スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

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名前:スパルタン・キラーパンサー
性別:男
年齢:32
身長:220
武器:アームパンチ(アーマーの武器)
出身:不明
概要: 無敗記録を更新し続けていたものの、賭け試合で失格になったレスリングの元チャンピオン。
追いだされた後、違法な賭博や殺人行為が横行する裏レスリング大会に参加していたが、摘発で逮捕される。減刑を求めてスパルタンⅤに参加し、アーマーの適性があったため、スパルタンⅤとなる。
本名が嫌いなのでリング名を名乗っている。美味い酒と闘争さえあれば良いらしい。
アーマーの外見:キャラメルマン一号をミニョルアーマー風にデザインした物。絵柄は鳥山明風味。
キャラ提供はケツアゴさん




迫る刺客たち その2

「ん、北斗の拳の雑魚キャラか?」

 

 付近の連邦軍や同盟軍が撤退し、手持無沙汰となった草加雅人こと仮面ライダーカイザは、乗っているサイドバッシャーの上から泰山寺の拳士たちに攻撃を受けているクルトらを見付けた。

 ジャキルとメッサイガを見たカイザは、生前に読んだ事がある漫画のキャラクターを思い出し、その漫画に出てくる主人公に倒される雑魚のキャラクターだと思った。

 

「まぁ、妖星のユダが居るくらいだからな。漫画のように殺すか」

 

 漫画のように殺すと口にしたカイザは、サイドバッシャーをそちらへと向かわせる。

 

「仮面ライダー、我が泰山寺の拳で討ち取る!」

 

 向かってくるカイザのサイドバッシャーに気付いた泰山寺の拳士たちは、仮面ライダーを討ち取って名を上げようと迫る。ジャキルやメッサイガとは違って突出した身体能力も無ければ剛拳も持たない拳士たちであるが、能力不足を補うため、連携を取ってカイザに襲い掛かる。

 

「やれやれ、雑魚キャラが群れて」

 

 集団戦法で向かってくる泰山寺の拳士たちに対し、カイザは鬱陶しさを覚えてサイドバッシャーの機銃掃射を浴びせた。戦闘車両に搭載されている対人型の機銃掃射であり、弾丸の雨を浴びせられた拳士たちは薙ぎ倒されていく。

 

「ひでばっ!?」

 

「ぎょえっ!?」

 

「フン、雑魚が」

 

 機銃掃射で薙ぎ倒されていく拳士らを見て、カイザは鼻で笑って前進を続けるが、背後から四人の棒術やカギ爪を使う拳士たちが迫っていた。

 

「取った! 死ねっ!!」

 

「死ぬのはお前らだ」

 

 迫る泰山寺の四人にカイザは気付いており、得物であるカイザブレイガンのガンモードで二名を撃ち落とし、残る二人をブレードモードで切り裂いた。

 

『ひょぼばー!』

 

 背後から飛び掛かった四人は、断末魔の叫びを上げて死亡した。

 

「へへへっ、ぶっ殺してやるぜ!」

 

 が、邪魔者は泰山寺だけではない。スパルタンⅤも現場に来ていたのだ。

 そのうちの一人であるスパルタン・キラーパンサーは、カイザを見付けるや否や、己の力を過信して襲い掛かる。

 

 スパルタン・キラーパンサーは、本名不明の元レスリングのチャンピオンだ。

 無敗記録を更新し続けたが、金に目が眩んで八百長試合を行い、レスリング界から追い出された。

 その後、違法な賭博や殺人行為が横行する裏レスリングに参加し、連戦連勝をしていたようだが、摘発にあって逮捕された。が、運が良いことにスパルタンⅤの志願者を募集している時期であり、減刑を求めてスパルタンⅤ計画に志願した。

 現在身に着けているミニョルアーマーの適性が合ったので、見事にスパルタンⅤとなれた。

 本名を名乗らず、リング名を名乗っているのは、本名を嫌っているからである。

 

「このパンチでお陀仏だ! 死ねっ!!」

 

 ミニョルアーマーの右腕に搭載されたアームパンチをカイザに叩き込もうとしたが、キラーパンサーが無駄に殺気を放ち過ぎているため、カイザに気付かれてブレイガンのブレードモードでヘルメットを切り裂かれた。

 

「ぶぼん!?」

 

「仮面ライダーか?」

 

 襲い掛かったキラーパンサーを見て、カイザは思わず仮面ライダーと思い込む。似ているのは仕方ないが、中身は別物だ。ヘルメットを破壊され、お世辞にも綺麗とは言えない素顔を晒したキラーパンサーは、カイザを睨み付ける。

 

「こ、この野郎ぉ~! 俺のヘルメットを~!」

 

「今度はドラゴンボールのリクームか? でも、リクームより弱そうだな」

 

「ふざけんじゃねぇ! 死ねぇ~!」

 

 カイザはキラーパンサーの顔を見て生前に読んだ漫画をまた思い出し、そのキャラクターに似ていると言えば、相手は激昂してアームパンチを叩き込もうと突っ込んでくる。

 が、動きは白い魔女が交戦している仮面ライダーアイアンメイジ同様、単調で大雑把であり、努力、追い求める女性のために頭脳明晰、運動神経抜群の貴公子となった草加雅人こと仮面ライダーカイザには容易に見切れる動きだ。

 間合いを見計らい、ブレードを振るえば、キラーパンサーはミニョルアーマーごと両断された。

 

『短過ぎんだろォーッ!?』

 

 両断されたキラーパンサーは、変な断末魔を叫びながら爆散した。

 

「ドラゴンボールのキャラじゃなくて、北斗の拳のキャラだったか? まぁ、どっちでも良いか」

 

 奇妙な断末魔を上げてキラーパンサーが爆散したので、カイザは別の漫画のキャラだと思い込んだ。

 邪魔者が居なくなったところで、カイザは味方を襲うジャキルとメッサイガの元へ駆け付け、過剰火力のサイドバッシャーを元のサイドカーに戻し、ガンモードで両者の背中を撃った。

 

「な、なんだ!? 誰だ!?」

 

「拳士の背中を撃つのは何者か!?」

 

 クルトらを圧倒していたジャキルとメッサイガは、背中からの攻撃を受け、腹を立てて自分の背中を撃った正体を目で探す。

 

「ここだよ、雑魚!」

 

「俺たちを…」

 

「雑魚だと!?」

 

 自分を探すジャキルとメッサイガに対し、カイザは自ら名乗って居場所を晒した。カイザを見付けたジャキルとメッサイガは、即座に始末しようと迫る。

 

「仮面ライダーか! 俺の熊爪で引き裂いてくれるわ!!」

 

 先にカイザを攻撃したのは、剛拳を誇るメッサイガであった。得物である熊爪で引き裂かんと、巨大な両腕を振り下ろすが、カイザはそれを見切り、ブレードで切り裂いた。

 

「ぎ、ギニャァァァッ!? お、俺の腕ェェェッ!!」

 

 カイザのブレードが切り裂いたのは、メッサイガの巨大な両腕であった。

 

「俺の、俺の腕がァァァッ! 腕ェ、俺の剛拳がァァァッ! アブっ!?」

 

「全く、デカい図体の癖に、泣き叫びおって!」

 

 自慢の剛拳である両腕を切り裂かれたメッサイガは泣き叫んでいたが、飛び掛かったジャキルのトンファーを頭に挟む形で叩き込まれて絶命する。

 

「仲間を殺すとは、ますます漫画の悪役だな」

 

「フン、両腕を喪った拳士など、生きる価値も無いわ!」

 

 仲間を殺したジャキルに、カイザは驚くことなく漫画に出てくる悪役であると告げる。これにジャキルは、両腕の無い拳士は生きる価値が無いと自身の行いを正当化する。

 

「正当化、ますます漫画の悪者じゃないか。それも酷い自己中心的な」

 

「フン、勝利者こそ強者で正義なのだ! 大人になって漫画など読む奴など、いつまでたっても弱い! 正義の味方気取りの貴様など、この棒術で殺してくれるわ!!」

 

 酷い自己中心的な奴だとカイザから言われたジャキルであるが、己を顧みず、そればかりか目前の仮面ライダーを弱者で悪だと決め付け、トンファーで殴りかかる。

 メッサイガとは違って速く、トンファーの振るう速さも機関銃の如くであるが、カイザはその全てを見切り、最低限の動きで躱しながら反撃の隙を窺い、見付ければ即座にブレードを振るい、ジャキルの二振りのトンファーを破壊する。

 

「ちっ、まぐれだ! 俺の十八番であるこの大振りの棍棒を受けるが良い!!」

 

 得物を破壊されたジャキルは、懐から短い棒を取り出した。何かのスイッチを押せば、それが全高二メートルのおお振りの棍棒へと変貌する。

 

「北斗の拳とドラゴンボールが混ざり過ぎているな。まぁ、どうせ悪役を混ぜたような物だ」

 

 そのジャキルの棍棒を見たカイザは、自分の得物である複合武器を仕舞い、リーチの短いパンチングユニットであるカイザショットを取り亜dす。それを見たジャキルは鼻で笑い、舐めて棍棒で殴りかかった。

 

「フン、そんなもので! 我が棒術を防げると思ったか!? 死ねっ!!」

 

 振り下ろされる大きな棍棒に、カイザはミッションメモリーをカイザショットに装着し、腰のベルトに付けてあるカイザフォンのエンターキーを押し込んだ。

 

「なにッ!?」

 

 頭の寸前まで棍棒が迫ったところでカイザは躱し、そこから一気にジャキルの懐まで接近して、発動させたカイザショットによる強力なパンチを行う。その名もグランインパクト。このパンチを受けた標的は、多大なダメージを負う。

 

「おばたけーッ!!」

 

 自身の棒術を躱され、懐まで接近を許してしまったジャキルは、直ぐに反撃を行おうとするも、間に合わず、カイザのグランインパクトを腹に受け、生前に戦って来た怪人オルフェノクと同じく、絶命して砂化した。

 

「あれが仮面ライダーか…」

 

 カイザに助けられたクルトは、あれが仮面ライダーの力であると認識する。

 

「おっと、マスターは量産型ライダー共と戦うのか。仮面ライダーには、仮面ライダーだな」

 

 そんなクルトらを放って、カイザはベンヤミンらヴィンデル一派の仮面ライダーたちと対峙する白い魔女を見付け、そちらの救援へと向かった。

 

 

 

「プっ! これが仮面ライダーか」

 

 仮面ライダー一型と交戦するキルモンガーは、マスクを外してから血反吐を吐く。

 凄まじい高速戦闘で、相手がこちらの意表を突こうと必ず背後を取ることは理解したが、こうも速くては対処が追い付かず、ダメージが蓄積していた。

 

「だが、段々奴の動きを読めてきたぞ…正義のヒーロー様が、んな戦い方をしちゃいかんだろう」

 

 マスクを戻したキルモンガーは、再び攻撃態勢を取る一型の攻撃に備える。対する一型も、一気に片を付けるためか、レバーを二回操作して必殺技を発動させ、右足にエネルギーを溜め込み始める。言わずもかな、ライダーキックである。

 

「ライダーキックって奴か。良いだろう!」

 

 ライダーキックを行おうとジャンプした一型に対し、キルモンガーはその場に敢えて立ち、躱すタイミングを見計らう。一型は立ち止まっているキルモンガーに、容赦なくライダーキックを行い、右足に漲らせたエネルギーを叩き込もうと伸ばした。

 迫る右足に、キルモンガーはギリギリのタイミングまで待ち、顔面の目の前まで一型の右足が近付いた瞬間に躱し、強烈な力を込めた右手拳を相手の胴体に叩き込んだ。

 

「っ!?」

 

 胴体に右拳を叩き込まれた一型は、キルモンガーの行動が想定外であったらしく、対処しきれなかった。

 

「フン!」

 

 キルモンガーの拳は一型のライダースーツを貫通し、胴体内部にまで達していた。凄まじいダメージで、一型の変身は解け、元の量産型Wシリーズの姿へと戻る。Wシリーズに拳をめり込ませたキルモンガーは、そこから脊髄を掴み取り、一気に引き抜いた。

 

「フェイタリティだ」

 

 Wシリーズの胴体から首ごと脊髄を引き抜いたキルモンガーは、まだ動いている胴体に向け、引き抜いた頭部をぶつけて確実に、完全に相手を破壊した。

 

「結構キツイな…報酬でも貰わないと、やっていけねぇぜ」

 

 一型を倒したキルモンガーは、疲労を感じてマスクを外してその場に座り込んだ。それから近くで倒れている連邦軍歩兵の屍から水分補給用のバックパックを剥ぎ取り、水分補給を行う。

 

「どうやら、まだ戦いは続いている様だな」

 

 キルモンガーもベンヤミン一団の接近を知り、戦いはまだ続くと判断してマスクを装着し、戦闘態勢を続ける。

 

「まぁ、やるだけやってみるか」

 

 少しばかり休憩して、体力を回復させたキルモンガーは立ち上がり、そちらの方へと向かった。

 

 

 

「私を倒す仮面ライダー?」

 

 一団を率いて現れたベンヤミン・デニス・バルテンに、白い魔女は問う。

 

「そうだ。俺はお前を倒す仮面ライダーだ」

 

 白い魔女に問われたベンヤミンは、仮面ライダーティーガーの変身ベルトを見せ付けた後、答えながらそれを腰に装着する。変身はせず、右手に持っているワルサーP38自動拳銃の安全装置を外し、いつでも撃てるように引き金に指を掛けた。

 

「助けてください! こいつに、こいつに殺される!!」

 

 ベンヤミンが引き連れて現れた一団は、異世界の量産型の仮面ライダーであるマス・ライダーとその旧型量産タイプであるスパルタンと言う異質な面々だ。

 

 マス・ライダーは全員が軍用であり、標準装備から重装備型まで幅広い。形状はオリジナルとは違い、装甲には迷彩色が施され、頭に被っているのが第二次世界大戦中のドイツ軍のヘルメットであり、まるでドイツ武装SSの歩兵のようだ。

 武装もモーゼルC96自動拳銃、MP40短機関銃、Stg44突撃銃、MG42機関銃のような銃火器が中心であり、接近戦用の武器は腰に帯刀しているサーベル、もしくは槍か。パンツァーファウストらしき重装備も見られた。

 

 旧型量産型仮面ライダーであるスパルタンも、形状はベンヤミン配下のマス・ライダーに近い。ヘルメットも大戦中の独軍の形状であるが、違いとすれば、口にフィルターがあるガスマスクを身に着けている事か。

 名付けて、ゾルダートスパルタンと言える。武器類はマス・ライダーと同じである。

 アレクサンダー・フォン・シュタインが装着する両腕に装備された大型ビーム砲が特徴的なスパルタンシリーズ19番目のパンツァースパルタンに似たスパルタンの姿も見られた。ワンオフ物であるはずだが、この世界の科学力を使ったのだろうか、数十着以上も量産されていた。

 オリジナルのパンツァースパルタンとは違い、少し簡素なデザインとなっており、オリジナルにあった弱点や不要な物を削ぎ落として同時に軽量化を果たし、訓練を受けた兵士なら誰にでも扱える仕様となっている様だ。

 装備の換装も可能であり、ビーム砲のみならず、機関砲やガトリング砲、ロケット砲などのタイプが居た。

 

 そんな量産型仮面ライダーを率いて現れたベンヤミンに、無様に敗れ去ったザザルザーは助けを乞う。

 

「へへへっ、お前の敗北も確定だ! この魔女め!! さぁ、あの魔女を殺してくださいよ! あいつは俺ェ!?」

 

 助けを乞うばかりか、ベンヤミンを自分を助けに来たと勘違いし、ザザルザーは調子に乗って白い魔女に向けて下品な笑みを見せ、殺してくれと頼んだ。これにベンヤミンは苛立ってか、それとも最初からザザルザーを撃つつもりだったのか、古めかしい自動拳銃を調子に乗る男の股間に向けて撃った。

 

「うわぁぁぁっ! あぁぁぁっ!!」

 

「負け犬風情が、調子に乗るんじゃない。それに、男の癖に最期の血の一滴まで戦わんとは…!」

 

「やだっ! やだぁ!! 殺さないでぇ! 殺さないでェェェッ!!」

 

 股間を撃ち抜かれて悶え苦しむザザルザーに、ベンヤミンは男の癖に最期まで戦わないことに苛立ち、喚きながら必死で命乞いをする彼の眉間に向け、もう一度引き金を引いてとどめを刺した。

 

「見っともなく喚き散らしおって。こんな奴を仮面ライダーに選ぶとは、マウザー殿もどうかしている」

 

 銃声が鳴り響いた後、ベンヤミンは銃口から硝煙を上げているワルサーP38の安全装置を掛け、黒皮製のホルスターの中に戻した。それからザザルザーの死体を黒皮ブーツで蹴り上げ、白い魔女に視線を向ける。

 

「さて、貴様の変身解除後は、どんな姿かな? まぁ、貴様が俺に敵う実力があるか、こいつ等で試してやる。おい、お前ら三人、奴と交戦しろ!」

 

了解(ヤー)!』

 

 自分が倒す者と言いながら、ベンヤミンは仮面ライダーティーガーに変身することなく、自分が出張る必要があるか確かめると言い訳し、部下三名を呼び出して戦わせようとする。

 

「それ、矛盾してない?」

 

「フン、俺は慎重な男だ。貴様の癖、見極めてやる」

 

 白い魔女が最初に戦うのは、スパルタンシリーズのゾルダートスパルタン三名だ。大戦時のドイツ武装SS兵を彷彿とさせるゾルダート三名を見ながら、白い魔女はベンヤミンに最初と言ったことと矛盾していないのかと問うが、部下が持ってきた組み立て式の椅子に腰掛け、慎重な男だと答え、技を見極めようとしていた。

 最初に連邦軍と同盟軍との戦闘を発生させ、泰山寺が壊滅したところで部下を率いて出て来るあたり、姑息な男である。良い言い方をすれば、戦術家と言ったところだろうか。

 

「武器は使わず、その魔女を倒せ!」

 

 ベンヤミンの号令で、ゾルダート三名が白い魔女に襲い掛かった。

 身に纏っているのが軍人なのか、連携を取って挑んでくる。力頼りの素人同然のアナザーティーガーやアイアンメイデンとは違い、見事な連携だ。白い魔女は肘を使った格闘術で対処するも、軍隊格闘術の前には、余り通用しないらしく、体当たりを受けて体勢を崩されてしまう。

 

「その肘を使った格闘術、通用するのはサシの勝負か素人くらいだな」

 

 あの圧倒的な肘を使った格闘術は、三人の特殊部隊以上の訓練を受けた軍人三名には通じず、一方的に追い込まれていた。終始圧倒していた白い魔女の姿は何処にもなく、三人のゾルダートスパルタンにただ殴られるか、蹴られるばかりだ。

 そんな白い魔女も遂に怒ってか、格闘術ではなく魔法を使い始めた。土の魔法を受けた三人のゾルダートは吹き飛ばされ、一人がベンヤミンの方へ飛んでくるが、部下のマス・ライダーに弾き飛ばされた。

 

「フン、所詮は魔法頼りだ。武器を使っていいぞ」

 

 魔法を使ったことで、ベンヤミンは部下らに銃火器の使用を許可する。それに応じ、ゾルダートやマス・ライダーらはモーゼルC96のような銃火器を抜き、白い魔女に向けて攻撃を始める。機関銃を持つライダーやパンツァースパルタンは、攻撃には参加せず、ベンヤミンと同じく見ている。

 片手で撃っているため、それほど威力は無いはずだが、発射される弾丸はライフル弾であり、数十人で銃撃しているので、凄まじい弾幕だ。白い魔女はその弾幕に対し、魔法障壁を張って防ぎ切る。全員が撃ち尽くし、銃撃による煙が晴れた後、ベンヤミンは舌打ちを行う。

 

「ちっ、なんて頑丈な」

 

「そっちが来るなら、こっちも増やさないと」

 

 まだ生きていることに苛立ったベンヤミンに、白い魔女は相手が大人数で来るなら、こちらも複数人を召喚すべきと判断してか、仮面ライダーを召喚する指輪を二つ取り出し、手当たり次第に起動していく。

 

『ライア、ナウ!』

 

『ブラーボ、ナウ!』

 

 ベルトから音声が流れた後、二人の男性が魔法陣から出て来た。

 

「この状況、勝てるかどうか占えと言うことか」

 

 ライアの魔法陣から出て来た成人男性は、占い師であったらしく、懐からコインを取り出す。

 

「多勢に無勢。こちらが圧倒的に不利ね。援軍は何処かしら?」

 

 ブラーボの魔法陣から出て来たのは、マッチョなガタイを派手な衣装で包み、バチバチ付のまつ毛に厚化粧、スキンヘッドに丸めた頭に黒ターバンを巻きつけた凄まじい濃いビジュアルの持ち主の中年男性だ。

 

「なんだこいつ等…? 仮面ライダーなのか…?」

 

 白い魔女が召喚した二人に、ベンヤミンは困惑する。そんな疑問を抱く彼に、仮面ライダーライアの変身者はお構いなく、取り出したコインを指で弾き、それを取ってコイン占いを行う。

 

「結果は、最悪か。だが、運命は変える物だ」

 

「コイン占いね。ワタクシは星座占いの方が好みよ』

 

「星座か…星座は、苦手なんだよな」

 

 ブラーボの変身者からは、コイン占いより星座占いの方が好みと言われ、ライアは星座占いは苦手だと返す。

 

「それで、あんた等戦ってくれるの?」

 

「もちろんだ。召喚されたからには、戦うしかないな」

 

「今度の雇い主は貴方ね。命令とあらば、プロとして果たすまでよ!」

 

 召喚した白い魔女に戦う気があるのかと問われた二人は、各々の変身アイテムを出し、腰に変身ベルトを召喚させる。

 

「変身!」

 

 仮面ライダーライアの変身者は、付近にある軍用車両の残骸の鏡に向け、カードデッキをかざすことで、変身ベルトが実体化して変身者の腰に装着される。それからカードデッキをベルトに装着すれば、背後から変身者が契約しているミラーモンスターが鏡から現れる。

 そのエイ型のミラーモンスターの名はエビルダイバー。契約者である変身者の身体に憑依すれば、変身者は左腕のエビルバイザーを装着させた仮面ライダーライアへと姿を変えた。

 

「変身ッ!」

 

『ドリアン! ロック・オン!』

 

 仮面ライダーブラーボの変身者も、変身するために変身道具である錠前を取り出した。既に変身ベルトが腰に巻き付けられており、錠前から音声が流れれば、ベルトに装着して刀の部分を押し下げて錠前の施錠を解除する。

 すると、ブラーボの変身者は仮面ライダーの姿へと変わる。だが、まだ変身は続き、空間がジッパーのように開かれ、そこからドリアンが出てきてブラーボの変身者の頭上に落ちていく。

 

「なんだその変身方法は!?」

 

 ブラーボの変身方法、アーマードライダーの変身方法をベンヤミンは知らなかったらしく、その独特な変身方法に驚きの声を上げていた。

 

『ドリアンアームズ!』

 

「さぁ、始めますわよ! 破壊と暴力のパジェントを!」

 

 ベンヤミンを驚かせる変身方法を見せた仮面ライダーブラーボは、二振りのドリノコを華麗に振るい、それに似合うポーズを取る。

 

「たかが二体の仮面ライダーが増えたところで、一個大隊の仮面ライダーに敵うと思っているのか!?」

 

 二体の見知らぬ仮面ライダーを召喚した白い魔女に、数で勝るマス・ライダーやゾルダートスパルタンを率いるベンヤミンは、二体召喚したところで勝てないと告げる。

 だが、白い魔女に味方をする仮面ライダーは、ライアやブラーボ、カイザのみならず、もう一人いた。

 

「あの恰好、ネオナチスの過激派組織ですか。人種に障碍者、及び性的少数者への差別、実に許し難い。その命、神に返しなさい」

 

 そのもう一人である成人男性は、武装SSのような格好をするベンヤミン一同を見ただけで、ネオナチスの過激派組織と決めつけ、己の正義で排除しようする。男性の腰には、仮面ライダーイクサに変身するためのベルトが巻かれていた。

 そう、この男の名は名護啓介(なご・けいすけ)。かつて素晴らしき青空の回に属するバウンティハンターであり、仮面ライダーイクサの変身者である。

 己の正義に従う啓介は、敵と見なしたベンヤミンらを攻撃すべく、現場へと急行した。




仮面ライダーイクサこと名護さん、勝手に参戦。
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