このニートな堕天使に祝福を!   作:リムゼン

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何だこのカ〇ダ探しみたいな題名は……!?
カラ〇探し知ってる人いますかね?小学五年生くらいの時に王様〇ームと一緒にちょっと流行ってた気がするのですが……。気のせいかな?


仲間探し

 

 

翌日____

 

俺は頭が痛いと宿に篭りっきりになった新しい友人、ダストに昨夜伝授された方法を試してみようと立ち上がった。

 

 

 

……やっぱ俺も宿に籠って寝ようかな。

 

 

……やる気がでない。

誰だいつものことだろって言った奴___まったくもってその通り。俺は今日も通常運転だ。

 

俺は欠伸を噛み締めながらパーティ募集の張り紙を探す。やはり適性者の少ない後衛職、特に魔術師(ヴィザード)を求めるパーティが多い。そっちにしとけばよかったか?

 

ちなみに俺の職業(ジョブ)は前衛の上級職である、ソードマスターだ。剣士でもよかったが、上級職の方が待遇がいいらしいのでじゃあそっちでみたいなノリで決めた。剣による攻撃重視なので魔法は使えないが、きちんとした攻撃型(アタッカー)だ。

 

俺的には援護できる奴がよかったのだけれど、アークプリーストとかしかなかったのでやめた。ゼスタ(あれ)とかセシリー(あれ)とかと一緒は嫌だったので妥協した。

 

しかし、それが裏目に出たのか避けていたプリーストはレア職だったし、妥協した剣士はどこのパーティにもいるありふれた職業だった。

 

俺の目に『前衛職募集』の張り紙が目に留まる。

 

『魔法使い二人、プリースト一人でやっています。唯一の前衛職が抜けてしまったため臨時で募集します』

 

と書いてある。なるほど、ピッタリじゃないか。

 

 

 

 

 

「えーっと、ディーノ……さん」

 

「ディーノでいい。前衛職を募集してるんだろ?」

 

「はい!」

 

張り紙を出していたのは男一人女二人のパーティだった。どうやら、唯一の前衛職の剣士が実家の肉屋を継ぐことになってしまったらしく、途端にパーティのバランスが崩れてしまったのだそうだ。

 

「普通ならこっちが勧誘される側のはずなんだけどな。バラバラになったら、抜けたあいつが気にすると思ったからさ」

 

困ったような顔で魔法職の男が言う。

 

「てなわけで、前衛職を募集したというわけです。前衛職ってムキムキな人ばっかりで話しかけずらそうなイメージでしたけど、ディーノさんは細身ですね!」

 

ニコニコとした笑顔で褒めてくる魔法使いの少女。なんだか間接的に筋肉がないと言われたような気がしなくもないのは気のせいだろうか。

高度な悪口だなあ……。

 

「んじゃあ、一応形だけの面接はさせてもらうわね」

 

そして、リーダー格と思われるエリス教徒のプリーストの女性。これがパーティメンバーらしい。聖典(マンガ)も剣士、魔法使い、回復員がいるイメージなので王道パターンというやつなのだろうか。

 

 

すると、男魔法使いはテーブルに小さい箱のようなものを置く。変わったデザインのそれは、真ん中に鐘のようなものがついている。

 

「これは?」

「『嘘探知機』だな。嘘をつくとこれが鳴る。疑ってるわけじゃないが、昔騙されたことがあってな。クエストで儲けた有り金を全部取られたんだ。名前、年齢、性別に至るまで全て嘘だった。それ以来、仲間を本気で信頼するためにこれを持ち歩いているんだ」

 

なんか少し重い過去だと思ったが、お前が一番信じられないだろと心の中でツッコむ。

というか、不味くないか?これ嘘がつけないってことなんじゃ……。

 

「よし、じゃあ始めるぞ」

 

面接が始まる。

 

「では名前から」

 

苗字なしはさすがにやばい気がする。いけるか?

 

「ディーノ……な、ナーヴァ」

 

チーン___

 

魔道具が鳴り、三人が同時にこちらを見る。

 

ダメだったか。

 

 

「…いや、ホントに鳴るのか試してみたくてさ」

「あ、そういうことかよ!」

「びっくりしましたよ、やめてください!」

「さすがに悪趣味よ!遊ばないで!」

 

適当に誤魔化せば、三人とも自然にノってくる。うん、なかったことにしよう。

 

 

「ではまず名前を……」

「ディーノだ。苗字は黙秘する」

 

そもそもない。男魔法使いは一瞬目を見開いたが、直ぐに平静を取り戻す。

 

「オーケーオーケー、言いたくないこともあるもんな。次、性別!」

「…………黙秘する」

 

吾輩は堕天使である。性別はない。

 

「……次は年齢ですね」

「…………黙秘する」

 

軽く数万年なんて言えない。

そんな俺に、男魔法使いは恐る恐るといったふうに話しかけてくる。

 

「あのな、そんなに黙秘されるっていうのは自分が嘘つきだと自白してるようなもんなんだけどさ」

 

なるほど、それは困る。納得顔の俺に三人の冒険者はほっとしたような顔を向けてくる。

 

「じゃあ、名前と性別、年齢……あと生まれ故郷でも聞こうかな」

 

「えーっと、名前はディーノで性別はない。年齢は数えてないからわからない、生まれは天界だな。どうだ?鳴ってないだろ?」

 

ドヤ顔でそう言うと、三人は嘘発見魔道具をじっと見る。鳴らない。本当だということが今証明された。

 

「聞いていいかわからないが、一応天界ってなんだか聞いてもいいか?」

 

「そりゃ、天界は天界だよ。この世界だと天国とかいう言い方もするらしいな」

 

「じゃあ、性別とか年齢がわからないのは?」

 

「堕天使だからだよ」

 

魔道具は鳴らない。三人は俺ににこやかな表情を向けたままテーブルを離れる。何やらコソコソ話をしている。

 

「……やばくないか?」

「ちょっと待って、あの魔道具壊れてんの?」

「まさか、買い換えたばかりですよ?」

「おい落ち着け。知らないみたいだから言っておくとだな、あれは人が嘘を言っている時に発する邪な気を感知して鳴るんだ」

「……つまり、嘘をついていないと本人が思い込んでいるなら、あれは鳴らない?」

「かわいい顔してイタイ人じゃないですか!」

「おいおい、顔は関係ないだろ!やっぱり女は外見かよ」

「はあ!?あんたも人の胸ばっか見てんのに何言ってんのよ!」

「は、はあああ!?こいつはともかく、お前の貧相な胸なんて見てねえよ!」

「なんですってええ!?」

 

なにやら喧嘩が勃発しているけれど大丈夫だろうか。男魔法使いとプリーストが掴みあっている。女魔法使いはあわあわしているだけだし、周りの冒険者ははやし立てたり、賭けをしていたりと止める気配はない。

 

 

「おねーさん、ネロイド一つよろしく」

 

長期戦になるのを察した俺は観戦のため、とりあえず飲み物を頼んだ。

 

 

 

一時間後____

 

ボロボロの三人がこちらへ向かってきた。

 

「なんていうか、ですね。私たちのパーティに天使さんがいるなんて恐れ多いといいますか……」

 

「俺は構わないけど。天使族(エンジェル)っていうか堕天族(フォールン)だし」

 

「「帰ってくださいお願いします」」

 

さっきまで喧嘩をしていた二人に綺麗なお辞儀をされ、反論する間もなく追い出された。

 

 

堕天族(フォールン)は嫌われ者なのだろうか。

 

 

 

 

1パーティ目、不合格。

まさか年齢や性別から引っかかるとは思わなかった。人間(?)性を気にしないパーティに入ろう。それと外見がどーたら言っていたのでそれも気にしないパーティだとよりいいな。

 

 

 

 

 

よし、次!

 

 

 

 

「なるほど、ソードマスターか……俺たちは職業バランス的には大丈夫なんだけどさ、剣士の俺はどちらかっていうと壁役なんだよな」

 

「今まではアタシの魔法でなんとかなってたけど、攻撃手段が中級魔法だけっていうのも心細いよねってなったんだ」

 

「俺は暗殺者(アサシン)なんだが、ナイフの腕が中々上がらないわ、魔法適正の方が高いわでジョブチェンジしようかと考えたとこなんだ。なのに上級職がいきなり入ってくるってなったからな、好きなこの職業をまだ続けてみようかと思う」

 

だから助かったと3人の冒険者は笑いかけてくる。次のパーティはバランスは取れているものの、物理攻撃が苦手なため入って欲しいというわけだ。

 

というかさすが上級職。いくらありふれた前衛職とはいえ、実力が無い者にはなれないというソードマスターはかなりの人気っぷりだ。

 

「ふーん、ちなみにだけど別に外見とかそういうのって、そんなに気にしないタイプか?」

 

俺が何となくそう聞くと、冒険者は顔を見合わせて俺をじっと見てくる。そして、一斉に笑いだした。俺の顔になにかついていただろうか。

不安になって口周りを確かめるが、特に何も無い。

 

「あっははは!大丈夫だって!」

 

「アタシだって彼氏いるし、安心していいよ!」

 

「俺たちは人を中身で判断するんだ、信用してくれ」

 

なんだか少々噛み合っていない気がするが、年齢や性別は不問だと受け取ってもいいらしい。俺が頷けば、三人は顔を綻ばせた。

 

 

 

「じゃあまずは相性チェックだな、ディーノは何がいい?」

 

「うーん、まず手始めに『ジャイアントトード』にしないか?いきなりレベルをあげるのもアレだし」

 

冒険者については一応先輩のダストに教わった。曰く、ジャイアントトード討伐は初級冒険者にとっての美味しいクエストらしい。物理攻撃はほとんど効かないが、装備を整えた冒険者なら誰でも狩ることの出来るモンスターだそうだ。

 

理由はとりあえず今つけたが、できるだけすぐ倒すことのできるものがいいのが本音だ。

 

「そうだな、まずは互いの実力を測ることから始めようか」

 

ジャイアントトード相手に実力も何もないと思うが、やはりパイセンの言葉は必ず聞かなければならないというのがダストの教えだ。

俺はそのまま口をつぐみ、頷いた。

 

 

 

 

場所は変わり、草原にて____

 

 

「おいおい!なんでこんなにジャイアントトードが来るんだ!?」

 

「わかんないよ!こんなことある!?」

 

男剣士が迫りくる舌を退けながら、女魔法使いが三匹ほどのジャイアントトードに追われながら悲痛な悲鳴をあげる。

 

「よっし、俺が……ってなんかこいつらいつもより素早くねえか!?」

 

男暗殺者が攻撃を仕掛けるも、素早く避けられ一撃もダメージを与えることはできない。

 

俺は動物の温もりを感じながら、最弱のモンスター相手にもたつく三人を眺めていた。

 

「ディーノ!ディーノ!そんなことしてないでこいつら何とかしてくれ!」

「いや、こいつらめちゃくちゃ暖かいんだよ。宿に持って帰っちゃダメかな?」

「そんなことしたら即焼き払ってやるからね!」

 

そんな会話をしながら、俺はカエルに体重を預ける。あ、このまま眠れる気がする。

 

「おい起きろ!くっそ、なんで俺達だけ!って、おわあああ!」

 

「おお、これで最弱なのか。スゲーな」

 

「助けろよおおおお!」

 

褒めながら観戦していると、カエルが頭を擦り寄せて来る。撫でれば気持ちよさそうに目を細めていた。これはかなり愛着が湧く。

 

え?俺が食べられたと思ったって?残念、カエルの横で居眠りをしているだけでした。

 

 

 

 

___依頼を達成するために早速草原へ向かった俺達は、意外にも早くジャイアントトードと出会った。しかし、そいつらは何故か俺以外の者を襲い始めたのだ。

 

首を傾げる俺にジャイアント……めんどくさいのでカエルは俺に身体をピタリとくっつけてきたのだ。その暖かさに陥落した俺は中々炬燵から抜けられない子供へとジョブチェンジした。

 

というのがここまでの出来事である、

 

今ではいつの間にか十数匹ものジャイアントトード(カエル)達が音もなく大量に湧き出ていた。本当にどこから出てきたのだろうか。

 

と、ここで剣士が指定されたの数のジャイアントトードを倒すことに成功した。それを確認した俺は、喰われかけている魔術師(ヴィザード)暗殺者(アサシン)に向けて声をかけた。

 

「よーし、倒したし撤収するぞー!」

 

「倒してから言えよ!ていうかせめて助けてやれ!」

 

この世界の住民はせっかちだと思う。

 

 

 

 

「うう……またかよ」

 

何故かクビにされてしまった。俺ほどの人材など他にないと思ったのに。少し慢心し過ぎだろうか?

 

時刻は夜六時をまわってしまった。ここに来ている冒険者達は仕事が終わったのか飲んだくれている。とても募集している人なんていそうにない。

 

しかし俺は諦めない。何とかしてパーティーを組まなければ飯代はおろか、宿代もたかることが出来ないのだ。正真正銘のピンチ。そんな時に俺の視線に一枚の紙が止まった。ほかの無遠慮に貼られている紙達の邪魔にならないようにとかなり端っこに貼ってあるその紙に性格が出ていた。内容はというと、

 

『当方、なりたてのアークヴィザードが一人。年齢不問、職業不問。つまらない話でも聞いてくれる人、何も無い時も一緒にいてくれる人などは、なおいいです。よろしくお願いします』

 

友達募集か何かか?

それとも覚えたての言語で翻訳を間違えたのだろうか。張り紙に顔を近づけていると、熱い視線を感じた。そっと後ろを向くと、紅い瞳を爛々と輝かせてこちらをガン見している少女がいた。年齢は14ほどだろうか、なぜあんな子供がギルドにいるのだろう。しかし、圧がすごい。滅茶苦茶こっちをガン見してくる。

 

なんだか怖くて目を合わせないようにしていると、入口から来た魔法使いの少女が駆け寄り、ガン見してくる彼女をバシバシと叩いた。

 

 

「痛い痛い!やめて、今ならあの人が声掛けてくれるかもしれないの!」

「そんな事してるから誰もこないんですよ!バカなんですか!?私を散々バカ呼ばわりしておいてゆんゆんも結局バカなんですね!?」

「バカバカ言わないで!年齢も職業も問いませんって書いたのに!たまに変な人が来たけど、マトモそうな人がやっと来たのよ!?」

「まず興奮し過ぎなのです。瞳が紅く光り過ぎて周りの人達が皆ビビってますよ!」

「しょ、しょうがないじゃない!あの人なら私とパーティー組んでくれるかもなんだから!」

「あの人もビビってはいませんでしたけど、滅茶苦茶ドン引きはしてましたよ」

「うそ!!」

 

何やら揉めているようだが、話している子が冒険者っぽいのでひょっとしたらあの子も冒険者なのだろうか。

 

と、そんなことはどうでもいい。俺は受付嬢にこの張り紙を貼った者はどこにいるかと聞いてみる。

 

「えっーと……あ、あの紅魔族の子です!今喧嘩してる!」

 

受付嬢の視線の先には先程俺をガン見してきた少女達。アークヴィザードが一人と書いていたのであの二人のどちらかなのだろう。

 

二人はわーわーと言い合いをしており、今にも魔法やらなんやらを放って喧嘩でもしそうだ。本当にこの街の冒険者は血気盛んだと思う。

 

「ゆんゆんは相変わらずボッチなのですね!私なんて順調に魔王幹部や賞金首を次々と屠っていますよ!」

「ぐっ!……私だって、私だって優秀な人とパーティーを組んで魔王なんてすぐ倒してやるんだから!」

 

意地の張り合いだかわからないが、嘘か本当かも分からないことを頭ごなしにぶつけ合っている。正直言ってあんまり関わりたくないタイプだ。しかし、ここを諦めると入ることのできるパーティーがほとんどなくなってしまう。

 

先程の受付嬢が「紅魔族」という言葉を口にしていたが、どうやら優秀な種族らしい。生まれつき高い知力と魔力で紅魔族全員がアークヴィザードの適性を持っているという、魔王も一目置いている物凄い人達らしい。とても高い知力を持っているとは思えない会話だけれど。

 

けど、優秀な人材であることは確かなのだ。紅魔族はアークヴィザードがほとんどらしいので俺の職業とも相性がいい。

 

 

「なあ、ちょっといいか?」

 

俺は意を決して二人に話しかけた。

 





私がディーノ様(推し)をヌルヌルにするとでも思った?残念、そこまでの変態ではないのでした!

……そ、そんなこと考えてないし!
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