スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝 作:ダス・ライヒ
ウィルティネクスが傀儡政権を立てて支配しているトーニの抵抗勢力。それぞれの名前で各地に存在している。
トーニの自由のために戦っていると聞こえは良いが、その実態は統合連邦が支援して支配下に置いている傀儡であり、リーダーの殆どは連邦が送り込んだ工作員。
スパルタンシリーズ/マス・ライダー
異世界より奪ったパワードスーツ。仮面ライダーを模して製作された強化外骨格。
これらの技術を奪って持ち帰ったのは、ヴィンデル・マウザー一派に属する三名の仮面ライダーであった。
強奪作戦にはウィルティネクスの関係者も含まれており、ウィルティネクスの現職の大統領であるハイバルはウィルティネクス軍でスパルタンシリーズとマス・ライダーを兵器として正式採用する。
統合連邦が大敗と言う現実から逃避するための勝利、ウィルティネクスが支配する惑星トーニに対する侵攻作戦が決行された。
ディスティニープランを国策とするウィルティネクスの現政権に反抗する勢力であるウィルティネクス正統政府やトーニ自由の会を自陣に引き入れ、彼らに撹乱作戦を行わせ、連邦軍のマサキ元帥の侵略軍は作戦を順調に進める。
正統政府が連邦の傀儡と言う事に一部が反発して連邦軍に牙をむいたが、その圧倒的物量の前に敗北し、早期に鎮圧されてしまった。
そんなアクシデントがあったが、物量による侵攻と電撃戦、後方撹乱作戦により、惑星トーニの半数の占領に成功する。
連邦軍の侵攻に対抗すべく、ウィルティネクス軍はある兵器を投入した。
その兵器は二種であり、どちらも着用者の身体強化を図った強化外骨格だ。
一つはスパルタンシリーズ。
仮面ライダーが存在する世界において、猛威を振るう改造人間に対抗すべく開発された強化外骨格であるが、早期投入のための開発期間の短さと予算不足の所為か、初野実戦であるエンデバーランドの戦いでは、改造人間の最下級とも言える改造人間相手に数人がかりでやっと勝てる程度であり、その結果に不満足した上層部に怪人に到底かなわない欠陥品と判断されて計画は凍結された。
もう少し予算と開発期間を設けていれば、仮面ライダーと同等の戦闘力を手に出来たであろうが、テロ組織に使われてるなど悲惨な運命を辿り、後続のマス・ライダーが開発され、量産されて各所の配備が進むと、完全に忘れ去られた。
が、捨てる神あれば拾う神ありと言う事なのか、ヴィンデル・マウザー一派に属する仮面ライダーがスパルタンシリーズのデータを奪い、彼の世界で開発が継続されて完成した。
人々を脅威から守る正義の甲冑としてではなく、永遠なる闘争の為の甲冑として。
二つ目はマス・ライダー。
仮面ライダーの力を欲していたが、スパルタンシリーズの失敗の件もあってか、それぞれに応じたワンオフではなく、万人向けの戦闘スーツとして開発された。いわゆる量産型仮面ライダーである。
着用者からの評価も高く、性能も生産性も高いことから上層部もそれを気に入り、直ぐに量産体制が取られ、全世界に配備された。
あくまでも対改造人間用であったが、ヴィンデル・マウザー一派に目を付けられ、本物の仮面ライダーにデータを奪取され、スパルタンシリーズと同じく戦うための甲冑として使われた。
これら二つをウィルティネクスが採用したのは、国策であるディスティニープランを守るためだ。
守るための剣としては、奇しくも守るために開発されたスパルタンシリーズやマス・ライダーと同じだが、その守るべきものは、遺伝子で運命を決め、そぐわない者を淘汰、調整、管理する歪んだ法なのだが。
尚、表向きには新世代のスパルタン第五世代であるスパルタンⅤに対抗するために開発されたと公表されている。
スパルタンシリーズやマス・ライダーが異世界で盗用した技術で作った物と知る者は、ウィルティネクスではハイバルやディスティニープランで採用された一部の閣僚しか知らない。軍も上層部の限られた人物しか知りえない事実であった。
『
仮面ライダーを参考にしながらも、ウィルティネクスに渡って似ても似つかない姿となった各スパルタンシリーズは、本部からの指示に従って各々の担当地区で敵を待ち構えていた。
ウィルティネクスのスパルタンシリーズは、異世界のタクティカルアーマーと呼ばれるパワードスーツに似ている。武装も似ており、25ミリ機関砲を装備している個体も存在している。対装甲車両戦闘を想定し、携帯しやすいビーム兵装が主だが。
「こちらフォーカス、敵機甲戦力を捕捉。詳細は歩兵戦闘車を中心とした機械化歩兵部隊。規模は中隊規模」
『そちらでは中隊規模を捕捉か。各スパルタンも交戦を開始した。マス・ライダーもバックアップに入る。共戦して撃破せよ』
「フォーカス、了解。敵はこちらにまだ気付いていない。ここで
フォーカススパルタンと呼ばれるスパルタンシリーズを纏うフォーカスのコードネームを持つ兵士は、本部から他のスパルタンシリーズが交戦したことを知れば、モニター越しから見える自分の存在に気付いていない敵機械化歩兵中隊を捕捉する。
圧倒的な勝利を取るため、
「目標に命中を確認。貫通したが、運転手を殺しただけだ。砲塔が動いている。二発目を発射する」
凄まじい轟音が響くが、フォーカス本人にはヘルメットの防音機能の所為で聞こえていない。発射された徹甲弾は目標に命中し、装甲を貫通して運転手にでも当たったのか動きを止めた。それをフォーカスは本部に報告しつつ、二発目を旋回して敵を探す砲塔に向けて発射し、沈黙させた。
「命中確認、砲塔の沈黙を確認したが、目標の撃破には至らず。
『こちらHQ、アルファチームは十秒ほどで到着する。引き続ぎ、敵
「こちらフォーカス、敵歩兵戦闘車が発砲を始めた。だが、敵はこちらに気付いていない。見付かるまでに砲塔を黙らせる。アウト」
ここから狙撃を続けても埒が明かないので、マス・ライダーと合流後に接近戦を仕掛けると報告すれば、本部は合流するまで引き続き攻撃を継続しろと次の指示を出してくる。これにフォーカスは応じ、機関砲による狙撃を継続。いぶり出そうと辺りに向けて乱射する敵歩兵戦闘車の砲塔を狙撃する。うち何台かは弾薬庫に当たったのか、撃破に成功していた。
『アルファチームが合流した。接近して敵機械化歩兵中隊を殲滅せよ』
「了解、突撃する。シールドはOK、駆除の時間だ」
遥か彼方の遠い銀河系の銀河帝国軍のショア・トルーパーに似た強化外骨格を纏うマス・ライダーの分隊と合流したフォーカスは、本部に命じられるまま警戒態勢を取る敵機械化歩兵中隊に突撃した。
迫るスパルタンシリーズに驚く敵機械化歩兵中隊の歩兵らは手にしているM16に似たライフルを撃ち込むが、元の世界より軽量ながら堅牢な装甲に弾かれるばかりで、左腕に装着された対人用である大口径機関銃の掃射で一掃される。まだ生きている歩兵戦闘車が居たが、機関砲を撃ち込まれて破壊されるだけだ。
対戦車火器を持つ歩兵がフォーカスに向けて撃ち込もうとしていたが、オリジナルには搭載されていないスパルタンのミニョルアーマーと同じくシールドが施されており、防がれてしまった。更に随伴のマス・ライダーが居るので、逃げる前に彼らが持つビームガンを撃ち込まれ、上半身を引き千切られた。他にも居たが、歩兵らと同じくフォーカスに撃ち殺されるか、マス・ライダーのビームガンで射殺されるだけだ。
「呆気ないな。まぁ、こいつを着ての初めては、この程度が良い」
そうこうしている内に、敵機械化歩兵中隊は壊滅していた。生き延びた者が居たようだが、四肢を引き千切られて喚いているか、瀕死の状態であった。
マス・ライダーらが拳銃で生き残りたちにトドメを刺していく中、フォーカスは余りの呆気なさにつまらない様子を見せていたが、スパルタンシリーズを着用しての初戦では、この程度が良いと言って自分を納得させる。
もっとも、ヴィンデル・マウザーが支配する世界においてスパルタンシリーズを初めて実戦投入したのは、連邦軍のファルツ装甲師団のオートバイ大隊であるが、非公式の戦闘であるため、記録には残っていない。公式的に初の実戦投入は、このトーニの戦いである。
オリジナルのスパルタンシリーズの初陣であるエンデバーランドの戦いは悲惨な結果で終わった。勝つには勝ったが、上級の戦闘員相手に相打ちの形であり、これでは改造人間には勝てないと判断され、計画は凍結された。
だが、まだ戦闘は始まったばかりであり、終わっていない。
「こちらMチームリーダーのM1スパルタン、M2並びM3、M4と共に敵機械化歩兵大隊を攻撃する!」
『上空からそちらを捕捉している。上空の脅威は既に排除されている。敵は実戦経験が不足しているユナイテッド軍だ。それに混乱している。演習通りにやれ』
「了解! Mチーム、アタック!」
四体のスパルタンシリーズからなるMチームは、タクティカルアーマーと似たパワードスーツメタルフェイクに似た強化外骨格を纏っていた。全員が同じ型であり、量産を想定したオートバイ大隊が運用していたゾルダートスパルタンと同じ系統である。
本部に報告したMチームのリーダーは、スパルタンシリーズの攻撃で浮足立って混乱しているユナイテッド軍の機械化歩兵大隊に対し、チームで連携して攻撃を始める。一番厄介な戦闘力を持つ歩兵戦闘車を優先的に狙い、徹甲弾を撃ち込んで撃破していく。連携した攻撃であり、次々と歩兵戦闘車は大破していた。
敵も馬鹿ではなく、向かってくる四体のスパルタンシリーズに向けて機関砲や機関銃を撃ち込むが、Mスパルタンは連邦軍の最強の歩兵科である機動歩兵譲りの機動力を有しており、回避しながら歩兵戦闘車や装甲兵員輸送車、機械化歩兵を次々と倒していった。
「うわぁぁぁ! 死ねェェェッ!!」
味方が次々と殺されていくのを見て、自棄を起こした装甲兵員輸送車の運転手は、目前に見えたMスパルタンに向けて全速力で突っ込む。武装は機関銃しかないとはいえ、分隊以上の兵員を乗せるために作られた装甲車はそれなりの重量を有している。重量でスパルタンシリーズを圧し潰そうと言うのだろう。
「な、なんだ!? こいつは!?」
オリジナルのスパルタンシリーズならそのまま圧し潰せたのであろうが、この世界の高い科学力により一段と強化されたスパルタンシリーズのパワーは、オリジナルの百倍以上であり、血眼になって再現しようとしていた仮面ライダーGを上回っていた。
運転手が驚く中、Mスパルタンは自分を轢き殺すか圧し潰そうとしていた装甲兵員輸送車を片手だけでひっくり返し、トドメに機関砲を撃ち込んで撃破する。乗っていた運転手は火達磨となり、ハッチを空けて飛び出してきたが、Mスパルタンの着用者の慈悲か、機関銃を撃ち込まれて射殺された。
「逃げるな! 戦え!!」
次々と味方が倒され、士気が低下した将兵らが逃げ出す中、指揮車に乗る部隊指揮官はカービン銃を構え、戦闘を継続させようとする。だが、Mスパルタンに狙撃され、上半身を吹き飛ばされた。
『Mチーム、敵は既に戦意を失っている。追撃は不要だ』
指揮官も失い、完全に戦意を喪失したユナイテッド軍は敗走した。軍隊らしい統制の取れた撤退ではなく、銃を捨てて糞便を垂らし、喚き声を上げながら無様に逃げていた。仮面ライダーらしく専用バイクに跨るマス・ライダー等も、余りの敗走ぶりに追撃を止め、その場で乗用車を止めた。
航空機や機動兵器の戦闘においても、最新鋭のメタルアーマーを有するウィルティネクス軍が圧勝し、連邦軍の払い下げ同然の旧式兵器しか持たないユナイテッド軍を敗走させていた。
かくして、この世界の公式におけるスパルタンシリーズとマス・ライダーの戦いは、圧倒的な勝利で終わった。
悲惨極まりない悲劇で終わってしまったオリジナルとは違い、相手が圧倒的な戦闘力を持つ改造人間の戦闘員ではなく普通の軍隊であったのか、完全なる勝利を得たのだ。
あの時、ジークフリート・マルコシアン率いるスパルタンシリーズがこれほどの戦闘力を有していれば、スパルタンシリーズは採用され、対改造人間の為に全世界に生産並び配備されていたことだろう。
それでは後継者であるマス・ライダーが開発されることも無く、誕生しないと言う
「この世界では、マス・ライダーのみならず、スパルタンシリーズまで採用されているのか。もっとも、怪人から守る為でなく、ディスティニープランを守るためだがな」
スパルタンシリーズやマス・ライダーの微々たる活躍ぶりを、遠方から監視している者がいた。
その姿はマスクに鎧、そう、知る者が知る仮面ライダーであった。背後には専用者と思われる形状のバイクが止められており、スパルタンシリーズを遠方から見える仮面ライダーは、明らかに出自を知っているかのような口振りである。
「どうやら、あの世界からスパルタンシリーズやマス・ライダーを盗んだのは、ヴィンデル・マウザーの仕業と見て良いだろう。ヘルガーンじゃ特殊部隊しか使っていないが、まさかこうも公式の場で使ってくるとは」
ヴィンデル・マウザーがスパルタンシリーズやマス・ライダーの技術を盗んだことを知る謎の仮面ライダーは、ウィルティネクス軍がその二つを採用し、正規軍同士の公式の戦争に投入したことに驚きを隠せないでいた。
ヘルガーンにおいて、マリ・ヴァセレートを討伐、あるいは捕えるためにファルツ装甲師団の傘下にある特殊部隊がスパルタンシリーズとマス・ライダーを投入した。
結果は散々であったが、非公式の戦闘であるので記録に残らない。だが、ウィルティネクス軍は明らかに公式の場にその二つを投入し、普通の人間ばかりの軍隊相手にこうして多大な戦果を挙げた。
「旧スパルタンシリーズのOBやマス・ライダーの開発者等がこれを知れば、相当怒るだろうな」
人々や平和を守るために作られた強化外骨格が、歪んだシステムであるディスティニープランを守るため使われていることを知れば、激怒することに違いないと謎の仮面ライダーは呟いた後、自分の乗用車であるバイクに跨り、エンジンを掛けてこの場から去る。
誰もその仮面ライダーの存在は関知しておらず、ここにウィルティネクス軍所属のマス・ライダーが残敵処理のために来ても、痕跡すら気付かなかった。