スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

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ユナイテッド軍
統合連邦傘下にある勢力の一つ。アメリカ合衆国のように複数の州で構成された連邦制国家の軍隊。
元々は保守的な政党にであったが、惑星ガルダーゴンでの決戦後、ウィルティネクスに占拠された惑星トーニから亡命してきた極右思想を持つ男が当時の政権に気に入られ、選挙権を与えられて後継の大統領になると、全ての官僚を自身のイエスマンにして独裁政権を築いた。
国防省を戦争省に名前を変えると、連邦軍から多大な支援を受け、徴兵制度を導入して軍備増強を行い、陸軍や海軍、海兵隊、予備役を合わせて総兵力一千万以上の軍隊となる。
全将兵が流石に大統領を支持している訳がないが、信仰者のみで構成された軍閥がある。
大統領は羽翼正義ことマサキ元帥と友好的であり、大統領はマサキ元帥に軍事顧問を依頼し、ユナイテッド軍を歪んだ強力な軍隊に育て上げた。

ウィルティネクス軍
Gー20さん原案の同盟軍の参加勢力。指導者はハイバル・ギルバート・カイド。
貴族的で王国的な勢力と言ったところだが、それらは追放された旧支配層であり、本来のウィルティネクスはデスティニープランを導入した星系国家。
ファウンデーション王国のような体制を星系国家規模で行っており、遺伝子査定により追放された王族や貴族、その他諸々の末裔や保守派は奪還の機を窺っている。
旧支配層で固められた軍隊はジムⅣのデッドコピーであるgMS-01ゲルググや同盟軍からの供与品、ギガノス軍の主力メタルアーマーばかりであるが、現支配層であるデスティニープラン派は新規開発された最新鋭のメタルアーマーが主力である。

メタルアーマー
機甲戦記ドラグナーに登場する機動兵器。略称はMA。
ヴィンデル・マウザーが支配する世界でもその存在が確認されているが、モビルスーツなどの他の機種が幅を利かせている所為か、運用している勢力は極端に少ない。
ウィルティネクスでは主力として運用されている。デスティニープランを国策として導入している現政権側が主力として使っているが、旧支配層は同盟軍から供給された兵器で埋め尽くされ、二級戦扱いされている。
もっとも、新型機などの最新鋭機を使っているのは、現政権側のみであるが。

旧型メタルアーマー群
ダイン、ゲバイ、ドラウ、ガンドーラ、シュワルグ、ダンツェンと言ったかつてギガノス統一帝国で運用されていた旧式MA群。
ウィルティネクス軍の旧支配層側に運用されているが、そのまま生産したために性能はオリジナルのままであり、同盟軍が供与する兵器群や盗用だが自前で開発したgMS-01の存在もあってか、二級戦扱いである。


レジスタンス
トーニの戦い 第1話


 惑星ヘルガーンにおける統合連邦軍と自由惑星同盟軍との決戦は、後者である同盟軍が勝利を収めた。

 この決戦にほぼ全戦力を投入し、総力戦を挑んでいたISAのヴェクタ軍は実質的指導者であったアレックス・グレイ長官とその大半を失い、ヘルガーンからの撤退を決断した。

 ヘルガーン側の指導者であるスカラー・ヴェサリ老は、連邦軍のタカ派の将軍の一人である三輪防人の凶弾に倒れた。

 双方とも指導者を失っていたが、ヘルガーンの軍隊であるヘルガスト軍は健在であり、復讐に燃える将兵らは、撤退するISAヴェクタの残存部隊を執拗に追撃する。

 連邦軍もこの勢いに呑み込まれ、撤退の指揮を執るべき司令官や指揮官が真っ先にヘルガーンから逃げ出してしまい、指揮系統が乱れ、もはや敗走状態にあった。ヘルガスト軍を初めとする同盟軍も、連邦軍に打撃を与えるため、この追撃戦に参加していた。

 尚、ヴェサリ老を撃ち殺した三輪は撤退の混乱の所為か、行方不明となった。

 まごうことなき連邦軍の大敗であり、同盟軍の快勝であった。

 

 このまま行けば、ISAヴェクタは壊滅し、連邦軍は更に戦力を減らすだろう。

 だが、この戦闘に介入していたディバイン・ドゥアーズは同盟軍の追撃を押し留め、怒りに燃えるヘルガスト軍と撃滅を図る同盟軍から戦意を喪失したISAヴェクタや連邦軍の敗残兵たちをヘルガーンから逃すことに成功する。

 その所為か、同盟軍はディバイン・ドゥアーズを連邦軍に次ぐ重要対象に決定し、自軍勢力圏内に現れ次第、即時抹殺を決定した。

 

 これにより、連邦軍は戦略の見直しとヴェクタ植民地政府の離脱を阻止するため、反転攻勢を仕掛けてくる同盟軍の対処に負われた。

 同盟軍の快勝とヘルガーンの大敗で将兵の士気低下を恐れた連邦軍上層部と参謀本部は、大敗を覆い隠すべく、戦略的価値が薄い同盟軍勢力圏内にある惑星トーニ侵攻作戦を計画する。

 

 この侵攻作戦の指揮を執る司令官は、タカ派を超える過激派の筆頭である羽翼正義(うきょう・まさき)ことマサキ元帥であった。

 再び攻撃軍司令官となったマサキ元帥は、スパルタン第五世代であるスパルタンⅤ十五万人を招集し、それらを支援するその他将兵四十万を構成してスパルタンⅤ軍を編成した。*1

 更に戦力を拡大すべく、自身に友好的なユナイテッドの大統領と会談を行い、守備軍と予備役を除くユナイテッド全軍を指揮下に入れることに成功した。自分の指揮下の軍集団とスパルタンⅤ軍、ユナイテッド全軍を合わせれば、八百万の大兵力を有する侵攻軍となる。

 更にバルトルト・ジルヴェスター・フォン・ライン・ファルツ大将率いるファルツ装甲軍も加わり、戦闘力を大幅に向上させた。

 

 直ぐにトーニへと侵攻せず、作戦の成功率を上げるため、同盟軍に欺瞞情報を流してトーニに侵攻する兆候を隠した。

 八百万の大規模な兵力を円滑に運用するには演習が必要なので、侵略軍を分散させ、各所で反乱分子や暴徒、デモ、暴徒の制圧などを演習代わりに行っていた。

 ユナイテッド軍の実戦経験の無さから倒し易い非正規軍のみを標的としているため、演習とも言える戦闘であったが、傍から見れば一方的な虐殺であった。

 無論、マサキ元帥もユナイテッドの大統領はこれを虐殺ではなく悪党退治と呼び、いじめの如く連邦に対して反抗的な民衆や反乱軍を初めとした武装勢力を制圧していった。

 十分な訓練と装備を整わせ、ユナイテッド軍に虐殺のような実戦をある程度経験させると、マサキ元帥は直ちに惑星トーニ侵攻作戦を実行した。

 

 

 

 連邦軍のトーニ侵攻作戦が実行されると、惑星トーニには最低限の戦力しか展開していなかった同盟軍は意表を突かれ、一気に惑星内までの侵攻を許してしまった。

 同盟軍の関心は連邦軍防衛線の突破に向いており、傘下に居る自国勢力圏内に侵攻を防ぐために展開しているウィルティネクス軍の艦隊と一個半艦隊しかいない。トーニは完全に放置されているも同然だった。

 その戦力では凄まじい数の大攻勢に耐え切れず、トーニへの撤退を余儀なくされた。ウィルティネクス軍は直ぐに本土防衛のために大規模な部隊を動かしたが、同盟軍はトーニに戦略的価値が無いとことを悟ってか、ウィルティネクス軍に対して最低限の救援戦力しか出さず、連邦軍の防衛線突破に注視していた。

 

「大量虐殺しかやってねェ軍隊の御守りをしろとは、元帥閣下も無茶を言ってくれるな」

 

 トーニ侵攻軍の傘下に置かれたファルツ装甲軍の司令官、バルトルト・フォン・ファルツ大将は、虐殺同然の実戦しかしていないユナイテッド軍の補佐をするように命じられたことに不満を抱いていた。

 手塩に掛けて育て上げた装甲軍は、戦線の火消しとして防衛線各地を転戦していた。トーニ侵攻軍への転属が命じられると、部隊集結と戦力補充が認められたが、実戦経験が浅いユナイテッド軍の御守りを担当することに、バルトルトは不満なのだ。

 

「アホな大統領の俺スゲェな軍隊の御守りなんてよ。まぁ、普通に盾にしたり、見捨てても文句はねぇよな?」

 

「流石にユナイテッド政府に失礼なのでは…?」

 

「俺、あぁいう奴、嫌いなんだよな。吠え面かくのは好きだけど」

 

 戦争貴族と揶揄される程の実戦経験を持つバルトルトは、ユナイテッドの大統領を嫌っていた。その個人的な感情でユナイテッド軍を使い捨てようとしていた。

 それを集まっている参謀や装甲軍幕僚らに咎められるバルトルトだが、当人が自身が嫌う大統領の吠え面が見たいと言う言葉で説得は不可能だと判断し、尚且つ足を引っ張る連中を盾に出来ると切り替え、装甲軍司令官の判断に応じる。

 バルトルトは戦争を英雄物語と思い込んでいる者たちを嫌い、悍ましい真実を知って恐慌状態に陥る姿を見て喜ぶ異常者でもある。

 

「まっ、盾にすりゃ良いし、逃げるなら撃っても構わねぇか。それに英雄ごっこと思ってる連中に、戦争って奴を教えなきゃならねぇからな。教育って奴よ」

 

 英雄物語の主役だと思い込んでいるユナイテッド軍が戦争の恐ろしさを知り、無様な姿を晒すことを楽しみしているバルトルトは、窓から移る惑星トーニの姿を見ながら早く着かないかと心を弾ませていた。

 侵攻作戦は不気味なように滞りなく進み、トーニの地表に第一陣が軽微の損害で降下に成功した。

 無数の火砲に迎撃されることなく侵攻軍が地表に降り立つことが出来たのは、マサキ元帥が王族や貴族、国粋主義者と言ったウィルティネクスの保守派と接触し、彼らによる正統政府の樹立を約束してこちらに寝返らせたからである。

 

 ウィルティネクスは元々保守的な勢力が結集して建国した連合国家であり、旧皇族や王家に貴族の末裔、保守、右翼と言った人々が支配する四つの星からなる星系国家であった。この連邦と同盟の大戦において、双方どっち付かずの立場を取っている。

 階級制を導入した専制主義による政治体制であったが、民衆はその特権階級や世襲制による支配体制に不満を抱いており、体制打破を目論んでいた。

 支配層でありながらも、第七王子であるハイバル・ギルバート・カイドが民衆からの強い支持を得ると、支配層は自分らの特権を維持してくれると思い、継承権のない彼をウィルティネクスの指導者に添えた。

 だが、ハイバルは特権や世襲制を嫌っており、それに遺伝子学者を資格を持ち、実力至上主義者であったため、コズミック・イラの世界で大騒動を引き起こしたデスティニープランを国策として導入し、旧支配層を辺境の自治権を与えて追放した。

 

 事実上、トーニは自治政府であるが、その実態はウィルティネクスの傀儡政権であり、旧支配層が追放された辺境の一つでもある。

 旧支配層は自治権を与えられたことを良いことに、政権奪還を目的にここで軍備を整えていたが、現政権はそのクーデターを抑えるべく、トーニ自治政府を自分らの言いなりになる政権に挿げ替えた。

 前の政権も言いなりであるが、現政権に言いなりの傀儡たちとなったことで、旧支配層はクーデター計画を先延ばしと言うか一時凍結を余儀なくされる。

 だが、現政権側は自治区の軍備拡大をクーデター計画の一環と見なしており、その力を削ぐべく、これまで公式的に加盟を控えていた自由惑星同盟への加盟を公式に決定し、旧支配層側の軍を派遣させた。現政権側から派兵すべきだが、クーデター計画がまだ煮詰まっておらず、渋々旧支配層は自分らの軍からの派兵に応じる。

 将兵らに実戦経験を積ませようと言う前向きな考えもあったが、派兵先が激戦区であったが為、旧支配層の軍は弱体化する一方であった。

 

 もはや自分等だけではウィルティネクスの支配権を奪い返せないと判断した旧支配層は、やむを得ずマサキ元帥に正統政府の樹立とその支援を約束させ、連邦軍の協力の下、当初のクーデター計画を実行するのであった。

 だが、全員が連邦の指揮下で戦うことを承諾したわけではない。割り切れない者達が居た。

 正統政府と言えば聞こえがいいが、その実態は連邦の傀儡であり、旧支配層の致し方のない主流派の決定に自治権を強く求める保守派は反発し、同じく反発している分派を巻き込んで侵攻を開始した連邦軍に反旗を翻した。

 

「敵機動兵器部隊、こちらに接近!」

 

「機種特定、メタルアーマーのシュワルグにダンツェン!」

 

「貴様たちの手伝いをしてやろうと言うのに、歯向かうと言うのか! ならば、叩き潰してしまえ!」

 

 傀儡と言う支配に反発して攻撃してくる保守派のメタルアーマー部隊に対し、連邦軍の侵攻部隊は激怒して叩き潰そうとジェットストライカー装備のウィンダムの大群を展開した。

 ヘルガーンで初めて投入されたメタルアーマーと呼ばれる機動兵器の一種であるが、保守派が運用するメタルアーマー(MA)はギガノス統一帝国で運用されていた旧式ばかりであり、新型のジムⅣの配備が進んでも未だ第一線で運用されているモビルスーツのウィンダムには性能的に敵わなかった。

 

「群れるだけの連邦軍に、由緒正しき血が流れている我らが臆するものか!」

 

『性能差など、我々に流れる先祖代々の血で覆してやる!』

 

 空戦型メタルアーマーのシュワルグとダンツェンの編隊のパイロットたちは、自分らの流れる由緒正しきその血統で覆せると妄信していた。

 ウィンダムは連合軍のMAドラグーン以上の性能を有しており、それを駆るパイロットたちも精強と謳われるマサキ元帥指揮下の軍集団に属する猛者たちだ。軍集団司令官と同じく歪んだ思想の持ち主たちであるが、能力や実力は本物であり、祖先と同じ能力を持つと妄信しているパイロットたちが駆る旧型MAの集団は動く的にしかならなかった。

 

「ば、馬鹿な!? 俺には、俺には偉大なご先祖様の血が流れているんだぞ! こんな、こんな卑しき者共に偉大なご先祖を持つ俺が!?」

 

 祖先と両親が偉大なら自分も同じ能力を持っていると妄信していたダンツェンを駆る貴族は、無数のウィンダムの攻撃を受けて炎上するコクピット内で断末魔の叫びを上げる。

 高貴な身分である自分たちなら、卑しき低俗な身分の者に勝てるはずと信じ込んでいたようだが、現実はそう上手くは行かず、こうして物量による集団戦法の前に次々と撃ち落とされている。

 

「あ、ありえない! この私が低俗な者共に嬲り殺しにされるなど!?」

 

 MA用飛行ユニットであるフォルグユニット、それを装備したダイン・マッフを駆る女性貴族は自身の血統を信じて手持ち武装であるハンドレールガンを乱射するも、実弾に高い防御力を持つ装甲を持つウィンダムに通じず、こうして何発ものビームを撃ち込まれ、火を噴きながら墜落する乗機と運命を共にする。

 性能でも数でも勝る無数のウィンダムから一方的な攻撃を受け、彼女のようにダインやダンツェン、保守派に属する貴族の私兵たちが駆るゲバイにシュワルグと言った一般兵用MAらも同じ末路を辿っていた。

 地上からはダイン地上型、ガンドーラ、ロートルMAドラウなどが無数のウィンダムに向けて対空砲火を行っていたが、上空の空戦MA部隊の数が少なくなると、多数のウィンダムは獲物を求めて地上へと降下し、地上でも一方的な殺戮を開始する。

 

「ま、待て! 降伏する! 私の扱いに対しては、将校待遇の扱いを切望する!」

 

 性能差と物量差に圧倒され、生き残った保守派や貴族らは投降するが、マサキ元帥の指揮下の将兵らはその裏切りを許さなかった。

 

「莫迦共が! 俺たちを裏切りやがったテメェらを生かすと思ってんのか!」

 

 抵抗を止めたMAに向け、偏見めいた思想を持つ将兵らは容赦なく撃ち込み、次々と無抵抗な者たちを虐殺した。

 生き残った数が少ないため、虐殺は直ぐに終わり、由緒正しき血統や上流階級としてのプライドで連邦軍に歯向かった者たちは機体ごと爆散するか、無残な躯を晒していた。

 

「どうする? 片付けるか?」

 

「小隊長殿はそのままにしておけと言っている。俺たちを裏切ればどうなるか、その見せしめさ」

 

「まぁ、後片付けは野生動物にでも任せるか」

 

「かぁぁ、ぺっ! 先祖の功績で威張り散らすクズ共には、似合いの末路よ!」

 

 歩兵隊が駆け付けていたが、連邦軍を攻撃したウィルティネクス軍の保守・貴族連合部隊の者たちは全てMSのウィンダムに虐殺されていた。

 残敵掃討のために来ていた歩兵の一人は片付けるのかと問うが、所属する部隊の隊長から見せしめにするようにとの指示が出されているのか、無謀にも挑んだ彼らの死体を見せしめのために放置する。

 一人の歩兵は自分の足元に転がる下半身の無い敵パイロットの亡骸に向けて淡を吐いた後、高貴な身分の者には似合いな末路と吐き捨て、他の同僚たちと共にその場を後にした。

*1
実際の適合者は数十人ほど。その大半はスパルタンⅢやⅣのミニョルアーマー、あるいは戦闘用アーマーで済ましている。




暇潰しに書いたものだけど、読者応募型にするかどうか迷ってる。

まぁ、内容は戦記物ではなく、レジスタンス物なんだけど(苦笑い)。
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