スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

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前回のあらすじ

メガストーム「俺様が勝手に参戦なんだぞ!」


与えられる幸運など不要! 幸運とは、自らの手で引き寄せるもの!

 マリ・ヴァセレートこと白い魔女が召喚した英霊たちの活躍により、連邦軍と同盟軍双方は大損害を被り、両軍ともこの戦場から撤退した。

 二つの正規軍に撤退に追い込むほどの損害を負わせた白い魔女一同であったが、戦場を荒らされたことに激怒したヴィンデル・マウザー一派は、既に刺客を送り込んでいた。

 その刺客の一人であるM1エイブラムス戦車にトランスフォームするデストロン、メガストームは、連邦軍のパイロットであるガンガルを手下にしようと、彼のアデルMk-Ⅱ陸戦仕様の前に姿を現す。

 

「な、なんだこの博物館送りの戦車は!?」

 

 自分から見れば、博物館送りの代物である戦車が現れたことに、ガンガルは驚いてアデルの足を止め、ライフルの銃口を向けた。銃口を向けられたメガストームは驚き、敵ではないことを伝える。

 

「おっ!? 待て! 俺は敵じゃない!」

 

「な、なんで俺の機体の周波数を知っているんだ!? 何者だ貴様!?」

 

 自分の機体の無線周波数を知るメガストームに驚くガンガルは、驚きながらライフルの銃口を向け、何者かと問う。

 

「まぁ、驚くのは無理もないんだな。メガストーム、トランスフォーム!」

 

「うぉ!? 戦車が人に変身した!?」

 

「俺がメガストーム! いつしかこの世界の支配者になるトランスフォーマーなんだぞ!」

 

 そのガンガルの問いに、メガストームは人型へトランスフォームし、驚く彼の問いに自己紹介で答えた。

 

「更に驚かせて済まなかったな。だが、ここで俺の指示に従えば、後々俺に付いたことを幸運だと思うんだぞ」

 

 驚いて警戒するガンガルに、メガストームは左腕の装置を動かし、ある物を取り出してそれを適当な場所に向けて投げた。

 

「な、なんだその生き物みたいなのは!?」

 

「これはオーラバトラーという物。この青い奴はビランビーとか言う機種だ。性能は、オーラ力とか言うパワーを使うから、そのマイナーチェンジ機よりも強いんだぞ」

 

 メガストームがガンガルの目の前に出したのは、黒騎士のガラバと同じオーラマシンであるオーラバトラーであった。機種はビランビーと呼ばれるタイプであり、オーラ増幅器を搭載しているので、地上人で技量の高いパイロットであるガンガルが使えば、黒騎士のガラバと対等に戦えるだろう。

 

「乗ってみるか?」

 

「まぁ、テストなら…!」

 

 ビランビーを紹介したメガストームの誘いに、強力な力を欲するガンガルはそれを承諾し、オーラバトラーに乗り込んだ。

 

「フハハハッ! 凄い、凄いぞ! このオーラ・マシンなら、モビルスーツなどガラクタだ!! 俺の実力を認めない連邦軍など、辞めてやるわ!」

 

 結果、ガンガルはオーラバトラーの性能に魅入られ、連邦軍を脱走し、メガストームの配下となった。

 

「良いぞ! オーラマシンの魅力は、肉ケラのパイロット共を引き寄せる! この調子で、逃げ遅れた肉ケラの兵隊共を俺の部下にしていき、俺の軍団を作るんだぞ!」

 

 オーラマシンの力に惹かれたガンガルの様子を見て、メガストームは手応えを感じ、逃げ遅れた連邦と同盟の両軍のパイロットたちにオーラマシンを与え、自らの軍団を創設するべく、奔走した。

 

「よし、次はヘルスクリームとマックスBBを俺の指揮下に入れるんだぞ!」

 

 数十分もしない内に、ドラムロやボゾン、ビアレス、ボチューンと言ったオーラバトラー軍団が結成された。そのオーラバトラー軍団を率いるメガストームは、次にヘルスクリームとマックスBBを指揮下に収めるべく、そちらの方向へと向かっていった。

 

 

 

 メガストームが付近の連邦軍や同盟軍の逃げ遅れた将兵らを勧誘し、軍団を結成する中、南斗紅鶴拳のユダの前に、ヴィンデル・マウザー一派の刺客たちが姿を現した。

 

「なんだ、貴様ら?」

 

「俺は南斗聖拳のゴダール!」

 

「同じくヴィザル!」

 

「南斗六聖拳の一つ、南斗紅鶴拳の貴様を殺して名を上げるのよ!」

 

 ユダの問いに対し、ゴダールとヴィザルは名前を名乗り、殺して名を上げると宣言する。

 

「俺の拳を受けて見ろ! ぶべっ!?」

 

 先に仕掛けたのは、ゴダールであった。常人の三倍速い一歩目の踏み込みでユダに挑んだが、その前に顔面に一撃を受けて吹き飛ばされた。

 

「その程度で、この俺を殺せるとでも?」

 

「こ、この野郎! 死ねっ!!」

 

 吹き飛ばされたゴダールは、挑発するユダに激昂してか、左腕の義手を外して仕込み刀を出し、取り外した義手を投げ付けた。投げられた義手は即座にユダの拳で切り裂かれるが、それは目晦ましであり、三倍の一歩の踏み込みで仕込み刀の間合いまで迫っていた。

 

「取った! あら? し、視界が、おかしいぞぉ…?」

 

 並の者なら、ここで仕込み刀で斬られているところだが、ユダは南斗紅鶴拳の伝承者である。ユダが義手を切り裂いた時点で、既に伝衝裂波(でんしょうれっぱ)を放っていた。身体が切り裂かれていることに気付かず、ゴダールは視界が歪んだ事でそれに気付いた。

 

「お前如きでは俺は倒せんよ」

 

「しょ、しょんにゃ!?」

 

 切り裂かれたことに気付いたゴダールが思わず動きを止めたことで、ユダが近付いて少し触れれば、切り裂かれた身体は真っ二つに割れた。当然、ゴダールは断末魔を上げて死亡する。

 

「俺をゴダールの奴と一緒にするなよ! ヒヤァァァッ!!」

 

 ゴダールを切り裂いたユダに対し、ヴィザルは自慢の長い脚による足技で挑んだ。

 南斗聖拳であり、切れ味はあるのだが、相手は南斗六聖拳の一人であるユダだ。それを最低限の動きだけで躱し、伝衝裂波の真空波を放ち、ヴィザルの右足を斬り落とした。

 

「うぉぁぁぁっ!? お、俺の足が!? 俺の右足がぁぁぁ!!」

 

「貴様の南斗聖拳、全くなっちゃいない。それでよくも南斗の名を名乗れたものだ」

 

「ふざけやがって…! 死ねっ!!」

 

 ユダから見れば、ヴィザルの南斗は紛い物であったようだ。それを指摘され、斬り落とされた右脚を抑えるヴィザルは、奥の手である右手の義手から隠し大砲を出し、それをユダに向けて放った。

 

「愚かな! 己の拳ではなく、武器に頼ったか」

 

「ひょっ!? アバァァァッ!?」

 

 が、大砲の轟音が鳴り響いた瞬間、ユダはヴィザルの背後に居た。ユダが背後に居ると言う事に、ヴィザルは驚きながら振り返ったが、既にゴダール同様に切り裂かれており、身体は左右に分かれていた。ヴィザルは自身の身体が左右に、それも綺麗に分かれていることに驚きながら絶命する。

 

「一体どこの流派だ? いや、あの様子では、おそらく技も伝承してないだろう」

 

 ユダからすれば、ゴダールとヴィザルの拳は南斗聖拳とは言えない物であった。つまらなそうな表情を浮かべるユダは、その場から去ろうとしていたが、新しい刺客が直ぐに姿を現す。

 

「なんだ? また死にに来たか?」

 

 それは、コクテンを初めとするウェイロン、ゼンザイの三人だ。

 先にユダに殺されたゴダールとヴィザルと同じくヴィンデル一派が送り込んだ刺客たちである。

 

「貴様、英霊か?」

 

「そうだと言ったら?」

 

「俺様の突きで殺してやるまでよ! つらぁぁぁっ!」

 

 ウェイロンの問いにユダが問い返せば、ゼンザイは巨体に見合わぬ凄まじい速度で突きを食らわせるべく、急接近を掛ける。

 

「そ奴を殺すのは儂じゃよ!」

 

 ゼンザイに続き、ウェイロンも老体に似合わぬ速度でユダを殺しに向かった。

 

「お前たちの面倒だ」

 

『えっ?』

 

 が、面倒くさがったユダは拳を放ち、既にウェイロンとゼンザイを切り裂いていた。

 

「ほぎゃぁ!?」

 

「速過ぎィ!!」

 

 ウェイロンとゼンザイが断末魔を上げて死亡する中、戦場に不釣り合いな紳士であるコクテンは、持ち込んでいた椅子に座り、同じく持ち込んでいる机の上に置いてあるポッドを持ち上げ、ティーカップに紅茶を注いでいた。

 仲間が一瞬にして殺されたのに、何もせず茶を嗜むコクテンに、ユダはそんな余裕があるのかと問う。

 

「この妖星のユダを前にして、優雅にティータイムとは。何か策でもあるのか?」

 

「えぇ、ありますよ。それは幸運です。それも私の」

 

「幸運だと?」

 

 ユダの問いに対し、コクテンは自身の幸運こそが策であると答えた。それに疑問を抱くユダであるが、喋っている間に何かの策を発動されるのを警戒してか、斬撃を飛ばしてコクテンを殺害しようとする。が、斬撃はコクテンに届く前に、落ちて来た兵器の残骸で防がれてしまう。

 

「なんだ?」

 

 偶然と思い、もう一度放つが、コクテンに届く前に、落ちてくる残骸に邪魔をされてしまう。今度は空中からコクテンに襲い掛かるも、流れ弾に邪魔をされる。

 

「この俺に流れ弾だと? しかも俺の美しい顔に傷が!」

 

 流れ弾はユダの頬を掠めた。自分の美貌に絶対的な自信を持つユダにとって、顔に傷をつけられることは何よりも許せない事であった。

 

「ほほほっ。どうやら、わたしの幸運が発動したようですな」

 

 睨み付けてくるユダに対し、コクテンは自身の幸運が発動したことを確認する。

 ユダが悔しがる姿を見ながら優雅にティータイムを取るコクテンの能力は幸運であった。

 

 天文学的な確率で起きる幸運を自身に呼び寄せることが出来る。が、その幸運はコクテンの者ではなく、周囲の者たちから奪い取っている物だ。周囲に居る人が多ければ多いほど、その効果は増す。

 この幸運に余って、コクテンは動かず、己の幸運のみで数々の敵を抹殺してきたのだ。

 その幸運さゆえに利己的な性格であるコクテンは自らを選ばれし者だと思っており、他人が苦しむさまを見て喜ぶと言うサディストであった。

 

「そう、ワタシの能力はいま貴方のご想像通りに幸運です。それも、他人からその幸運を吸い取る! 貴方は今、ワタシに幸運を吸い取られ、不幸になっているのです!」

 

 その睨み付けているユダに向け、コクテンは堂々と自分の能力である幸運を明かした。そればかりか、自分の所為でユダの幸運が吸い取られ、不幸になっているとまで明かす。それを明かすように、ユダは流れ弾や落下してくる残骸で攻撃を受け、地面に膝をつく。

 

「くっ…!」

 

「はははっ、どうですか? 悔しいでしょう。このワタシに触れることも出来ず、死んでしまうのだから!」

 

 何もしなくても勝てる優越感を覚えたコクテンは、ダメージを受けて地面に膝をついたユダを嗤い始める。

 

「全ては幸運! 努力や鍛錬など無駄! いくら知識を蓄えようが、失敗しないように準備を進めようが、成功しなければ無意味! が、幸運はその全てを行わなくとも、必ず成功させてくれる魔法! 足りなければ、他者から奪えば良し!」

 

 幸運こそが全てと語るコクテンは、もはや紳士には見えず、身勝手な男の姿であった。先にユダに殺されたゴダールとヴィザル、ウェイロンにゼンザイは、コクテンに運気を吸われる為に利用されたに過ぎない。コクテンが疫病神と言っても、過言ではないだろう。

 

「他者はワタシの運気を吸われるために存在する! よって、運気を集めることが出来るワタシこそが最強なのだッ!!」

 

 その本性を曝け出したコクテンに対し、様々な不運でダメージを受け、地面を膝につけていたユダはそれを見て、つまらない男だと口にする。

 

「フッ、所詮は運だけの奴か。つまらん奴だ」

 

「負け惜しみを。運さえあれば、何もかも成功するのですよ? それを理解できていますか?」

 

 運だけのつまらない男と言われたコクテンは、ユダの負け惜しみと見なして相手にしなかった。そんなコクテンに、ユダは立ち上がりながら尚も挑発を続ける。

 

「負け惜しみだと? お前など、運さえ取り上げてしまえば、殺すことなど簡単だ。いや、殺す価値も無い。それにお前は運に頼り過ぎている。否、運に依存し過ぎている。運が無くなれば、お前に価値などない」

 

 ユダは運を取り上げてしまえば、殺す価値も無い奴であると告げた。そればかりか、運に頼り過ぎると言うか、依存し過ぎであることも煽りながらコクテンに告げる。

 確かにコクテンは運だけしかない。相手は持ち込んだティーセットで優雅な一時を過ごしている間に、自爆か突然の病、天災で死んでいた。それは運によるもので、コクテンは何もしなくても、大将を殺すことが出来た。が、それが無ければ、コクテンは容易く殺せる男である。

 同じヴィンデルの同志である北斗琉拳のハンからも、ユダと同じように運だけのつまらない男と評され、相手にされなかった。

 

「こ、このオカマ野郎…! 俺を馬鹿にしやがって…! 運を味方にできる俺は最強だ! テメェのくだらねぇ鍛錬や努力なんぞ、俺の運の前じゃ、んなもんは無駄のゴミなんだよ!!」

 

 ハンと同じくつまらない男だと言われたコクテンは、相当頭に来たのか、着飾っていた紳士の姿を殴り捨て、本性である身勝手で粗暴な男の姿をユダに晒した。暴言を吐きながら怒鳴り、運を引き寄せることが出来る自分こそが最強だと告げる。

 

「それがお前の正体か。やはり、つまらない男だ。貴様の幸運、この妖星のユダが奪い取る!」

 

「ハハハッ! 俺の幸運を奪うだァ? 奪えるわけねぇだろがッ! 追い込まれ過ぎて頭での湧いたかァ!?」

 

 自身の挑発でコクテンの正体を暴いたユダは、その幸運を奪い取ると宣言する。それをコクテンが粗暴な本性を晒しながら嗤っていたが、既にユダは南斗紅鶴拳の拳を飛ばしていた。

 

「馬鹿が! テメェの技は俺には届かねぇんだよォ! 早く自滅しろ!」

 

 宣言の後に、ユダが攻撃を始めたので、コクテンは無駄であると嘲笑いながら告げ、紅茶の入ったカップを口に運ぼうとしたが、ティーカップを持っていた右手どころか、皿を持つ左手も含め、両腕を切断されていた。

 

「あれ? アレェェェッ!? お、俺の腕ァーッ!?」

 

 普段なら幸運で放った斬撃は落ちてくる物か、流れ弾で防がれているはずだが、ユダが幸運を奪い取ると宣言して放った拳は、防がれることなくコクテンの両腕を切り裂いた。

 

「幸運の女神は、身も心も醜いあの男より、誰よりも美しい男である俺を選んだか!」

 

 ユダにとって賭けであったようだが、挑発で醜い本性を曝け出したコクテンを見放したようだ。その賭けに勝ってコクテンより幸運を宣言通りに奪い取ったユダは、勝利を確信する。

 

「ひぃやァァァッ!? 俺の、俺の腕ェェェッ!!」

 

「無様だな! 所詮貴様は運が無ければ何もできん男! 殺す価値も無い! 何処へでも逃げるが良い!」

 

 両腕を切断され、激痛と喪失感、恐怖でコクテンは狼狽え、喚き散らす。最初こそ紳士の振る舞いをしていたが、挑発で醜い本性を曝け出し、ユダに幸運を奪い取られた後は、両腕を失って恐慌状態に陥った男であった。依存していた幸運を奪い取られ、両腕まで失ったコクテンのその姿を見たユダは、そんなコクテンを殺す価値も無い男と告げ、何所にでも逃げるように告げる。

 

「うわぁぁぁっ! 助けてぇーッ!!」

 

「確かに幸運の無いお前など、殺す価値は無い。だが、お前の向かっている先は…!」

 

 ユダの言葉に応じ、幸運を奪われて何もできないコクテンは泣き喚き、失禁や脱糞しながら逃げる。そんなコクテンに、ユダは殺す価値は無いが、彼が向かっている先には、連邦軍か同盟軍の物と思われる地雷が散乱しており、一つは起動状態にあった。

 それを見たユダは、コクテンが吸い込まれるように向かっているのが分かったので、自分が手を下さずとも運が始末していると見込み、敢えて眺めていた。その数秒後、ユダが見込んだ通り、コクテンは地雷を踏んだ。

 

「えっ!? じ、地雷ィィィッ!?」

 

 喚き散らしながら地雷を踏んだコクテンは、普段は踏むはずのない地雷を踏んで驚きの声を上げた。幸運があれば、自分が踏むどころか、敵が踏んでいたところであるが、その地雷を自分が踏んでしまったことに、コクテンは認めたくは無かった。

 

「ヤダァァァッ!!」

 

 が、幸運の無いコクテンに運命は残酷であり、幸運ではなく、死を与えた。嫌だと叫んでいたが、それがコクテンの断末魔となり、彼は地雷の爆風で吹き飛んだ。

 

「フン、幸運の次は、不運が舞い降りたか」

 

 地雷を踏んで爆発し、身体を吹き飛ばされたコクテンの頭がユダに向けて飛んできたが、その頭を無慈悲に切り裂く。飛んできた頭を切り裂いたユダは、幸運を取り上げられたコクテンが、不運に見舞われたと解釈し、何所からかハンカチを取り出し、それで顔の血を拭いた。

 

「他人から幸運を奪う能力か…フン!」

 

 血を拭いた後、ユダはコクテンより奪った他者から幸運を奪う能力、あるかどうか不明であるが、それを捨て去るため、何もない場所に拳を振るう。

 

「与えられるだけの幸運だの、この誰よりも美しくて強い男である俺に不要だ。南斗紅鶴拳で十分!」

 

 ユダには他者から幸運を奪い取る能力は不要であった。誰よりも美して強い男と自称するユダには、南斗六聖拳の一つ、南斗紅鶴拳があるのだから。それに幸運など必要なかった。元から持っていたのだ。

 

「それに俺は元から幸運だ。幸運など、手に入れるか、自身に引き寄せる物だ。それで俺は南斗紅鶴拳の伝承者として選ばれのだ。そしてこの強くて美しい俺が唯一認めた男の胸の中で、俺は死ねたのだからな…」

 

 幸運とは自身に引き寄せるものと言いつつ、自身の死に際の事を思い出す。

 それは、ナルシストのユダが唯一美しいと認めた男、南斗水鳥拳の伝承者であるレイであった。

 世紀末の世で互いに全力で殺し合い、最後の最期で心奪われたレイの奥義をその身に受け、ユダは瀕死の状態となった。息絶えるのならば、美しいと唯一認めたこの男の胸の中でと思うその気持ちに応え、レイは自身の胸を貸した。

 狂わせた元凶と手下たちに見放され、一人寂しく死に行く男に対するレイの哀れみだろうが、その望みを叶えられたユダは、満足して静かに、そして美しく息絶えた。

 

「この調子だと、マスターの方にもあの連中が居るだろうな。では、この誰よりも美しく、強い男である俺が連中を殺してやるか!」

 

 戦闘は続いており、先のヴィンデル一派の者たちが自身のマスターである白い魔女の方にもいると判断し、ユダは敵集団を排除すべく、何所からともなく動きやすい軍服のような衣装に着替え、ヘルガーンの乾いた大地を歩んだ。




またユダ様の所為で、応募キャラが出せなかったよ。
二回目だけど、手を抜くと、夢の中で殺されちゃいそうだから。
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