引き続き奇妙な先生の生態…キョロ活?をご覧ください。
※新たに誤字を見つけましたかので修正しました。
新天地を探す最中、何故か本能的に惹かれた方角があった。この広大な海の向こうだ。
流されるままに知らぬ海を渡り始めた私は、当然幾つもの壁にぶち当たる。
それはあまりに荒れた自然環境。風は私の身体を叩きつけ海へ落とそうとし、その海は高い波で落ちて来た私を掴み取ろうとしていた。そうして気づいた時には途中で引き返すことも出来ず、死に物狂いでなんとかこの大陸へと辿り着いたのである。
「んニャ!?新大陸にイャンクックがいるニャ!まさか渡ってきたニャ!?」
疲れた。生きてるのが奇跡だろう。
たまたま羽を休められる島を見つけていなければ絶対に死んでいた自信がある。よく渡れたな私。計画性は大事だと"記憶"が言っていたが舐めていた、今度からはちゃんと気を付けよう。
尚、その島ですら極寒という厳しい環境だったので一度凍死しかけた。トウガラシを見つけられてほんとよかったよ…運に見放されていると言うわけでもないらしい。
その島がそんなんだから、もしやその先のこの大陸も寒いのでは?と戦々恐々としていたがそれは
そしてここが!私が人間へとその存在を知らしめる晴れ舞台か………では名付けよう!ここを「エンゼルアイランド」と!!
「なんか急に元気になったニャ…変なやつニャ」
しばらく他のモンスターに見つからないように休んでから行動開始。
まずは安全な寝床を確保せねばなるまい。しかしこの様子だと食べ物に困ることはなさそうだ。これには一安心。
後、この地に同族がいないかを確認せねばなるまい。
…まぁ、いたところで"格の違い"を見せつけれればいいわけなのだから構うまいて。…本心としてはしばらく海は渡りたくない。もう疲れたよパトラッシュである。パトラッシュって誰だ。
つまり同族探しはついでで良いということにしよう。鳴き声は分かりやすいから遠くから聞こえてくることもあるだろうしな、いるならだけど。
「このイャンクック…顔だけ赤みがかってるニャ…耳も長いニャ?変種かもニャ?」
―――さて、まず愛されるマスコットとして必要なのは多分、無害なことだろう。必ずしもそうとは限らないようだが、(凶悪な生物でも可愛さを見出すのが人間らしい)この見た目ならば絶対条件だと思う。
私の姿は人間の感性だとキモ可愛いと言えなくもないとこの"記憶"は言っている。…正直微妙だなその評価。であればやはりまずは人間からは徹底した"無害"という評価が欲しい。
そういえば"記憶"によれば人間は想像以上にどこからでも見ているらしい。というのも、監視カメラなるものがあるそうだから私の行動は最悪全て筒抜けと考えた方がいいだろう。
つまり、普段の行動から野蛮さがにじみ出てしまえば終わりなのである。ハードル高いなおい。
しかし生き残ることに全力を尽くすのは私たちの本能であり宿命。必ずやり遂げて見せよう。でなければ死ぬのだから…そうでなくてもぶっ殺されやすいからな私たちは…
だが「キョロちゃんらしさ」とはなんだろうか…鳴き声は勿論のこと、他にもあるはずだ。
ビジュアルで言えば、このエリマキみたいな耳は開いてはなるまい。だってキョロちゃんにそんなものないもの。今まで興奮したらバサッと開いてしまっていたけれど、開かないように徹底しなくては。先輩キョロちゃん(仮)もそうしていたはずだ。
あとはやはりチョコボールか…
あれなくしてキョロちゃんは語れない。お菓子も箱の"クチバシ"と言われる部分から取り出しているのを見るに、元ネタの私たちでも口から出してるのは間違いないんだ。問題はそんなもの出せないと言うこと。
私のチョコボールは可燃性なのだ。なんて適当なこと言って済まして良いわけない。どこの世界でお菓子で爆死する人間がいる。
…死のマッシュポテトにチョコレート爆弾?ナチスってやつらはそんな刺激物を好むの?人間ってすごいな…引くわ………
まぁ一般的ではないはず。"記憶"も、それは昔の歴史の話だと言っている。多分ないだろう。いやハンターはやりかねん。あれは人間のなかでも上位種族であり…それに連なる人間もやっぱり同類だからやるかもしれん、引くわ。
「何か挙動不審ニャね…」
…一つ思い付いたのは、木の実だ。
これならチョコボールっぽくね?
おお、このでかい嘴ってこのためにあったのかと思えるような異様なフィット感…やはりそうなのか。
実は少し「私たちキョロちゃん説」を疑ってたけど、これで完璧に確信した。いや、ピーナッツ味の元ネタの茶色の同族を見たことなかったからどうもね。でも、もう疑わない。このクチバシの中は最高に「チョコボール」している。そう、やはり私たちはキョロちゃんだ。
だってこんなにたくさんチョコボール(木の実)が入るもの!
「木の実好きなイャンクックニャ?ちょっと変わってるのニャ」
ゴロゴロゴロッ!っと上機嫌に口の中で木の実を転がしていたその時、私に近づく小さな影。
緩んでるようでも当然、周囲を警戒はしていた。死ぬからな。
すぐさま視線を走らせればなんと人間がいるではないか。姿を隠す気はない…だが、こちらとの距離をはかっているようにも見える。文字通り様子見、と言ったところか?
ははは…好都合。ナイスタイミングだ人間…人間だよな??
この人間(仮)にこの私、みんなのマスコット(予定)の姿を見せつけたのちお帰りいただき、人類に認知してもらおう。興奮で開きそうになる耳を必死に抑えつつ、無関心を
しっかりと見て行けよ。この新大陸に降り立ったキョロちゃん(イチゴ味)の姿を!
「相手がハンターってわかってるのかニャ?ま、ご主人様に敵意はないけどニャ~」
―――その人間がハンターっぽい装備だったのに気が付いたのは、高かった日も暮れてからだった。
私は、実は強者に腹を見せまくる超危険な行為をしていたことになる。絶体絶命のピンチだったのでは…?まぁ終わりよければ全てよかろうなのだ。カーズ様も言っていた。カーズ様って誰だよ。
というか何が「警戒していた」だよ私よぉ。流石に気を付けよう。人間ってどうも、やばい奴らってことは頭で分かっていても、私の本能が何故か仕事しないからな………
しかし中々良い出だしだと思う。この勢いに乗って明日からは保留にしていた鳴き声の練習をしていくことにしよう。寝る。
「キミはボクにいい"景色"を見せてくれそうだニャ~」
あの緑色の竜、覚えていろよ。
確かに騒音出しまくっていた私が悪い気はするが、そこまで
恨み言はそこそこに、取り合えずこの森からは離れるとしよう。
「ビビりなのは他のイャンクックと変わらないみたいニャ!」
生き残る秘訣は強者に追い出されたらもっと遠くに行けだ。
一度目は追い払う程度で済むが二度目はないことが多い。一度目であの執念なのだから間違いない、次はぶっ殺される。思わぬ
人間がちゃんといることはわかったから、離れすぎないように気を付けながら別のとこに行こう。
「また会おうニャ~」
"調査記録002"
ハンターより大蟻塚の荒地にて再度その存在を確認したと報告あり。その特徴的な鳴き声と頭部の赤みがかった体色から仮称「耳なし」と断定。
自身を追い払ったリオレイアを恐れてか、この地に留まることを選んだようだ。
第二回目の長期観察調査を開始。
気温や乾燥の影響は多少受けているようだが大して行動に変化はなし。主にハンターの利用するベースキャンプ付近にある小川あたりにてよく見られる。
観察を続けていれば、木の実の他にも魚を嘴によって
またその際に、魚を焼いた匂いがしたそうだ。嘴の内部より火が小さく漏れていたらしく、推測ではあるが魚を口内で焼いて食事しているのではと見られている。確証には至らず、意見は研究者たち含めた隊員の中でも分かれている。
そも「調理」をするモンスターは極めて稀であるため、その報告は慎重になるべきだ。
後日、口内にて小さな破裂音が断続したと報告あり。恐らくだが…採集していたはじけクルミを火炎液にて
これにより所謂「調理」を行う説がやや強くなったが依然確証は得られていない。
もしその説が正しいのならば研究所を驚かすことが可能だろう。故に確証が得られるまで気を
クルミを暴発させてからは慎重になったように思える。鳥頭気味な同個体と比べて学習性は高いか。
「でもやっぱりどこかバカっぽいんだニャ」
追記1:理由は不明だがボルボロスに追い掛け回されていたとの報告あり。
その際にはじけクルミを嘴から放り投げ、爆竹のようにして音とクルミの破片で攻撃、追い払うことに成功したらしい。
通常のはじけクルミより音も威力もあったことから、少量の火炎液を含ませてその効力を底上げした可能性がある。が、やはり確証までは得られず、議論の余地がある内容である。
しかしそうであるならばこの地で見られる鳥竜種のプケプケと似た行動をとっているということになる。「耳なし」がどこかで接触したからなのか、それとも独自で思いついたのかはわからないが、「調理」の件と合わせると通常より遥かに賢い個体ということになる。
これによって調査隊の士気が上がったのは間違いないだろう。尚、このことに気の逸った研究者二名と「古参ハンター」を鎮圧した。研究者の二人…「ロマンチスト」と「リアリスト」は対立することが多いが、今回は珍しく同じ結論に至って大喜びなのは、まぁ良い。
が、拠点より外に騒ぎながら走り出すのはいただけない。「三枚目」は笑うだけで止めないだろうし、もう一人の「寡黙」も止めないのだから私がやるしかないのだ。
引き続き新大陸に渡ってきた理由と合わせて調査を続ける。
当の「耳なし」はそのはじけくるみの音に関しては何のリアクションも起こさなかったため、聴力の低い個体の可能性も出て来た。
そのため「耳なし」を仮称から正称へと変更することにする。
「低いと言うか単純に自爆して耳を悪くしてただけニャ。あとみんなの前では開いてないけれど長い耳だったニャ!変種でもあるニャ!」
追記2:「耳なし」はクルルヤックと睨み合いを続けていたとの報告あり。他のモンスターと真正面から相対するのは珍しい。
互いに何度も鳴き声を出していたようだが、突如「耳なし」は頭を項垂れさせながら逃走したとのこと。
そのまま空へと飛び立ち、その行方をくらませた。我々の奮闘虚しく再度その足取りは途絶えてしまったため、今回の第二回目の長期観察調査を終了する。
『まるで試合に負けた選手が無念のまま退場するかのような逃走だったよ。悔し涙を幻視したな。例えるなら、お前さんに首を絞め落された時の俺の気分があれだ』
「ご主人様に絞め落されてたボクの気分でもあるニャ!気に入らないニャ!」
~古参ハンターより
■「耳なし」
気分はプライベートまで徹底するアイドル。パパラッチはハンター。殺す気か。
チョコボール()を手に入れた。
■エンゼルアイランド
アニメ版キョロちゃんの舞台。ノリで名付けた。忘れていい。
■「耳なし」調査隊員紹介
走り書きを残した調査員
三期団「生態研究所」の現地調査員。今作の「語り部」。40歳程度。白髪の混じる黒髪をオールバックにしたフチなし眼鏡の男性。ガタイは良く、気難しそうな顔をしている。昔はハンターだったらしい。当時から絞め技は得意。
「ボクたちと狩りをしてたばかりに、ラルスは先走る人間に対しての絞め技を覚えちゃったニャ!」
最初に気が逸った調査員
三期団「生態研究所」の現地調査員。50歳程度。「三枚目」気質で白髪の混じる金の長髪。笑顔が素敵らしい。この年になってもまだ落ち着かず、年下の「語り部」によく絞め落される。
「ジェイの境遇は過去のボクそっくりだニャ!でもその品のなさは似てないニャ!」
淡々と仕事する調査員
三期団「生態研究所」の現地調査員。40歳程度。語り部を研究所に誘った女性。暗めの茶髪を後でまとめているジト目。「寡黙」で周りの茶番を全スルーしているが、雰囲気が嫌いなわけではない。
「ヒルミーナはガジャブ―とも話せる優しい女性だニャ!」
ロマンを求める研究員
三期団「生態研究所」の研究員。60歳程度。モンスターの可能性を追い求める男性。頭頂部がはげたのでそのままスキンヘッドにしたらしい。口髭が立派。「三枚目」と気が合うのでうるさい。
「オストのこの潔さをご主人様も見習って欲しいニャ!」
リアリストな研究員
三期団「生態研究所」の研究員。50歳程度。痩せ細った糸目のボサボサ金髪の男性。理路整然が売りと自称。よく「ロマンチスト」と言い争うが思考がシンクロした場合は二人揃ってやかましい。
「ぶっちゃけアウルもロマンチストだと思うニャ!あと期団長のものまね野郎ニャ!」
アイルーフェイクの古参ハンター
四期団の経験豊富な「古参ハンター」。50歳程度で未だ現役。頭以外はレイア装備。素顔は白髪と銀髪のグラデーションのある短髪の男性。実は「語り部」の同郷で、自分より早く引退したのをよく揶揄いたいがあいつ怖い。一度絞められたので以降自嘲する。双剣持ち。
「ウェイルは未練たらたらのご主人様だニャ!でもちょっと嬉しかったニャ!」
見えない彼
9年前に死んじまったニャ!でもずっとここにいるニャ!みんなには内緒ニャよ!