スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝 作:ダス・ライヒ
惑星同盟軍のパイロット。階級は中尉であり、艶やかな銀髪と凍てつくような青い瞳を持つ青年。
それに貴族出身であることから、同盟の一部参加国からは無能の烙印を押されている。本当は味方を逃すために戦っているのが、本当の意味を理解しない者は多く、彼の事を知り、敬意を払う者は身内か教官だけである。
搭乗機はグフイグナイテッド(JP536XギガランチャーDR1 マルチプレックス装備)
キャラクター原案はオリーブドラブさん。
※このキャラクターはオリーブドラブさんより使用許可を頂いて書いております。
設定の一部が無限戦争に合わせて変わっていますが、外見並び性格はオリジナルのままです。
氷魔の蒼弾(ひょうまのそうだん)
「
宇宙にて、目的地に向けて航行する統合連邦の傘下勢力の一つ、
「宇宙軍の奴らが恐れてそう呼んでいるらしい。ヘボな奴らがビビッて付けた名前かもしれんが」
「俺は情報部にコネがあんだ。そいつ曰く、部下を何人死のうが、自分の戦果に拘る無能で自分勝手なご貴族様だそうだ。名前は確か、ガリウス・ブリゼイドって言ってたな」
「話が違うぞ。
どうやらISAのパイロットたちが仕入れた氷魔の蒼弾の異名を持つガリウス・ブリゼイドの情報は、疎らであったようだ。連邦軍の参加勢力内ではガリウスの情報は錯綜しており、一部ではプロパガンダや臆病者の戯言と見なされている。
情報部も戦局を優先してか、ガリウスについてはあれだけの損害を与えたにも関わらず、ただの一介のパイロットとして見なし、碌に情報も仕入れていない。よって一介の連邦のパイロットたちに回って来る情報は、正確性に欠け、根も葉もない偏見や憶測ばかりだ。
「おいおい、そんな奴は居ねぇよ。いるとすれば、エイリアンのエリート族程度だろ、そんな芸当が出来るのは。そいつは
「巡洋艦を撃沈した? 冗談は止せよ」
「連中のプロパガンダって事か? 無能呼ばわりされる理由が分からんな」
「とにかく、実物を見なきゃ分からん。奴はどの戦線に出て来たんだ?」
「俺たちがこれから向かう戦域だよ。そこに奴が現れるって噂だ」
とにかく彼らはガリウスに対する偏見や想像でイメージを膨らませ、一人が何処の戦線に出て来たんだと問えば、自分らがこれから向かう戦域に現れると答えた。
前情報も無い相手に少しばかり緊張する連邦のエリートを自負するISA海軍のパイロットたちであったが、一人が茶化すような言葉で緊張が解れる。
「そうかい、見付けたらみんなでボコってやろうぜ。どうせ奴は一人だ。幾らエースでも、俺たちISA海軍の敵じゃねぇ」
「そりゃそうだな! よし、出撃まで準備運動と行くか」
幾らエースでも自分らISAの敵ではない。
そう自負して敵に対して何の敬意も持たず、嫌悪のみを抱く彼らは、ガリウス・ブリゼイドを舐め腐っていた。
『オラオラ、エリアン共が逃げるぞ! 追い掛けてファックしろ!』
数時間後、宇宙における同盟軍との戦線に辿り着いたISA海軍の艦隊は、友軍艦隊と共に同盟軍艦隊を圧倒していた。
高い練度を誇るISA海軍の艦隊は戦線に展開する同盟宇宙軍艦隊を次々と撃破し、敗走を始めた敵艦隊の追撃を始める。駆逐艦二隻とフリゲート四隻で編成された戦隊の旗艦を務める巡洋艦の艦長は、下品な言葉で傘下の戦力と艦載機に追撃を命じる。
『今日はエリアン狩り日和だ! 逃げる奴らのケツに、ありったけぶち込め!』
「へっ、氷魔の蒼弾って奴はいるのか? 何処にもいねぇじゃねぇか! 宇宙軍のヘボ共の戯言か?」
交戦もせずに逃げる同盟軍機を容赦なくビームライフルで撃ち抜いたスペースストライカーを装備したウィンダムを駆るISA海軍のパイロットは、噂のガリウスが出ないことで、単なる噂話では無いかと疑い始める。
「どれが
『そんな奴、何処にも居ねぇよ! エイリアンやヒグスだけだぜ!』
ふざけながら逃げる敵機の背後をビームライフルで撃つウィンダムのパイロットに対し、別のウィンダムに乗る同僚がビームサーベルで背後を串刺しにしてからガリウスは居ないと告げる。
士気が瓦解した同盟軍は、押し寄せるISA海軍から逃げるばかりだ。士官が乗るザク・ファントムが戦意を失って逃げる敵機にライフルを向けて戦闘に戻そうとするが、そんな者を聞く兵が居るはずもなく、追撃してくるISAのジャベリン数機が放つビームライフルを何発も撃ちこまれて撃破される。
一機、また一機と撃破を現す光が何度も怒る中、後退しながら艦砲射撃を続ける数隻の艦艇も、対艦ミサイルや機動兵器が装備する対艦武装で撃沈された。その光景はまさに虐殺であった。
「けっ、少しは楽しめるかと思ったが、とんだ期待外れだったな!」
肩に
戦時条約違反であるが、ISA側は誰一人も注意するどころか咎めもしなかった。戦争が長引くにつれて、両軍に戦時条約を守らない将兵が増えているのだ。
だが、噂は本当であった。宇宙に漂うデブリの上に一機のドムトルーパー用のバズーカを右手に担いだグフイグナイテッドが、撤退する同盟軍を過剰なまでに追撃するISA海軍を見ていた。
『こちら、第6機動部隊! 敵の猛追が激しく、離脱できず! 救援を乞う! 救援を…』
『誰かいないのか!? 置いてかないでくれ! 頼む!』
『味方が! 私以外の友軍機が!? 誰か居ないの!? 誰っ…』
デブリの上に立つグフイグナイテッドのコクピット内にて、無線機から次々と聞こえて来る救援要請を、濃い青色の宇宙用パイロットスーツを身に纏う青年が聞いていた。
ヘルメットのバイザー越しに見える艶やかな銀髪を初め、凍てつくような青い瞳がモニターを眺めていた。モニターに映るのは、先のISA海軍に蹂躙される味方の同盟軍だ。味方が落とされ、味方艦が撃沈される光景を青年は悔しさを覚えてか、操縦桿を握る両手を握り締めている。
「…これ以上はやらせん」
撤退する味方を守るべく、青年は操縦桿を強く動かし、ペダルを強く踏んで乗機であるグフイグナイテッドを友軍を追撃するISA海軍に向かわせる。
『ん? 十一時方向より新手だ!』
『一機だぁ? けっ、殿にしては中々のガッツだな! リンチするぞ!』
スラスターを吹かせ、単独で向かってくる青年が駆るグフイグナイテッドに対し、ISA海軍のパイロット等は鼻で笑いながら乗機のウィンダムが持つビームライフルを撃ち込む。飛んでくるビームを巧みな操縦桿さばきで躱しつつ、バズーカの下部の砲身よりビームを撃ち込んだ。
『うぉ!? 野郎!』
これをシールドで防御する方にキルマークを描いているウィンダムのパイロットは直ぐに反撃するも、自分らの攻撃を見えているかの如く躱していく青年の操縦テクニックに驚きを隠せないでいた。
『な、なんだこいつは!? 当たらねぇぞ!』
『俺たちの動きでも読んでんのか!?』
『ふざけやがって! ぶっ飛べ!!』
こちらを攻撃を躱しつつ尚且つ高速で接近して攻撃してくる青年のグフイグナイテッドに、多連装ロケットパックを装備したウィンダムに乗るパイロットは、小隊より離れて多連装ロケット弾を一斉に放つ。飛んでくる無数のロケット弾に青年はバズーカを一旦手放し、両腕の四連装ビームガンで全て迎撃した。これを三機のウィンダムのパイロット等は、発生した爆発の煙で着弾したと勘違いする。
『へっ、どうだ! ざまみやが、わぁぁぁ!?』
『キッド!? クソったれ! 奴は生きてるぞ!!』
煙の中より来た撃ち込まれたビームガンの連射で、一機がハチの巣にされて撃破された。煙の中から現れたグフイグナイテッドは止まることなく、左腕に装備したシールドから物理やビームによる斬撃が可能な専用ソードを引き抜き、ビームを展開させてから一気に出遅れた敵機に接近し、素早く立てに振り落としてそのウィンダムを切り裂いた。
『畜生が! ぶっ殺してやる!!』
味方を二機も撃破した青年のグフイグナイテッドに対し、牽制にバルカン砲とシールドのミサイルを撃ち込み、同じく腰のビームサーベルを抜いて斬りかかるウィンダムのパイロットであったが、圧倒的な技量を持つ青年に接近戦を挑んだ時点で負けであり、渾身の一撃目を躱されて胴体を切り裂かれて撃破される。
ウィンダムの小隊を撃破した青年のグフイグナイテッドはソードをシールドに仕舞ってから右腕に内蔵されたウィップを射出し、それでバズーカを回収してから味方を追撃するISA海軍に攻撃する。
照準が合い次第に躊躇うことなくバズーカのビームを撃ち込み、逃げ惑うしかないRFザクを追うドートレス・ネオを撃破した。それから間髪入れずに、友軍を執拗に追撃するジャベリンを次々と撃破していく。
『あいつが噂のアイス・ブルーショットか!? よくも仲間をやりやがって!』
味方のジャベリンやドートレス・ネオ、ウィンダム、量産型ヒュッケバインMk-Ⅱを立て続けに撃破していく青年のグフイグナイテッドに対し、編隊を組んだ四機のクランシェがビームバルカンやドッズライフルを撃ちながら接近する。
このビームの嵐を青年は操縦桿を巧みに動かし、ペダルを巧みに踏み込み、必要最低限の動きで躱し切る。手近な距離に居る敵機にバズーカのビームを撃ちつつ、進路を変更させれば、一気にスラスターを吹かせ、そこから接近して真上を取って張り付き、バズーカのロケット弾の砲口を向けた。
それから変形される前にバズーカを撃ち込み、張り付いたクランシェを撃破する。僚機をやられてか、残り三機のクランシェは旋回し、再びビームの嵐を浴びせるも、青年はそれら全てを操縦技術で躱し切る。
『なんだってんだ! 畜生が!!』
怒りに燃える三機のクランシェは飛行形態からMS形態へ変形し、ドッズライフルを撃ちつつ左手でビームサーベルを抜いて接近戦を挑む。これに青年はその攻撃を躱しつつ、バズーカで一機を撃破した後、接近してくる二機目のクランシェにウィップを打ち込み、高圧電流を流して動きを止め、背後から接近して来た三機目に、その二機目を蹴り付けてぶつけた。体勢を立て直せる前に両腕のビームガンを連発し、クランシェを二機とも撃破する。
そのグフイグナイテッドを駆る青年、氷魔の蒼弾の異名を持つガリウス・ブリゼイドの獅子奮迅ぶりに撤退中の友軍機であるザク・ウォーリアのパイロットは見惚れていた。
「す、凄い! あのグフイグナイテッドのパイロットはエースなのか!?」
『あ、あいつは氷魔の蒼弾だ! 俺たちも死んじまうぞ!』
「で、ですが隊長! 彼に加勢すれば味方をより一機でも多く…」
『馬鹿野郎が! 奴は死神だ! 俺たちも死にたくなければ、速く撤退することだ!』
そのパイロットに対し、隊長機であるザク・ファントムに乗る隊長はガリウスを死神呼ばわりし、彼をおいて撤退するように伝えた。これに部下であるパイロットは異論を唱えるが、隊長の気迫に押され、共に撤退を始める。
一機で殿を務めるガリウスは、邪魔な量産型ヒュッケバインMkーⅡを通り際に撃破しながら敵の士気を挫くために単機で巡洋艦に接近していた。護衛の駆逐艦やフリゲートが離れ、サラミス改級巡洋艦二隻しか居ない敵巡洋艦であるが、その大きさは別世界の巡洋艦だけであって千メートルはある巨艦だ。単独での行動していても、容易には接近できないだろう。
二隻のサラミス改級の弾幕をすり抜け、バズーカのロケット弾で容易く二隻とも撃沈、もしくはブリッジを破壊して戦闘力を奪ったガリウスであるが、UCAでも運用される大型巡洋艦の対空弾幕は、サラミス改級よりも凄まじい。
「流石にUCAやISAが使う巡洋艦は違うな。だが…!」
それでも味方を一人でも多く脱出させるには、この危険な巡洋艦を沈める他にない。そう決意したガリウスは少しばかり被弾するも、戦闘機と言った護衛機を片付けながらバズーカをダメージが大きい部分に撃ち込みつつ、弾切れになればビームを撃ち込んで出来る限り巡洋艦に被害を与える。
やがてバズーカが邪魔になって来れば、重量を軽くする事と目晦ましを行うために投げ付け、敵にワザと破壊させた。バズーカの爆発で一瞬だけ対空砲火が止む中、ガリウスはその隙を逃さず、一気に巡洋艦に取り付き、艦橋を目指す。
甲板に取り付いたガリウスのグフイグナイテッドに対し、巡洋艦はATのスコープドッグやMSのアデルマークⅡを差し向け、撃破を試みようとするが、彼を止める事は出来ず、挙句にソードやビームガンで撃破されるだけだ。時にはウィップを振りまき、進路上の邪魔となるスコープドッグの集団を引き裂いたこともあった。
「ハァァァッ!」
艦橋へ近付いた後、ガリウスはソードの刀身を艦橋へと突き刺す。その自分のグフイグナイテッドを見て艦橋内のクルーたちの驚く表情が見えていたが、ガリウスは一人でも多くの味方の逃すために容赦はしない。操縦桿を強く押し込み、刀身を艦橋内まで突き刺せば、爆発が巻き起こり、爆風で乗員たちだった物体が暗くて冷たい宇宙に放り出される。刀身を引き抜けば、吸い出される数は増えていた。
『戦隊旗艦がやられた! 撃沈はしていないが、指揮能力を失っている! 本当に氷魔の蒼弾は実在したんだ! 再編の為、一時後退する!!』
『それは本当か!?
敵巡洋艦は巨体の為に撃沈は出来なかったが、敵を後退させることには成功した。まだ数は多いので、再編して再び追撃してくるだろう。
『敵部隊、再編の為に後退確認。友軍の損耗率は想定の半数を切った』
「了解。こちらブルーアイス、補給と修理の為に母艦へ帰投する」
オペレーターからの報告で、ガリウスもそれに備えるべく、補給を行うために母艦へと帰投した。艦橋を失ったISA海軍の巡洋艦は、機能をサブブリッジに切り替えたが、追撃せずに後退ポイントまで下がり始める。追撃していた戦隊の艦載機部隊も、指揮系統の混乱の為に同様に後退を始めていた。
これを持って、ISA海軍はガリウス・ブリゼイドこと、氷魔の蒼弾の実在を、戦隊旗艦の艦橋と戦力の一割損失と言う犠牲の上で知った。
単独で多数の敵部隊を相手取り、数十機の敵を撃破し、サラミス改級二隻の無力化に戦隊旗艦の敵巡洋艦の指揮能力を奪ったガリウスであったが、与えた損害は微々たる物であり、再編したISA海軍は再び追撃を仕掛けて来るだろう。
ガリウスの戦いはまだ終わらない。所属する同盟軍が撤退命令を出すか、攻撃するISA海軍を撃退するまで続くのだ。
母艦へ帰投したガリウスはヘルメットを脱ぎ、艶やかな銀髪を露にした後、右手でボルトを取り、水分補給を行って僅かながらの休息を取った。
オリーブドラブさんから許可を貰ったし、こっちの方が早く終わるのでやることにしました。
結構、ISAの奴らがガリウスを馬鹿にしている所がありますが、そのツケを払わせましたが。これで許してもらえるかな?
ガリウスの乗機がグフイグナイテッドなのは、オリーブドラブさんの要望。流石に両腕のビームガンとウィップ、剣だけじゃ心持たないので、ドムトルーパーのビームも撃てるバズーカを持たせることにした。
ガリウス専用のグフイグナイテッドの最初の登場は、初代ガンダムのグフに乗ったランバ・ラルの登場シーンを参考に。
それからは宇宙世紀のガンダムのアプリゲームであるジョニー・ライデンの高機動型ザクが豪快に暴れ回るシーンをオマージュしつつ、洋ゲー特有のマクロス級レベルのデカい巡洋艦を撃破と言うか、艦橋を潰して後退させた。
なぜ宇宙で暴れ回ることになったかは、アプリのアニメでジョニー・ライデン専用高機動型ザクの暴れっぷりを見た所為かな。それをイメージして書いた。
オリジナルの方のガリウスは地上で暴れてたが、自分は考えもしなかった(汗)。
取り敢えず、ガリウス登場が後半で遅めと口数が少なめ。オリーブドラブさん、わざわざ許可も頂いたのにごめんなさい(汗)。
それとガリウスの使用許可を出して頂いたオリーブドラブさん、ありがとうございます!