スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

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マリマリが仮面ライダーに変身する回です。

キャラ紹介

マリ・ヴァセレート
通称マリマリ。過去の敵であるバウムガルテンとの戦いに敗れ、ヴィンデル・マウザーが支配する歪んだ世界へと転移した。
この世界に探している少女であるルリが居ないと分かれば、早急に別の世界へ行くため、その手掛かりを掴むために惑星ヘルガーンへと降り立った。

白い魔女
マリが変身した仮面ライダーの姿。見た目は白い魔法使いを魔女にした感じ。
変身ベルトは、武器商人のブラックジャックから貰った。
戦闘スタイルは白い魔法使い基準。主に物理学を応用した格闘術と魔法を使う。

バルトルト・ジルヴェスター・フォン・ライン・ファルツ
戦争貴族の異名を持つファルツ家の当主。その異名の通りに戦争好き。
連邦軍大将としての階級を持っており、その権限で自分の私兵部隊である装甲師団「ファルツ」を編成した。

ウラジミール
クスィ・パンツァーの生体コアとして改造された哀れな男。かませ犬である。
キャラ提供はG-20さん

仮面ライダーティーガー(偽)
別世界の仮面ライダーであるティガーの偽物。通称アナザーティガー。
変身者は仮面ライダーの力の部分しか見てない愚か者。
尚、アナザーティーガーのスーツはバルトルトから貰った物。正直言うと、使い捨ての兵器。
元ネタは名前が仮面ライダーティガーとやや被っとるGー20さんの応募ライダー。


白い魔女

 惑星ヘルガーンの首都であるピュロスシティでは、統合連邦軍と自由惑星同盟軍との戦闘が行われていた。

 そんな激戦が続き、破壊されつつある都市に、ある女が降り立っていた。

 

 その名はマリ・ヴァセレート。

 過去の敵であるエーレンフリート・ロホス・ティモ・フォン・バウムガルテンの配下の手により、この戦争ばかりの世界へと追放された。不老不死の彼女はその世界から脱出すべく、武器商人「ブラックジャック」の手を借りて権威主義体制と軍国主義が支配する惑星ヘルガーンへとやって来たのだ。

 

「あれが例の不老不死のお嬢さん(フロイライン)か」

 

 が、既にマリの存在は知られていた。

 マリはブラックジャックが何処からか調達した可変戦闘機(バルキリー)VF-25Fメサイアで惑星ヘルガーンへと降下していたが、運悪くバルトルト・ジルヴェスター・フォン・ライン・ファルツの監視に掛かってしまった。

 バルトルトはマリの存在をゲイムランドの戦いから知っており、派手に彼女が暴れ回ったオルドリンの戦いで、警戒対象にしていた。マリがヘルガーンへと降りたことを知れば、配下の第503MS連隊からウラジミールのクスィ・パンツァーとクスィ数機を差し向けた。

 激しい交戦が行われていたが、マリの圧倒的な技量とライジングフリーダムを超えるVF-25の組み合わせの前に、クスィたちは惨敗した。

 

「オレ、タダチィーッ!?」

 

 墜落するクスィ・パンツァーの中で、ウラジミールはただ喋ることを許された言葉を叫びながら地面へと落下していった。

 

「凄いパイロットかと思ったが、まさかあんなとびっきりの美女とは。いや、良くみりゃあ人間じゃねぇなありゃあ」

 

 ウラジミールを破ったマリに、バルトルトは追撃することも無く監視を付けた。マリの姿を見たバルトルトは彼女を絶世の美女だと評したが、余りに顔が整っているので、人間でないと判断した。

 

「どうします、攻撃しますか?」

 

「機体から降りたパイロットがどんな物か、確かめるべきだな。よし、紛い物を送れ」

 

了解(ヤヴォール)

 

 攻撃するのかと言う部下の問いに、生身でどれほど戦えるか気になったバルトルトは、刺客を送ると決めた。

 その数秒後、破壊された都市内で隠れながら移動するマリに、バルトルトが送り込んだ刺客が、目前に姿を現す。

 

「ファルツ様も意味の分からん任務を与えてくれる。仮面ライダーの力を持つこの俺に、たかが女を殺せとは」

 

 警戒するマリに対し、バルトルトの命で現れた刺客は、仮面のヒーローである仮面ライダーに似た姿をしていた。似ているが、正確には仮面ライダーではない。バルトルトが紛い物と言った通り偽物である。当の本人は、自身が身に纏うバトルスーツを仮面ライダーの物と思い込んでいるが。

 

「俺は仮面ライダーティーガー! 我が主ファルツの命により、貴様の命もらい受ける!」

 

 仮面ライダーティーガーと堂々とポーズを取りながら名乗った偽ライダーに、マリはつき合うことなくいつでも撃てるように持っていた消音器付き短機関銃を撃ち込んだ。

 

「いきなり発砲とは! まさに三下のやること! ファルツ様から攻撃せよと命じるが、その容姿に免じて、俺のハーレムに加えて…」

 

 消音器用の弾丸は、自称ティーガーには全く通じていなかった。これにティーガーはマリの容姿を見て好意を抱き、ハーレムの一員にすると言い出した。この発言にマリは苛立ち、何発か撃ち込むが、結果は同じであった。

 

「ほぅ、ツンデレと言う奴か? こういうのは、力尽くで捻じ伏せれば、惚れるものよ!!」

 

 拒否しても未だ好意を抱いているティーガーは、加減をするような攻撃を行って来た。これにマリは躱しつつ、魔法で取り出したバスタードソードで斬りかかるが、相手も剣を出して斬撃を防いだ。

 

「はははっ! そんなに嫌か? でも、それは俺が好きだと言うことだな!?」

 

「はっ?」

 

 殺す気で撃ち込んだが、当のティーガーはそれほど自分に惚れていると勘違いしていた。これにマリは呆気に取られ、思わず油断してしまった。その隙を突いてか、ティーガーは空いている左手で掴もうと伸ばしてくる。自分を掴もうと迫るティーガーの左手に嫌悪感と悍ましさを覚えたマリは、即座に距離を取った。

 

「おいおい、焦らすなよ。お前はドSか?」

 

 嫌悪感と悍ましさ、気持ち悪さを感じて離れたマリに、相手は未だ好意を持っていると勘違いしている。相手の表情が嫌悪感丸出しなのに、ティーガーは彼女の気持ちをまるで理解していない。この後にマリが自分に惚れ、ハーレムの一員になると思っている様だ。

 

「(こいつの動きは力任せと性能頼り、そして特撮ヒーローの真似。知識も活かしきれてなければ、技術も無いただの下手くそ。スーツが無ければ何もできないカス)」

 

 目前の仮面ライダー気取りのティーガーを汚物を見るような目で睨みつつ、マリは彼の実力を観測していた。

 短期間でティーガーがスーツの性能に依存し、自分の好きな特撮ヒーローを真似た戦い方をしていると見抜いた。それに知識を活かしきれず、技術も無ければ、何のひねりも無い力任せと見抜き、スーツが無ければ何の取り柄もない男であると評する。

 

「はぁ…なぁ、なんでそんな目で見るんだよ? 美女が俺に惚れるのは当然だろ? だって俺、仮面ライダーだぜ? それに強いし格好いい! そんな俺に惚れるのは当然だろ?」

 

「それ、美人じゃなきゃ駄目?」

 

 この期に及んでも、ティーガーはマリを物にしようとしていた。彼女の目付きには苛立ちを覚えているが、美女なら自分に惚れて当然だと宣い始める。人をなんとも思わないようなティーガーの発言に、マリは美人で無ければ駄目なのかと問うた。

 

「当たり前じゃないか。美女や美少女以外は女じゃねぇ。不細工な女は煩くて身勝手なこの世の絶対悪だ。即刻始末しないとな」

 

「あんた、女性嫌悪(ミソジニー)じゃん」

 

「ミソジニーだぁ? ブスは女じゃねぇんだよ! ゴミなんだよ! なのに俺をミソジニー扱いしやがって! 教育してやる!!」

 

 そのティーガーの答えにマリは激怒しそうになったが、相手が自分からすれば小物どころかどうしようもない雑魚なので、ミソジニーと言って皮肉で返した。マリからミソジニー扱いを受けたティーガーは激怒し、力尽くで従わせるため、力任せで知識や技術、捻りも無い下手くそな攻撃を行う。

 繰り出される攻撃は、マリを殺さないように武器を使わない徒手による攻撃であるが、繰り出されるパンチは不良よりも下手な素人の物だ。不老ゆえに様々な技術を吸収してきたマリからすれば、容易に避けられる物であり、相手を疲れさせるため、最低限の動きで躱し続ける。

 

「クソがぁ! なんで当たらねぇんだ!?」

 

 案の定、マリの狙い通りにティーガーは無駄の動きが多い攻撃を連発して疲れていた。そればかりか、自分の思い通りに事が進むと思い込んでおり、思い通りにならなければ喚くような言葉を漏らした。この言葉にマリは、ティーガーの変身者は主であるファルツことバルトルトに、良いように扱われている手駒と分かる。それが分かったマリはティーガーに向け、バルトルトに駒扱いされているのではないのかと問う。

 

「あんた、そのファルツって奴の駒にされてるんじゃないの?」

 

「なんだと!? 俺を救ってくれたファルツ様が、俺を駒扱いするはずがねぇ!」

 

「あんたのカスみたいな性格からして、良いように扱われている手駒としか思えないんだけど」

 

「お、俺がカス…!? カスだと…!?」

 

 一言余計なことを言ってしまい、ティーガーの動きが止まった。

 

「鋭い女だ。あの紛い物が俺の手駒だと見抜きやがった」

 

 この戦いは、ドローンを中継してバルトルトが居る師団本部まで伝わっていた。ティーガーが自身の手駒であると見抜いたマリに、バルトルトは関心の声を上げる。

 手駒だと言われたティーガーは大変ショックであり、頭を抱え込んで喚き散らし始めた。

 

「俺が、俺が手駒だと…!? ふざけるな…! 俺は仮面ライダーの力を手に入れたんだ!! 俺は強者だ! 俺は正義だ! 俺に逆らう奴は悪だ! 俺が正しいんだ!!」

 

 自らの正義と正当化する言葉に、思わずマリは茫然とした。どうやら、バルトルトにそのティーガーの力を与えられる前は、引きこもりであったようだ。

 

「俺は弱者男性じゃない! 仮面ライダーティーガーとして生まれ変わったんだ!! そう、俺は選ばれたんだ! 手駒ではなく、正義のヒーロー仮面ライダーとして! そして俺が世界を平和にした! 全ての悪を倒し、世界に平和をもたらしたんだ!! そんな俺を手駒だのカスなんて言うお前は悪だッ! 絶対悪だ!! 殺してやる! 殺してやるゥゥゥッ!!」

 

 弱い自分ではなく、仮面ライダーティーガーとして生まれ変わり、選ばれた者であると正当化する。それにその力で、全ての悪を倒して世界に平和をもたらした。その悪とは、おそらく自身が悪と決めつけている者たちや組織だろう。ティーガーが去った後の世界の行く末は、暗い物であると想像できる。

 そんな平和の戦士である自分をカスや手駒だと罵ったマリを絶対悪と決めつけ、ティーガーは怒りの攻撃を仕掛けた。バルトルトはそれを見越し、少し煽れば瞬間湯沸かし器の如く怒るティーガーを刺客として送り込んできたのだろう。

 

「死ぃねェェェッ!!」

 

「こいつ、動きが!?」

 

 凄まじい猛攻であり、その速度は見切れないほどで、マリは防御に徹するしかなかった。スーツも変身者の怒りに合わせてか、性能を強化してティーガーの猛攻を手伝っていた。恐ろしい攻撃の速さに、マリは耐え切れずに吹き飛ばされる。

 

「これ、役に立つかどうか…!」

 

 地面に叩き付けられた後、武器商人のブラックジャックから押し付けられたベルトと指輪を装着する。その腰に巻き付けたベルトは、仮面ライダーの変身ベルトであったが、今の彼女は気付いていない。

 

「こいつで、トドメだァ!」

 

 そんな吹き飛ばしたマリにトドメを刺すべく、右足に必殺技、それもライダーキック用の武装を取り付け、体勢を立て直そうとする彼女に全力疾走で迫った。

 

「トップアタックライダーHEATキックゥ!!」

 

 怒りのパワーでマリが時を止める術を使う暇も与えず、ティーガーは彼女に向けて必殺技の武装を装備した右足を叩き下ろしてくる。

 ティーガーの必殺技のライダーキックを受けても死なないマリであるが、怒りの必殺技を受ければ、再生にはそれなりの時間が掛かるだろう。最愛の人を一刻も早く見付けたい彼女にとっては、不老不死であってもそれは避けなければならない。そんなマリであったが、無意識の内に、指輪を付けた左手が自然にベルトの中央に近付けていた。

 

『チェンジ! ナーウ!』

 

 右足が叩き下ろされた直後、ベルトから奇妙な音声が流れた。

 その瞬間、マリの全身を魔法陣が光らせて覆い尽くし、ティーガーのライダーキックから彼女を守った。

 

「やったか!?」

 

 自身のライダーキックを受け、無事でいる者は存在しないので、ティーガーはマリを吹き飛ばしたと勘違いする。が、爆炎が晴れた後に現れたマリが変身した仮面の魔法使いを見て、驚愕する。

 

「か、仮面ライダー…だと…!?」

 

 マリが変身したのは、ティーガーが驚きの余りに口走った仮面ライダーであった。

 彼女が変身した仮面ライダーは、白い魔法使い、即ち仮面ライダーワイズマンに似ている。が、良く見れば幾つか違っており、変身者が女性であると分かるように胸に膨らみがあり、体系が些か細かった。白い魔法使いならぬ白い魔女と呼ぶべきだろうか。

 

「あのベルト、仮面ライダーの変身ベルトだったんだ」

 

 仮面ライダーの名は知っているらしく、押し付けられたベルトと大きい指輪が変身ベルトであると分かったマリは、仮面ライダーとなった自身の姿を見て実感する。

 

「嘘だ…! お前が、お前が仮面ライダーに、悪であるお前が仮面ライダーに変身できるはずがねぇ! 仮面ライダーは正義のヒーローなんだ! お前みたいな女が仮面ライダーになるなんて…あり得るわけがないんだ!!」

 

 自分を否定したマリが、仮面ライダーに変身したことを、ティーガーは認めたくなかった。

 

 仮面ライダーティーガーとなる前の変身者は、何の取り柄も無い男であった。

 特に学生時代は悲惨であり、いじめを受けて不登校となり、引きこもりとなっていた。引きこもっている間、彼はネットで自分の見たい都合のいい情報だけを見ている間、特撮ドラマである仮面ライダーに熱中した。

 彼が熱中したのは平和と愛、正義、人々のために戦うその姿ではなく、敵を倒す力に惚れていた。歪んだように力に憧れた理由は、公共機関やマスコミなどが発信する情報を信じず、都合のいいネットの情報だけを信じていたからだ。最初から最強ので都合のいい展開ばかりのアニメの類を引きこもる前から見ている影響もある。

 蔑視、差別、誹謗、女性嫌悪、極右、優性思想、陰謀論などにも傾向しており、ネットの情報を鵜吞みどころか狂信し、自分の都合のいい事だけが彼にとって真実であり、都合の悪いものや嫌うものは全て悪で嘘なのだ。自分に都合がよく、自分にだけ甘い世界こそが、彼にとって楽園なのだろう。

 

 極めて歪んだ思想の持主であり、そんな人間が仮面ライダーの力を手に入れれば、歪んだ思想は更に加速し、自らを正義の化身とまで思い込むようになる。

 そんなネットや歪んだ身勝手な思想を持つ彼を、バルトルトは自身が好む戦乱をもたらす権化と見抜き、仮面ライダーティーガー、それも紛い物であるアナザーティーガーの力を授けたのだろう。

 その力を手に入れ、ティーガーとなった彼は、力の虜となり、自身をいじめたグループ全員を皆殺しにして、自身が悪と断定した者たちまで殺した。それだけに留まらず、自身を非難する者や止めようと説得する者たちまで悪と見なし、次々と殺害していく。まさに正義の名を騙る殺戮者であった。

 そして、ティーガーが平和をもたらしたと自負する世界は、戦争を好むバルトルトの目論見通り、平和は長続きせず、リベラルなどを含める左派に中道派と言ったブレーキを失った極右や保守主義による極度の国粋主義によって戦乱の時代へと突入し、今も世界のどこかで誰かが傷付き、殺されている。

 今のティーガーは平和をもたらした時点でバルトルトの手先となって離れており、戦乱の渦中にあるなど想像も出来ないだろう。

 

「お前は偽物だァ! 殺してやる! 殺してやるゥゥゥッ!!」

 

 自分の世界は戦乱の渦中になっていることなど知らず、自身が悪と断定したマリが仮面ライダーに変身したことを認められないティーガーは、怒り狂って殺しに掛かる。凄まじい怒りの攻撃であるが、魔法の仮面ライダーとなったマリは、最低限の動きで躱し切るか受け流す。今の彼女には、怒り狂ったティーガーの繰り出す攻撃が、手に取るように分かる。

 そんな彼女は、仮面ライダーワイズマンの変身者である物理学者の笛木奏(ふえき・そう)のように無駄に動かず、物理学を応用した膝や肘を多用した格闘スタイルで、的確に撃ち込んでティーガーにダメージを与えていく。

 マリもまた物理学を独学で学んでいた。不老不死となる人間の頃から、力と体格に勝る男性にどう有利に戦うかのため、あらゆる文献を読み漁って笛木のように物理学を使った我流の格闘術を生み出していた。経験も技術にも勝るマリが仮面ライダーに変身したことで、力に頼ってばかりのティーガーではまるで相手にはならなかった。

 

「グァ…!? なぜだ、なぜ勝てないッ!? 俺が、俺は本当の仮面ライダーなのにィ!!」

 

 攻守逆転されたティーガーは、自分こそが本当の仮面ライダーなのに勝てないと嘆いて再び攻撃を行うが、突き出した剣の刀身は掴まれ、そのまま引っ張られて顔面に強い肘打ちを叩き込まれた。肘打ちを叩き込まれたティーガーは吹き飛び、地面へと転がる中、マリは指輪の魔法を使って武器を償還する。

 

『コネクト』

 

 ベルトから低い音声が流れ、右側に出た魔法陣に手を突っ込めば、魔法使いらしく大杖が出て来た。不思議そうにそれを手に取ったマリは、再び攻撃しようとして迫るティーガーに向け、大杖の柄を地面に軽く叩き、自身が脳内に思い付いた魔法で止めようとする。

 

『チェイン! ナーウ!』

 

「うわっ!? なんだこりゃあ!? う、動けねぇ!?」

 

 ベルトから音声が流れれば、白い鎖が地面から現れ、ティーガーを拘束した。ティーガーが動けなくなったのを確認したマリは、必殺技用の指輪を取り出し、それを指に嵌めてベルトに翳して発動させる。

 

『イエス! キックストライク! アンダァスタンドゥ!?』

 

 その音声が流れれば、右足に高い魔力が溜まり始める。これは、仮面ライダーの必殺技であるライダーキックが出来る状態である。

 

「しょ、しょんなぁ!? 止めろ! 止めろォォォッ!!」

 

 相手がライダーキックをすると分かったティーガーは拘束を解こうと暴れ回るが、魔法の鎖は解けなかった。一方で試しの必殺技を行うマリこと白い魔女は、大杖を地面に突き刺してから魔法の力で飛翔し、そのまま動けないティーガーに向けて魔力がこもった右足を叩き込んだ。

 

「グゥワァァァッ!?」

 

 ライダーキックを叩き込まれたティーガーは大爆発を起こした。その爆発を背景に、白い魔女は魔法の力でゆっくりと着地し、魔法の力で大杖を引き寄せ、それを手に取った。

 

「うっ…! 俺は、俺は仮面、ライダーだ…」

 

 ティーガーはライダーキックを受けたが、まだ息はあった。誰の命で送られたかを知るべく、敢えて生かされたのだ。

 

「まさか本物の仮面ライダーが来るとはな。まぁ、紛い物にやられるくらいなら、期待外れにも程があるしな」

 

 戦いの始終を師団本部から見ていたバルトルトは、紛い物と表するティーガーに勝利したマリこと白い魔女を本物の仮面ライダーと認定し、期待通りであったこと感服する。

 

「それじゃあ、今度は本物をぶつけてみるか。なぁ、仮面ライダーティーガー」

 

 マリが期待通りの戦士であったことで、バルトルトは次に送る刺客を、本物の仮面ライダーにした。その彼の言葉と共に、本物の仮面ライダーティーガーの変身者である男が姿を現す。

 変身者の名はベンヤミン・デニス・バルテン。

 屈強な体格を持つ軍人に相応しい男であり、大戦時のドイツ戦車兵のように黒衣に身を包んでいた。その太い腰には、変身ベルトであるシグナルベルトがまかれていた。

 

『Veränderung』

 

 バルテンがベルトを起動させれば、ドイツ語の音声がベルトから流れ、彼の全身を光が覆った。四秒もしない内にバルテンは仮面の戦士、仮面ライダーティーガーへと変身する。これが本物の仮面ライダーティーガーである。

 一号ライダーのような外見をしているが、名前の由来となったティーガー重戦車の装甲が施された重戦士のようだ。

 変身したバルテンに向け、バルトルトは指令を出す。

 

「バルテン中佐、直ちにあの白い魔女(ヘクゼ)を攻撃せよ」

 

「ヤヴォール!」

 

 そんな重戦士のような仮面ライダーティーガーは、上官であるバルトルトの指示に従い、師団本部を後にした。

 

「バイクじゃないのね」

 

 一方で偽のティーガーを撃破したマリこと白い魔女は、ヘルガーンの地に似合わない白馬を魔法の力で償還していた。その白馬に白い魔女が跨れば、手綱を振るって目的地へと走らせる。

 

「中佐殿、ご武運を!」

 

 白い魔女の攻撃を命じられた本物の仮面ライダーティーガーは、用意されたケッテンクラートに跨り、エンジンを起動させ、アクセルを踏んで与えられた命令を実行すべく、ファルツ師団の陣地から出動した。




この回を投稿した理由は、一向に俺が応募したライダーが登場しないからです。

一向に出ない理由は、ちょっとふざけたのが原因なのか、それとも情報不足なのかなと思っております。

まぁ、この回を見て少し参考にして頂ければ、書き易いんじゃないかと思ってます。

それと最後に登場した本物の仮面ライダーティーガーは、G-20さんのティーガーとただのおじさんさん考案の仮面ライダーティガーを合体させたもの。
つっても、偽ティーガーと同じく仮面ライダーの力の部分を強化した物。正義や愛、平和のために戦うために作られたのではなく、敵の破壊のために作られている、
変身者のベンヤミン・デニス・バルテンは、絵に描いたような屈強な軍人であるが、偽ティーガーの変身者と同じく仮面ライダーの力の部分しか見ていない。

あとついでに言うと、バルトルトも仮面ライダーに変身します。
名前は、仮面ライダークリークかな。
イメージは戦争(クリーク)を体現した仮面ライダーで、破壊と殺戮をもたらす。
まぁ、要するに悪の仮面ライダーです。

白い魔女対ティーガーの戦いは、無限戦争本編で書く予定です。
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