スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

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ディバイン・ドゥアーズVS仮面ライダー軍団

 グレートマジンガーがギボスやルドルフなどの戦闘獣軍団に勝利し、メガストームが召喚したダイナザウラーと対峙する中、仮面ライダーである白い魔女が召喚した仮面ライダーのライアとブラーボ、乱入する形で現れた仮面ライダーイクサ、スパルタン・ハヤブサ、スパルタン・ゾルダは、仮面ライダーティーガー率いる量産型スパルタンやマス・ライダーの軍団に挑んだ。

 ティーガー率いる軍団の数は圧倒的であるが、白い魔女側とその味方に付いたディバイン・ドゥアーズの戦士たちは個々に強く、一斉に攻撃したゾルダートスパルタンやマス・ライダーの集団を蹴散らした。

 

『スイングベント』

 

「仮面ライダーとは、ライダーバトルで散々戦って来たからな」

 

 仮面ライダーライアは、デッキから取り出したカードを左腕のエイを模した盾型召喚機に装填し、尾を模した鞭を振るってゾルダートスパルタンやマス・ライダーらを吹き飛ばす。

 変身者は仮面ライダー同士との戦いに慣れており、敵ライダーらの攻撃を躱すか、左腕の盾で防ぎつつ、鞭を振るって的確に敵ライダーを倒していく。

 

「グっ!? その銃、頂こうか!」

 

『コピーベント』

 

 ゾルダートやマス・ライダーが持つライフルに撃たれたライアは、そのライフルをコピーすべく、相手の武器をコピーする特殊カードを取り出し、それを召喚機に装填してコピーした。それから腰だめで構え、自分を撃った敵と周囲のゾルダートやマス・ライダーに向けて乱射する。

 発射された弾丸の威力もコピーしているのか、スパルタンやマス・ライダーの装甲を貫通し、数名の死者が出ているが、装甲が厚い者は耐え、パンツァースパルタンに至っては弾かれている。

 

「おいおい、硬すぎるだろ!」

 

 コピーしたライフルの銃弾を弾くパンツァースパルタンに、ライアは悪態を付いた。そんなライアに向け、パンツァースパルタンは両腕に装備された機関砲を放った。ライフル弾よりも強力な攻撃に、ライアは受ければ引き裂かれると判断してか、直ぐに退避する。

 

「この戦場、外人部隊として、アフリカや中東の紛争地帯に従軍した時を思い出すわね。でも、インベスゲームじゃないから、存分に暴れられるわ!」

 

 変身者が元軍人であるのか、戦場だからこそ存分に暴れられると言う仮面ライダーブラーボの戦闘力は凄まじかった。

 二振りのドリノコを存分に振るい、周りのゾルダートやマス・ライダーを次々と吹き飛ばしていく。ライフルや機関銃を向けて撃つ者も居るが、変身者が元軍人であり、それを避けながら一気に接近し、ドリノコで叩き潰していく。

 

「下手くそな射撃ね! 手本を見せてあげるわ!」

 

 ドリノコを投げて二名の敵兵を倒したブラーボは、落ちていたライフルを奪った。それを手に取り、的確に単発で射撃し、次々とゾルダートやマス・ライダーを撃ち抜いていく。元プロの軍人であるのか、構え方も射撃も正確であった。

 

「おっと! 今度は重装甲型ね! 打撃で対抗するまでよ!」

 

 戦場に適したブラーボに対抗するためか、パンツァースパルタンを差し向けて来た。これにブラーボは放たれる機関砲の掃射を避けながら、周りの敵兵を正確な射撃して一掃した後、ライフルを捨ててドリノコを二つとも回収し、重装甲の敵に対して打撃による攻撃を行う。

 

「フン! フン、フン、フン!!」

 

 重量を支える足元に攻撃すれば、パンツァーは地面に膝をついた。相手が立ち直る前に、ブラーボがドリノコを連続で叩き込めば、パンツァーの装甲はへこんで動かなくなる。身に着けている兵士が気絶したか、へこんだ装甲で圧死したのだろう。動かないパンツァーを軽く突いて倒せば、次に攻撃してくるゾルダートやマス・ライダーに反撃を行い、次々と討ち取って行った。

 

「俺も、仮面ライダーとの戦闘には慣れている」

 

 ライアが苦戦し、ブラーボが次々とゾルダートやマス・ライダーを倒していく中、仮面ライダーイクサはイクサカリバーを構え、銃撃してくる敵集団に立ち向かう。

 雨あられの銃弾を避けつつ、ガンモードにして的確に敵ライダーを銃撃しながら突撃する。十分な距離まで接近すれば、殴打を避けながらイクサカリバーをソードモードに切り替え、周囲の敵ライダーを切り倒す。

 

「無駄だ。お前たちでは俺には勝てない」

 

 ソードを持つマス・ライダー数人の斬撃を防いで見せたイクサは、俺には勝てないと言ってから弾き、それから素早く振るって全員を切り倒した。

 軍用マス・ライダーらが火花を散らして吹き飛んでいく中、ガンモードに切り替え、自身を狙っていたゾルダート数名を撃ち抜いた。

 

「バーストモードにならずとも、容易に殲滅は出来そうだ」

 

 ゾルダートやマス・ライダーらの戦闘力から、戦闘力をさらに向上させる第二形態のバーストモードにならずとも、殲滅が可能とイクサは口にする。重装甲のパンツァースパルタンが居るが、イクサは攻撃を躱しながらガンモードで足を何発も撃ち込み、膝をついたところでソードモードで切り裂いた。

 

「流石は本物の仮面ライダーだ。スパルタンやマス・ライダーのような量産タイプとは違うな」

 

 ノルト・マグナギガことスパルタン・ゾルダは、仮面ライダーたちの圧倒的な戦闘力を見て関心の声を上げていた。

 イクサやブラーボの高い戦闘力に、ライザは目立っていなかった。イクサ以外を召喚した白い魔女は、指輪の魔法で次々とゾルダートやマス・ライダーを吹き飛ばしながら前進している。

 

「なんだこいつは!? 本当に旧世代のスパルタンか!?」

 

 同じスパルタンで前の第三世代であるスパルタン・ハヤブサは、本人の身体能力とアップデートされたハヤブサ・アーマーを駆使し、攻撃を躱しながら得物の龍神剣で次々と敵ライダーを斬り捨てていく。その動き、まるでアクションゲームの忍者の如きの動きであった。

 

「ニンジャ君もゲームのように暴れちゃって。さて、僕の方も…うわっ!?」

 

 ゾルダもこれに加わろうと、ゾルダスパルタン時代から使っている強化された専用アサルトライフルを撃とうとしたが、背後からの攻撃に気付き、紙一重で躱した。ゾルダの前に居た敵ライダー数名が銃撃を受けたが、耐えて反撃しようとして来る。が、ゾルダごと撃ち抜こうとした正体に何発も撃ち込まれ、装甲を貫かれたのか、その場で力尽きた。

 

「味方ごと撃つなんて、正義のヒーローがすることかい?」

 

「ライダー擬きは引っ込んでてもらえないかな?」

 

 味方ごと撃ち抜こうとしていたのは、仮面ライダーカイザであった。ゾルダから味方ごと撃ち抜くのはヒーローとしてご法度じゃないのかと問えば、カイザは引っ込んでいろと返し、ワザと肩をぶつけて前に出る。

 

「最悪だね。友達に嫌われるよ」

 

 肩をワザとぶつけたカイザに、ゾルダは自身を攻撃するスパルタンやマス・ライダーらを正確に銃撃し、次々と倒していく。装甲の厚いパンツァースパルタンに対しては、火力がゾルダスパルタン時代より強化されたランチャーを撃ち込み、身に着けている者ごと吹き飛ばした。

 

「やれやれ、マスターのピンチと聞いて駆けつけてみれば、ライダー擬きがゾロゾロと…」

 

 草加雅人こと仮面ライダーカイザから見たスパルタンシリーズやマス・ライダーは、ライダー擬きに見えるそうだ。

 そんなカイザはゾルダごと撃ち抜こうとしていた専用武器のブレイガンのガンモードで、目に見える敵ライダーに向けて射撃し、何体も仕留めていく。

 

「木偶の坊が…!」

 

 パンツァースパルタンに対しては、ブレードモードに切り替え、攻撃を躱しながら一気に接近し、懐に飛び込んでから滅多切りにして倒した。

 

「うっ!? 今度は空飛ぶライダーか!」

 

 パンツァーを難なく倒したカイザに、上空から攻撃にする者たちが現れた。

 それは、エドガー・バレンストロートがかつて纏っていたスパルタンシリーズの一つ、仮面ライダーSPR-04ジェットスパルタンであった。一人だけでなく、それなりの数が量産されており、続々と空から戦場に現れ、ジェットパックで飛びながら手にしているライフルで攻撃してくる。

 

「ジェットスパルタンだと!? 俺の邪魔をする奴がまた増えたか!」

 

 ジェットスパルタンはティーガー配下のスパルタンではなく、別動隊であったようだ。これにティーガーが激怒する中、ジェットの集団は上空の降下艇のペリカンやイントルーダーから続々と出撃する。

 

「鬱陶しいな…!」

 

『Standing by』

 

 そんなジェットスパルタンの集団に対し、カイザは鬱陶しさを覚えてか、スマホを取り出し、9、1、3とタップした。ベルトから音声が流れれば、カイザフォンを外し、スマホを代わりに装着した。

 

『Complete.』

 

 数秒後、カイザは別の姿に変わっていた。

 その名も、仮面ライダーネクストカイザ。今まで登場しなかったあのカイザの強化形態である。

 

「ライダー擬き共相手に、少しムキになり過ぎたかな?」

 

 姿を変えたカイザことネクストカイザに、ゾルダートやジェット、マス・ライダーらは驚き、ライフルなどの銃口を向ける。これにネクストカイザは、雑魚相手に本気になり過ぎたと余裕を見せつつ、武器も持たずに突っ込んだ。これに敵ライダーらは銃撃を加えるが、強化形態で速度も上がっているのか、その全てを躱して一人を素手で倒した。

 

「は、速い!? うわっ!」

 

 一人が瞬時に倒されたことで驚くが、驚いている間に、ネクストカイザの一発の拳で装甲を砕かれて絶命する。パンチも強く突くだけで貫通し、キックの威力も凄まじく、それを受けたゾルダートの身体が真っ二つに引き裂かれるほどだ。

 

「空から一方的に嬲り殺すつもりか。なら、対処するか」

 

 接近戦では敵わないと判断してか、敵ライダーたちは下がり、上空のジェットスパルタンの集団に対処させた。

 一方的に上空から撃たれるネクストカイザであるが、冷静に専用武器である二振りの銃撃と斬撃が可能な複合武器のカイザクロスラッシャーを取る。ガンモードの銃撃で上空のジェットスパルタンの集団に対処した。

 

「あらら、カトンボのように撃ち落とされて。バレンストロート君が見たら泣くね」

 

 ネクストカイザの二丁拳銃の腕前は凄く、ジェットスパルタンの集団はカトンボのように撃ち落とされていた。

 この様子を見ていたゾルダは、オリジナルを身に纏っていた人物が量産型のやられっぷりを見れば、泣いてしまうだろうと呟く。オリジナルとは違って量産タイプは全てが強化されているはずだが、本物の仮面ライダーであるネクストカイザの前には、ただの戦闘員扱いのようだ。

 

「所詮はライダー擬き! 我ら改造人間こそが…!?」

 

「今度は粗大ゴミのお出ましか」

 

 量産型スパルタンシリーズやマス・ライダーたちが仮面ライダーたちに一掃されていく中、仮面ライダーティーガーを苛立たせる新たな乱入者たちが戦場に現れた。

 その名も改造人間。仮面ライダーの始祖にして、倒される悪役であり怪人である。

 現れた改造人間たちは、草加と同じくスパルタンシリーズやマス・ライダーらをライダー擬きと馬鹿にし、自分たちこそが仮面ライダーを倒せると豪語したが、喋り終える前にネクストカイザに数体が瞬時に殺害された。訓練された人間が着ているスパルタンシリーズやマス・ライダーよりも、改造人間は弱かったらしく、ネクストカイザは粗大ゴミと蔑んだ。

 

「この野郎! よく…」

 

「ミラーモンスターの方が厄介だな」

 

 激怒した改造人間の一人がネクストカイザに襲い掛かったが、仮面ライダーライアの攻撃で瞬殺された。あっさりと倒せてしまったことに、交戦経験のあるミラーモンスターの方が厄介と感想を述べる。

 それもそのはず、出て来た改造人間は戦闘員か復活した再生怪人程度の戦闘力なのだ。戦闘力が上がっている仮面ライダーたちの敵ではなかった。

 

「はぁ、インベスモンスターの雑魚ってところかしら?」

 

「貴様ら改造人間より、ファンガイアや敵ライダーの方が厄介だ」

 

 ブラーボやイクサも難なくしゃしゃり出て来た改造人間らを次々と倒し、手応えの無さに酷い評価を述べる。

 

「ば、馬鹿な!? 我々改造人間は更なる強化を…」

 

「邪魔をするな! 雑魚共!!」

 

 仮面ライダーよりも上のはずが、全く歯が立たずにやられていくことに、改造人間のリーダー格の怪人が狼狽えていたが、味方であるはずの仮面ライダーティーガーが持つ銃に撃たれて絶命する。

 

「は、話が違うぞ!? 俺たちは最強になったはずじゃ!?」

 

 出てきてやられた改造人間らは逃げ出そうとするが、やって来た暗赤色のベレー帽を被った屈強な男たちに皆殺しにされてしまう。

 

「あら、また軍隊? 何処の部隊かしら?」

 

 ベレー帽を被って武装した十人の屈強な男たちに、ブラーボはまた増援なのかと思い、軍人らしく臨戦態勢を取る。

 

「改造された程度のでは、この程度か」

 

 恐怖して逃げ出した改造人間らを殺害したリーダー格のベレー帽の男は、引き千切った首を投げ捨てた後、仮面ライダーたちに名乗り始める。

 

「我々はグールベレー! 指揮官は私、アビス・ランバルツァー! 改造人間ではあるが、今の連中は改造しただけの訓練も受けていないゴミ共だ! そこのライダー擬き共とは違い、我が九名の隊員らは、更に過酷な訓練を生き延びた猛者たちで構成されている!」

 

 九人のグールベレーなる改造人間の兵士たちを率いるのは、アビス・ランバルツァーと言う屈強な軍人であった。二メートルは超える体格を持ち、筋力は迷彩服でも隠せないほどだ。

 

「ランバルツァーだと!? あの死人を出す無能教官か! 貴様も、この俺から手柄を横取りしに来たのか!?」

 

「本物の仮面ライダーになったことで、自分を選ばれし者と自惚れている様だな、バルテン中佐。その上官に対する態度、力に溺れ、俺を見下している証拠。それに部下の訓練も甘い。アーマーの性能に頼り切っている。魔女一人相手ににここまで手こずるとは。魔女も含め目前の仮面ライダー共を一掃すれば、貴様とその部下たちを俺が徹底的に鍛え直してやろう」

 

 屈強なグールベレーの指揮官を、ティーガーことベンヤミンは知っていた。アビスもまたベンヤミンの事を知っており、白い魔女一人にここまで手こずるのは、本物の仮面ライダーと言う自惚れと部下の訓練不足が原因であると見なし、敵を一掃した後に再訓練を施すと言った。

 

「過酷な訓練…? そんなに訓練したところで、このネクストカイザの敵じゃないんだよ」

 

 そんなアビスにネクストカイザは、幾ら鍛えたところで、自分には勝てないと言って光の如く速さで接近し、双剣で討ち取ろうとした。が、アビスは素早く抜いた刀身が長い軍用ナイフで受け止める。

 

「なに?」

 

「素早い攻撃だ。前世の俺ならその一撃で死んでいただろう。だが、貴様では今の俺は殺せん。何故なら、貴様はバルテン中佐と同じく力に溺れ、自惚れが過ぎるからだ!」

 

 自身の斬撃をナイフ一本で受け止められたことに、動揺するネクストカイザに向け、アビスは生前なら先の一撃で死んだが、今の自分を殺せない理由を告げる。

 カイザの新たな強化フォームを手に入れた草加雅人をベンヤミンと同じく力に溺れ、自惚れが過ぎる男であるとアビスは見抜いたのだ。無論、これにネクストカイザは怒りを覚える。

 

「殺されるべき人類の敵となったお前が、仮面ライダーの俺に説教をするか!?」

 

「その選民思考が、貴様を殺すと言うのだ!」

 

 人類の敵と見なす改造人間に指摘されたネクストカイザは激怒し、双剣の押し込む力を加えてナイフを破壊すれば、アビスは直ぐに距離を取り、ハンドサインで部下のグールベレーらに一斉攻撃を命じた。グールベレーが持つ機関銃やロケットなどの集中砲火を受けるが、ネクストカイザはその全てを防ぎ切った。

 

「お前が無駄に鍛えた部下共を皆殺しにした後、その後を追わせてやるよ! っ!?」

 

 攻撃を防ぎ切ったネクストカイザは、再びアビスへ攻撃しようとしたが、背後から来た攻撃に邪魔をされた。紙一重で躱した後、背後を振り返れば、砲口から硝煙を上げる専用ランチャーを持ったスパルタン・ゾルダの姿があった。

 

「た、隊長…!」

 

「この威力、強化されている! 炸薬量を増やしたか!」

 

 ゾルダが放たれたランチャーは、アビスを守ったグールベレーに命中した。グールベレーは自身の改造された肉体と上官に鍛え上げられた肉体で守られると思っていたが、ゾルダの専用ランチャーは当時より強化されており、耐え切れずに息絶えた。自身が鍛え上げた改造人間がランチャーの一撃で死亡したことで、アビスは炸薬量が強化された物であると気付いた。

 グールベレーの一人を殺害したゾルダは、硝煙を上げるランチャーを抱えながら近付き、ネクストカイザに受けた行為の仕返しが出来たと口にする。

 

「仕返し完了」

 

「お前、どうやら死にたいらしいな?」

 

「おいおい、そこのランバルツァー教官殿は俺の獲物だから。あそこの敵ライダー達と遊んでてくれるかな?」

 

「そこの怪物を殺したいと言うのか。勝手にしろ。どうせ死ぬのはお前の方だしな」

 

 背後を撃たれたことに激怒するネクストカイザに、アビスは自分の獲物であるとゾルダは告げる。これに彼をライダー擬きと蔑むネクストカイザは、アビスに勝てないと決め付け、あっさりと獲物を譲った。

 

「なんだ、この世界のスパルタンか? 何処かで見た形をしているが。それに貴様、第四世代だな。アーマーの性能が高いとは言え、身に着けているのはただの人間。俺のように人体改造を施し、大戦を生き延びた本物であるスパルタンⅡでなければ、俺には勝てんぞ?」

 

 ネクストカイザが去る中、ゾルダはアビスの方へと近づいた。アビスはゾルダが身に着けているミニョルアーマーを一目見て、スパルタンⅣと見抜いた。

 自分が生前に居た世界のスパルタンシリーズとは違い、更なる未来で科学力が発展している世界のスパルタンのアーマーは、比べ物にならないくらい強化されている。この世界に来たアビスは調べ尽くし、スパルタンシリーズとは比べ物にならない技術の高さに驚かされた。

 第三世代のスパルタンⅢまで身体強化手術が行われ、第五世代のスパルタンⅤで再開されたことも知っていた。改造人間であるアビスはスパルタンに親近感を覚えたが、アーマーの性能で第二世代に近付けた第四世代のスパルタンⅣに嫌悪感を抱いた。

 何故なら、改造せずアーマーの性能で第二世代の戦闘力を再現したことに不満を抱いたからだ。それは改造してまで手に入れた力が、全くの無意味であると思い知らされたからである。

 それを許すことが出来ないアビスは、十分な訓練と準備をしてから実際にスパルタンⅣのチームを襲い、四人を殺害した。グールベレー結成後も襲撃を続け、今に至るまで十三名のスパルタンⅣを殺害している。

 

「実際にスパルタンⅣを十三人も始末したからな! 俺が直接手を下したのは七人、選び抜いて鍛えた九名の部下たちは六人を殺害している! 殺した連中は訓練を受けた兵士だが、アーマーを過信していた! 中には熟知している者も居たが、所詮は人間だ! 改造人間となっても更なる高みを目指している俺には勝てん!」

 

「その口振り、相変わらずですね。ランバルツァー教官殿」

 

 実際に殺したことを伝えるアビスに、ゾルダは変わっていないことに気付き、かつての教官である正体であるノルト・マグナギガであることを明かす。

 

「ん、貴様…? まさか、弁護士の…! そんなはずはない! 俺の切り札であるグールズ・ブリアレオスと共に、消滅したはずだ!!」

 

「この顔に戻すのに、どれだけ整形費用が掛かったことか…あんたに請求したいくらいですよ」

 

 そのノルトの顔を見て、アビスは顔を青ざめさせた。それは、かつての教え子の一人であったからだ。顔の形は整形で無理やり戻そうとしているため、何所か変わっているが、まぎれもなくアビスの記憶にあるノルトの顔であった。

 目の前のノルトを含め、他のスパルタンシリーズの自爆攻撃で自身の最大の切り札であり、グールベレーの究極合体形態「グールズ・ブリアレオス」と共に消滅したはずなのだ。なのに、自分が鍛え上げていた時の顔で目の前に立っている。

 

「どうやって生き延びた? 僅かな意識の中で、お前たちが最後の手段として自爆攻撃を行ったことは覚えているぞ! お前が生きていると言うなら、他の者たちも生きているはず! どこに居る!?」

 

「みんなのことは、プライバシーの問題で言えませんね。なんせ弁護士なもんで。あっ、今の職場はディバイン・ドゥアーズだった」

 

「その口振りからして、生きていると言う事だな! 俺は犬死と言うことか!」

 

 生きていることに動揺するアビスの問いに、ノルトはふざけながらプライバシーの問題で答えられないと返した。が、かつて鍛え上げた教え子であるのか、口振りで生きていると見抜き、自分は犬死したと認識する。

 

「だが、貴様を殺せば晴れるという物! 貴様を殺した後、他の生き延びた者たちも後を追わせてやる! お前たち二人、奴を始末しろ! 俺は魔女を始末してくる!」

 

 目の前のノルトを含め、他に生き延びたスパルタンシリーズの者たちも始末すれば犬死は晴れると口にする。それを実行すべく、グールベレーの部下二人にノルトの始末を命じ、自分は白い魔女の始末に向かおうとした。これにノルトは、七人の部下たちと共に去っていくアビスに向けて戦うのが怖いのかと挑発する。

 

「ランバルツァー教官殿、自分と戦うのが怖いのでありますか?」

 

「お前の安い挑発には乗らん! 俺の鍛えた部下たちが貴様を必ず始末するだろう! お前と他の生き残りたちを始末するのは、魔女を火炙りにしてからだ!」

 

「そういうことだ! 隊長殿に変わり、俺たちがお前を始末してやるぜ!」

 

「雑魚に用は無いんだけどね。まぁ、こっちもお仲間を呼びますか!」

 

 アビスは挑発に乗らず、二人残して白い魔女の攻撃に向かった。追いかけようとするノルトであるが、アビスが残したグールベレー二人に阻まれた。ヘルメットを被ったノルトことゾルダは、アビスを追撃すべく、控えているディバイン・ドゥアーズの者たちを呼んだ。




アビス・ランバルツァー
シェード北欧支部最強の戦闘集団「グールベレー」の隊長であり、かつてはジークフリートと共にマルコシアン隊を創設した元陸軍大佐。マルコシアン隊の元戦術教官でもあり、当時よりも遥かに過酷な訓練を現在の部下達に課している。
力を追い求める余り、シェードに下って改造人間となってしまう。自らの祖国の首都で元部下のジークフリートらスパルタンシリーズと死闘を繰り広げ、敗れ去った。
ゴッド・カオスの気紛れにより復活し、ヴィンデル・マウザーが支配する自称「戦士たちの楽園」である戦争ばかりの世界に身を寄せ、再びグールベレーを組織した。

ロボコップと東映のスパルタンも登場予定でしたが、尺不足で次回となります。

またオリーブドラブさんのキャラを使っちゃったよ…。
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