられるは十分にチートだよなぁ…。こんな訳分からない土地に来て何もなしだったらいよいよ死んでいたからな。未だに理由が分かってないけど。

 

「一般的に冒険者のスキルは習得に対してのコストが通常より高くなります。しかも本職に比べて威力が劣ります。しかしこれらはスキルに対する理解や元々の能力で変わってきたりもします。本当に能力が低く基本職にすら就けず最弱職へ。そうなってくるとスキルへの理解も難しいですし、何より効果的にスキルを使用できないため一般職の基本的なスキルしか使えなかったりします」

 

なるほど。それは初耳だ。つまり能力優秀な冒険者は、そもそもスキルに対する理解が深まりやすく、そもそものステータスが高いからスキルを効果的に使えるのだろう。それでも本職には劣るのだろうが、全体的に8割ほどの力を使えれば十分な気もする。スキルさえ教わることが出来れば。

 

「つまりカズマのようにステータスの高い冒険者は爆裂魔法と言ったスキルも理解度が深まればコストを抑えて習得できるということですか!?」

 

「えぇ。と言っても本職の基本値より下回ることは無いですが」

 

「なるほど。だからカズマは私と同じコストでスキルを習得できるのですね!」

 

「カズマさんスキルに対する理解度深過ぎませんか!?いくら聡明な方でも知り尽くすレベルでの習得は年単位で掛かりますよ!?」

 

なるほど。だからこその加護か。誰の加護かは知らないけども、スキル関係にバフがかかる加護なのは間違いなさそうだ。1度見たスキルに対する理解度を最大に、それによって本業と同じコストで習得できる。

 

「えっと、話を脱線させてしまいました。本題に入ると広義的な冒険者のスキルと言うのは、基本職の冒険者が習得する際は通常よりコストがかかるとお話しましたが、それ以外の職業の方が使うスキルは基本的にコストは最低値の1ポイントで習得できます。料理人の料理スキルなどが該当しますね。もちろん本職と全てのスキルを習得できる冒険者しか習得できないですが」

 

確かに、料理スキルや裁縫スキル。もっと言うと各職業の基本スキルはコストが低かった。手軽な感じで習得したが、確かに冒険者だからこその強みだろう。

 

「それを踏まえてお話しますと、リッチーという職業は広義的な冒険者に含まれない。言ってしまえば魔族、その他職業のスキルになります。魔族のスキルを冒険者は最低コストで習得できるのです」

 

えっなにそれ。チート過ぎない?

 

「勿論習得しても本職に比べて能力が劣ってしまいます。これは他のスキルと変わりませんがそれ以上に教えを乞うところまで行くのが難しいですね。私が言うのもおかしな話ですがリッチーはそうそう居ないのと、敵対してもおかしくない種族ですからね」

 

あー、これはあれだな。幸運補正だな。ウィズさんが温和で友好的でスキルも簡単に教えてくれると言ったアレなだけであって。

 

「ちなみにドレインタッチは魔力体力を動かすだけで、それによって魔力体力は消費されないのでかなり有効なスキルですよ!」

 

チートだなぁ…。吸い尽くせば相手お陀仏じゃん。

 

「まあ、自分が吸える上限以上に吸うと、身体が耐えきれなくなり物理的に破裂しますが」

 

こっわ!怖!限界知らんと死ぬやつだったか…いやそりゃそうやろってなるけどさ…。吸いすぎてもダメなんだな…。

 

「本職の方にここまでオススメされたら是非とも習得したいですが、何か裏でも…」

 

「裏ですか?いえ無いですよ。ゆんゆんさんにはいつもお世話になっていますし、そのお礼です」

 

この人本当は女神なんじゃないか?綺麗だし、幸薄そうなところはあるがそこがまた儚さを醸し出し、誰かのためにここまでできる。女神かな?信仰対象かな?絶望的に商才に恵まれていない事を除けば女神だろうな…。

 

「疑ってすみません。是非とも伝授お願いします!」

 

「はい!任されました!では実際に吸ってみましょう!『ドレインタッチ!』」

 

ウィズさんが俺の手を取りスキルを唱えると、ゆっくりながら何か抜けていく感じがする。主にライトニングを全力で放った時と同じようなあの感覚。より研ぎ澄ませるとそれが魔力なんだなと感じる。身体の中を巡回する魔力が流れ出る感覚だ。

 

「カズマさんは感じていると思いますが、これが魔力が抜けていく感覚。それでこれがドレインタッチです。失った魔力を討伐したモンスターから吸い取ることも出来るので回復スキルとしても重宝できます」

 

魔力の流れを感じていると、結構重要そうな使い方を教えてくれた。これは本当に戦闘の幅が広がる。

 

「これでカズマさんの冒険者カードにドレインタッチのスキルが追加されていると思います。選択すればスキル習得になります」

 

冒険者カードを取り出すと本当にドレインタッチが記載されていた。

 

「アークウィザードが在籍するパーティーでこのスキルは非常に有効なスキルではあるが、仲間がアンデッドのスキルを習得するのを見るとエリス教のクルセイダーとして複雑な気持ちだな…」

 

「これがあれば爆裂魔法撃ち放題じゃないですか!素晴らしいですカズマ!共に爆裂道を歩もうじゃないですか!」

 

「魔法使用の制限が実質的に解除されたことを喜ぶべきなのか、新たな脅威が生まれたことに頭を抱えるべきなのかしら…」

 

三者三様の感想だった。

 

「まあ、実際に使ってみるか。ダクネス」

 

「クっ!女神に使えし聖騎士にリッチーのスキルを奮うなんて…なんたる外道!きっとここで私が盾にならなければ、年端も行かぬ少女に魔の手が伸びてしまう!民を守る聖騎士としてここは引けない!さあ来いカズマ!私の力を存分に吸い取りあられもない姿に!」

 

人選間違えた。アークウィザードであるめぐみんやゆんゆんから吸い取るのは気が引けたので、消去法で体力あるダクネスからちょこっと貰おうとしただけなのだが。人選間違えた。と言うかパーティーメンバーを誤った。

 

だが仕方ない。選んだのは俺だ。俺が責任取らないとな。

 

「心臓の近くで、皮膚の薄いところからだとより効率的に吸えますよ」

 

「今回は普通に手から吸ってみます。という訳で失礼」

 

軽く手を包むように持つ。なんだろう。女性の手ってこんなにも儚いのか…。

 

『ドレインタッチ』

 

スキルを唱えると、自分の手から魔力が流れてくる。これが魔力を流すって感覚なのだろうか。人の魔力が流れてくるなんてなんと言うか妙な感覚だ。

 

「ありがとう。何となくコツを掴めたよ」

 

「…そんな優しく手を包まれると、なんと言うかむず痒いな…」

 

…本当にダクネスのスイッチってどこにあるか分からない。初心なのか変態なのか。箱入り育ちなのは容易に想像はつくが。きっと彼女はどこかで出会ってしまったのだろう。自分を痛めつける時の快感に。

 

「しっかし、吸ったら出さんと苦しいだろうな」

 

「許容量を超えた魔力生命力を体内に保持しますからね。許容量の多い人や限界まで耐えられる性質であれば良いのですが。実際のところリッチーは魔力は底無しですし、魔力が溢れて破裂って考えられないんですよね。そもそもリッチー以外がドレインタッチを使ったりはしませんので、実際に破裂したケースは見たことありませんが」

 

生命力魔力吸収し過ぎにより破裂した最初よケースにはなりたくねぇな……。

 

「何はともあれリッチーの持つレアスキル、習得できたのはかなりデカイぞ!ありがとうウィズ!回復ポーションいくつか買わせてくれ!」

 

「はい、毎度あり!」

 





次回もいつになるかは未定
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