目が覚めたら異世界だったByカズマ 作:スーバル・フォン・ナッツキー2世
皆様にお願いしたいことがあります。
ここ最近、感想欄に考察をずらっと書き連ねる方が何人かおります。その中には、その発想は無かったと驚きを受けるものもあります。新たな発想に繋がるので、大変ありがたいです。
しかし、しかしです。
あくまでここでの場面は『感想欄』です。感想と考察は別のものなのです。考察欄はありません。
考察はどこか違うところでお願いします。
博識の方々に囲まれ私の頭がパンクしてしまいます。
皆様の感想や評価文等、必ず目を通しております。
感想を頂いている立場でこの様な事をお話するのは申し訳ないですが、どうかお願い致します。
今日の土木作業は休みにしている。と言うかさせられた。昨日親方に「勤勉なのは良いがやり過ぎは身体を壊す。好きな時に働いて好きな時に休め」と言われ無理矢理休みを頂いた形だ。金を稼げる方法があるなら稼ぎたいのだが…。まあ、休めと言われたら仕方ない。
腹筋しながら考えておこう。既に50は数えたが、多分100になった頃には思いつくだろう。
しかし、いざ休めと言われても本を読む事しか思い付かない。冒険者なのだから狩りに行くべきなのかもしれないが、俺はカエル相手に苦戦する人間なのだから無理だろう。何がステータス高めだよちくしょう。どの職業になれるステータスだろうが、なれなきゃ意味ねぇよ…。
…もしかして、俺戦う術を持っていないのでは?
確かに、俺がやっていたRPGだって、魔法を使うのには覚える必要がある。剣だって技や形がある。俺は何も知らないんだ。それを覚えれば俺にだってカエルを倒せるようになれるんじゃないのか…?
いや、馬鹿が。あんなデカブツどうやって相手しろって言うんだよ。無理だよ。引きこもりニートにそんなこと出来ねぇよ。
「あっ!カズマ!おはようございます」
「ん?めぐみんか?おはよう。元気そうで何よりだよ」
「カズマはこんなところで何してるんですか?」
「何って、仕事が休みになったから鍛えているんだよ。いざ戦えるようになれば死ぬ確率を減らせるだろうから」
「…カズマって服の上だと分り辛いですけど筋肉質ですよね。戦士とかやってもおかしくないと思うのですが」
本当なんで最弱職なんだろうな。
「ステータス見てみ」
「どれどれ…ってかなりステータス高いじゃないですか!なんで最弱職なんか…って何でしょうこのスキル。紅魔族一の頭脳を持ってしても理解ができないです。これどんなスキルなんですか!?」
「分からない。ギルドの人曰く呪いかもしれないだそうだ」
「呪い!?なんというカッコイイ響き!カズマの秘めたる力を封印するための力なのでしょうか!どこまで私を喜ばせるつもりですか!?」
本当、そうだったら良いのにな。プリーストに尋ねても解呪出来なかった代物だからな。俺が何をしたんだ…親以外に迷惑かけていたなんて事ないはずなのに…。
「…もしかして、訳ありなのですか?」
「…まあ、な。あんまり模索はしないで欲しい。正直俺もよくわかっていないんだ」
「そうなのですね…。カズマも随分と苦労しているんですね」
「そんな事はねぇよ。正直、前居たところでダラダラしているよりはかなり生活が充実してはいるよ」
働かなくてもご飯は出たし、遊びも沢山あった。何も不自由は無い生活だったが、こっちの不自由ある生活の方がなんかスッキリする。
「意外です。カズマってかなり勤勉なイメージありますから」
「俺、違う国から来たのもあって言葉が分からなかったんだ。こっちで楽しく生きるには学び続けるしか無かったからな。自然とこうなった」
自分の知らない事を知る事が楽しい事と知って以来、俺は暇を見つけては勉強するようになった。それよりも楽しいゲームに出会ったてそっちにものめり込むようになったが、勉強は欠かさなかった。本当に欠けてしまったのは友達付き合いくらいだったかもしれない。
「本当に苦労人なんですね」
それほど苦労はしてないが。
「そうだ!カズマの冒険者カードを見る限り何もスキルを持ってないじゃないですか。この機会に何か覚えてみてはどうですか?」
「…そうだな。そうしてみようかな。どんなスキルがあるんだ?」
「色々ありますよ。その中でも私は爆裂魔法をオススメします!」
「そう言えば自己紹介の時にも言ってたな。どんな魔法か見てみたいよ」
「本当ですか!?言質取りましたからね!ではお見せしましょう!私の使う最強の魔法を!…街の近くで撃つと怒られるので場所を変えましょう」
えっ、なにそれ怖いんだけど。やっぱ毎日辺りに響き渡る爆発の原因はこいつか?こいつなのか?
―――
「あの岩が良いでしょう!」
「かなりデカいが!あれも壊せるのか?」
「私の爆裂魔法にかかれば木端微塵ですよ!では行きますよ…!」
空気の流れが変わった。めぐみんを中心に空気の渦が出来ている。
『黒より黒く 闇より暗き漆黒に 我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!踊れ!踊れ!踊れ!我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ!』
めぐみんの足元には大きな魔法陣が描かれ、岩とめぐみんを包むように黒い渦が暴れ出す。側に立っている俺も魔法陣から吹き荒れる突風に構える。これが魔法…?
『これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法!』
究極の、攻撃魔法…!
『エクスプロージョン!』
魔法陣から飛び出た黒い渦の中で、星が輝いたかと思えば、岩を包むかのような爆炎が、空気を裂くかのような轟音を響かせた。その轟音は、衝撃は俺の肺の中の空気を吐き出させるようにぶつかり、少し噎せそうになる。
爆炎に包まれた巨大な岩は跡形もなく消し去り、そこには大きなクレーターが出来ていた。
これが、魔法。これが、爆裂魔法…。すげぇ、カッコイイじゃねぇか…。
「すげぇじゃねぇかめぐみん!…めぐみん!?大丈夫か!?」
褒め讃えようとめぐみんの方を向くと地面にバタンと倒れてした。
「しっかりしろ!めぐみん…」
「…爆裂魔法はその威力の強大さ故、こうして私の魔力の全てを使い尽くすだけではなく、体力も犠牲にするのです」
…うん。まあ、そう言う物だよな。なんの代償無しに放てるような技じゃなかったからな。
「だから、放った後に立つことは出来ないんです。図々しくて申し訳ないのですが、街までおぶって貰えますか?」
「…それは構わないんだが、そんな代償を払うような魔法使ってちゃ身体が持たねぇぜ?今度は他の魔法見せてくれよ」
「…ません」
「えっ?」
声が小さくて聞き取れなかった。一体どうしたと言うんだ。
「使えません」
「えっ?使えない?」
どういう事だ?あんな強い魔法を覚えられるんだ。めぐみんも究極の攻撃魔法と言っていたし。
「私は爆裂魔法を極める者!他の魔法など邪道なのです!」
あ、これこだわりが強すぎるタイプの人間だ。
我が道を往く。カッコイイはカッコイイが…。
中々難があるぞこいつ…。
「でも身体が持たねぇって」
「良いのです。私は爆裂魔法に人生をかけているのですから。寧ろ爆裂魔法を放って死ねるのであれば本望!」
あ、ダメだこいつ重症だ…。紅魔族ってこういう奴ばかりなのだろうか…。
「…と言っても、これのせいでチームからはお払い箱だったのですが」
ダメじゃねぇか。
有効活用出来ないことは無いが、普段はオーバーキルが過ぎる。こだわりありすぎるのも良くないと俺は思うが、人の生き様に口を出せるほど俺は真っ当な人間じゃないからな。
「俺からは頑張れとしか言えないなぁ」
「カズマの仲間になれば活躍出来ますよ!」
「と言われても、俺はモンスターを相手にするのが怖いからなぁ。冒険者としてほとんど仕事しないのが目に見えてる」
「…そうですか。残念ですが仕方が無いですね。カズマにはカズマのやるべき事があります。でも見ててください!私の爆裂魔法が認められるその日を!」
カッコイイ生き方だと思った。
自ら籠の中に閉じこもり、平々凡々と過ごしている俺と違って確固たる信念を持ち、自ら茨の道へと進む彼女の生き方が。
\めぐみん/