スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

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前回のあらすじ

ドワォ!

えぇ、最初に謝っておきます。秋音色の空さん、ごめんなさい。


ゲッターVSメンへ・ラン

 装置を起動させ、吸収して膨張したメンへが巨大な怪物に変貌し、武蔵が奥の手であるゲッター3を召還した頃、それぞれの冒険者たちをバンカーのダンジョンへ送り込んだ各勢力は回収部隊を現地へ送り込んでいた。

 武蔵等がダンジョンへ入ってそんなに時間は経っていないが、外の時間では三ヵ月も過ぎていた。一向に報告も無ければ成果を回収した装置を持って来ない冒険者らに業を煮やした勢力は、回収部隊を差し向けたのだ。

 

「な、なんだこいつ等は!?」

 

「う、撃て! 奴らに取らせるな!」

 

 だが、各勢力が同時に回収部隊を差し向けた為、鉢合わせしてしまう。お互いの素性も知れず、そればかりか互いに敵対していたので、互いに砲火を交えた。

 無論、互いが同盟を結んでいるわけでは無いので、たちまちバンカーのある一帯は乱戦場と化した。

 

「出遅れたのが良かったらしいな。たかがトレーラー一両と一個大隊を借りるのに、駄々を捏ねた師団長に感謝せねば」

 

 ここに戦っていない勢力がある。それは出遅れたマリを手駒としているワルキューレであった。無数にある部隊の中で回収を担当するのは、ロー・スミスが率いるミッシングリンク隊でと陸軍の輸送部隊と機械化歩兵大隊ある。

 護衛の為に陸軍の機械化歩兵師団より一個大隊を引き抜いたが、手続き上のトラブルに見舞われ、出遅れて他の勢力に先を越されてしまう。そのおかげか、ミッシングリンク隊は乱戦に巻き込まれずに済んだ。

 

「どうします大佐? あれでは忘れ物の回収が出来ません。突撃しますか?」

 

「馬鹿者、他の連中は機動兵器を持ち込んでいるんだぞ。うちの機動兵器は半ダースのジンクスⅣだけだ。後は俺を含めた航空魔導士二個中隊に陸軍の機械化歩兵一個大隊。輸送のためのトレーラー一両。おまけに護衛の機械化歩兵大隊は対機動兵器の訓練を受けていない。あの乱戦場にこの程度の戦力で突撃など、自殺行為だ」

 

 同じく双眼鏡で帝国再建委員会、ヴィンデルの手先や現地勢力、共産主義者、第四帝国ことナチス、アグニカ・カイエル軍の乱戦状況を見て、副官は乱戦している戦場に装置を回収する為、突撃するのかと問えば、現状の戦力での突撃に、スミスは自殺行為と言って却下する。

 乱戦状態の各勢力は大隊規模であり、手っ取り早く忘れ物の装置を回収しようと思ってか、五つの勢力が投入した大隊の装備は全て人型巨大兵器であった。

 自分の部隊が連隊規模、それも機甲連隊なら突撃を行っている所だが、借りる予定だった戦術機大隊の引き抜きは師団に断られ、機動兵器と戦ったことも無い機械化歩兵大隊しか借りれなかった。機動兵器はあるにはあるが、幾らジンクスⅣが高性能機とは言え、空も飛べる太陽炉型MSで突撃などすれば、六機しか無いので返り討ちにされるのがオチだ。

 

「それにあのデカ物が見えないのか? 共産主義者(アカ)め、あんな物を武器商人共から買ったと言うのか。次元武器商人と言う連中は恐ろしい奴らだ」

 

 それにスミスは、共産主義者が投入したどの勢力よりも巨大な兵器を見るように告げる。

 共産主義者が旧百合帝国軍の装置回収に投入したのは、超巨大ロボット、否、超重量級のスーパーロボット「パゾロフ8000D」であった。スミスの言葉通り、あんな物を何処を売りつける次元武器商人の恐ろしさが垣間見える。それにワルキューレのデータに無い機動兵器である。

 超巨大なパゾロフ8000Dは、巨体と馬力、強力な電撃で他勢力の機動兵器を寄せ付けず、圧倒していた。

 

「な、なんて馬鹿でかいロボットなんだ!? ライフルどころかミサイルもビームも効きもしないぞ!」

 

「無理だ! あんな物を相手するなんて!」

 

 圧倒的な大きさと頑丈差、強力な電撃による攻撃で共産主義以外の勢力は湖一帯から後退し始める。

 

「見たか、軍国主義者に無法者共め! このデカ物を資本主義者より大枚叩いて買った甲斐があったな! 全く、異世界の科学は大したもんだ! これなら世界革命も夢では無いわ!!」

 

 パゾロフの操縦室内で、次元武器商人より購入したこの機体の性能に、操縦している共産主義者等は異世界の科学力に舌を巻き、自分らが掲げる世界革命も夢では無いと断言する。

 この頃、既にメンへが共産主義者を裏切って自分の仲間たちを虐殺しており、湖に発生していた霧が晴れていた。

 メルトやセゴーも逃げ出しており、武蔵が呼び出したゲッター3で怪物となったメンへが投げ飛ばされ、もうじき吹き飛ばされるバンカーより飛び出してくる。それを目撃した先行している隊より、パゾロフに乗る共産主義者の首領らに知らされた。

 

「同志、先遣隊より報告! 目標のバンカーより人が出てきます!!」

 

「例の物を奪取したのか! 直ちに回収しろ!」

 

 バンカーから出て来るメルトらを味方と勘違いし、回収するように命じたが、次の通信手の報告で違うと分かる。

 

「あっ、いえ、バンカーに向かった同志たちではありません! 無法者共です!」

 

「なんだと!? 失敗したと言うのか! ならば消し去ってしまえ!」

 

「はっ! バンカーより脱出する集団に照準を定めます!」

 

 出て来るのが自分らの仲間では無いと分かれば、バンカーに送り込んだ隊は全滅したと判断し、首領はメルトらの抹殺を命じた。指示に従い、砲手は電撃の照準をメルトらに定め、放とうとするが、ここに来てメンへが武蔵のゲッター3によって放り出される。

 バンカーが下から空高く吹き飛び、巨大な畏敬の怪物と化したメンへが外へ放り出されたところで、パゾロフの砲手は思わず電撃を中断してしまう。

 

「な、なんだあの怪物は!?」

 

「分かりません! 急にバンカーの下から現れて!」

 

「う、うぅ!?」

 

 ダンジョンから外へ放り出されたメンへの姿を見たパゾロフの操縦者らは思わず驚きの声を上げる。あの姿を見て、驚かないのは無理もない。他の勢力の者たちも異形のメンへの姿を見て驚愕する。

 

「あ、あれは…なんだ!?」

 

 双眼鏡で高みの見物を行っていたスミスらも驚愕し、その不気味な姿に思わずたじろいでしまう。

 

「なんだぁ、こいつ等ぁ? まぁ良いや、全部吹き飛ばせば!」

 

 地上へ放り出されたメンへは、周囲に装置を狙う複数の勢力が送り込んだ回収部隊が展開していることを知れば、鬱陶しいと感じて吹き飛ばそうと、口から強力な破壊力を誇るビームを吐く。

 狙ったのは帝国再建委員会やヴィンデルの手先たち、現地の極右勢力、ナチス、アグニカ軍であり、メンへが口から吐いたビームで消し炭にされる。その威力を見たスミスらと共産主義者等は驚愕し、戦慄した。

 

「あ、あいつ…メンへだよな?」

 

「あぁ! 現地の冒険者ギルドに潜り込んだ同志メンへだ…! まさか、例の物を奪ったのか!?」

 

「う、裏切ったのか!? あいつ! ならば、このパゾロフで粛清してやる!」 

 

 メンへを知る共産主義者等は驚愕するが、装置を奪ったことで裏切ったと判断し、パゾロフの電撃による攻撃を開始する。

 

「バンカー周辺に展開する各勢力の部隊、共産主義勢力以外が全滅です…!」

 

「なんて威力だ…! あれが、百合帝国の忘れ物だと言うのか…!?」

 

 怪物と化したメンへが吐いたビームで、共産主義以外の勢力の派遣部隊が消し去られたことに、スミスは百合帝国の科学力の高さを痛感する。それにマリを送り込んだのはスミスであり、あれだけの能力を有しているにも関わらず、失敗したマリを責めた。

 

「あれが出て来たとすれば、あの女、どうやら失敗したようだな。全く、自分の帝国の尻拭いも出来んのか!」

 

 まだ危険な現場にいるマリに罵声を浴びせた後、スミスはあろうことか、空軍に反応弾による爆撃を要請する。マリが不死身なので妥当とも言えるが、後で殺される羽目になるだろう。

 

「あんな怪物に暴れられては、こちらは大損だ。直ちに空軍に反応弾による爆撃を要請しろ!」

 

「しかし、まだマリ(ハイブリット)が居ますが」

 

「奴は不死身だ、反応弾程度では死にはせん。元の形に再生するには、数週間ほど掛かるだろうがな」

 

 マリがまだ居ると言う副官にスミスは不死身だから問題ないと返し、巻き込まれないように退避を命じる。

 

「さて、巻き込まれん内に退避だ。あの女が、あれを倒せるとは思えん」

 

 退避を命じれば、随伴の隊も含めて直ぐに従い、即座に元の場所へ戻っていく。スミスはマリが幾ら強くても、怪物と化したメンへに勝てないと判断し、暫し見送った後、退避する部隊の後に続いた。

 

 

 

「どうやら、もう始まっているようだな」

 

 放り出したメンへの後を追い、外へ出たゲッター3を駆る武蔵等は、外へ放り出した怪物が、ダンジョンへ冒険者等を送り込んだ各勢力の回収部隊と交戦しているのを目撃する。

 既に共産主義とワルキューレの部隊以外は全滅であり、メンへは古巣と言うか裏切った共産主義のロボット部隊と交戦している。共産主義にはパゾロフ8000Dがあり、巨体と馬力のおかげで何とかメンへと互角に渡り合っていた。だが、他のロボットはメンへの触手で玩具の如く叩き潰されている。

 

『うわぁぁぁ!!』

 

「ち、あんだけデカい図体をして! 木偶の坊か!」

 

 全員がゲッター3から離れる頃には、パゾロフはメンへに吹き飛ばされて地面に転倒していた。これに武蔵はパゾロフを木偶の坊と罵り、生き残った張三らに、ゲッターロボに乗せて戦わせるしかないと判断する。

 

「俺だけじゃ、どうにもならんな。ゲッター軍団を呼びたいところだが、今呼んだところで間に合わん! お前たちにも、あの怪物と戦ってもらうぞ。既にお前らの為に、ゲッターロボを用意している!」

 

「急過ぎるんじゃないの?」

 

 ゲッターロボに乗って戦えと言う武蔵にリアは急過ぎると言うが、問答無用で付近の広い場所に四体のゲッターロボが召喚される。ゲッター1やゲッター2、ゲッターライガー、ゲッターポセイドンだ。何故かマリの分は無い。

 

「あの、あの人の分は?」

 

『あの女は人間ではない、目前の奴と同じ化け物だ。それにゲッター線が守るのは人類だけだ。それ以外の種は、残念ながら滅んでもらおう』

 

「お前が守るのは人間だけか。まぁ良い、奴に一泡吹かせるなら!」

 

 ビッキーがマリの分は無いのかと言う問いに、武蔵は彼女が人間じゃないからと返し、ゲッター線の意思を伝えた。これに張三は武蔵が守るのは人類だけだと分かって嫌悪したが、あのメンへに一泡吹かせるために、敢えてゲッター線の僕の言うことを聞き、ゲッターライガーに乗り込んだ。

 張三がゲッターライガーに乗れば、リアはゲッター1に乗り、リンチェはゲッター2に搭乗、ビッキーはゲッターポセイドンに乗り込む。どのゲッターも、ワルキューレならギリギリ倒せる程の性能しか有していない。ゲッタードラゴンも出す予定であったが、乗れる人間が居ないし、人間ではないマリを乗せれば暴走したり動かない可能性があるので、武蔵は断念したのだ。

 

「ゲッターロボは本能で動かす物だ! 貴様たちはただ本能でゲッターを動かせば良い! 武器は音声入力となっている! お前たちはただ本能でゲッターロボを操り、奴と戦うのだ!!」

 

『本能で戦えって…まぁ、そう言うのは得意だけど…』

 

 ゲッターロボは本能で動かす物と武蔵は告げ、操縦方法も教えず、ただ本能で戦えと各ゲッターロボに乗る者たちに告げた。これに何名かは不満を漏らしたが、ビッキー以外は本能で戦うことに慣れており、直ぐにゲッターロボの感覚を掴んだ。

 

「なんだぁ、急に四体も増えたぞぉ? みんな纏めてスクラップにしてやるぅ!」

 

 ゲッターロボの出現に、メンへは五体のゲッターロボをスクラップにしようと口からビームを吐いた。強力なビームに対し、武蔵等が駆る五体のゲッターロボは散会して躱す。最初に仕掛けるのは、武蔵のゲッター3だ。

 

「手本を見せてやる! ゲッターミサイル!」

 

 手本を見せると言った武蔵はゲッター3の両肩部からせり出している二発の大型ミサイルを発射した。二発のミサイルが発射された後、ゲッター線の力で新しいミサイルがまだせり出してくる。発射されたミサイルは命中するが、メンへに対しては効果は無い。だが、怯ませることに成功する。

 

「クソぉ~、この俺にミサイルを当てやがってぇ!」

 

「基本は分かったよ! ドリルミサイル!」

 

「グェェェ!? 痛いっ! 痛いィィィ!!」

 

 ミサイルが当たったことにメンへが怒る中、武蔵の手本にコツを掴んだリンチェは、乗機のゲッター2の左腕のドリルを発射した。発射されたドリルミサイルはゲッターミサイルと同じく命中し、ドリルであるためにメンへの頬を抉った。続けざまにゲッター1に乗るリアがゲッタービームの存在に気付き、即座にメンへへ向けて発射する。

 

「この機体の射撃兵装は…これか! ゲッタービーム!!」

 

「ブェェェ!?」

 

 ドリルミサイルに続けて撃ち込まれたゲッタービームにメンへは更に苦しむ。まだ攻撃は続く。今度はビッキーが駆るゲッターポセイドンの背部に装備されたストロングミサイルを撃ち込まれる。

 

「災厄級の物よ。ストロングミサイル!」

 

 音声入力でやると教わってか、ビッキーはストロングミサイルの名を叫んでミサイルを発射した。撃ち込まれたストロングミサイルはメンへに命中し、更なるダメージを与える。

 

「グェァァァ…! 調子に、乗りやがって!!」

 

 ゲッターのミサイル攻撃で顔面の一ヵ所が破壊されたメンへは怒り、触手による連続攻撃を行う。

 

『来るぞ! 対処しろ!』

 

「くっ、ゲッターソード!」

 

 武蔵の掛け声と共に、各ゲッターロボは触手攻撃を防ぐ。ゲッター1を駆るリアはゲッター1の両肩より二振りのゲッターソードを出し、それで飛んでくる触手を斬り続ける。

 

「そう言ったって!」

 

 対処する術が回避しかないゲッター2に乗るリンチェはただ避けていた。ゲッター3の武蔵は伸縮性の二つの腕で触手に対処している。

 

「ちょっとコツを掴んだかも」

 

 ゲッターポセイドンに乗るビッキーは、得意のパンチで触手に対処していた。

 触手攻撃にゲッターロボ等は防ぐことしか出来なかったが、張三が駆るゲッターライガーだけは違った。機体の特性を直ぐに掴み、ライガーの機動性で全て躱し、左腕のミサイルを撃ち込んでから接近する。

 

「機体の特性は掴んだ。俺向きのゲッターだ」

 

 ライガーは自分向きの機体だと言いつつ、張三は左腕の傘状のパーツをチェーン付きで発射し、メンへの巨体に突き刺した後、巻き戻してから至近距離まで接近した。それから右腕をドリルアームに変形させ、一気にメンへの巨体に高速回転するドリルを突き刺す。

 

「ウェェェアァァァッ!?」

 

「おぉっ! これなら倒せるぞぉ!」

 

 高速回転するドリルを深く突き刺されたメンへは余りの激痛に絶叫する。これを見た武蔵は倒せるかもしれないと言ったが、現実はそう甘くは無かった。メンへは衝撃波を出し、張三のゲッターライガーを吹き飛ばしたのだ。

 

「なんてしぶとい奴!」

 

『あれでも倒せないのか!?』

 

「このガラクタ共がぁ! 俺を愛さない癖しやがって! 大人しく俺に殺されろよぉ!!」

 

 武蔵があれでも死なないのかと叫ぶ中、メンへは更に攻撃を強める。そんなメンへに対し、機能を停止したと思われていたパゾロフが起き上がった。乗っているのは、逃げたはずのメトルであった。

 

「アカ共め、こいつを上手く扱えねぇとな! こいつから血が出るとなりゃあ、殺せるはずだ!」

 

 乗っていた共産主義者等を殺害し、パゾロフを奪ったメトルはこれに乗った経験があるのか、手足のように機体を動かしてメンへに掴み掛った。

 

「クソ共産主義者共ぉ、まだ生きていたのかぁ!? クゥゥ、ぬぅぅぅん!!」

 

 巨大な両手がメンへを掴み、馬力でメンへを抱き潰そうとする中、メンへが身体から巨大な針を出してパゾロフの巨体に穴を開ける。頑丈な装甲を誇るパゾロフに穴が開き、挙句に貫通されたことにメトルは驚愕する。

 

「ば、バカな!? こいつは大陸間弾道ミサイルに耐える装甲なんだぞ! こんな気持ち悪い化け物が出した針なんぞが貫通できるはずがねぇ!!」

 

 パゾロフの装甲が怪物のメンへが出した針に貫通されたことに、メトルは動揺を覚える。そんなメンへにメトルは至近距離からの電撃攻撃を行う。

 

「クソったれが! これでも食らいやがれぇ!!」

 

「グェアァァァ!?」

 

「効いてるぞ! そのまま一気に感電死しちまぇ!!」

 

 この至近距離からの電撃にメンへは躱せず、強烈な電流を身体に浴びて苦しみ悶える。効いていることを確認したメトルは更に電流を強め、怪物メンへを感電死させようとする。怪物であるメンへにも生きる渇望がある。パゾロフに突き刺している針から更に多くの針を生み出し、巨大ロボの動力源に突き刺さり、内部で爆発を起こし始める。

 

「な、なんだァ!? パワーが上がらねぇ! それに爆発が!?」

 

 急に内部爆発し、電撃のパワーが低下したパゾロフの操縦室内でメトルは動揺を覚える。そんな針を突き刺したパゾロフに、メンへは針の長さを伸ばして敵機を内部から破壊しようとする。

 

「死ねぇぇぇ!!」

 

「い、一体どうなって!? ぐへぁ!?」

 

 もはやパゾロフが使い物にならないと判断したメトルは、燃え盛る操縦室より脱出を試みようとしたが、必死のメンへが生み出した無数の針が操縦室まで届いており、足元から突き出て来た針で全身を串刺しにされた。

 

「こ、こんな所でぇ…終わるなんて…よぉ…!」

 

 床から突き出た無数の針で全身を串刺しにされながらも、メトルは脱出用のハッチに手を伸ばしたが、その手は届くことなく、本人の不本意なこの世界で人生の幕を下ろすこととなった。全身を針で串刺しにされたメトルの遺体は操縦室内の燃え盛る炎に焼かれ、黒焦げの焼死体となる。

 やがてメンへが針を引き抜くころにはパゾロフは爆発し、巨体から剥がれ落ちた破片は地面に続々と落下していく。メトルの死は無駄に思えたが、ゲッター軍団の反撃の隙を作る時間を稼ぐことには成功した。

 

「行くぞぉ! ゲッターアタック!!」

 

 ゲッター3の武蔵の掛け声と共に、予期せぬメトルの攻撃で稼がれた時間でゲッター軍団は攻撃を仕掛ける。先に仕掛けたのはリアのゲッター1であった。両手に握るゲッターソードの柄同士の下部を装着し、ゲッターセイバーを作り出す。

 

「ゲッターセイバー! そんでゲッターウィング!」

 

 声を出してゲッターセイバーを作り出せば、ゲッター1の背部よりマント状の翼を音声入力で展開させ、メンへに突撃を仕掛ける。これにメンへは無数にある触手の先端を鋭利に尖らせ、串刺しにしようと放つが、本能でゲッターロボを駆るリアはそれを全て避け、ゲッターセイバーで巨大な怪物の全身を切り刻む。

 

『ハァァァ!!』

 

「クェェェッ!?」

 

「まだまだ! ゲッタードリルアタック!!」

 

 全身を切り刻まれたメンへの巨体から大量の血が噴き出す中、リアのゲッター1が即座に離脱してから、リンチェのゲッター2のドリルアタックが炸裂する。巨体にドリルを突き刺したリンチェは、更にゲッター2の必殺技であるドリルストームを叩き込んだ。内部で竜巻を発生させられたメンへの巨体の一部が砕ける。

 大量の血と肉片が巻き散らされるが、まだまだ攻撃は続く。次に仕掛けたのはビッキーのゲッターポセイドンによる竜巻攻撃だ。技名を叫んだ後、首周りの装甲が展開し、その中にあるフィンガ高速回転して暴風を生み出す。

 

「ゲッターサイクロン!」

 

 放たれた暴風はメンへを襲い、更なるダメージを与えた。全身から血が噴き出し、一部が欠けているが、メンへはまだ生きている。

 

「て、テメェらァ…! いい加減に…」

 

『ドリルアーム!!』

 

 まだ生きているメンへは直ちに反撃を試みるが、次は張三のゲッターライガーによる攻撃が来る。光の如く一気にメンへに接近し、ドリルアームで一気にその巨体を貫く。貫かれたメンへの巨体に大きな穴が開き、メンへは瀕死の状態となる。

 

「とどめは俺だ! とりゃぁぁぁ!!」

 

 そんな瀕死状態のメンへに畳み掛けるように、ゲッター3を駆る武蔵は操縦桿を強く動かし、必殺技である大雪山おろしを仕掛けた。伸縮する両腕を伸ばしてメンへの巨体を絡め取り、振り回して空に向けて投げ飛ばす。相手が空中高く投げ出されれば、武蔵は一同に射撃兵装による攻撃を命じる。

 

「今だ! 総員射撃武器であの怪物を攻撃しろぉ! ゲッターミサイル!!」

 

『ゲッタービーム!』

 

『ドリルミサイル!』

 

『ストロングミサイル!』

 

『ライガーミサイル!』

 

 この掛け声に合わせ、各ゲッターロボに乗る者たちは機体の射撃兵装を一斉射をメンへに放った。凄まじい大爆発が起こり、大量の焦げた肉片が地面に降り注ぐ。

 

「やったー! これであんな奴ともオサラバだね!」

 

『本当に気持ち悪い奴だったわ! 清々した!』

 

『まだ終わってない気が…』

 

 怪物とかしたメンへをようやく倒したと思い、皆が喜んでいた。だが、キナの治療を終えたマリは、メンへがまだ倒し切れない処か、逆に進化していると呟く。

 

「あんだけ撃ってもまだ死なないっての…? それに進化してる…!」

 

『何っ!? 奴が進化しているだと! 馬鹿な! 進化はゲッター線に選ばれた者しか出来ぬはず!!』

 

 マリが倒したはずのメンへが進化していると呟いたので、それを耳にした武蔵は動揺する。マリの言う通り、爆風が晴れた先に居たのは、地面へ落下する巨大な怪物の死体ではなく、何かの力に進化したメンへの姿であった。

 あの巨体から随分と違って随分と小さくなっており、体格は衣服を纏わぬ人型に戻っているが、外見は神々しくて大柄だ。だが、あの怪物の頃より不気味さは更に増しており、全てを呑み込んでしまうほどだ。

 人の姿に戻ったメンへは左手の掌を広げ、全身に伝わる底知れぬ力を感じ、これなら自分の願望が叶えられると口にする。

 

「力が高まる、溢れる…! これで俺は…みんなに愛される…ッ!!」

 

 メンへが感じている力は、マリを遥かに上回る物であった。否、時間を止められるマリすら敵わない物だろう。ゲッター線に近いと言って良い。

 そんな力を宿すまでに進化したメンへは、地上に居るゲッターロボ軍団とマリを見て不気味な笑みを浮かべた。




次回で最終回に、なる予定…。
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