スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

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グールベレーの敗北

 白い魔女が召喚した英霊たちと対峙したグールベレーであったが、一部を除いて戦いにはならなかった。

 

「フン、仮面ライダーなど! 地獄の試練を通過した俺たちには敵わん!!」

 

「幾ら鍛えようが改造しようが、お前は俺に勝てないんだよ」

 

 仮面ライダーネクストカイザこと草加雅人と対峙したグールベレーの一人は、地獄の試練を通過した自分には勝てないと宣う。これにネクストカイザは、幾ら鍛えて改造しようが、自分には勝てないと返し、その力の差を分からせようと、カイザフォンの取り出して画面をタップする。

 

『Complete。Start up』

 

「ほざけ! 俺は人間を超えた存在であり、選ばれた存在だ!」

 

『3、2,1…』

 

「お前など、俺の前ッ!?」

 

 グールベレーが攻撃を仕掛ける際に、ネクストカイザは超加速するアクセルフォームへフォームチェンジした。これによりネクストカイザは、十秒間ほど超加速が可能になる。

 相手が言い終える前に、ネクストカイザはこの攻撃を行う。目に捉えられない速さで動くため、相手のグールベレーは攻撃されたことに気付かず、そのままカイザクロスクラッシャーを使った全方位攻撃を受けた。

 

『Time out。Reformation…』

 

「ひゃっ!?」

 

 十秒が経ったころには、ネクストカイザは超加速形態から通常の形態へと戻っていた。

 アクセルフォームによるオールレンジ攻撃を受けたグールベレーは、何が起こったのか理解できず、倒されたオルフェノクのように砂となって砕けた。

 

「何か言ったか?」

 

 討たれて砂となったグールベレーに、ネクストカイザは何か言ったのかを訪ねたが、砂となって消えた相手が答えるはずが無かった。

 

「グール! その命、神に返しなさい!」

 

「神に返せだぁ? フン、神などこの世に存在しない!」

 

 仮面ライダーイクサこと名護啓介と対峙するグールベレーは、神に命を返せと言われたことに腹を立ててか、得物を持って襲い掛かる。これにイクサは動じず、グールの得物である大きい斧の斬撃を最低限の動きで躱し、蹴りを入れ込んで怯ませた後、イクサカリバーの斬撃を加える。

 

「この威力は…!?」

 

「やはりファンガイア用の武器は、他の怪人相手ではただの武器か」

 

 イクサカリバーの威力はグールベレーにも通じるが、ファンガイア程の効果は無い。

 

「ならば、力尽くで押し通る!」

 

 力尽くで行けば倒せるのは分かっているので、イクサはパワーで押し切るべく、力を全開に発揮できる形態となる。

 バーストモードと呼ばれる第二形態であり、頭部のクロスシールドが展開して赤い複眼のハンティング・グラスが姿を現す。本来は衝撃波が発生するが、この形態はエネルギーが激しいのか、継続時間を延ばすために抑えていた。

 

「時間が無い。速攻で片付ける」

 

 バーストモードの戦闘可能時間は三十分以上なので、イクサは時間を掛けず、速攻で片付けることにする。

 

「ほざけ! 秒殺されるのは、貴様の方だ!!」

 

 速攻で片付けると言われたことに腹を立ててか、グールベレーは斧で斬りかかる。これにイクサは最低限の動きで躱しつつ、裏拳を叩き込んだ。

 

「ぬっ!? 先ほどよりも威力が!」

 

「一気に決める…!」

 

『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ』

 

 裏拳を受け、吹き飛んだグールベレーがバーストモードの威力に驚く中、イクサは仮面ライダーキバが使う装備妖精アイテム、フエッスルを取り出し、それをイクサベルトに挿入してイクサナックルを押し込んで発動させる。

 

「隙だらけだ!」

 

「はぁ…!」

 

「うわっ!?」

 

 発動した後、隙を見たグールベレーが斧で斬りかかったが、イクサは発動状態のイクサカリバーより太陽の光を発光させ、目晦ましを行った。怯んで体勢を立て直す前に、イクサは斬撃を振るい、グールベレーを切り裂いた。

 

「ぬわぁぁぁっ!!」

 

 フエッスルの効果で更に威力を増したイクサカリバーの斬撃を受けたグールベレーは、たったの一撃で倒された。

 イクサの必殺技を受けたのか、それとも対ファンガイア用の武器の特性故か、倒されたグールベレーの身体はバラバラに砕け散った。

 

『アドベント』

 

「仮面ライダーが怪獣を使役するだと!?」

 

 双剣使いのグールベレーと対峙した仮面ライダーライアは、アドベントのカードを使い、契約しているミラーモンスターであるエビルダイバーを召喚した。

 

「やれ」

 

 召喚されたエビルダイバーに驚くグールベレーに、ライアは攻撃の指示を出す。それに応じたエビルダイバーは、鋭い胸鰭を浴びせ、更に電気を帯びた尾を叩き込んだ。

 

「俺の占いは当たる」

 

 吹き飛んで倒れたグールベレーに向け、自身の傍にエビルダイバーを寄せたライアは、何処からかコインを取り出し、相手に対してコイン占いを行う。

 

「スピリチュアル系など、詐欺師の商売だ!」

 

「あんた、その手の奴か。おっと、あんたの運が悪いな。ここで終わりだ」

 

 立ち上がって占いを否定するグールベレーに向け、ライアはムキにならず、コイン占いの結果を告げた。結果は裏であり、最悪の運勢であると告げながらデッキから必殺技を発動するカードを取り、それを召喚機に挿入する。

 

『ファイナルベント』

 

 必殺技が発動すれば、ライアはエビルダイバーの背中に飛び乗り、目前のグールベレーに向かって突撃を仕掛けた。

 

「ウワァァァッ!!」

 

 グールベレーは迫るエビルダイバーに乗ったライアから逃れようとするが、逃れることは出来ず、そのまま轢かれて倒され、仮面ライダーたちに倒されてきた数々の怪人のように大爆発した。

 

「アーマードライダーの次が怪物だなんて、拍子抜けね!」

 

「抜かせ! 俺はアーマー頼りの奴とは違うんだ!!」

 

 次にグールベレーと対峙した仮面ライダーブラーボは、無数に転がるスパルタンシリーズやマス・ライダーの屍を背景に、次の相手が怪物であることに拍子抜けしたと口にする。

 これにグールベレーは激怒し、得物であるおお振りのハンマーで殴りかかる。常人を遥かに超える速度で振り下ろされるハンマーであるが、ブラーボはそれを避け、両手に持つ二振りのドリノコを的確にグールベレーの胴体に叩き込んだ。

 

「ぬぉ!? み、見切ったのか!?」

 

「あら、あのアーマードライダー達よりも頑丈なのね。全く面倒ね!」

 

 常人では決して捉えられない自分の動きが見切られたことに、グールベレーは動揺する。これにブラーボはスパルタンシリーズやマス・ライダーたちよりも頑丈なの事に面倒と判断し、一気にケリをつけるべく、ドライバーのブレードを一回ほど倒し、必殺技を発動させる。

 

『ドリアン・スカッシュ!』

 

 音声が流れた後、ブラーボ頭部の鶏冠状の角が光だし、そこからエネルギー波が放出し、グールベレーに向かっていく。

 

「うわぁぁぁっ! な、なんだそれはァァァッ!?」

 

 その角から放たれる強大なエネルギー波、ドリアン・スカッシュを受けたグールベレーは、それに驚きながら消滅した。

 

「やれやれ、俺たちが死力を尽くすか、奇跡でも起きない限り倒せなかったグールベレーをこうも易々と。やっぱり本物は違うってことかな?」

 

 西暦2009年のエンデバーランドにおけるグールベレーとスパルタンシリーズの決戦では、スパルタンシリーズの隊員は、死力を尽くし、奇跡でも起きない限り、グールベレー一人を倒せなかった。

 ネクストカイザは本物の仮面ライダーにして強化形態を持っているのか、グールベレーを容易く葬っている。同じ強化形態を持つイクサも容易く倒していた。強化形態を持っていないライアやブラーボも、グールベレーを難なく倒している。

 これでは、死力を尽くして祖国を守り抜いたマルコシアン隊ことスパルタンシリーズの者たちは、立つ瀬がないだろう。

 それを見ていたエンデバーランドでグールベレーと死闘を演じていたゾルダスパルタンことスパルタン・ゾルダは、悔しさや力の差を見せ付けられた気持ちを口にする。

 

「クソっ! 何なんだあのスーツは!?」

 

 仮面ライダーらの圧倒的な力でグールベレーたちが討ち取られていく中、スーツを身に纏うアイアンハートと交戦するM60軽機関銃を持つグールベレーは、その圧倒的機動力に翻弄されていた。

 

『あの機関銃から放たれる弾丸、装甲車を撃つときに使う貫通力の徹甲弾だよ! 当たればスーツを貫通するから、動き続けて!』

 

「分かってるよ!」

 

 搭載AIであるナタリーより、グールベレーが掃射する機関銃の弾丸は、スーツの装甲を容易く貫通する徹甲弾であると知らされる。これにアイアンハートは、的を絞らせないようにジグザグに動き、状況を打開する機会を窺っていた。

 

「銃身を過熱させようとしているな! その手は食わんぞ!」

 

 ジグザグに動き回るアイアンハートに、グールベレーは自分の機関銃の銃身を過熱させようとしていると見抜き、十発単位で掃射を止め、銃身を冷やす時間を設けた。が、弾倉の方は撃ち尽くしてしまう。

 

「弾切れか!」

 

「今だ!」

 

 相手の機関銃が弾切れになったところで、アイアンハートは反撃に出た。両手の掌のエネルギー弾を放ち、急接近を試みるが、相手もまたそれに備え、スパス12散弾銃を取り出して撃ちこんでくる。ポンプアクションを使わず、自動小銃のように引き金を引くだけで撃てるため、何発も近距離から撃たれたアイアンハートは耐えれたが、衝撃が強いので吹き飛ばされる。

 

「うっ…!」

 

『まずい! 速く!』

 

「いや、倒す方法が思い付いた。煙幕を!」

 

 地面に倒れたアイアンハートに、グールベレーは散弾銃の紐を背中に掛け、機関銃の再装填をしながら近付いてくる。これにナタリーが速く立つように急かす中、アイアンハートの装着者であるリリは、逆転の発想を思い付き、煙幕を張って姿を晦ます。

 

「時間稼ぎか? だが、煙など爆発で払ってしまえば無意味だ!」

 

 張られた煙幕に、グールベレーは煙を払うために攻撃型手榴弾を取り、安全栓を抜いて地面に転がし、身を屈ませて爆風から身を守る。爆発すれば、衝撃波で煙が晴れ、アイアンハートの姿が露わとなった。これにグールベレーは、再装填を終えた機関銃を掃射しようと引き金を引く。

 

「終わりだ! 死ねっ!!」

 

 そう叫びながらグールベレーは機関銃の引き金を引く。貫通力の高い徹甲弾はアイアンハートの装甲を容易く貫き、ハチの巣にしてしまう。確かに命中したが、装着者のリリの血も出なければ、当たった弾痕が出ない。

 

「うわ~、撃たれた~」

 

「なっ!? これはホログラフ!?」

 

「そうだよ? この撃たれた演技、何点?」

 

 目前のアイアンハートは何発も撃たれたにも関わらず、ふざけた演技をしている。これにグールベレーは、自分が撃ったのがホログラフであると気付けば、ふざけた態度で聞いてくるホログラフ映像を無視して本体を探す。

 

「はーい、こっち」

 

「やはり背後…!?」

 

 本体のアイアンハートが自ら名乗って居場所を知らせた後には、胸部から強力な光線であるユニビームが放たれていた。ユニビームの火力は、大柄のグールベレーを跡形もなく消し飛ばしてしまう程だ。

 

「はぁ、あっちのお嬢ちゃんのスーツも強いね。スパルタンシリーズも、あれほどの性能があればね…」

 

 そのアイアンハートとグールベレーとの戦闘を見ていたゾルダは、装着者のリリも倒してしまったことに、あの時のスパルタンシリーズの性能が高ければ、シェードを圧倒できたと口にした。

 全員がリリのアイアンハート、もしくはトニー・スタークのようなアイアンマンのスーツであれば、アビス・ランバルツァーは離反せず、シェードの攻撃からエンデバーランドを守れ、マルコシアス隊は誰一人犠牲にならずに済んだだろう。

 

「まぁ、たらればを言ったところで、教官殿もみんなが戻ってくるわけがないし、こいつを始末しないとね」

 

 だが、それは「もしも?」に過ぎない。過ぎ去った時間は戻せないのだ。

 そう過去を振り返らず、前に進むことを選んだかつてのゾルダスパルタンことスパルタンⅣのゾルダは、白い魔女の背後を狙おうとする短剣使いのグールベレーに向け、専用アサルトライフルを掃射する。

 

「えぇい、雑魚のスパルタンⅣめ! 邪魔をするな!」

 

「邪魔してるのはそっちでしょ」

 

 ゾルダが撃ったグールベレーは、背後から仮面ライダーティーガーと交戦している白い魔女を仕留めようとしていた。それを邪魔されたことに怒り、複数のナイフを投げてきたが、ゾルダはアーマーに刺さろうとも、怯まずに応戦し、ランチャーを撃つ隙を窺う。

 

「お前などに、構っている暇など!」

 

 が、相手がこちらの都合を考えている訳が無く、凄まじい速度で迫り、短剣の連撃を浴びせてくる。シールドは回復しているが、何度も受け続けては切れ、アーマーごと切り裂かれるだろう。

 逆転するには、敵の意表を突くしかない。

 そう考えるゾルダは、いったん距離を取った後、自分がアビスを仕留めたことを目前のグールベレーに告げた。

 

「俺が教官殿を倒したんだよ」

 

「っ!? ウソを言うな! 貴様如きが、ランバルツァー教官殿を倒せるはずが!」

 

「おっと、動揺したね」

 

 卑怯な手段を用いてアビスを倒した事実を伝えたが、敵のグールベレーは信じなかった。それでも、相手を動揺させ、一瞬だけ動きを止めることに成功し、予め用意していたランチャーを撃ち込んだ。

 

「こういう風に、倒したんだよ。今頃は、死んでいる頃かな?」

 

「こ、この卑怯者め…!」

 

 アビスと同じく腹に風穴を開けられたグールベレーは、ゾルダを卑怯者と罵りながら力尽きた。

 そんなグールベレーの死体に、ゾルダは爆薬を置き、安全なところまで離れてから爆破し、死体を粉々に吹き飛ばした。

 

「おっと。あっちは苦戦している様だけど、俺が行く必要は無さそうだね」

 

 前の経験でグールベレーの死体を爆破したゾルダは、最後のグールベレーと交戦しているキャプテン・カーターの姿を見た。

 仮面ライダーでも無ければ、リリのようなアイアンハートのスーツを持たず、超人血清の身体能力強化とヴィブラニウムの盾しかないカーターは、腕力のみで圧倒してくるグールベレーに苦戦している様だがったが、ゾルダが行く必要が無いと口にした通り、くノ一のかすみが助太刀に現れた。

 

「女が一人増えたところで、俺は倒せんぞ!」

 

「貴方は私たちには倒せない…!」

 

「そういうこと。覚悟はいいかしら?」

 

 敵を甘く見ているグールベレーに、かすみは自分たちに倒せないと告げ、カーターもそれに乗ってシールドを投擲した。

 

「この俺を、この俺を舐めやがってぇ! ヌァァァッ!!」

 

 同じことを言われたグールベレーは激怒し、飛んでくるシールドを弾いて突進してくる。

 

「剣と盾作戦よ! 貴方が剣で私が盾!」

 

「了解!」

 

 体格を活かして突っ込んでくるグールベレーに、カーターは剣と盾作戦を取ると告げる。それにかすみは応じ、相手の突進を躱した後、得物の小刀を連続で振るう。この間、カーターは弾かれ盾を回収し、注意を引くために手近な石を投げ付ける。

 

「こっちよ、木偶の坊さん!」

 

「ヌァァァッ!」

 

 後頭部に石が当たったが、硬すぎる皮膚の所為で石が砕けた。だが、注意を引くことに成功し、グールベレーは強力な打撃を叩き込もうと雄叫びを上げて盾であるカーターに向かってくる。

 

「そう、良い子ね!」

 

 向かってくるグールベレーの大きな腕の打撃を盾で防いだカーターは、軽口を叩きながら強力な打撃を耐え抜いた。一撃目も重く、それが何度も続くので、超人兵士のカーターでも長くは持たない。その間に剣であるかすみが素早く近付き、小刀の斬撃を何度も入れるが、グールベレーの防御力は高く、決定打にならない。

 距離を取るためか、カーターはわざと振り払いを食らい、吹き飛ばされた。当然、身体への負担を減らすために盾で防いだが、それでもダメージは抑えられない。

 

「セクシー忍者さん、あいつの心臓にそのナイフは刺せる?」

 

「セクシー忍者じゃなくて、かすみです! かなり力を入れれば、行けるかと!」

 

「その手で行きましょ! はい! 乗って!!」

 

 名前を聞いていなかったため、カーターよりセクシー忍者と言われたかすみは訂正しつつも、力を入れれば行けると答えた。高所からの攻撃であれば、小刀でも大柄のグールベレーの心臓に届くと思い、カーターは盾に乗るように告げる。

 

「はい! 行きます!」

 

 これに応じ、かすみはカーターの円盾の上に飛び乗った。彼女が盾の上に乗れば、カーターは空中高く打ち上げる。かすみはその肉体に反し、かなり身軽であった。凄まじい勢いで空高く舞い上がる中、カーターはグールベレーの動きを止めるべく攻撃する。

 シールド投擲を二回も行い、それからシールドによる打撃攻撃を行うが、グールベレーには効果が無い。当然の如くパンチやキックも通じない。だが、空中からのかすみの攻撃を成功させるには、十分な時間を稼いでいた。

 

「今よ!」

 

「はぁぁぁっ!」

 

「なにっ!?」

 

 かすみが突き立てた小刀の刃は、グールベレーの大きな胸部に突き刺さった。血飛沫が上がる前に、かすみは小刀の柄を蹴り込み、更に刃を深く突き刺す。

 

「グワァァァッ!」

 

「これで、トドメよ!」

 

 かなりの血飛沫が上がっているが、心臓に刃が届いていないのか、グールベレーはまだ動いている。これにトドメを刺すべく、カーターはシールドを投擲し、小刀の柄に正確に当て、心臓に刃を届かせた。

 

「女と、破廉恥な女に…俺が…!?」

 

 心臓にまで刃が届いたグールベレーは、カーターのかすみに敗北したことを認められず、致死量の出血で息絶えた。

 

「まさか宣言通りとはね。流石はプロだわ」

 

「私一人なら、倒せなかった」

 

 返ってきたシールドを受け取ったカーターは、宣言通りに倒したかすみを褒め称える。これにかすみは、一人では倒せなかったと答える。

 

「流石はお嬢さんたち。倒せると思ってたよ。じゃあ、離れていて」

 

 そんな彼女たちに、ゾルダは褒めながらも、死体を木っ端微塵に吹き飛ばすために爆薬を仕掛ける。死体に突き刺さっている小刀は引き抜き、かすみの方に駆け寄って返した。

 

「どうして死体を爆破するの? 爆薬が勿体ないわ」

 

「こいつ等は名前の通り、グールになるんだよ」

 

「生き返るの?」

 

「まぁ、その通りだけど。死体が合体するんだよ。だから死体を爆破しないとね」

 

「…気持ち悪い連中ね」

 

 かすみに小刀を返した後、仕掛けた爆薬を爆破させてグールベレーの死体を吹き飛ばすゾルダに、カーターは何故そんなことをするのかと問う。これにゾルダは、2009年のエンデバーランドの戦いで死んだグールベレー等が合体したので、それを防ぐために爆発させると答えた。

 死体が合体し、怪物となると聞いたカーターは想像し、気持ち悪いと口にする。かすみも口を押さえ、カーターと同じく気持ち悪いと思っていた。

 

 

 

「あ、ありえん…! 俺の、俺のグールベレーがこうもあっさりと…!」

 

 諦めなかったスパルタン・ゾルダの卑劣とも言える手段で身体に大穴を開けられ、瀕死の状態となっていたグールベレー隊長であるアビス・ランバルツァーは、自身が選び抜き、手塩にかけて鍛え上げた部下たちが敗北した様を見せ付けられた。

 

「ほ、本物の仮面ライダーは、選び抜いた精鋭たちをこうもあっさりと倒してしまうのか…!」

 

 仮面ライダーネクストカイザ、バーストモードのイクサ、ライア、ブラーボにあっさりとグールベレーが倒されたことに、アビスは改めてその仮面ライダーの力を思い知る。

 

「あの少女のアーマーは、スパルタンシリーズの性能を遥かに上回っている…! あの、あのアーマーさえあれば…!」

 

 ホログラフ映像を初めとするハイテク技術を駆使し、グールベレーを見事に討ち取ったアイアンハートに、あれほどの性能がスパルタンシリーズにも備わっていれば、祖国を裏切ることは無かったと、ゾルダと同じく思い込む。

 

「一番に信じられんのは、女ヒーローと破廉恥な女にさえ、グールベレーが敗北したことだ…! 決して、決してそんなふざけた連中に負けるような兵士を育てたわけじゃないのに…!」

 

 一番にアビスが認められなかったのは、グールベレーがキャプテン・カーターとかすみのコンビにも負けたことだ。

 自身が選び抜いて鍛え上げた兵士の一人が、あのような連中に敗北したなどと、アビスのプライドが認めたくないのだろう。

 

「こうなれば、グールズ・ブレアㇾオスになるしかない…! 羅将ハンに挑むための物だが、背に腹は代えられん! ここで負ければ、俺はそれまでの男よ!!」

 

 部下を全滅させられたアビスは、遂に最終手段に打って出た。

 それは、2009年のエンデバーランドの戦いで、マルコシアス隊相手に見せた合体怪人兵士「グールズ・ブレアㇾオス」となることだ。

 この巨大な合体怪人となれば、アビスは死亡して怪物と成り果ててしまうが、対策として改造を施しており、自我を失わずに制御できるようにしているらしい。そればかりか、あの北斗琉拳のハンに対抗しての最終手段であった。

 ここで負ければ、あのハンに敵わないと判断してか、グールズ・ブレアㇾオスになることを決意する。

 が、ゾルダはそれを警戒して倒したグールベレーの死体を爆破しており、死体の数は足りていない。ゾルダが居た時点で、アビスもその対策を講じていると考えているはずだが。

 

「奴がグールベレーの死体を爆破していたが…死んだ五百以上の訓練生たちは、爆破は出来まい!」

 

 その問題は、どうやら解決したようだ。

 懐から取り出したある装置のボタンを押せば、アビスの周囲に無数の死体が召喚される。それは九人のグールベレーを選び抜く際に、過酷な試練で命を落とした五百人以上の死者たちであった。アビスはヴィンデル・マウザーと通じているので、このような装置を持っていてもおかしくない。

 

「お前たちの死は無駄ではない! 今こそ強者の血の一部となり、生き続けるのだ!!」

 

 自分の周りに転がる犠牲者たちに向け、アビスはその死は無駄ではなく、自身と言う強者の血の一部となって生き続けると告げ、その大量の死体を自身に集めた。




グールズ・ブリアレオス(完全体)
アビス・ランバルツァーを含めるグールベレーの躯が一か所に集まり、合体した姿。
マルコシアン隊のスパルタンシリーズが総力を挙げ、撃破することに成功したが、二体分の死体が足りず、不完全な状態であった。
この作品では、試練の犠牲者たちの死体を使って完全体として登場する。しかもアビスの自我付き。

ぶっちゃけると、速く終わりたくなってきた…。
ディスコード・ディフェーザーの応募キャラ、別の機会で出そうかな?
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