スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

10 / 49
名前:キルノートン
性別:男
年齢:不明
所属:闇商人
武器:鎖鎌
概要:死体から持ち物を剥ぎ取って闇市に流す悪党
キャラ提供はケツアゴさん

名前:ジェディ・フレイクス
性別:女

年齢:21歳

所属:帝国再建委員会

武器:鉤爪付きロープ
概要:委員会に雇われた一匹狼の冒険者であり、あらゆるダンジョンを単独で攻略してきた凄腕の女傑。
鉤爪付きロープをあらゆる場所に引っ掛けることによって縦横無尽に飛び回れる体術を会得しており、そのアクロバットな技術を活かして多くの罠を切り抜けてきた。自分の実力には絶対の自信を持っている。
黒髪のボブカット、男勝りでクールな美女であり、白い柔肌と抜群のプロポーションも備えている。
キャラ提供はオリーブドライブさん

名前:シモーナ・ハユハ
性別:女
年齢:17歳
所属:帝国再建委員会
武器:九九式短小銃初期型及び三十年式銃剣。携行弾数は80発。
概要:私物のライフルを携えて参加したイブ人少女で本職はただの狩人。
戦闘スタイルはスコープを付けずに狙撃を行うというもの。しかしながら同じ狙撃スタイルを採る某フィンランド軍狙撃手と比べると狙撃の腕は少し落ちる程度の腕前なので一応チートでは無い筈。
キャラ提供はG-20さん

名前:リンチェ
性別:女
年齢:24
所属:第四帝国
武器:MP28
概要:第四帝国に雇われた元フリーの冒険者。18から戦うそこそこのベテランで腕も立つが、如何せん臆病で小心者なのが玉に瑕。
口では強がりを言い周囲に不安を与えないなどのことはできるが、無理して言っているのがバレッバレな声の震えがあったりする。
キャラ提供はただのおじさんさん

名前:張三李四(ジャンサンリースー)
性別:男
年齢:55歳
所属:冒険者ギルド金等級(アグニカ・カイエル軍)
武器:中国拳法(通背拳)
概要:鬼哭街のようなサイバネ武術家が幅を利かせる世界からの漂流者。
元々黒幇同士の抗争に敗れ行き場を失った後に流れ着いており、本名を捨てて今の名を名乗っている。
サイバネ武術家としての腕っぷしによる暴力で現在の立場にのしあがっているが、環境ゆえボディの本格的なメンテナンスが出来ず、自己整備にて騙し騙し無理をしていたが、この度アグニカ・カイエル軍よりバンカー攻略とその対価(ボディのフルメンテナンス)を呈示されて、依頼を請け負う。
金等級に恥じない暴力の化身になっている。だが、先払いで爆弾を仕込まれていることに気付かない。
キャラ提供はリオンテイルさん

名前:ビッキー・イザヤン
性別:女
年齢:18歳
所属:帝国再建委員会
武器:ナックルダスター、四肢用金属製防具一式(籠手、脛当、甲掛)
概要:容姿は『レッスルエンジェルス サバイバー2』の「十六夜美響」だが、衣装は黒パンツ(?)の尻側をTバック型では なくさせつつ金属製の籠手と脛当と甲掛を追加したような物。身長176センチ。
リップと整髪剤でメイクしているので其れによって20代っぽく見えなくもないが、メイクを落とすと本来の年齢相当にも見える感じとなる。
ついでに、SとMの両方の気質を兼ね備えている。
キャラ提供は俊伯さん

名前:トバルカイン
性別:女
 
年齢:不詳
所属:第四帝国
武器:祝福受けとルーンを刻んだ魔剣ロングソード
。
概要:アーネンエルベと言う研究機関所属の神秘考古学者。
名前の通り先祖に旧約聖書の鍛冶の始祖がいる。容姿は魔道をモノ独特の妖艶な気配を漂わせた眼鏡スーツ姿の男装の麗人。今は冒険者として潜入している。
キャラ提供は黒鷹商業組合さん

名前:メトル・ガラセード
性別:男
年齢:35
所属:冒険者ギルド鉄等級(ヴィンデル軍)
武器:小型ガトリングガン、その他現地人と同等の各種装備品
概要:ヴィンデル軍から派遣された兵士の一人。
性格が不真面目だったため、現地活動の裁量権の大きい戦闘員という名目でこの世界に左遷された。
現地に紛れての活動が主目的だったため、外見上違和感を持たれる装備は持っていない。
簡易ながら身体改造がされており、小型のガトリングガンを普通の突撃銃のように取り廻すことができる。
キャラ提供は秋音色の空さん


なにか

「オラぁ! 誰の許可を得てこの世界に来てんだァ!? この余所者共!!」

 

 バンカーのある村へと向かっていた他所のグループの冒険者らは、もう少しの所で街道に検問を敷いた排外主義者たちの集団に足止めされていた。

 冒険者らを乗せるトラックの運転手は現地人であるが、排外主義者からすれば余所者に手を貸す裏切り者である。直ぐに罵声を浴びせて来た。これにトラックの荷台に乗る異世界よりやって来た冒険者らは苛立ちを覚える。

 

「さっきから何騒いでんだ? あいつら」

 

「どうやら、私たちのことが気に入らないようね」

 

「あぁ、災厄が…」

 

 荷台の冒険者の一人、キルノートンが苛立ちながら言えば、黒髪のボブカットの女性冒険者ジュディ・フレイクスが自分らが気に入らないから騒いでると返す。

 この状況にビッキー・イザヤンと言う女性冒険者は顔を赤らめている。これに他の者たちは若干引き気味であった。

 そんなビッキーの顔を見てか、排外主義者は通過条件に荷台の女性冒険者らに性行為を強要する。

 

「ここを通りたきゃな、荷台に乗っている淫乱共とやらせろ! そしたら…」

 

 性行為を強要する排外主義者に対し、これに怒りを覚えてか、シモーナ・ハユハと言う女性冒険者は手にしている九九式短小銃で眉間を撃ち抜いた。構えて安全装置を外してから一秒足らず。何とも素早い狙撃だ。しかもスコープも付いていない。おかけで隣に座っているビッキーが驚いていた。

 

「お、お前…!」

 

「その狙撃、俺じゃなきゃ見逃してたね」

 

 排外主義者らが狙撃されたことに動揺する中、小型ガトリングガンを使う冒険者であるメトル・ガラセードはシモーナの狙撃を褒める。

 一発の銃声が鳴ったところで、排外主義者らは冒険者たちが攻撃した物と判断し、手にしている銃を撃とうとする。

 

「や、やりやがったな!? 死ね…」

 

「喧しいサル共だ。皆殺しにするか」

 

 銃を撃とうとした排外主義者であったが、武術家の張三李四(ジャンサンリースー)に目にも止まらぬ速さで近付かれ、強烈な蹴りで首を跳ね飛ばされる。彼は中国拳法の使い手であり、サイボークである。その名もサイバネ武術家と言う。

 

「こんな奴ら、私一人で!」

 

 小柄な女性冒険者であるリンチェは、戦闘に素人な排外主義者たちなど自分一人で倒せると数名をMP28短機関銃の掃射で射殺した後に言うが、その声は震えていた。

 

「デカい事を言うが、声が震えてるじゃないかい」

 

 それを見抜いたジュディはロープを排外主義者に投げ付けて首に巻き付けた後、指摘しながら鉤爪で腹を裂いて殺害した。背後から来る棍棒による攻撃をバク転で躱し、喉を掻き切る。

 シモーナの方は喋ることなくスコープ無しの小銃で次々と頭を撃ち抜いており、既に十名を狙撃していた。ビッキーはナックルバスターを駆使して一人の排外主義者を殴り殺している。殴り殺していると言えば、張三の方が殺しているが。

 

「所詮は女だ! あんな剣が振り回せるわけがねぇ!!」

 

 トバイルカンと呼ばれる眼鏡スーツの女性冒険者が持つロングソードを見て、三名の排外主義者らはあんな物を振り回せる訳が無いと高を括って襲い掛かるが、それは大きな間違いであり、彼女が軽々しく振るった斬撃で三人纏めて惨殺された。

 

「しょんな!?」

 

「万死に値するぞ、劣等人種(ウンターメッシュ)共」

 

 三名を一振りで惨殺したトバイルカンに、残りの排外主義者たちは彼女らに敵わないと悟り、怯え始める。だが、彼らは排外主義者らを誰一人生かしては帰さない。

 

「オラオラ! これが文明人だぞ! サル共!!」

 

 メトルは手にしている小型ガトリングガンをライフルのように扱い、浮足立って逃げようとする排外主義者らを次々と射殺と言うか、引き裂いていく。あっと言う間に街道は血で真っ赤に染まった。

 

「う、うわぁ~! 助けて!!」

 

 まだ残っている排外主義者らは一目散に逃げ始めたが、全く戦闘に参加していなかったキルノートンの鎖鎌による攻撃を受けて数名が殺害され、後の残りのは他の冒険者らに皆殺しにされた。

 ここまで掛かった時間はわずか五分足らず。四十人は居た排外主義者らは瀕死の一人を残して全てが死体、もしくは原形を留めない死体となっている。

 

「あの排外主義者だっけ…? あいつ等に取って私たちは災厄だったようね」

 

 排外主義者らを壊滅させたところで、ビッキーは彼らに取って自分たちが災厄だと得意げに言う。事実、排外主義者らに取って冒険者たちは災厄であった。何せ異常なまでに一人一人が強いのだ。たかが武器を持って粋がる素人集団の排外主義者たちなど、プロの集団である冒険者たちの敵ではない。

 そんな自分らを五分足らずで壊滅せしめた冒険者らに対し、瀕死の排外主義者は最期の罵声を浴びせる。

 

「こ、このふざけた野郎共が…! テメェら、まさかアニメとか漫画とか言う堕落しきった世界より来た者じゃねぇだろうなぁ…? あんな物を見てる奴らはクズだ、ゴミだ…!」

 

「何言ってんの? こいつ」

 

「死に掛けて幻覚でも見てんだろ」

 

 死に掛けの排外主義者が急に変なことを言って罵声し始めたので、リンチェが何を言っているのかと問えば、メトルは幻覚を見て喋っていると返す。白い目で見る冒険者たちを他所に、排外主義者は尚も自分の思想を永遠と語る。

 

「去勢だ…! いい年齢(とし)こいてアニメや漫画、ゲームなんぞに夢中になる奴は去勢すべきだ…! 特に美少女だとかそういうのが出るアニメや漫画、ゲーム、グッズを見ている奴はな…! それを見て興奮する奴は異常って証拠だ…! そいつ等は人間じゃねぇ…! 社会から排除しなくちゃ…」

 

「うるせぇぞ、速く死ねカス。さっきから何言ってんだ?」

 

 そんな永遠と語る死に掛けの排外主義者に苛立ってか、キルノートンは頭を蹴飛ばして完全にとどめを刺した。それから罵倒し、売れる物が無いかポケットを漁った。だが、この排外主義者は大したものは持っていない。

 

「碌な物も持ってねぇな。ゴミめ」

 

 完全に息絶えた排外主義者に対し、キルノートンは八つ当たりの蹴りをお見舞いする。今度の蹴りはとどめの一撃より強力であり、完全に頭が潰されていた。

 

「ゴミ掃除は終わったな? 行くぞ」

 

 それから冒険者らはトラックに乗り込み、村を目指した。

 

 

 

「ここが…件の村か?」

 

 冒険者たちが排外主義者らと交戦を終える頃、武蔵たちは先に村へと到着していた。

 村は既に壊滅しており、大量の村人の死体が積まれている。やったのは先にバンカーへと向かった武装勢力であるが、件の虐殺を行った者たちは誰一人残っていない。様子を見に行って、武装勢力を全滅させた“なにか”に殺されたようだ。

 

「うわぁ…! 何これ…!?」

 

「あんまり見るな。しかし胸糞の悪いことをするなぁ、先客の奴らは。女子供どころか、赤ん坊まで殺してやがる。どうやら、突撃銃や機関銃で皆殺しにしたようだな」

 

 リアが積まれた大量の死体を見た衝撃で思わず口を覆う中、武蔵は見ないように注意して、地面に転がっている大量の空薬莢で、銃などで皆殺しにしたと判断する。

 

「あ、あれじゃないのか? バンカーに向かう道って…!」

 

 異常すぎる虐殺現場について来た他の冒険者らも思わずショックを受ける中、一人が湖へと続く門を見付けた。当然、先客らがそこを通ったので開いていたが、不気味な雰囲気が伝わって来る。

 

「この不気味さ、あれだな。先客の奴ら、向こうに行ったきり、帰って来ないようだ。どうする? 今なら引き返せるぞ?」

 

 その不気味さで直ぐに武蔵はあの門の先が、バンカーへと続く道であると分かった。幾らゲッター線の加護があるとはいえ、その武蔵でさえ緊張させるほどの不気味さ。これに武蔵はリアを含める他の冒険者らに帰るように告げる。

 

「お、俺たちはもう限界だ…! あんたの言う通り、引き返すよ」

 

「あぁ、それが賢明な判断だ。お前らにはまだ早過ぎる」

 

 ドラウナーとは比べ物にならない物が待ち受けているのだ。ここまで勇気をもってついて来た冒険者らは、このただならぬ不気味さに折れ、リアを除く四人が帰ってしまった。

 

「それで、なんでお前は残ってる? 比べ物にならない危険が待ち受けているんだぞ?」

 

「言ったでしょ? 最後まで行くって」

 

「そう言えば、頑固者だったな。勝手にしろ。それに、他の連中もご到着のようだ」

 

 額に汗を浸らせるリアに帰るように論す武蔵だが、彼女の頑固さに呆れる。それに他の冒険者たちも今し方この村に到着した。

 

「なんだ、村人が皆殺しにされてるぞ? やったのはお前らか?」

 

 着いたのは排外主義者らを皆殺しにした冒険者たちと、マリが合流するはずであったセゴーとメンへが属するグループであった。

 

「おい、村人共を皆殺しにしたのは…お前らか?」

 

「そんな訳ないだろ。ミニガンがありゃあ別だが、そんな大層な物は持っちゃいないぜ。それにこの姉ちゃんは別だ」

 

 セゴー等のグループのリーダーが村人たちを皆殺しにしたのはお前かのと問いに対し、武蔵は怒りを覚えて怒鳴り返そうとしたが、冷静になって自分じゃないとハッキリと告げた。ついでにリアは別だと付け加えて。

 これにリーダーは納得し、何処のグループかと武蔵に問い詰める。どうやら、街より来た者たちはバンカーへ向かのが自分たちだけだと思っているようだ。

 

「そうか。見ない顔だな、何処のグループだ? 俺たちだけだと思っていたが」

 

「俺だけさ。みんなあの門から溢れ出る尋常じゃねぇ雰囲気にやられて帰っちまった。この隣の女は勝手について来た物好きだ。そこの血塗れの連中は?」

 

 この問いに武蔵はみんな帰って自分だけだと答え、またもリアを勝手について来た奴だと言った。次に武蔵はジュディ等のグループは何者かと問う。これにリーダーは血塗れの彼らを見て、知らないと返した。

 

「知らんな。あのバンカーの噂を聞き付けた他のグループだ。やけに殺気立ってるが」

 

 リーダーは殺気だっていることに気付き、臨戦態勢を取っていたが、ジュディ等は排外主義者等を殺してきたばかりで疲れているのか、敵意はない事を張三が代表して告げる。

 

「こちらに敵意は無い。この返り血は道を塞いでいた馬鹿共を皆殺しにした時に着いた血だ。探索は、多いことに越したことは無い。そうだろ?」

 

「確かに一理あるな」

 

「物騒だがな。では、バンカーへ行くとしようか」

 

 張三の言葉にリーダーが納得すれば、武蔵も物騒であるが納得し、代表して門の先にあるバンカーへと向かった。その後を合流した冒険者らも続く。

 

「つ、着きました…」

 

「え、着いた? ありがと」

 

 一方、武蔵等がバンカーへと向かった頃、マリとキナも村へ到着した。彼女らを乗せるリムジンを運転していたボスは既に限界であり、血反吐を吐きながら着いた事を報告すれば、マリは平気で礼を言いながら車を降りた。

 

「ど、どうも…いたしまして…」

 

 これにボスは狂った表情を浮かべながら返礼して息絶える。ここに至るまでリムジンはボロボロであり、幾ら防弾仕様とは言えど、貫通力が高い徹甲弾は防げなかったようだ。対してマリとキナは全くの無傷である。それはマリがキナと自分の周りにだけ魔法防壁を張っていた。

 こうして、他人に理不尽を敷いていたマフィアのボスは、自分を遥かに上回る理不尽に晒されて息絶えた。自業自得とはいえ、マリのボスに対する仕打ちは非道に等しい。当の彼女は全くボスに対する罪悪感など無かったが。

 マリはボスが死んだことも気にも留めず、村へとキナの手を引っ張りながら向かう。彼女にとってマフィアのボスなど、利用するか殺す以外に価値が無いのだ。

 

「あ! あいつ等! ちょっとここで待っててね」

 

 村へと入れば、丁度その時に門の向こう側へと向かう自分を置いて行ったグループを見付けた。ようやく辿り着いたのに、無慈悲にも置いて行く彼らに怒りを隠せないマリは、キナに待つように言ってから追い掛ける。

 

「あっ、あいつは…? いっ!?」

 

 これに気付いたセゴーは直ぐに振り向き、追って来るのが自分を殺そうとしたマリであることに気付き、思わず武器を手に取りそうになったが、武器を振るよりも先に顔面を殴られた。

 

「良くも置いて行ってくれたわね…!」

 

「あの女、追ってきたのかよ。しつこい女は嫌われるよぉ」

 

 セゴーを殴り飛ばした後、武蔵やジュディと合流したグループらにマリは怒りをぶつける中、メンへは全く悪気も無くしつこいと返した。

 

「この女、知り合いか?」

 

「そんな訳ねぇだろ! なんで俺を殴るんだ!?」

 

「一体何が起こってんの!?」

 

「ち、これ以上は殺し合うな。探索に差し支える」

 

 キルノートンはマリを知っているのかと問えば、セゴーはなぜ自分を殴るのかと問い詰める。リアは何が何だか分からなくなる。

 この問いにマリは答えることなく拳銃を抜き、一人を殺害しようとしたが、リーダーは一人でも人数が多いと言って殺し合いを止めさせた。その判断を武蔵は褒める。

 

「まぁ、一人でも多い方が良いな。そこのお嬢ちゃんは帰んな!」

 

「えっ? 私も冒険者…」

 

 勝手について来たキナに気付いた武蔵は、彼女に帰るように告げる。好奇心旺盛で勝手について来たリアとは違い、彼女はまだ十四歳だ。そんな彼女を危険すぎるバンカー周辺に来させるのは不味い。

 

「餓鬼が来て良い場所じゃない! いい加減に…」

 

 無理にでも帰らそうとする武蔵に対し、リアはキナを守ると告げた。

 

「まぁ、おじさん。あの子は私が守るから。それで良いでしょ?」

 

「ぬ? そうかい、それなら助かるな。良かったな、お嬢ちゃん!」

 

 これに武蔵はリアがキナを守るため、勝手に前に出ることは無いと思ってそれを許した。上手く収まったところで、一同はあのバンカーへと向かう。

 

「さぁ、行こうか。人数は多い方が良い」

 

 リーダーの指示で一同は門を通り抜け、バンカーがある湖へと入った。

 先の死臭に溢れた村とは違い、ここはそれを遥かに上回るほどの死で満ち溢れていた。気味の悪さも尋常ではない。少しでも気を抜けば、恐怖心に囚われ、いずれはパニックに陥るだろう。

 

「ここも死体だらけだ…! どうやら先客の奴らは、みんな死んじまったようだ」

 

 先を行く武蔵は道端に転がるゲリラの死体、それも武装勢力の死体を見付け、彼らが先客であることを見抜いた。

 

「おまけに抵抗した痕跡がある。空薬莢もまだ暖かい」

 

 大量に転がっている空薬莢を一つ拾い上げ、熱を持っている事から撃ってからまだ時間はそんなに経っていないと分析する。キルノートンはその死体を漁り、金目の物を取っていた。武蔵はこれに気付いており、古めかしい軍服の死体に手を付けようとしたキルノートンに触るなと怒鳴る。

 

「触るんじゃねぇ! そこの大戦中の仏さんの死体はな! おかしい、この世界じゃ戦争が終わってから五十年は経っている…! なのに、死んでからそんなに経っちゃいねぇ…! 不用意に触れるなよ!!」

 

 武蔵に怒鳴られたことで、キルノートンは舌打ちして死体より離れる。その武蔵は五十年ほど前の死体がどれも腐敗していないことに驚き、何かあるかと思って全員に触れないように告げる。物珍しさに五十年も前だと言うのに、腐敗が進んでいない死体に触れようとした者たちは武蔵の警告に従い、伸ばしていた手を引っ込める。

 

「(ここじゃ五十年? 二百年じゃないの?)」

 

 一方でマリはかつての自分の帝国の軍隊、神聖百合帝国軍の将兵の死体に触れ、この世界では次元戦争が五十年前のことだと言うことに驚く。自分の記憶では二百年以上前の戦争なのだ。だが、世界によって時間の流れが違うこともあるので、マリは今いる世界の時間がかなりズレていると思って無理にでも納得する。

 

「ん…? 全員、警戒…」

 

 そんな時に、武装集団を全滅させた“なにか”が侵入者である武蔵等を発見し、彼らの目にも止まらぬ速さで襲い掛かった。

 なにかの微かな殺気でその存在に気付いた武蔵は警戒を呼び掛けたが、既に鋭利な刃で首を切断された後であった。切断された武蔵の首が宙を舞う中、一同は自分らの前で姿を晒したなにかに注目し、戦闘態勢を取る。

 

「こいつは…! 生体兵器か!?」

 

 サイボーグである張三はなにかの正体を見破る。

 その姿は半裸のやせ細ったスキンヘッドの男であり、バイザーらしき物を目元に埋め込んでいる。右手には武蔵の首を切断した鋭利な短剣が握られていた。




排外主義者が変なこと言ってごめんね。
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