スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝 作:ダス・ライヒ
幼女、二度目の転生
神よ、否、存在X。なんと残酷な仕打ちをしてくれる。
信仰心を持たぬと言う理由で、私ことターニャ・フォン・デグレチャフをまたも幼女として異世界に転生させた。
二度の転生でしかも幼女だ。あのロリコンめ、変なところで拘りおって。
しかも今度は魔法が存在する第一次世界大戦のような世界では無く、剣と魔法の以下にも中世ファンタジーな世界だ。
少し前世より難易度は下がったが、奴め、このイージーな世界なら私が信仰心でも持つとでも思っているのだろう。
フン、持つ訳が無かろう! 魔王やら悪者を殺しつつ、数多のダンジョンを巡り回ってスキル神殺しを探し出し、貴様をぶち殺してくれる! 存在X!!
と、最初は奴がミスでも起こしたのか、前々前世や前世の記憶を保持したまま私はまたしても幼女として平和で甘ったるいファンタジー世界に転生したが、十年経っても幼女のままだった。今度は両親も居る。前々前世のように行かなくとも、教育も備わっていた。
少しは背が伸びても良いくらいだが、一向に伸びもしない。試しに私を生んだ両親に聞けば、私はロリータ族と呼ばれる生涯幼女の種族であるらしい。
そう言えば、父親に当たる人物が幼女だった。しかも私の生まれた安定した平地にある村には女性しかいない。
聞けば、イヴ人と呼ばれる女性、しかも美女やら美少女しか居ない種族であるそうだ。生まれて生涯幼女なロリータ族も、その三つあるイヴ人の派生の一つらしい*1。
存在Xめ、姑息な手を…!
どうやれば成長できるのかと、両親のみならず、村の図書館で文献を漁ったが、何処にも無かった。
まぁ、人間でなくとも、平和に暮らしていけるなら何とでも良いが。
そうやって私は平和を満喫していた頃、祈りの言葉を発しない私に存在Xは痺れでも切らしたのか、刺客をイヴ人たちが平和に暮らす村に送り込んできた。
その刺客は、私が前々前世で昔見ていたアニメの敵キャラであった…。
二度目の転生を迎えたターニャ・フォン・デグレチャフが暮らす平和な村に無法者が現れた。
その無法者の名は立浪ジョージ。彼はアルターと呼ばれる特殊能力者であり、具現型である浮遊して太くて硬いビッグマグナム。しかし、性格は残虐粗暴で下品、平然と外道な手を取る悪漢である。
「お、おい! 話が違うぞ!?」
「話ぃ? おい、誰がテメェら見てぇな下衆と話をするんだァ? この英雄、立浪ジョージ様がよぉ」
そんな立浪はか弱いイヴ人しか居ない平和な村に、街のごろつきたちを使って村を先に襲撃させた。
だが、それは村に自分が英雄に見えるようにする演出、マッチポンプだ。立浪はごろつきたちを自分のアルター、ビッグマグナムで吹き飛ばす為に呼び出し、最初に村を襲おうとしたごろつき数人を吹き飛ばす。
一人のごろつきが話が違うと抗議するが、皆殺しにするつもりであった立浪は、下品な笑みを浮かべつつ、ビッグマグナムの砲口をごろつきたちに向けた。
「畜生! 騙しやがったな!? 死ねぇ!!」
「この俺に死ねだァ? 死ぬのはテメェら悪党の方だよ! 俺の太くて硬いビッグマグナムで消し飛びやがれ!!」
騙されていたことに気付いたごろつきたちは、一斉に立浪に襲い掛かったが、ビッグマグナムの二射目で吹き飛ばされた。
尚、この世界にはアルターと呼ばれる特殊能力は存在しない。立浪ジョージは存在Xがこの世界に居るターニャに信仰心を与えるべく、送り込んだ刺客なのだ。
「あ、ありがとうございます! 助けて頂いて!」
「いや、良いんですよ。オレ、偶々通り掛かっただけだし」
「直ぐにお礼をお持ちいたしますね!」
震えて隠れているだけのイヴ人たちは安全が確保されたと分かれば、何食わぬ顔で待っている立浪の下へ駆け寄り、助けてくれた礼を告げる。そんな立浪はまたも嘘を付き、彼女らを騙した。
あのごろつきたちと立浪のやり取りは彼女たちに聞こえていないのだ。彼が手に掛けたごろつきたちは既に息絶えており、誰一人生きていない。全ては立浪の目論見通りであった。
礼の品を持ってくると言うもう一人が村へと戻っていく中、立浪は村に泊まって良いのかと問う。
「あの、俺ちょっとこのごろつき共を吹っ飛ばした後で、疲れてましてね。おたくの村に、悪いんですけど泊めてもらえませんかね?」
「良いですよ! 村を助けてくれたんですから!」
「どうもどうも。立浪ジョージ、お姉さん方の村で、ゴチになりまーす!」
この立浪の要望に、村人は満面な笑みで出来ると答える。美女の笑みを見た立浪は本性を隠しつつ、同じく笑みで応えて村に入った。
だが、この村には立浪の標的であるターニャが居る。当の立浪は存在Xの指示など忘れ、この村のイヴ人たちを自分のアルターを使って脅し、手籠めにすることで頭がいっぱいである。
ちょうど外に出て、学校帰りであったターニャは英雄として村に入った立浪の姿を見て、直ぐに前々前世の記憶の中にあるアニメの敵キャラクターであると思い出した。
「(や、奴はスクライドの立浪ジョージ! な、何故ここに居る!?)」
直ぐに思い出したターニャは前世の記憶にある武器の無い格闘術による戦闘態勢を取り、下賤な本性を隠した立浪に警戒する。
ただのそっくりさんかもしれないと思うターニャであるが、目前の男は紛れもなくビッグマグナムのアルター使い、立浪ジョージ本人である。
警戒するターニャを見た立浪は先ほど村のイヴ人たちに見せていた笑顔から一変、元の粗暴な表情へと変わり、彼女を睨み付ける。これには周りのイヴ人たちも困惑していた。
「おい、何処の小娘だァ? この村の英雄である立浪ジョージ様に、ガン飛ばして拳法家見てぇな構えを見せてよぉ。おたくら躾がなってないんじゃないの?」
「ご、ごめんなさい。あの子はターニャちゃんって言って、時より変なことをしたり、変なことを言ったりするので…」
「へぇ、不思議ちゃんってわけだ」
「持ってきました! お礼の品を!」
やや本性を見せた立浪にイヴ人たちは嫌な予感を抱きつつも、警戒態勢を取るターニャが変わった子だと言って宥める。そんな時に、立浪にお礼の品を届けに来た。
お礼の品とは村の山菜であり、村の近隣の者たちやターニャも美味だと言うほどの物だが、最初から村を掌握するつもりであった立浪は、自分が思っていたのと違うお礼が来たことに我慢できず、隠していた本性を表した
「おい、このアマ共。この英雄である立浪ジョージ様にそこらの草を献上するのか? あぁん!?」
「こ、この山菜はとっても美味しく、近隣の人たちにも大好評な…」
本性を現した立浪は怒鳴り散らし、山菜を蹴飛ばす。これに再びイヴ人たちは警戒し、直ぐに立浪から距離を取り始める。
残虐粗暴で面倒くさがりな性格であったために本性を晒してしまった立浪は、村の英雄としての顔では無く、下賤な本性を剥き出しに自身が欲しい礼を告げた。
「この村の英雄の立浪ジョージ様に献上すんのは、小汚ねぇ草じゃなくてテメェらの身体だろうが! 舐めてんのかァ!? 街のアホ共を誑し込むのに、この俺がどんだけ苦労したか分かってのかコラァ!!」
完全に隠す気は無く、立浪は自分の願望を彼女らに伝える。
要は助けてやったんだから、この俺に抱かれろと言うのだ。普通、それに応じる女性が居るのも怪しいが。自分の下品な願望が叶わないと判断した立浪は自身のアルターであるビッグマグナムを召還し、その砲口を村人たちに向け、脅し始める。
「俗に言う動くなって奴だ。さっきは怒り過ぎちまったな。俺の言うこと分かるよな?」
「(正真正銘、立浪ジョージだ。もしもの時に備えて、エレ二ウム九五式を持ってい良かった)」
ビッグマグナムを召還した後、立浪は冷静さを取り戻してからあることを要求する。これにターニャは前世から何故か一緒に来たエレ二ウム九五式を持っておいて良かったと口にする。ターニャにとってはいらぬ物であったが、この立浪の襲撃にその存在を感謝した。
だが、同時にこれが存在Xの自分に信仰心を持たせるためのマッチポンプであることに気付く。立浪はその為にこの村に差し向けられたのだ。
「お前ら良い身体してんなぁ。まずは全員服を脱げ! 下着姿を俺に拝ませろォ!」
「(ちっ、これも存在Xのマッチポンプか。立浪ジョージなんぞ、差し向けおって)」
服を脱いで下着姿になれと言う立浪の要求に、存在Xの策略に気付いたターニャは苛立ちを覚える。立浪は自分がターニャの噛ませ犬にされている事に気付かないだろう。そうとは知らず、自分の要求通りに下着姿になるイヴ人たちを見て、下品な表情を浮かべて興奮する。
「おぉ~、こりゃあたまらねぇぜ! 俺の股下の太くて、硬いビッグマグナムが暴れ出しちゃいそうだぜ! 今度はぁ、今度はスッポンポンになって貰おうかァ?」
興奮した立浪はイヴ人たちに全裸になるように告げる。無論、それが叶うことは無かった。何故なら、ターニャが立浪に挑む決心をしたからだ。憎い存在Xの力を借りる他、この状況を打破できぬからだ。
「おい、立浪ジョージ。幼女の前で下ネタを言うな」
「ちょっと、ターニャちゃん!?」
「あぁん、貧相な小娘がぁ、この立浪ジョージ様にたてつくだとぉ? このデカくて硬いビッグマグナムに勝てると思ってるのかぁ?」
「あぁ、勝てる。神に祈りの言葉を捧げればな」
「神様にお祈りだぁ? そんなんでなぁ、このビィィッック、マグナァァームに勝てるわきゃねぇだろうがぁぁぁ!!」
ターニャが自分の目の前で下ネタを言うことを注意すれば、立浪はそれを挑発と捉え、自分のビッグマグナムに勝てるのかと問い始める。これにターニャが神に祈りの言葉を捧げれば勝てると答えると、立浪は苛立ちを覚えたのか、ビッグマグナムによる砲撃を行った。
それと同時に、ターニャはエレ二ウム九五式の起動条件である神に対する祈りの言葉である詠唱を呟き始める。
「きゃぁぁぁ!!」
「主よ、眼前に居る平和を乱す愚かな男を打ち砕く力を、この我に与えたまえ」
祈りの言葉を呟く中、ビッグマグナムが放たれると知ったイヴ人たちは逃げ始める。下着であろうが、今は自分の命が欲しいのだ。そんなことを気にしている場合ではない。
「ビィィッック、マグナァァーム!!」
立浪の叫びと共に、ターニャに向けてビッグマグナムが放たれた。詠唱を終えた頃には強大な魔法障壁が張られ、ビッグマグナムより放たれた弾頭を防ぎ切った。
これには立浪も驚きであったが、彼は奥の手を隠していた。今までは通常のビッグマグナムの砲弾。次は使っていない立浪ジョージの必殺技である。
「ふ、防いだ!? この太くて硬いビッグマグナムを!? だが、次はねぇ! 俺の必殺技、スペルマ・インサーションでイっちまえェ!!」
とてもでは無いが、立浪ジョージの必殺技は酷い名前だった。それを聞いたターニャは激怒し、エレ二ウム九五式の加護で出来る砲撃術式を立浪のビッグマグナムに向けて放った。
「だから幼女の前で、下ネタを言うなと言っているッ!!」
互いの必殺技がぶつかり合う。そう思われていたが、ターニャの怒りの砲撃術式の威力はその酷い必殺技名を遥かに上回っていた。
「この俺が、この俺の太くて硬いビッグマグナムが…!? 折れるだとォォォ!?」
撃ち負けた立浪はビッグマグナムを破壊されたことで精神が崩壊し、ターニャに敗北した。
「か、勝ったの…?」
「あぁ、勝ったよ。私の不本意な手でな」
絶望していたイヴ人たちが勝ったのかと問えば、ターニャは勝利したと返した。
だが、具現型のアルター使い、ビッグマグナムの立浪ジョージとの戦いは、二度目の転生を強制されたターニャの序曲にしか過ぎない。直ぐに存在Xは次なる手を打った。
「一大事! 一大事ィィィ!!」
突如、馬に跨った甲冑を身に纏った騎士が慌てて村に入って来た。立浪を倒したと言うのに、何の騒ぎかと思って着替えながら一大事を知らせに来た早馬に跨る騎士を見る。
「な、何の用ですか? こっちは能力者の襲撃を受けて大変だったんですよ」
「これはかたじけない。だが、こちらも緊急に知らせばならぬ事態がある! 戦争である! 戦争が始まったのであるッ!!」
「っ!?」
村の代表者の問いに、早馬を飛ばして来た騎士は戦争が始まったと大声で知らせた。
この世界は戦争が全くないと言って良いほど、愚直に平和過ぎる世界なのだ。無法者は居るが、秩序を乱すほどではない。戦争が始まったと聞いたターニャは村人のイヴ人たちと共に衝撃を受ける。
「ど、何処と何処が…?」
「隣の領地で空よりモビルスーツと呼ばれる機械兵器のザクが雨の如く降り注ぎ、瞬く間に制圧したとのことだ。ここにも来るかもしれん。イヴ人の方々はこれから指示する場所に避難されよ!」
「ザクが空から雨のように降って来ただと…!?」
存在Xが使った手とは、ターニャたちが住む別の貴族が治める土地にモビルスーツのザクの大群が出現させ、この世界で戦争を始めると言う物だった。
それを早馬の騎士の口より知らされたターニャは天に向かって、存在Xを憎む言葉を叫ぶ。
「存在X! 貴様、何をやったか分かっているのかァァァ!!?」
かくして、二度目の転生を強制されたターニャ・フォン・デグレチャフの安全な地を求める物語が幕を開けた。
元々やろうかと思っていた奴を急遽投稿しました。