金なら2枚、銀でも2枚   作:凍り灯

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前回までのあらすじ

空中爆散、のち水没
そして突如海の底が白く光り出す!何の光!?

「世話のかかるやつだニャ…」





※夜間モードにしていると一部死ぬほど見づらいというか文字が読めない場所があるニャ!ご注意ニャ!


モンハンNOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!

 

 

 

 

 

 

────ある日、世界は地獄と化した。

 

突如光と共に現れた化け物たち。恐竜と呼ぶには人智を超えた力を扱うそれらを、人々はただ"モンスター"と名づけた。

やつらはただ、突然に現れる。理不尽にも、どこにでも、何度でも。

 

 

 

────ある日、世界は地獄と化した。

 

世界中に湧きだしたモンスター、小型のものでも人よりも大きく狂暴、大型のものは車など軽々しく吹き飛ばせそうな巨体を持つ。

やつらにとってどこであろうと関係あるまい。中には大人しい存在もいたが、それだとしても恐ろしいことには変わりない。

ヘラジカを知っているだろうか?

現生のシカ科では最大種であり、あれは人を喰らうわけではないが…それでもその威圧感たるや、目の前にすれば冷や汗が走る程である。

そんなものがひしめいて、安泰(あんたい)など、望めるものだろうか。いや、無理である。

 

 

 

────ある日、世界は地獄と化した。

 

その従来ではあり得ない生態系を持つモンスターは既存の猟銃の弾など、小型でもなければ役には立たない。

軍が使うような兵器ならば効果はあったが…しかし街中でもどこでも湧くモンスターを前では存分に振るうには難しすぎる。

今までの装備では無力、それを人類は理解した。

 

かくして人々はその化け物共に(むさぼ)られ、瞬く間に人の世は終わりを告げる………

 

 

 

────とはならなかったッ!!!

世界の(ことわり)が書きかえらえた時に!人々もまた変わったのだ!

 

ある寝たきり老人は、地中から襲ってきたディアブロスに天高く突き上げられた!

しかし!老人の脳裏を過ぎったのは走馬灯ではなかったという。

ぶち破られた天井の瓦礫と暖かい布団と一緒に宙に舞いながらも咄嗟に掴んだモンスター(ディアブロス)の角。

 

あ、投げられる。

 

根拠も足場もない空中で老人は、そんな確信が過ぎった。

 

「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!」

 

空中巴投げである。絶技!!一体どこを支点にしているのか、地面がないにも関わらず巨体が老人を中心に回り、叩きつけられる。

 

「ぶっつぶれろォォォォォォォッ!!!!!!!」

 

…果たしてそう言ったかは誰も知らないが、だいたいこんな感じだったらしい。

明らかな異常、それはモンスターだけではなかったのだ!

 

 

────人類の"ハンター化"である。

その日、人類は新たなステージへと立つ。

 

 

ある少年は襲ってきたシャムオス8匹の群れを相手に、ビニール傘のフルスイングで一匹残らず返り討ちにし、屍の山を築いた。

あるカフェ定員の女性はテラス席に降ってきたラフィノスを、お盆に乗ったパフェの盛り付けを崩さないまま叩きつけてテラスの床の模様の一部にしてみせた。

ある盲目の壮年は、持っていた白杖を投げ飛ばして飛竜を叩き落とし、落下の瞬間に飛び蹴りで首をへし折った!

 

 

 

────…世界は地獄と化した。

 

モンスターの悲鳴が響き渡る世界(にとっての地獄)となったのだ。

 

田舎の山の中に現れたモンスターは運が良かっただろう。彼らは弱肉強食のピラミッドがどういったものになってしまったのか知らずに済む…いまのところは。

街中に突如現れてしまった(補充されてしまった)彼らは、それは悲惨なものだった。

…彼らは道端に落ちている金銀財宝のような目で見られ、そしてその命も天上へと速やかに拾い上げられる。小型のだろうが大型のものだろうが関係ない。関係ないのだ。

 

交差点の真ん中に現れたモンスターはさらに悲惨だ、特に歩行者が歩いている青信号の時は。

 

「ヒャッハーッ!!!!」

「僕のだぞッ!」

「どけッ!私が見つけたのよ!?」

「角をよこせ角をよォォーーーーッ!!!!」

「ちょっと勘弁してよォッ!! あたしに()き殺させる気ィッ!? (歓喜)」

 

歩行者は走り出し、信号待ちの運転手たちはハリウッドのスタントマン並みの速度で車から飛び出してモンスターを狩る。彼らの死骸は余すことなく剥ぎ取られ、運転手が車に戻った頃に信号が変わり、何事もなく走り出す。こんな事はもはや日常なのだ。

 

本来空を飛ぶことがアドバンテージのモンスターは逆に飛べば目立ち、ビルや家屋の窓が開いたかと思えば竜の一矢(SPスキル)とかなんか色々な属性の弾丸とかで四方八方からハチの巣にされるときた。

おかげで低空スレスレを飛ぶのがせいぜいの有様になってしまったという。哀れ。

 

 

 

────……世界は地獄と化した。

 

クローゼットに並ぶ防具、壁に飾られた飛竜の首、巨大な骨がゴミステーションに積み上げられ…、選挙候補者は最低でも星7モンスターの討伐時の写真をポスターに載せるようになった。

学校の受験先は制服のデザインの良さよりも防御値の高さが優先され、三者面談の前には教師たちが狩人メダルを集めることに躍起(やっき)になる。保護者に負けるわけにはいかないからだ。

ついにモンスターペアレンツの意味は、星8を片手間で片付ける親という意味に変わる始末である。やーい!お前の母ちゃんモンスター!(ガチ)

 

新社会人に求められるものはいかに回復薬を使わなかったかであり、そういえば面接ではフル装備の就職希望者が間違って4回ノックしたばかりにドアごと真・溜切りをされたこともあった。

迂闊にもセクハラをしようとした上司がプケプケ素材を使ったハイヒールで大腿を貫かれて生死を彷徨(さまよ)った話はまだ記憶に新しい。

 

 

 

────………世界は地獄と化した。

 

銃はボウガンや弓に取って代わる。学校で銃乱射事件を起こそうとした中年が、10歳程度の子供たちのボウガンで逆に速やかに制圧(ダウン)された。その事件からライトボウガンの需要が高まりモンスターが狩られる。

日本のヤクザ同士の抗争で打ち込まれたロケットランチャーを、通りがかった近所のおばはんがガード性能特盛のランスで受けきったことを切っ掛けにガンランスの需要が高まり、モンスターが狩られる。

新しく生まれたスケート競技、アイス操虫棍で空中28回転の美しさに魅了され、モンスターが狩られる。

こんがり肉がテレビで紹介されたことでモンスターが狩られる。

海や森の事故で行方が分からなくなった人々はいつの間にか猫みたいな生物の担架によって自宅に返却された。ありがとう!

 

 

 

────…………世界は地獄と化した。

 

最早家から漏れ出た灯りはモンスターにとっては恐怖の象徴。

それでも無限に突如として湧き出るモンスター。血の匂いが世界中に溢れかえる。

そしてモンスターは死に場所を選べない!ああ!世界は地獄と化した!おお、ブッダ(仏様)よ!寝ているのですか!?

 

 

 

 

 

────ああ、だが…

 

 

 

 

 

────そう!私は…私は、この殺し合いの螺旋(らせん)から抜け出したッ…!

 

どうもキョロちゃん(竜盤目・鳥脚亜目・鳥竜下目・耳鳥竜上科・クック科)です。

 

 

 

エンゼルアイラ(新大陸)ンドから飛び立ったものの空中爆散あえなく墜落、のち水没というポルナレフもびっくりの最悪のミラクルコンボを喰らった私。誰だ、ポルナレフって??

しかし死亡確認を(おこた)ったのはマヌケだったな…私は生きていた!!!よーわからん場所で!!何処だここ!!??

 

だが、妙な懐かしさを感じる…私が当初想い描いていた人間たちの姿に非常に似ているのだ。

この高く四角い建物、平すぎる道、光で溢れた世界。夜空など、見えもしない程に。

 

勿論、最初は思ったとも。「終わった」と。

 

だって落ちた先に人人人。

しかもみんなハンターと同じ武器持ってる!!地獄だここ!!

エンゼルアイラ(※新大陸)ンドは…私が住んでいた土地は優しかったのだ…古龍ですら、生ぬるかったッ!!

 

だが"捨てるブッダあれば拾うブッダあり"とはよく言ったもの。私は生きながらえた………このアイルーによって!!誰だお前!?…あ!お前エンゼルアイランドにいたアイルーだな!?覚えてるぞ!

 

そして、そのアイルーは何故か必死に私の助命のための説得を血まみれの人々(モンスターの血で)にしてくれたのである…私が無害であること…人に()びへつらう存在であること…私の名誉が秒で死んだが??まー…生き残れば良かろうなのだ。

しかしずっと横で見てきたように私のことを知っているな…私がこのアイルーを見たのは大陸から飛び立つ前、最後も最後だと言うのに…やはり情報社会、この世界では迂闊(うかつ)な行動が出来ないのだと再確認した。

 

だからこそ報われた!

 

アイルーは私のしてきたことを語りつくすことで人類の説得に成功したのだ!!

 

加えてここの人々も猫に弱いというのは変わらないらしい。にゃーんと最後に一押しすれば目をぎらつかせながらも渋々矛を収めてくれたよ。

私はビビって丸くなっていたから全部後で聞いた話だけど。

 

で、連行されて捕縛された無害な草食竜たちと一緒にいます。屋外に出ることは叶わないが…ここは、恐らくスポーツで使われるようなかなり巨大なドーム状の施設である、広大ゆえに不自由は一切ない。

 

人間は理解したらしい。私がキョロちゃんだということを…

 

 

………………ッ!いや、誠に、誠に非常に遺憾なのだが訂正しなければならない………

 

 

誰が言った言葉…………だったか…………『自分をキョロちゃんだと思い込んでるディアボロ風精神異常鳥』…この世の人類は私、『キョロちゃん』を無敵のマスコットに選んだはずなのだ………そうだ、私は『危険なモンスター』ではない…!ないの、だがっ…!

 

 

「キミはイャンクックってモンスターだニャ。………ニャ?"キョロちゃん"??意味わからんことを言うんじゃないニャ!相変わらず気に入らないニャ!」

 

 

ビチグソアイル────がッ!!!なんてことだ。私はキョロちゃんではなかった…であれば私の努力は、一体何だったのか…い…息苦しいッ! 汗をふきたいッ!タオルはどこだッ!? まぶたがッ! どんどんおりてくるんだぜッ! 見えないッ! ちくしょおお!ここにタオルはねーのかッ! 死ぬかもしれないッ!やべえぜッ! 翼の汗をふかなきゃ…汗をふきたい! ビショビショだ!空を飛べば爆発するしよ~ストレスが重なるといつもこうなるんだ!こんなオレに何が出来るっていうんだ!?

 

 

………否!!

 

もう一度よく考えよう。

『私が積み上げてきた愛嬌』の前では人類の敵意は消し飛び……そして全ての人間はこの出会いの前で抱いた剥ぎ取り欲を忘れ去るッ。

 

『ハンター共は手にした武器を(この愛くるしさから)取り落としたことにも気づかず!』……

『モンスター絶滅を目指した団体ですら、やがては私をモンスター(素材)とすら認識しない!』

 

『結果』だけだ!!

 

この世には愛されキャラだという『結果』だけが残る!いや残して見せるッ!!

またもや私に「試練」が与えられたわけだ…思えば、人生…鳥生?とは「試練」の連続。今まで上手くいったことなど本当にない!何故!?だが!乗り越えなければならない!

 

「追いつめられた時」こそ…冷静に物事に対処し『チャンス』をものにするのだ…!このキョロちゃん(仮)、いつだってそうやって来たのだ……

今まで乗り越えられなかったトラブルなど…

 

一度だってないのだッ!!!

 

………あと細やかな「気配り」と大胆な「行動力」で対処すれば…結構幸せな人生を送れるような気がする…

空気を吸って吐くことのように!HBの鉛筆をベキッ!とへし折る事と同じようにッ!!出来て当然と思う事ッ!やってやる…!オレは「アポロ11号」なんだァーッ!!!!!!

 

 

気合いの雄叫びも済んだので切り替えていこう。

私の安全は一先ず確保されているのだ。考える時間は、まだあるはず。

 

この地でも変わらず人間は天災だ。その矛先が向けば私などひとたまりもないのは言わずもがな。逃げた所で、情報社会から逃れられないのだ。やはり人類は半数滅んでくれ。

 

…だがそれは、やつらと敵対した場合、または害があると判断された場合のみ。その判定は中々シビアだが、それでも良い方向の知名度が拡がれば手出しはしてこない…はず!前もそうだった!情報が拡がるのが早いのを逆手に取り!平穏を手にして見せる!

 

出来るはずだ。なれるはずだ。

キョロちゃんじゃなかったけれどッ!!

 

だからそう…今日から私は………新生キョロちゃんだッ!!!

あのマスコットの座を!奪って見せるッ!!!

 

いい気になってふんぞり返ってるんじゃあないぞッ!!元祖キョロちゃん!おまえには、人気が入れ替わったことを後悔する時間をも…与えんッ!!

ワタシをよく見ろ人間ッ!ふさわしいのは誰か!?もう一度よく考えろ!

運命はこのワタシを「頂点」に選んでくれたのだッ!このワタシはいつだって危機を乗り越えて来た「帝王」なのだッ!

────というのをいい感じに伝えてくれアイルー!このやる気()を!

 

 

………え!?テレビに出れるんですか!?

 

 

…ッふ…フハハハハハハハハハハ!!!

すでにッ!『読める』…動きの『軌跡』が読める…『輝かしい未来への動きの軌跡が』…やはり生まれ故郷は良い…ついてる…いや違くてね?記憶の混濁(こんだく)が…まぁそれはいい。

完全に出世コースだ。

人類に協力するモンスターとか売れるに決まってる。アルビノのライオンが芸を仕込むことなく大道芸を始めるようなもんなんだ、このビジネスチャンスを逃す人間もいないだろう。

勝った!!

 

 

で?

 

 

目の前に防具を着込んで武器を持った子供らが大量に。引率の大人のハンターらしき存在も二人いるなぁ。

ん?もしかして公開処刑??この世界のテレビ番組ってグロOKになったの??

落ち付け、素数を数えよう。素数がわからんからハイクを詠もう。ハイクもわからんから現実に戻ろう。

あ、ちょ…ま…

 

ワ タ シ の そ ば に 近 寄 る な あ あ───────── ッ !!!

「いつものノリニャね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本狩人新聞

 

消えたイャンクック、謎の光が関係か

 

日本狩人協会は2月28日、厳重に保護していたクエ(イャンクック)が突如施設から消失したことを発表した。監視カメラの映像からは、”白い光”が辺りを包んだ直後に完全に消失している様子が見られる。目撃した職員も多数おり、脱走や拉致の可能性は否定されている。この事態の解決を求められた協会は「モンスターがこの世界に現れる原因であり今も止むことのない"白い光"が関係していることは間違いなく、原因の究明の足掛かりすら掴めていない現状、連れ戻すことは実質的に不可能」だとコメントを出した。クエはモンスターが出現を始めて間もなく現れた温厚な個体であり、人類に協力することを選んだ類稀なモンスターである。子供向け番組である「もんすたーといっしょ」での活躍は勿論、数多のメディア露出を行った存在として有名であり、広く「先生」、或いは「校長」という愛称で呼ばれ愛されていた。同時にクエの保護、社会進出に尽力したアイルーである■■■も行方不明となっており、関係性が疑われるも、現在調査中であるとのことだ。彼らはどこに消えたのか?日本狩人協会の第一人者であり、"彼方の世界"より来訪したクアリリ氏は取材に対し「あるべき場所に帰ったのならば、それは惜しまず送り出さなければならない。どこへ行こうとも、厳しい自然と戦わなければならない宿命なのだから」と厳しくも激励の言葉を残した。多くの惜しむ声がある中、協会からの新たな報告が待たれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あるアイルーの記録の写しより抜粋

 

誰に宛てられたものだろうか?

かつて"彼"が…いや"彼ら"が住んでいた"彼方の世界"、そこの親しい人間のために書かれたものなのだと推測できる。個人名は書かれていない。

まるでもう自分は戻れないことを暗示するかのような…そう、遺書のような、そんな表現が所々に見られる。

 

"彼ら"の事情もこれから調査が必要だが…それは少しづつ進めるとしよう。

なんせ"イャンクック"という個体は未だに世界で一体しか確認されていない。慎重に事を進めるにこしたことはないのだから…

 

 

 

 

"遠い地の古き相棒へ"

 

まず先にご主人様に言いたいのは、そのアイルーフェイクはキモイからやめた方がいいってことだニャ!

ペットロスの酷い版みたいなのを見せられていたボクの気持ちがわかるニャ!?引きずるのも程々にしてくれないと成仏するもんもできないニャ!それどころか、とんでもないことになってるんニャけどね!!

 

さて。

 

ここからは新大陸に渡った…四期団のいち調査員として記録する。

 

遠い地、異界と呼ぶべき何かの境界線を越えたどこかあり得ざる地にて、ある一体のイャンクックを確認。

その特徴的な鳴き声と頭部の赤みがかった体色と、左側頭部の傷跡、その後の三つ巴で受けたと思われる数々の傷跡に、奇面族から譲り受けたらしい、側頭部の傷跡を隠す白い花を模した飾りから個体名「耳なし」と断定。

…いや改めて書き連ねると属性過多が過ぎるニャ。

 

ともかく、異界の地でいつまで続くかもわからない長期観察調査を開始。

 

────だが、その前に前提の話からしなくてはならない。

ここは文明も、価値観も、生態系も、いやそれどころか世界そのものが違う場所である。

歴史が違うのは当然のこと、我々の世界で根幹を成しているモンスターの存在が皆無で()()()

暦すらも違うために詳しい記述は避けるが、ほんの数年前に突如としてこの世界にモンスターが溢れかえったのだ。それはボクがこうしてペンを持てている現象と関係があるのだろう、こちらの世界の(ことわり)それ自体が書き換わってしまったと思われる。

あまりに大きく文化の違う世界のために仔細は後述するが、間違いなく全人類どころか星に住まう全ての生物規模で混乱が起きたのは間違いなく、事実、人々の生活様式は大きく変化せざるを得なかったようだ。

 

…しかし、幸というべきか…モンスターにとって不幸というべきか…世界の理の変化はまさに()()()()だった。

人類は、戦う術を手に入れた。我々の世界よりもさらに突飛な状況である。

結論から言えば"人類のハンター化"とでも言うべきだろうか、世界の全ての人類がまるで出現したモンスターの脅威に引っ張られるように超人化したのだ。マジわけわからんのニャ。

 

我々の世界で言うところのハンターでない…例えば商人の丁稚である小さな子供ですら平然と狩りを行えてしまうようなものだ。子供が遊び感覚で命を刈り取るのだ。(一応はある程度法で整備され始めているようだが…)

この恐ろしさはハンターであればある程理解できるだろう。詳細は別紙にてまとめるのでそちらを参照して欲しい。

 

中略

 

────であるからして、ビデオ?と呼ばれる、写真機によって撮影した写真を幾百と連続させる?ことで絵を動かす技術の発展は驚嘆の限りであり、我々の調査にも大いに役立つのは間違いないだろう…技術面の詳細もまた、その辿った歴史と合わせて別紙にてまとめる。全てをものにすることは難しいだろうが、ある程度は大幅に技術のスキップが望めるため、大いに活用されたし。

映像と音声を離れた場所に送り、再現するテレビジョンという仕組みは────

 

中略

 

────映画とかアニメってめっちゃ面白いニャ

 

大略

 

────ゲームって────

 

超略

 

────こうして独特な鳴き声などの理由から「耳なし」は「クエ」と呼ばれるようになり、"モンスター"という存在を正しく人々に理解させるための役割を与えられた訳である。

ボクの尽力も勿論あるが、それを理解した上で立ち回る(さか)しさは我々の想定を超えていたと言えよう。

先の映像媒体による露出により何千万、いや遥かそれ以上の人々が彼女を認知し、学び、知ることが出来る仕組みは、いってしまえば人類に協力的なモンスターである"彼女"の"安住の地の確保"という行動原理を(おおむ)ね叶えたと言ってもいい。

モンスターにとって恐ろしく危険なこの世界でその地位を得た彼女は、間違いなく"生存"という一点においては勝者であった。

 

これはとても恐ろしいことだ。

 

モンスターが人に近づく、或いは人に近づいたモンスター。

我ら獣人族が人と共生を選んだのはモンスターや自然の脅威に立ち向かうためである。であれば脅威そのものであるモンスターが人の隣に立つ姿は、ある種の浪漫に溢れる姿ではあるが危機感を感じずにはいられない…でもよく考えたらこっちの世界の人類は"質と量の両方"という意味でバケモンだニャ。忘れるニャ。

 

そもそも「耳なし」は特異過ぎる個体であるので何も参考にならない。

最近は「先生」どころか「校長」と呼ばれ始める始末で…やたらこっちの世界の人間に対しての気遣いレベルが高過ぎるニャ…子供のパジャマを着せるのは勿論、大人のネクタイまで整え始めたのニャ、あの(クチバシ)で………そもそもの前提として、こちらの世界が出身である、或いは経由してから我々の世界に現れた可能性も否めない…いや無理かな…見敵必殺の世界だからニャー…怖すぎるのニャこっちの人類、何なのニャ??狂竜ウイルスに感染したモンスターの方がまだ堪え性があるニャ。イビルジョーも真っ青ニャ。

 

私的なボヤキはこのくらいに。

 

出来うる限り簡潔にまとめたのだが、分厚い辞書のような量になってしまったことは申し訳なく思う。これでも伝えたいことのほんの一部なのだから多めに見て欲しい。調査員が十万人は欲しいニャ。あとこちらの世界の機関による検問済みなのでご安心を。

 

この分厚い"辞書"を邪魔だと嫌がった「耳なし」に鞍嚢(あんのう)(馬の(くら)の左右に垂らす革製の袋)を括り付けて持たせたので、家畜化された草食種よろしく、中々面白い見た目になっていることだろう。

我々の世界に戻ったら、さぞ愉快な"景色"が生み出されることになると考えると、思わず笑みが溢れるニャ。

 

 

 

願わくば…

 

 

 

この記録が、愛しい貴方たちの手に渡らんことを。

 

 

 

 

 

最後のページには、車輪と肉球が合わさった可愛らしいスタンプが押されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────追記:あと、あいつが自分のことをマスコットと思い込んでいた頭のおかしい怪鳥だったってことがわかったニャ!気に入らないニャ!?

だってのにやたら人間に()びるのがウマイのはなんなのニャ…頭がおかしいと賢いを両立しないで欲しいニャ、なんか気に入らないニャー…

 

 

 

 

 







なんだこのコピペだらけのイャンクックは!?失望しました、ワイルズやります。そしてお久しぶりです。
勢いだけの作品だったので読み返すのは苦行でしたよ!微妙に評価良いのはなんなんだ!?みんな正気か!?ありがとう!
ちなみにまだ先生とは出会えてないので続きはないです。モンハンnow編完!!

…あと「大略」は中略のすごい省いたやつとか言う意味ではないので間違えて使わないようにお気をつけください。大体とかおおよそとか、そういう意味です。今回はノリで間違った使い方をしてますが、意図したものなのでスリンガーで石を投げないで下さい。死ぬで。

それとそれと、過去の話の誤字とか、もろもろ見つけたやつは直しておきました。あとわかり辛いところも少しだけ修正済み。
まだあるようでしたら遠慮なく教えていただければ幸いです。


■キョロちゃん(竜盤目・鳥脚亜目・鳥竜下目・耳鳥竜上科・クック科)
ディアポロ11号。メス。
何故か水没したら現代にトリップしてしまった哀れなイャンクック。
頭に刻まれた誰のかもわからない"記憶"の故郷と思わしき世界に来たからか、テンションが高い。
幸運なことにうまく馴染めて、絶対的な平穏を手に入れたぞ!帝王はこの(以下略〜となってる所でモンハンワイルズが発売したので呼び戻された。可哀そう。
結局キョロちゃんの座を奪うことはできなかった。が、当人が消えたのち、いなくなったことを惜しむようにさらにグッズが増えてお菓子のパッケージにもなった…勿論本人がそれを知る由もない。

校長と呼ばれている経緯はカットしました。
子供に好かれる→監視役兼「おにいさん」「おねえさん」枠のハンターにも気を遣える上に過保護だったので「先生」と呼ばれる→保護された施設の他のモンスターのまとめ役もやったので段々地位が上がった愛称になっていく→「校長」になった!
みたいな経緯があったのかもしれない。
ぶっちゃけた理由はワイルズのせい…後はわかるな?


■エンゼルアイランド
モンスターハンターワールドに登場する新大陸を指して彼女にノリで名付けられただけ。あまり意味はないので忘れていい。


▫️車輪と肉球のスタンプ
第4期調査団のエンブレムは「車輪」、それと肉球を合わせた"彼"オリジナルのデザイン。
見る人が見ればわかるもの。


■モンハンNOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!
元々はもう一体新しくモンスターを主役にして、スターウォーズよろしく「お前の父は私だ!」の流れをやろうとしたことからついたサブタイトル。そこではイャンクックはサブキャラ扱いで出そうと思ったが…冷静に考えてさらに意味不明だったので一度構想ごと没にした…が、ワイルズに先生が出ると知ったのでいつか形を変えて投稿しようと思っていたのです。
元案は没になったが状況はNOOOOO!!!!なのでそのままサブタイに採用。
ちなみに主役はコルトス(雑魚モンスター)の予定だったらしい。意☆味☆不☆明。


■"彼"
ぽっと出のアイルー。どこから湧いたのだろうか?
背中に消えない酷い傷跡があり、「気に入らないニャ!」が口癖。
何故か「耳なし」のことを熟知しており、人間との仲介人を果たす。
それは遠い地で「耳なし」を探し続けている誰かのためなのだろう。
その後に彼がいつ、どこに行ったかは、誰も知らない。


「ボクはきっと、どこにでもいるニャ」
「またいつか会おう!だニャ」




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