金なら2枚、銀でも2枚   作:凍り灯

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最終話です。
さらば!!





さらばエンゼルアイランド

 

 

 

 

寒い。

私は今、エンゼルアイランド(新大陸のこと)に来る前に一度寄ったことのある島に来ている。

 

何故この厳しい島に来たかと言うと、それは元の大陸へと戻るためだ。一旦羽休めは必要だからな。

…嘘ついた。悪夢なのかパチクリ(レイギエナ)の群れに何故か追い回されたおかげでせっかく嘴に溜め込んだ備蓄を手放してしまう羽目になった。それらを取り戻すために一先ず滞在している。

 

不幸中の幸い、あのトゲトゲトゲトゲ竜と生存競争をした地を去る前にお面小人(ガジャブ―)に貰った"白い花の飾り"は健在だ。見よこの完璧なアイテム、赤いやつ(オドガロン)につけられた左側頭部の傷を隠すことが出来、何よりキョロちゃん(イチゴ味)のチャームポイントっぽいではないか!

 

運命はこのワタシを「キョロちゃん」に選んでくれたのだッ! !

 

この「キョロちゃん(イチゴ味)」の真の姿を得ることができたのはッ!

『贈り物』だッ!(お面小人からの)

自分の過去を乗り越えた運命からの「貢ぎ物」だったなあああああ!

 

…彼らもいい仕事をしてくれる。

それを持って私は完全体へと至り、この地へ辿り着けたことを感謝したのであった…

 

同時に、この大陸にいると命が幾つあっても足りないと理解したので、いい加減に別の新天地を探すことにしたのだ。一年にも満たない間ではあったが、割と濃い日々であったと思う。己の命と使命()とを天秤にかけ続けていたが、ようやく命に傾いたと言えよう。懲りたとも言う。

代わりに収穫はかなりあったはずだ。この得難い経験は、新たな土地に住む人間だちに披露するとしよう。

 

 

最初来た時に見つけたトウガラシの群生地からいくつか失敬し、身体を温める。

そしてニホンザルよろしく、それと似たような猿みたいな生物と温泉など入っていればなんと人間がこちらを覗いているではないか。ここまで足を運んでいたとは…見覚えのある女性なのできっといつものメンツだろう。やはり彼らは私の追っかけだった…?

 

冗談はいいとして、人間がいるならばちょうどいい。完全体の私をしっかり記録してその情報を広めてもらおう。きっと新天地でもその情報が行き渡っていることだろう。新たなキョロちゃんとして!

「久々に見たけど変わらないニャ~。一体その自信はどこから来るんだニャ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、凍った。

「見事な凍りっぷりだったニャ」

 

 

…やはりこの地はさっさと逃れるべきだな………

もう少しで考えるのをやめて地上のカーズ様になるところだったぞ。カーズ様って誰だっけ…

 

突如私を襲う吹雪。ただの吹雪ではない、生き物が瞬く間に死に絶える程の超低温の吹雪だ。

周囲を飛んでいた翼竜は軒並み奇妙な氷像と化し、私もその仲間入りをするところだったのだ。だが、トウガラシを多量に拠点に持ち帰る途中だったからそれで命拾いすることになる。

そうでなければ、完全に凍ることはなかっただろうが、どの道凍死はしていたかもしれないな。

 

寒い。いや最早痛い。もう一度温泉に入ろう。

 

あー温泉って最高だな。

「ほんとだニャァ~」

 

 

…次は温泉あるとこに行きたいな。

「ユクモ村の温泉が最高だったニャ」

 

 

………あの猛吹雪は何だったのだろうか。

 

あまりに暴力的過ぎる、自然の物ではないと思いたい。とすると、あの嵐を纏う龍(クシャルダオラ)のようなやつがいるのかもしれない。あれ程の力を持つ龍がいるならばいてもおかしくは無いと思う。

 

温泉に浸りながらそう思う。

 

いつの間にか、この間もこちらを見ていた人間の女性が割と近くまで来てるのを、無視を装いながらそう思う。

「ヒルミーナニャ。何か持ってるニャ?」

 

多分この距離感こそが、私が死に物狂いで得たものなのだ。私は今、己の成果を噛みしめている…!

 

だが何故アクションを起こさない…?視線が刺さる。人間は、突っ立っているだけ。…正直人間ってだけで震えが止まらなくなるようになってしまった…温泉の水面がジュラシックパーなんちゃらの如く振動している。私の震えで。

この恐怖を克服することが生きることだって"記憶"のラスボスたちは言っていた。すごいなラスボスって、あの潔さを見習いたい。見習ったらだめか。別に今わの際は潔くなかったわ。

 

そんなことを考えている間も、その人間は、何をするでもなくずっとこちらを見ていた。

…しばらくして、背負っていたと思われる積み荷を置き、どこかへ去っていく。

「このニャかみは…!せっかくだからボクが火をつけてやるニャ!エイッ」

 

 

彼女が去った後、私は置いてかれた積み荷…風呂敷のようなものに包まれた何かを見やる。私はちょっと浮かれてた。ついにファンが出来たのだと。

 

ジジジジジジジジジジジジジジジジジジ

 

長かった…いや言う程長くはなかったが、苦労はあった………その甲斐はあった!

 

ジジジジジジジジジジジジジジジジジジ

 

さぁご開帳といこうではないか諸君!赤い布…お面小人(ガジャブ―)の身に着けていた仮面のような、赤い布だ。とても感慨深い色だな。短い間ではあるが、色々あった…ところで、この音とても聞き覚えがあるのだが。

 

ジジジジジジジジジジジジジジジジジジ

 

包みは既に(ほど)けてある。人間が、私が開けやすいように気を使ったのだろう。私はニッコリと笑顔のまま(?)聞き覚えのある音を思い出そうとして―――その時、冷たい風がその覆いかぶさっていた布を(まく)り上げる。

 

姿を現したのは、お面小人由来の品。

 

それは壺爆弾(チョコボールの濃い苺味)。導火線はあと1㎝も残ってなかった。

 

私は必死に温泉で火を消した。

「草ニャ」

 

 

────嘘だろあの(アマ)。お供え物をするような丁寧さで危険物置いていきやがった。

せめて「私はボマーだ」とか言ってくれ。言葉分らんか。

 

待て、お面小人の爆弾ってことは、彼女はメッセンジャーか?であれば責めるのは酷かもしれない。郵便テロと言う奴だ。運ぶ人に罪はない。

そしてやつら(ガジャブ―)ならばやってきそうだ。寝てる間に嘴にそっと壺爆弾入れる奴らだからな…しかしにしては妙だ………時限式で動くほど高等な技術はないだろうし、まるで見えない誰かが今火を点けたかのような…?

 

というか、もしやこれ…嘴の中に入れて持ち帰れと?

海を渡ってる最中に爆発して沈むぞ。あの厳しい海上の渡りを思い出せば、そうなる未来が容易に見える…!

「キミの運の無さならボクが何かしなくてもなりそうだニャ」

 

あぁ…私は二種類の涙を流した。

 

喜びと悲しみである。

 

確かにこれは友情の証(?)だ。是非とも持ち帰りたい。私が完全体()になれたのも彼らのおかげなのだから。

…だが怖いものは怖い。

火炎液と違って私が制御出来る物でもなし、というかいろいろ備蓄を蓄えた嘴で爆発されると困ったことにしかならない。いや持ち帰るさ。やっぱり時限爆弾でした!とかじゃないよな?まぁ一度火を消したのだからもうないだろう…

開放してやったぜ…くくくくく…恐怖からな…なんてことでがないことを祈ろう。爆破オチは起こさないからな?

 

本当に最後までやってくれるなエンゼルアイランド…まぁこれも、いつか笑い話になるだろう。

「その律儀なところは本当にすごいと思うニャ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁいざ行かんと飛び立とうとした矢先、恐らくあの猛吹雪の主と思われる龍がこの地に帰還した。

「ナイスニャイベルカーニャ!ご主人様が戻るまで釘付けにするニャ!」

 

相変わらずのタイミングの悪さにそろそろ辟易(へきえき)してきたが、見つかるわけにはいかない。しばらくは様子を見る。あれだ、どうせあの青い剣のハンターにぶっ殺されるよ。私は知っている。それまでしばしの辛抱だな。

取り合えず見つからなさそうな海沿いの洞窟に避難していれば天然のファーが生えたペンギンがわらわらと。なんで??

 

小鹿の時よりやたらガンガン来るし、だからと言ってお面小人の時みたいに好感を得られる何かがあったわけではない…なんで??

「やっぱり変なフェロモン出てるんじゃないかニャ…」

 

さっぱりわからんが、彼らもかの龍に怯えていると言う事だけはわかった。

 

仕方ない。

私はキョロちゃんだからそれまではここにいるとしよう。なんだかんだこういう感じも悪くないからな。小鹿と違って癒し系と言うには目がギョロっとしているけど。

 

それから数日間、冷たい水を我慢しながら魚を捕まえて過ごしていれば、再びあの人間の女性が観察してきていた。何かスケッチを取っているようだ。いいぞ。キョロちゃんの雄姿をしっかり記録しておけよ。手、寒くないのかな。

「ヒルミーナは我慢してるだけニャ」

 

しばらくすればまたもや見覚えのある人間がやってきた。気難しい眼鏡のおっちゃんだ。いいぞ!もっと呼ぶといい。ここでの最後の晴れ舞台だ。私は彼らの耳に刻むようにクエーと鳴いた。

 

そしたらペンギン共も真似しようとして失敗してた。()いやつらめ。

「ニャエー」

 

 

 

 

 

 

────やがて暴力的な吹雪が止む。あの青い剣のハンターはやったのだ。

さぁ、旅立ちの時だ。

 

 

 

 

 

すぐ飛び立とうとしたが、それは止める。

私を追っている人間たちを待ってから、それからでもいいと思えたのだ。

 

最後なのだ。キョロちゃんと人間、種族と言う垣根を越えて、と…。そう思ってもいいではないか。一目見て、見せて、それから行こう。

 

 

 

やはりと言うべきか、彼らは来た。

「ボクもいるニャ!」

 

 

よくこちらを観察してきた三人の人間と猫顔のハンター。たまに見た二人の研究者っぽい人間。この六人がそうなのだろう。私をキョロちゃんだと証明するための生き証人………それに加えてパチクリとトゲ竜を仕留めた青い剣のハンターが、彼らとは違う所からひっそりとこちらを見ている。合わせて七人…ん?いや、七人と"一匹"か。

 

見送りが少ないとは言うまい。

 

新天地ではもっと多くのファンを見つけてやろう。そのための全てを、厳しいこの日々で知ったのだから。

 

さらばエンゼルアイランド。

そういえばここはエンゼルアイランド(新大陸)じゃないか。あぁ、まぁ…さらば!!

「最後まで抜けてるイャンクックだったニャ」

 

 

私は飛びながら、国民的お菓子のテーマソングを鳴きながら海を渡るのだった。

 

クエークエー↑クエー↓

「ニャエーニャエー↑ニャエー↓だニャ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう行くの。君たちがいなくなると少し寂しくなるネ」

「常套句はいいですよ…20年間もの間、お世話になりました」

「それくらいしか言うことが無いからネ。旅立つ君たちに贈る言葉は多くないのさ、散々伝えてきたのだから…君たちが天井の真実に届かないことを願うよ」

「ええ、私もそう願います。限界など、見えない方がいい…我々の象徴(エンブレム)のように、"杯の水"は枯らしません」

「ふふ…いい目になったネ。面白い報を待っているヨ」

「必ず」

「…ラルス」

「今行く。それでは」

「ん。"キミ"もまたネ」

「ご主人がお世話になったニャ!」

 

 

―――ゾラ・マグダラオス、及びゼノ・ジーヴァの討伐以降、この新大陸の航路が安定化。

それを期に、この新大陸を後にする団員も少なからずいる。

 

それは神経症…所謂ノイローゼであったり、或いは一時の帰郷であったり、道半ばで倒れた仲間の遺品を故郷へ届けるためであったり。

我々のように、新大陸の外にたった一体のモンスターを追って飛び出す人間はそういないだろう。

 

今、新大陸より一隻の船が故郷へ戻らんと帆を下ろした。

 

船が離れる。

見送る大勢の人間と声を聞きながら、20年もの間苦楽を共にした3期団の面々を脳裏に焼き付ける。高齢で研究者ばかりのせいか、わざわざ声をあげる人間などいなかったがその瞳は、乾かぬ探究心を光と共に溢れさせている。だからこれだけ離れていようともよく見える。なんとも分かりやすい連中だ。

やがて期団長が煙管を一吹きし、それを合図に彼らは研究に戻る。いつものように。

 

そして「流れ星」もまた、見送りに来ていた。知らない仲でもない。軽く手を上げ、彼も返す。彼も「耳なし」に興味がある人間の一人なのだ。良い報を渡さなくてはな。

 

「よくもまぁあの根暗連中が見送りなんぞ来たもんだねぇ」

「20年は、そうさせるだけの年月だったのだろう…ジェイ、オストとアウルが呼んでいたぞ。船橋にいるそうだ」

「何でそんなとこにいるんだよあいつら…わかったよ、行って来るさ」

 

白髪の混じった金髪がここを離れていく。普段も、それくらい素直であれば首が絞まることもないだろうにと、その背中を見ながら思う。

 

「ヒルミーナ、ウェイルはどこにいる?」

「船尾の甲板にいるわ」

「助かる」

 

暗い茶髪を視線から外し、私はウェイルのいる場所へと歩き出した。すれ違う人々は様々。一つ言えるのは、船の操舵のための人間を除けば若い人間は極端に少ないということだろう。

私も、ヒルミーナも、ジェイもオストもアウルも。そして未だにハンターを続けるウェイルも。だが誰一人として、その"杯"を乾かした人間などいない。私たちは、それでいい。

 

目的の場所、甲板上には多くの人間がまだいた。遠ざかる新大陸を少しでもその目に刻みたいが故か。その中でリオレイアの装備を纏ったハンターが木箱に腰掛け、海と手摺を背もたれに目を閉じていた。

いつものアイルーフェイクはすぐ足元に、代わりに手に握られていたのは小瓶だ。私もその中が何かを良く知っている。

 

「ウェイル」

 

彼が目を開く。手の平の中の小さな小瓶を一瞥(いちべつ)した後、それを足元のアイルーフェイクに丁寧にしまい込んでからこちらにやっと視線を向けた。

銀髪と白髪の混ざった掠れたグラデーションが潮風に揺れる。

 

その仕草を久々に見たせいなのか、それとも船尾より見える遠ざかる新大陸を見たからなのか。

私の口から出たのはその小瓶の中の話だ。意識したわけでもなく、眼鏡を外す。

 

「9年だ」

「ああ」

「"彼"は"そこ"(アイルーフェイク)から多くを見ただろうな。私たちと同じ景色を…惜しむらくは、"彼"の文句を聞けなかったことか」

「ざまぁねぇな。さっさと死んじまうからそうなるんだよ」

「手厳しいな」

「そうだニャ!ぶっ飛ばしてやるニャ!」

「ニャーニャー文句ばっかり言ってた"こいつ"みたいなバカにはそれで良いだろう」

「確かにな。だが、もっとあの地の"景色"を見たがっていたかもしれん」

「…お前さん、やっぱりオストのロマンチストがうつったんじゃねぇか?」

「あんたが死者に厳しいからな。共に狩りをした私くらいは、それでもいいだろう」

「俺のせいってか。あぁそうだな…なら、故郷の酒でも瓶に詰めてやるか」

「あいつは酒嫌いだ」

「知っとるわ」

「じゃぁやめてくれニャ!?気に入らないニャ!」

 

 

アイルーの"彼"は、きっとここにいたらまた文句を垂れ流していただろうな。

 

"彼"は、私が一緒に狩りに出た時もそうでなかった時も随分と喧しかった。よくウェイルに絞め落されていた姿を今でもつい昨日のことのように思い出せる…思えば、私に"それ"がうつったのだろうな。対象は人間になったが。

 

「"こいつ"のことはいいんだよ…「耳なし」の行方に心当たりがあんのかい」

「ないな。しばらくは、イャンクックを追う奇特な集団として歩き回ることになるだろう」

「今更だな」

「あぁ、あんたの顔含めて今更だ…だが、必ず見つけ出す」

「当たりめぇだ。お前さんらがさっさと脳細胞働かせなきゃ俺が先にどこぞのモンスターに食われて死んじまうぜ…だがどうにも、近いうちに見つけられる気がしてならねぇ」

「あんたの勘は当たり過ぎる。その言葉だけでも皆士気が上がるだろうな。それに「耳なし」は嫌でも目立つ。既に報告書は大陸に送られているのだから捕捉済みの可能性もあるな」

「それはそれで気に入らねぇな」

「"彼"に似た文句を言う」

「逆だろうよ」

「ラルスが正しいニャ!そういう所が気に入らないんだニャ!」

 

 

 

 

その時、私たちは奇妙な鳴き声を聞く。

 

 

クエー クエー クエー

 

 

思わず、と言った風に私たちは顔を見合わせた。

 

「…まだ大陸からそんなに離れてないだろうよ、やつが飛び去ったのはそれなりに前だぜ?」

「だが他にこんな鳴き声をする存在がいるか?」

「………いねぇな」

「………間違いないニャ」

 

クエー クエー クエー

 

 

やはり聞き間違いではない。

ウェイルに他のメンバーを呼びに行かせ、私は発生源を探る。

太陽を背にして…遥か上空にそれはいた。

 

眩しさに目がくらみそうになるが、そのシルエットは確かにイャンクック。であれば「耳なし」の可能性が高い。

目を細め、その正体を見極めようと努力するうちに、慌てたようにウェイル含めた五人が船尾へと集まる。

 

「いやはや…なんでこんなところにおるのか…いくら天候が安定したとは言え…戻る理由があったのかの。どう見るアウル」

「判断材料が少ない状況で分かるわけないよ…相変わらず不可思議なモンスターだね。だからこそ研究しがいがあるんだけどね」

「ははっ!早い再会だったな…案外忘れもんでも取りに来たんじゃねぇの?」

「………なんでかしら、当たっていそう…」

「容易に想像がつくニャ」

 

それぞれが勝手に口走る中、私とウェイルは再度顔を見合わせた。

 

「………やはりあんたの勘は当たり過ぎる」

「いやぁ………俺もこんなすぐとはなぁ…?」

「相変わらず無茶苦茶だニャ…」

 

 

 

向かう先は同じ方向。何ゆえか「耳なし」は新大陸に戻り、そして再び飛び立った。そう見るのが妥当だろうか。理由は不明。アウルの言う通り、本当に不可思議なモンスターだ、彼女は。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその不可思議モンスターは我々の遥か上空で爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

「ニャ!?」

 

 

何事かと騒ぎ始めた甲板上で、我々はさそ間抜けな面を晒していたことだろう。

あぁ本当に、可笑しなモンスターだ。

「やれやれだニャ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すっかり拠点に忘れていた壺爆弾(チョコボール・濃い苺味)を回収した私は上機嫌だった。

 

見よこの晴れ渡った空を!

ずっと荒れていた海は静かに太陽の光を反射させ美しく、風も心地が良いそよ風だ。あまりの変わりように驚いたが、まぁ私の門出にはメリットしかないので問題ない。

少ししたら荒れるかもしれないのだから、この機を逃さずに行こう。

 

依然もこれほど穏やかであればどれだけ楽だったのか、と思わなくはないがそれも詮無い話。

今はこの快適な空の旅を楽しもう。

 

クエ~クエ~↑クエ~↓

 

 

―――私は浮かれていたのだ。

 

 

嘴の中には壺爆弾。

 

日差しは強く。風は乾いていた。

 

歌を歌っていたせいで嘴は常に開かれ、その影響をダイレクトに受けている。

 

 

 

…何が起こったかと言うと、自然に起こってしまった導火線の再点火である。

導火線の長さは1㎝もない………私は爆破オチは起こさないと言ったな?

 

あれは嘘だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グエ˝ェ˝エェぇえ˝ええ˝え˝え˝ええ˝えええぇえぇ˝ええええ˝え˝えええ˝えぇぇ!?/(^o^)\

 

 

 

 

 

私の凶器の缶詰は無慈悲に炸裂した。

 

私は落ちた…必ずやお面小人を張り倒すことを誓いながら落ちている私は、その最中、大海原に船を浮かべる人間たちを見た。

見覚えのある眼鏡のおっちゃんたちと、猫。

 

 

 

―――海に沈みゆく中、私は翼の爪を海上へと出し伸ばし、器用にサムズアップの形を取らせた。

 

I'll be back…じゃない…Help me………ブクブクブク

「世話のかかるやつだニャ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわれ

 

 

 

 

 








最後までこの作品で何をしたかったのか全く分からなかったどうも作者です。
完璧に勢いのみでやったので!勢いで良作生み出す人たちやっぱりすごいな!
(登場人物の名前だけは決めていました)
息抜きと言うか、そういう作品だったので軽く流してくれると助かります。いやほんと、なんでキョロちゃんなんだ…?

そういえば諸事情により後書き?的なものを後日あげる予定です。
"あれ"をやるにはスマホやmacだと面倒と知ってしまったので。どちらにせよ、まとめておいた方が良いでしょう、多分。


■「耳なし」
この後「守るわきゃねーだろてめーらクズどもとの約束なんてよぉ!“リリース”は解除じゃなく起爆の合図さ!!ハハハハハハハハアハアハアハ」された。
事故である。やはり爆破オチが至高などと作者は申している。
自分を追って来た六人と"一匹"とこれからも腐れ縁になるかは、誰もわからない。

■「耳なし」調査隊員の設定諸々
「語り部」である走り書きの現地調査員
本名:ラルス
カモメの意味。イャンガルルガの「ガル」(gullもカモメの意味)から連想。
「騙されやすい人」という意味もある。ギリシャ神話にて海と航海を象徴する鳥。今後の彼の行く末を暗示していた…名前を最後まで出さなかったから暗示してない?ちゃんと二話目に"彼"が名前を紹介したはず。
ココット村出身。

「三枚目」の現地調査員
本名:ジェイ
カケスの意味。「おしゃべり」と言う意味もある。だいたい絞め落される。
笑顔は素敵かもしれないが一番体力がない。この後船上でしごかれた。

「寡黙」な現地調査員
本名:ヒルミーナ
ヒルマイナでキュウカンチョウの意味。ものまね上手な鳥。奇面族翻訳担当。
ガジャブ―から「耳なし」への届け物を預かっていた。爆破しようという意図は当然ない。
きっと見えない何かがいたずらでやったのだろう。

「ロマンチスト」な研究員
本名:オスト
オーストリッチでダチョウの意味。「現実逃避する」という意味もある。逃避はしてないがトリップはする。
60歳過ぎには少し早い爺さん口調なのは、実はキャラづくりだったりする。

「リアリスト」な研究員
本名:アウル
フクロウの意味。night owlで「夜更かしすると」いう意味もある。不健康そうな感じだから。
期団長を尊敬しており、段々口調が似て来た結果今のようになった。

「古参ハンター」
本名:ウェイル
クウェイルでウズラの意味。「ひるむ」という意味もある。主に「語り部」に対して。
9年前、つまり四期団として新大陸に渡った一年後に故郷から長年付き添ったお供アイルーを失っている。「気に入らないニャ!」が口癖だった。
ココット村出身。アイルーフェイクは、アイルーキッチンで今は亡きアイルーから貰ったチケット(シルバー、ゴールド、プラチナ等)を使って作った思い出のもの。まだ見ぬ"景色"に憧れていた。これからも一緒に見続けるだろう。
さっさとキリキリ動くニャ!

■「流れ星」
本名:不明
「耳なし」の情報を心待ちにしている一人。
モンスターと人間との新たな形をそこに見出した。でも「耳なし」には死ぬほど怖がられてる。そらそうよ。

■"彼"
見つけるのが遅いニャ!
ボクはずっといるのにニャ。
さぁ戻って不自然な空白を反転してくるのニャ!めんどくさいとか言わないのニャ!気に入らないニャ!







「反転するんだニャ」


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