スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

27 / 49
陣営:連邦軍
名前:ジャン・ルイズ・ジョルジュ・ド・ランヌ
性別:男
年齢:36
階級:大佐
乗機:ペーネロペー
概要:中世風作品にいそうな容姿端麗貴族風の男。ランヌ公家の末裔を名乗っている。嘘だと言われるがこういうマトモな身なりで実はスパルタンVであり、言動を注意深く観察してみると相当頭がイってる。容姿は改造の結果ではなく本人の若作り。
 地球解放作戦フランス戦線で旧フランスの8割方の解放を主導、スペイン戦線やイタリア戦線での八面六臂の活躍ぶりを見込まれ宇宙でも転戦。
 ある戦いでゲオルグ・トリケラに深手を負わされ、負けたくない一心でスパルタンに。

陣営:連邦軍
部隊:第666機械化混成連隊
戦力:ドートレス、ストライクダガーそれぞれ多数、グスタフ・カール二個中隊分
概要:ランヌが指揮する部隊。グスタフ・カールの二個中隊以外は全て脱走兵や惑星オルドリンで徴用した兵士のうちMS操縦適性が非常に高かった者(5名)で構成されており、下手なことをしたらランヌの脳波で爆破させられるため死に物狂い。
ちなみにグスタフ・カールのパイロットは全員ランヌが改造される前からの部下。
キャラ提供は神谷主水さん

陣営:同盟
名前:ショウ・アカギ
性別:男性
年齢:28
階級:大尉
武器:拳銃
乗機:サザビー陸戦用重装型
概要:両親がジオンの人間だったからジオンとして生まれたが、特にジオンやザビ家の理念や思想には興味が無い青年。本来行くはずだった結婚が間近に迫っていた戦友の為、代わりに惑星ヘルガーンへと降り立った変わった経緯をもつ。
キャラ提供は熱望者さん


英霊VS連邦&同盟 その4

「そんな旧型機で向かってくるのなら!」

 

 単独行動を取る英霊たちが暴れ回る中、早乙女アルトが駆るYF-29ディランダルは、向かってくる連邦軍の航空機に単独で迎え撃つ。

 連邦軍の航空機はセイバーフィッシュにジェット・コアブースター、スピアヘッドと言う通常戦闘機群であり、全領域型可変戦闘機と分類され、VF-25メサイアや後発機であるVF-31カイロスを上回る性能を持っている。数は連邦軍の航空部隊が多く、普通なら数が多い方が勝っているが、結果は高性能で三段変形を持つYF-29の圧勝であった。

 

「な、なんだあの機動は!?」

 

『に、人間の動きじゃねぇ!?』

 

『それに人型に変形を!?』

 

 凄まじい機動でミサイルを躱し、友軍機の戦闘力を次々と奪っていくYF-29に、連邦の戦闘機パイロットたちは驚愕する。

 

「力の差を示して、退かせる! これなら文句は無いだろ!?」

 

 通常の戦闘機では不可能な機動を行いつつ、中間形態のガウォーク、人型形態のバトロイドと状況に応じて素早く変形させ、連邦軍の戦闘機部隊の戦闘力を奪う。

 遠慮知らずのジェリドやアスカ、向かってくる敵を手当たり次第に破壊する黒騎士、殺戮を好むキルモンガーとは違い、アルトは無駄な殺戮を好まない。故にコクピットを練らず、機体の性能で成せる精密射撃で敵機の戦闘力を奪っているのだ。

 

「せ、戦闘機でどうにかなる相手じゃない! 機動兵器だ! 機動兵器部隊に対処させろ!」

 

 このアルトの不殺戦法により、連邦軍は通常の戦闘機では全く太刀打ちできないと判断してか、後退を始める。

 

「退いた…? いや、今度は機動兵器か! 性懲りもなく!」

 

 連邦軍が自分のYF-29に敵わないと判断して退いたと思っていたアルトだが、今度はMSやPTなどの機動兵器を繰り出してきたことに、性懲りもなくと激怒する。再び圧倒的な力を見せ付けるべく、アルトは乗機を戦闘機形態であるファイターへと変形させ、押し寄せる連邦軍機の大群に突撃する。

 通常戦闘機では他の火力が協力過ぎるため、機銃で戦闘力を奪っていたが、相手が人型になった分やり易いので、YF-29の中で最も高い兵装である旋回式二連装ビームキャノンを撃ち込み、先方のウィンダムの右腕を抉った。そこから止まらず、高速で大群に突っ込みながら、ビームキャノンで次々と敵機の戦闘力を奪っていく。

 

「人型で大きければ、当てやすい!」

 

 高速で、しかも踊るように回避機動を取りながら敵機の戦闘力を奪っていくアルトは、思う存分に高い火器を使って更に敵機の武器や四肢を破壊する。敵集団から凄まじい攻撃が来るが、YF-29の機動力とアルトの数々の地頭で培われた技量の前では、止まっているかのように見える。

 牽制のミサイルを放ちながらバトロイドへ変形すれば、ビームガンポッドの単発で撃ち込み、牽制のミサイルで怯んで動きを止めた複数の敵機から武器と戦闘力を奪う。反撃も来るが、バトロイドの形態の赤いバルキリーは、それを踊るように全て避けた。

 

「な、なんだこいつ!? 踊っているのかァ!?」

 

 空戦用装備を身に着けた最新鋭機のジムⅣですから、YF-29を捉えることは出来なかった。それに乗るパイロットは、攻撃を避けるアルトの赤いバルキリーが、踊っているかのように見えて驚く。事実、アルトのYF-29は舞のように連邦軍機からの攻撃を避けていた。

 

「ほぁ!? 刀!?」

 

 機動力の差を埋めようと、味方の誤射を承知で接近戦を挑んだジムⅣが居たが、YF-29はオリジナルにない接近戦用の武器を抜いた。本来はそこにアサルトナイフが収まっているシールドであるが、そこに収まっているのはアサルトナイフではなく、ビームの刀であった。それを抜いたアルトのYF-29は、驚いて動きを止めるジムの両腕を切り裂き、蹴り上げた反動で付近の敵機に斬りかかり、同様に武器や四肢を切り裂いて戦闘力を奪っていく。

 

「や、奴は何なんだ…!?」

 

『でも、キレイな…』

 

 その圧倒的な力で、他の者たちと同様に叩き潰したり、殺戮を行うのではなく、ただ相手の戦闘力を奪うだけのアルトのYF-29に攻撃手段を奪われたパイロットたちは、この行動を疑問に思う。

 が、その動きは美しくて無駄のない見る者を魅了する物であり、右腕をビームカタナで切り裂かれ、戦闘力を奪われたジムⅣに乗る女性パイロットは、敵機であるアルトのYF-29の動きを綺麗と表した。

 

「う、うわ…!?」

 

 不殺戦法を取るのは、アルトのYF-29だけではない。

 正義のヒーローとされる仮面ライダーである仮面ライダーカイザも、二足歩行のバトルモードに変形させたライダーマシン「サイドバッシャー」で、連邦軍の地上兵器類を破壊していた。

 左腕にはミサイルランチャー、右腕にはガトリング砲を備えるサイドバッシャーだが、カイザの変身者である草加雅人は自身のライダーマシンを知り尽くしているのか、搭乗者らを殺さないようにしていた。歩兵らに対しては、足元に撃ち込んで怯ませ、その戦意を奪う。

 

「逃げろ。死にたくなかったらな」

 

 履帯を破壊された戦車から脱出してきた乗員に対し、カイザは死にたくなければ逃げるように告げる。それに応じ、戦車兵たちが連邦軍陣地の方へと逃げていく中、進出してくる同盟軍にもサイドバッシャーの火器を放ち、同様に不殺戦法を取る。両軍の機動兵器も同様であり、両足をミサイルで破壊して移動力を奪い、火器をガトリング砲で破壊して行動不能にする。

 このように不殺戦法を取るカイザであるが、それは人間に限ったことであり、同盟軍のエイリアンなど所為兵に対しては、容赦なく殺意を向けていた。

 

「俺は殺さないよ。だが、エイリアンに虫共、お前たちは別だ…! 俺が殺さないのは、人間だけなんだよ」

 

 仮面の下で笑みを浮かべる草加は、手心を加えていた人間の将兵とは違い、容赦なくエイリアンの将兵らを殺傷していく。兵器に乗っている者に対しては、破壊してから脱出するのがエリアンの乗員と分かれば、容赦なく逃げるのその背中にガトリング砲を掃射した。

 

「あいつ、他種族だけは別か!」

 

 このカイザの行為に、アルトは激怒する。彼は乗っているのが人間やエイリアンのみならず、殺さずに搭乗機の戦闘力を奪うだけに留めていた。

 

『ひっ!? た、助かった…!?』

 

「それで言い訳が付く! 早く離脱しろ!」

 

『な、何だか知らんが、ありが…』

 

「っ!?」

 

 一機の戦闘力を奪った空戦装備のザクⅣのパイロットは、自分を生かしたアルトに向けて礼を述べたが、その直後に、コクピットを何かの手刀で背後から貫かれた。無論、そのザクのパイロットは圧し潰されて即死である。

 

「駄目じゃないの、生かして帰しちゃ。駆除しないと、また大勢を連れて戻ってくるわ」

 

『お、お前…!』

 

「たまに居るのよね、こう言う良い子ちゃんブルの。そういうの、偽善って言うのよ」

 

 生かした敵を冷酷に殺害した正体は、トランスフォーマーのヘルスクリームであった。

 手刀を素早く引き抜き、生かして帰せば大勢と連れて戻ってくると、アルトに向けて告げる。この冷酷無情な行為に、アルトが怒りを向けるが、ヘルスクリームは意に返さず、偽善だと返して向かってくる敵機の集団を瞬きする間に殲滅した。

 

「向かってくるなら、駆除するしかないじゃない? ここで殺しておかないと、後々厄介なことになるし。それに、力の差を見せ付けないとね」

 

「マックスBB! 正論、正論!」

 

 不殺戦法を取るアルトの目の前で、ヘルスクリームは敵機のコクピットをレーザーの類で確実に撃ち抜き、次々とパイロットの命を奪っていく。地上の敵に対して暴れ回るマックスBBもそれに同調し、歩兵だろうが戦意を失って逃げる敵を容赦なく殺傷する。

 言っていることは正論であるが、ヘルスクリームとマックスBBは、キルモンガーと同様に殺戮を楽しんでいる節が見える。

 

「お前ら、殺しを楽しんでるのか!?」

 

「はっ、鬱陶しく集ってくる生物(ハエ)を殺して何が悪いっての! BB、こいつは無視して鬱陶しいハエ共の駆除を続けましょ! 地上の駆除はどうなってる?」

 

「マックスBB! 順調、順調!」

 

 殺しを楽しんでいるのかと言うアルトの問いに、ヘルスクリームは鬱陶しさを覚え、無視して殺戮を再開した。

 ヘルスクリームとマックスBBは自身らが機械生命体であってか、人間を初めとする生物を肉ケラと見下しており、殺害するのに一切の躊躇も無かった。あるとすれば必要な時であり、それ以外は鬱陶しい虫くらいでしかない。

 戦闘力も黒騎士のガラバやアスカのエヴァンゲリオン弐号機改に匹敵するほどであり、連邦軍と同盟軍機は蹂躙されるばかりだ。ヘルスクリームに至っては、戦闘機にトランスフォームすることもあってか、YF-29以上の機動力であった。

 

「はぁ、スカッとするわ。全く、こんな下等な肉ケラを殺すのに、どうして躊躇うのか。ただの鬱陶しいハエじゃないの」

 

 破壊された両軍の兵器で舞い上がる炎で周囲が赤く照らされる中、ヘルスクリームは自分らトランスフォーマーにとっては下等生物である人を殺すのに躊躇うことを疑問を抱く。

 

「地上の駆除は任せるわ。私は、真上に居る鬱陶しいハエ共の駆除に向かうわ。ヘルスクリーム、トランスフォーム!」

 

 地上の掃討をマックスBBに任せ、次なる標的を壮絶な空中戦を繰り広げる両軍に定めたヘルスクリームは、戦闘機にトランスフォームしてそちらへと向かった。

 

 

 

「こ、このMAV(マヴ)戦術は…!?」

 

『それに赤いATサイズも!』

 

 上空でアルトのYF-29が両軍の注意を引き付ける中、地上の方でも注意を引き付けている英霊たちが居た。

 それはシン・アスカのデスティニーガンダムとルナマリア・ホークのフォースインパルスガンダム、紅月カレンの紅蓮特式である。最初に遭遇した連邦軍と同盟軍の部隊を難なく奇襲で瞬殺した後、攻撃命令を出したクルト・アーヴィングに本当に離れて良いのかと問う。

 

「派手に仕掛けたけど、そっちは大丈夫?」

 

『大丈夫だ。それにお前たちの機体はよく目立つ。上空の早乙女准尉のように』

 

「私の紅蓮も目立つけど…単独行動の方がやり易い!」

 

 この問いにクルトは、機体が派手に目立つのでアルトのYF-29と同様にそちらへ注意が向くと返答する。それにカレンは納得しつつ、目に見える敵にスラッシュハーケンを撃ち込んで急接近し、機体の左手に持つ斬刀で突き刺す。

 

「注意を引き付けるのが目的なら、もっと派手に暴れてやる!」

 

 一機目を撃破したカレンは、両軍の注意を自身に向けるべく、紅蓮の背中からエナジーウィングを展開して高く飛翔し、更に多くの敵機を撃墜していく。この紅蓮特式のワンオフ機ゆえの高性能とバルキリー以上の高機動に、両軍のパイロットらは驚愕する。

 

「え、ATサイズであの機動力だと!?」

 

『あ、ありえん…! あんな機動をパイロットが出来るはずが…!?』

 

『か、固まれ! 死角を補うんだ!』

 

 その紅蓮が見せる機動は、パイロットたちを驚かせるには十分であった。

 

「良い感じで固まってくれている! 広範囲の輻射波動で!」

 

 恐れをなし、両軍の機動兵器が僚機の死角を補うために背中合わせを行ったのを確認したカレンは、一気に殲滅するために右腕の主兵装である輻射波動を広範囲で放つ。放たれた強烈なマイクロ波は、密集していた敵機群を熱し爆発させた。

 

火焔光背(かえんこうはい)でも着けさせられると思ってたけど、着けられなくて良かったわ。あの装備、私と紅蓮に合ってないんだよね」

 

 輻射波動の広範囲攻撃により、広範囲マクロ波を浴びせられた両軍の機動兵器の爆発が巻き起こる中、カレンは紅蓮特式の強化装備である火焔光背を着けられなくて良かったと口にする。

 その火焔光背なる強化装備は、拠点攻撃と防衛を目的とした物で、紅蓮特式の火力と防御を大幅に強化する。それを装備した紅蓮は十メートル以上の大型機となるが、その装備の重さ故、せっかくの機動力を殺してしま上にカレンの戦闘力と嚙み合っていない。なのでカレンは機動力を殺す重装備を嫌い、軽快で小回りの利く軽装備を好むのだ。

 

「そっちのカップルさんも、やるわね!」

 

 無数の敵機を輻射波動で撃破したカレンは、連邦軍の大型MA群や同盟軍の大型機群を蹂躙するデスティニーガンダムとインパルスを見て、余計な一言を付けながら褒めた。

 

「カップル? 俺とルナが…?」

 

 ビームライフルの一射ずつでバリエントやウィンダム群を撃破しつつ、投げたビームブーメランでザムザザーを撃破したシンは、そのカレンの言葉に思わず反応する。

 

「ちょっと、まだ違うっての!」

 

 ビームサーベルでグスタフ・カールを両断したインパルスを駆るルナマリアも、このカレンの言葉に反応するが、直ぐにまだ違うと否定する。まだと言うのは、いずれか告白するつもりだろう。シンもルナマリアも英霊なはずであるが。

 

「好きに暴れろって言うけど、注意さえ引き付ければ良いんだろ!? ルナ、俺から離れるなよ!」

 

『えぇ! 後ろは任せて!』

 

 両名はクルトから指示を受けていたらしく、シンは注意さえ引き付ければ良いと言って、ルナマリアに離れないように告げる。それにルナマリアは応じ、大多数の両軍の空戦用機動兵器相手に暴れ回るデスティニーの背後を守るように、狙おうとする敵機を破壊して随伴する。その二機のガンダムの戦い方は、二機一隊の戦法であるMAV戦術に似ていた。

 

「なんと阿吽の呼吸の如きMAV戦術! こちらとで月月火水木金金の訓練で鍛えた精鋭部隊よ! ガンダムとは言えたかがMS! 二機のMSのコンビネーションなど、集団戦法で粉砕してくれるわ!」

 

 カレンの紅蓮と共に味方や連邦軍を粉砕しながら迫るシンとルナマリアの二機のガンダムに対し、ウィルティネクス軍の第100独立海兵大隊は、月火水木金金の訓練で鍛え上げた集団戦法で粉砕しようと全戦力を持って迫る。

 

「こいつら! 精鋭部隊!?」

 

『他の奴らとは違う!?』

 

 この第100独立海兵大隊の戦法に、シンとルナマリアの進撃は止まるが、両名は多勢に無勢の戦いを幾度も経験した猛者だ。

 

「そんな戦法なんて!」

 

『ウォォォッ!? 何と強引な!?』

 

 それにシンが乗っている機体は、一番相性が良いデスティニーであり、右手で抜いた長剣で一気に突撃する。このシンの思わぬ行動に、包囲攻撃戦法を行っていたマリーネ・ゾルダートのパイロットは驚きの余り動きを止め、そのまま実体剣とビームの剣の役割を持つ長剣に切り裂かれた。一機を切り裂けば、シンは続けて左手でビームブーメランを投げ、続けて敵機を撃破していく。

 

「私だって!」

 

 これにルナマリアも負けず、ビームライフルの連射や胸部バルカン砲の連射で敵機の動きを止めた後、得意の接近戦のビームサーベルで一機目を切り裂き、二機目に向けて腰のサイドスカート内に収まっている収納式ナイフを、自機の背後を取ろうとしたゲルググメナースに向けて投げ付けた。

 

「ダァァァッ!?」

 

 投げられたナイフはゲルググメナースのコクピットに直撃し、搭乗者は巨大な刃に圧し潰されて絶命した。

 

「はぁぁぁっ!」

 

 ルナマリアのインパルスが、続けてゲルググメナースやマリーネ・ゾルダートを撃ち落としていく中、シンのデスティニーはその三倍以上の敵機を撃破していた。雄叫びを上げ、凄まじい速度で大隊長機のゲルググメナースに接近し、接近戦を挑もうとした敵機の胴体に掌にあるビーム砲を叩き込む。

 

『だ、大隊長殿ぉ! ノワァァァッ!!』

 

『なんなんだこいつらは!? ワァァァッ!!』

 

「月火水木金金の猛訓練をしてきた我が大隊が、たかが二機のMS相手にィ!? こうもあっさりやられるなどぉ! ヌォォォッ!!」

 

 シンとルナマリアと対峙したウィルティネクス軍の精鋭である第100独立海兵大隊は、二人の圧倒的な経験と技量、相性の良いガンダムの性能の前に壊滅した。休み無しの訓練を受けたはずの自分たちが、たかが二機のMSに敗北したことを認められない大隊長は、次々と爆散していく共に過酷な訓練を経験した味方機を見ながら機体と運命を共にする。

 

『やるじゃない! 今の奴ら、精鋭部隊だったけど』

 

『敵機、更に来るわ!』

 

「よし! 敵が諦めるまで、落とし続けてやる!」

 

 精鋭部隊を連携で壊滅させたシンとルナマリアに、カレンは褒め称える。

 そんな三人に、連邦軍と同盟軍は更なる増援を送り付け、数で圧倒しようとするが、ジェリドやアスカと同様に戦意は衰えず、むしろやる気となってシンは、ディステニーの左手に持った長距離ビーム砲を撃ち込み、アウトレンジ攻撃で一機の敵機を撃破した。

 

 

 

 シンとルナマリア、それにカレンが暴れ回りながら迫る戦闘区では、進出しようとしていた同盟軍の部隊が、連邦軍のある部隊に阻まれていた。

 

「こ、こいつ等…! 死に物狂いだ!」

 

 珍しいサザビーの量産タイプである陸戦用重装型に乗っているパイロットであるショウ・アカギ大尉は、敵機のドートレスとストライクダガーが死に物狂いで迫る勢いに押され、僚機であるザクⅣ等と共に下がってしまう。

 

「さぁ、死にたくなければ戦うでザンス! 逃げればどうなるか、分かってるでザンスか?」

 

 その死に物狂いでアカギの部隊を押し返すドートレスとストライクダガーを率いているのは、空中でサブフライトシステムに乗る護衛のグスタフ・カールに囲まれたペーネロペーを駆る中世風貴族の容姿端麗の男であった。

 彼の名はジャン・ルイズ・ジョルジュ・ド・ランヌ。自称ランヌ公爵の末裔。階級は大佐で、第666機械化混成連隊を率いている。この連隊は囚人部隊であり、グスタフ・カール以外は全て脱走兵や惑星オルドリンで徴用された者たちで構成されている。ランヌはスパルタンⅤであり、薬物による肉体強化と改造で戦闘力とパイロットの能力を驚異的に向上させている。尚、容姿は改造の結果ではない。スパルタンⅤとなったのは、ある人物に対する一心である。

 ドートレスとストライクダガーに乗せられた囚人兵らが死に物狂いで戦うのは、ペーネロペーのサイコフレームを使った脳波による爆破を恐れてのことで、生き残りたい一心で、性能で勝るアカギのサザビーとザクⅣらを後退させていた。

 

「あ、あれが奴らを脅しているのか!?」

 

 ペーネロペーが脅していると気付いたアカギは、直ぐに機関銃であるMG34に似たビームマシンガンを撃ち込もうとするが、ランヌはサザビーが自分を狙っていることに気付き、先手のビームライフルを掃射する。

 

『うぉ!? 気付いていたのか!?』

 

「ほぅ、ミーがこの庶民共を戦わせていると気付いたでザンスね! でも、無駄ね! 君にミーを殺すことは出来ないでザンス!」

 

 自分を狙ったアカギのサザビーに対し、ランヌは僚機のグスタフ・カール群と共に倍返しのビームの嵐を浴びせた。地上の囚人兵らの攻撃も合わさり、僚機のザクⅣが一機、また一機と減っていく。

 

「畜生、接近さえ出来れば!」

 

 この攻撃で味方を落とされるしかないアカギは、接近さえ出来ればと嘆く。

 彼のサザビー陸戦用重装型には、オリジナルのサザビーの武器であるビームサーベルとビームトマホークがあった。アカギが接近戦が得意であると言う証拠であるが、敵部隊は間合いの範囲外であり、こちらの反撃も許さず、一方的にビームを撃ち込んでくる。

 

「フハハハッ、嬲り殺しでザンス!」

 

 一方的に敵部隊を蹂躙することに、ランヌは快楽を覚えて高笑いを始める。そんなランヌに、部下がある知らせを伝える。

 

『連隊長殿、軍本部より連絡が…!』

 

「なに、軍本部からザンスか? 直ぐに読み上げるでザンス」

 

『はっ! この戦闘区に、アンノウン三機が接近中だと!』

 

「アンノウン? ミーの楽しみの邪魔をするとは! 一体どこの馬鹿でザンス!? そこの小隊、直ちにアンノウンを血祭りに上げるでザンス!」

 

 部下がアンノウンであるシンのデスティニーとルナマリアのインパルス、カレンの紅蓮が接近中の事を知らせれば、ランヌは一方的にアカギのサザビーの蹂躙を邪魔されたことに激怒し、グスタフ・カール一個小隊を差し向けた。

 

『なんだこいつ等!? 強いぞ!?』

 

『連隊本部より各隷下の大隊並び中隊へ! 当連隊の担当エリアにアンノウンが接近中! 注意されたし!』

 

「アンノウンだと? クソっ、ただでさえこっちは、蹂躙されてるってのに!」

 

 その知らせはアカギの同盟側に伝わっており、無線機から会敵した味方パイロットの声と、それを知らせる連隊本部の声が響いていた。

 これにアカギは悪態を付き、死に物狂いで突っ込んでくるドートレスとストライクダガーに向けて、ビームマシンガンを掃射した。




良いもん連中だけど、ヘルスクリーム様とマックスBBが混じってたわ。

ランヌの口調だけど、良く分かんないので、おフランス帰りのイヤミみたいな口調に。

まぁ、犬溶接マンが出てくる漫画にも、翻訳でイヤミみたいな喋り方する奴が居るしな。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。