スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝 作:ダス・ライヒ
上記の復活の会を率いる連邦軍の機動歩兵科の大佐にしてウィルティネクス王国の第二王子。年齢は37歳。
チャールズの義兄であるジャガーノート並の体格を有し、凝り固まった軍人脳を持つ軍人の理想像を体現したような巨漢。
ぶっちゃけると、外見のベースはハンター×ハンターのベンジャミン=ホイコーロ。性格もほぼ同じ。
ウィルティネクスの伝統ある歴史を汚す汚点と見なせば、身内であろうが何の躊躇も無しに手を下せる程の冷徹さを持つ。
エグゼビア王朝崩壊の切欠を作った第一王子を暗殺したのは、ベンジャーであるが、今のところはバレていない。
スパルタンシリーズとマス・ライダーの勝利は局地的な物に過ぎず、戦況に何らかの影響を与えてはいなかった。
その二つが配備されていない地域では、連邦軍やユナイテッド軍の連合部隊に次々と支配下から解放、否、占領されていた。そもそもトーニの住人は、ウィルティネクスからの解放は望んでおらず、むしろ迷惑であり、逆に反抗する始末であった。
ウィルティネクスの前政権に騙され、言いなりの傀儡政権からも酷い扱いを受けていたトーニの住人たちは支配からの解放を望んでいたが、ディスティニープランを国策とする現政権が誕生すると、そのシステムに選ばれた人物が新たな総督となり、効率重視の政策やそれに適した環境作りを行うと、前の支配者たちよりはマシと判断し、総督の支配を受け入れる。
満更その支配は暴力的ではなく、植民地であるトーニにはウィルティネクスの国策であるディスティニープランは導入されなかったため、一部の地域を除いて総督には好意的であり、ウィルティネクス軍の駐屯を受け入れた。
前の生活通りとは行かなくとも、せっかく平穏に暮らしていたのに、それを解放と謳って無茶苦茶にした連邦軍の解放作戦は侵略であった。
当然、自分たちを解放軍と信じる連邦軍や指揮下のユナイテッド軍はトーニの現地民らの反抗に激怒し、占領地では虐待や略奪などの蛮行が相次いだ。
特にマサキ元帥の軍集団に属する軍団長となっていたルサンチマン将軍ことルサンチヌ・ゴーマン中将は軍団の駐屯を断った都市に無差別攻撃を行い、大量虐殺を行う始末であった。
この連邦軍の絵に描いたような侵略行為とも言える蛮行は直ぐに同盟軍の非難する為のプロパガンダとして使い、まだどちらの側にもついていない中立や独立勢力に同盟軍の参加を呼び掛ける材料となった。
それでもトーニにおける連邦軍の優勢は変わりなく、マサキ元帥は同盟軍のこの非難を「自分らの正当性をアピールするための捏造」と一蹴し、侵攻作戦を継続した。
「これで、二つ目の解放だ…!」
連邦軍の最強の歩兵科と称えられる機動歩兵の大佐であるペンジャー・ケイン・エグゼビアは、ウィルティネクス軍の支配下にある都市の一つを解放、もとい占領していた。
この都市はウィルティネクスの植民地政策の所為で形骸化し、傀儡とかしていたトーニの自治政府の物であったが、都市には人っ子一人おらず、居るとすれば戦闘用ドロイドと呼ばれる人型戦闘ロボや「パトリオットガールズ」と呼ばれる美少女型戦闘アンドロイドが配備されていた。無論、その二つはウィルティネクスの技術提供で開発された物であり、完全に傀儡と化し、存在そのものが形骸化したトーニの自治政府の物ではない。
都市と唯一の人間である市長を守っていた戦闘用ドロイドとパトリオットガールズであるが、連邦軍の最強の歩兵科である機動歩兵一個連隊とユナイテッド軍の物量の前に敗北し、無残な躯を晒していた。
「まさかこんな肉の塊がこの街の支配者とは、どおりで住人が機械か気持ちの悪い性人形しか居ないわけだ」
「ふ、フヒィーッ!?」
機動歩兵連隊を率いるペンジャー大佐は、市庁舎として使われているビルの屋上で都市の支配者であった肥満体の男を片手で掴み上げていた。
ベンジャーは極めて軍人として理想的な体格をしており、その身長は二メートルに匹敵するほどの大男だ。機動歩兵の専用スーツ、それも初期型を戦闘用に特化した改良型であるフェーズ2を身に纏っているので、身長は五十センチほど伸びている。
利き手ではない左手で掴んでいる脂肪だけの男は、彼にとっては軽機関銃程度の重さでしかなかった。アーマーのパワーアシストも含めれば、ライフル程度の重さしかないだろう。
「あのマサキ元帥の事だ。これ程の働きをすれば、エグゼビア王朝復活の約束を考えるかもしれん」
「ホヒィィィッ!?」
そんなベンジャーは片手で掴んでいた肥満体の男を放し、屋上から落下させた。悲鳴が聞こえる中、ベンジャーは都市二つを解放する働きを見せれば、マサキ元帥ならかつて存在していたウィルティネクス王国の復活を考えるはずだと口にする。
「だが、奴はこの程度では考慮だけで終わらせる。もっと成果が必要だ。トーニの首都を開放して見せれば、マサキ元帥は俺の王朝復活を賛同し、ウィルティネクス本土侵攻計画を上層部に打診するはずだ」
この都市解放はベンジャーにとっては通過点に過ぎない。それにマサキ元帥はトーニの全面解放もとい占領を目指しており、都市二つくらい解放したところで、確実性の無い考慮で終わってしまう。
王朝復活を決断させ、ウィルティネクス本土への振興計画を上層部に打診させるには、更なる戦果とマサキ元帥が望むトーニ全面解放を果たすしかないとベンジャーは思い、スーツのスラスターを吹かせて自分の連隊本部へと帰投した。
連邦軍による悍ましい侵略行為がトーニ各地で行われる中、ウィルティネクス軍を一刻も早くトーニから追い出す、のではなく侵略軍たる連邦軍を迎え入れるため、各地でレジスタンスによる蜂起が始まった。
先に述べた通り、レジスタンスはリーダーが連邦軍の工作員であるため、完全に飼いならされており、装備の殆どは連邦軍の物だ。更に衛星軌道上からベンジャーの連隊を含める二十万の機動歩兵と数十名のスパルタンⅤが各所へ降下しており、レジスタンスと合流してその蜂起を支援している。
ウィルティネクス軍はオリジナルより性能を向上させたスパルタンシリーズやマス・ライダー等を投入して対応に当たっているが、連邦軍の最高戦力である機動歩兵やスパルタンⅤの前に苦戦を強いられ、壊滅を免れるために撤退を強いられていた。
そんな中、ユナイテッド軍や蜂起したレジスタンスからの攻撃を受けるトーニのある都市にて、とある女が探していた少女の姿があった。
「クソっ、
「スパルタンシリーズは何処に居る!? いくらマス・ライダーでも、内と外からの同時攻撃の対応は出来んぞ!」
「スパルタンシリーズ? みんな連邦のスパルタンⅤって化け物連中の対応に回されたよ!」
内と外からの同時攻撃により、同時対応を強いられたウィルティネクス軍は混乱の渦中にあった。
その都市に駐屯するウィルティネクス軍にはマス・ライダー一個連隊が配置されていたが、スパルタンシリーズは連邦軍のスパルタンⅤ対策に回され、一人も居なかった。それだけでも十分な戦力が整っているが、内のレジスタンスと外から圧倒的な物量で迫るユナイテッド軍の同時攻撃には対応しきれず、都市の中枢まで侵攻を許していた。
そんな混乱の渦中にある都市にその少女が居たのだ。爆発や流れ弾から身を守るためか、物陰に隠れ、両耳を抑えながら震えている。マス・ライダーやウィルティネクス軍の将兵らは誰一人彼女の存在に気付かず、撤退の準備を進めている。
「もうここまで来ている! 撤退命令も出てるんだ! 邪魔なテロリスト共を殺しながら撤退だ!」
ユナイテッド軍の機甲部隊が迫っていることを知ったマス・ライダーたちは、このまま留まれば物量ですり潰されると判断して撤退を決意する。まだ少女が残っているのだが、隠れている上に切羽詰まった状況なので、その存在に気付くことなく付近に止めてあった専用バイクに跨って去ってしまった。
内と外からの攻撃で混乱状態に陥った状況では街を守り切れないと判断し、ウィルティネクス軍は都市の放棄を決定していたらしく、マス・ライダー等と共に防衛にあたっている正規軍もそれに随伴するように撤退を始めている。
「噂のマス・ライダーって連中、こけおどしか?」
「フン、神のご加護がある俺たちに恐れをなして逃げたに違いない!」
マス・ライダー等が去った後、一人残された少女は未だ物陰で震え続けていた。ユナイテッド軍の兵士たちが到着すれば、自分らに恐れをなして敵軍が撤退したと思い込んでいる。当然、辺りを探し回っているので、直ぐに少女を見付けた。
「おい、お嬢ちゃん! お前はここの住人か?」
「あの気色の悪い|愛国美少女《パトリオットガールズ)かもしれんぞ? だが、身体つきは貧相だな!」
「武器も持ってないぞ。どうする?」
少女に近付いてくるユナイテッド軍の兵士たちは、良からぬことを考えている様だ。少女のまさに美少女と言うべき外見をしており、兵士たちはトーニの自治政府が保有する兵器であるパトリオットガールズと疑っていたが、少女の身体つきは年相応の物なので、そのパトリオットガールズなる物ではないと判断する。
そんな兵士たちに少女はあることを思い出したのか、震えるのを止め、立ち上がって懐からある手帳を見せて保護してくれるように頼んだ。
「あぁ? なんだその手帳は?」
「今時、紙の手長だなんて…!? これは!」
手帳を見せて来た少女に、兵士たちは驚きの反応を見せる。それは障碍者手帳であり、少女が障碍者だと証明する身分証明書の一つであった。
障碍者手帳を見た兵士たちは直ぐに持っているアサルトライフルの銃口を向け、舌打ちしながら引き金に指を掛ける。
「ちっ、障害者かよ!」
「まさかトーニに居るとはな! 害虫はここで駆除しねぇと!」
「でも外見は…」
「うるせぇ! 外見がどうあれ、ユナイテッドにおいて障害者の存在は許されないんだよ!」
兵士たちの反応を見て、少女はこの世界において障碍者の存在は許されない物だと分かった。
ユナイテッドのみならず、ヴィンデル・マウザーが支配する世界において、人道的な立場を取る勢力以外にその存在を許されないらしい。
保護を求めたのに銃口を向けてくる兵士たちに少女は絶望的な表情を浮かべたが、差別的な発言や態度に何を考えてか、物の数秒で怒りの表情に変え、手帳を仕舞って立ち向かおうとする。
「なんだ、頭でもおかしくなったか?」
「元から頭がおかしいんだ! 早く撃ち殺…」
「あれ…? どうなって…」
少女が怒った表情で向かってくることに、未だ差別的な発言を行うユナイテッド軍の兵士たちであったが、彼らは飛ばされた見えない斬撃に切り裂かれ、自身の死を理解できず、一瞬にして細切れにされた。
それから二日後、ウィルティネクスの総督府があるトーニの首都出入口に難民の一団を乗せたトラックの車列が到着していた。
その一団にはユナイテッド軍の装甲車や軍用トラックも含まれており、荷台には捕虜となったユナイテッド軍の兵士たちが憲兵に監視されながら乗せられている。捕虜の移送も兼ね、難民らも乗せている様だ。
荷台に乗せられているユナイテッド軍の捕虜たちは正気を失っており、何かに怯えているのか時おり叫んでいた。当然、憲兵に黙らされるが、口を塞いでも止めないので、苛立った憲兵に撃ち殺される者もいた。
「おい、街はどうしたんだ? なぜ規制している?」
検問所でトラックの車列を止めたマス・ライダーに対し、難民兼捕虜移送を行う指揮官は通行を規制している理由を問う。
「連邦軍の空襲であちこち瓦礫だらけになっています。それに上空では…」
「戦闘がまだ続いているのか。それになぜ連邦軍はこの街に空爆を?」
指揮車を降りて問うてくる指揮官に対し、マス・ライダーは連邦軍の無差別空爆で街が瓦礫だらけになっていると答えた。規制の理由はほかにもあるようで、上空を指差すと指揮官は通行規制に納得する。空爆の理由も尋ねたが、検問を行うマス・ライダーたちは知らされておらず、首を傾げていた。
「さぁ、それが良く分かりません。味方であるはずの反乱分子が居るのですが…」
「上手く連携が取れていないと言う訳だな。それに我が隊は捕虜を定刻時までにそこへ移送するように言われている。通れるか?」
「ウォーカーに先導させます。あれなら瓦礫の中でも進める。スピアヘッド1ー5並び1-6、
連邦軍が味方である反乱分子、即ちレジスタンスが居るにもかかわらず、無差別空爆を行ったのは連携が取れていないからと指揮官は思った。
定刻時までに捕虜の移送を完了したいのか、指揮官が通れないのかと問うと、検問のマス・ライダーはウォーカーに先導させると答える。これに応じるため、待機しているウォーカー二機に先導するように命じた。これに応じ、ヘルメットを脱いで待機していたマス・ライダー二名は直ぐにヘルメットを被り、愛機とも言える小型ウォーカーに跨る。
小型ウォーカーは別の宇宙で使い勝手の良さから三つの時代まで運用されていたATーRTに酷似していたが、武装は実弾式の機関砲となっており、細部が違っていた。車列の先頭に立った小型ウォーカーは、先を行こうとしていたが、リーダーのマス・ライダーは難民が居ることに気付く。
「難民は通せません。近くの難民キャンプまで」
「総督府の近くにもあるだろう。そこで彼らを引き渡す。前線に民間人らは残せんよ」
「難民に来られては、向こうも困るのですが…」
「降ろす時間は無い。早く通せ! それと俺の部下がイラついて殺した捕虜の死体を片付けろ」
難民を通せないと言うマス・ライダーに対し、指揮官は総督府の近くに避難所が設営されていることを知っており、そこで引き渡すと言って指揮車に乗り込んだ。それでも難民は通せないと言うマス・ライダーに指揮官は強引に通ると言って部下たちにエンジンを掛けさせた。
何を言っても無駄だと判断してか、マス・ライダーはウォーカーに指示を出す中、指揮官は自分の部下が殺したユナイテッド軍の捕虜の死体を片付けるように命じてから、車列と共に瓦礫の山と化したトーニの首都へと入った。
「あれでディスティニーシステムに選ばれたってのか? ちっ」
首都へと入っていく車列に、検問所のマス・ライダーは苛立ちながら部下らに彼らが殺して道端に捨てた捕虜の死体の片づけを命じた。
捕虜を移送する護送車や軍用トラック、それに紛れた難民らを乗せたトラックの荷台の中に、二日前にユナイテッド軍の兵士たちを何らかの手段で殺害した少女の姿があった。
同じ荷台に乗っている難民たちや彼らを捕虜と一緒に移送している兵士たち、それを通したマス・ライダー等は少女が二日前に敵軍を惨殺してた人物であるとは、夢にも思わないだろう。
サプライズゲスト
ルリ・カポディストリアス
無限戦争ではIS編、外伝のカオス・セイバーで登場したオリキャラ。
久しぶりと言うか外伝には初登場。
マリ・ヴァセレートが探している少女であり、何らかのトラブルに巻き込まれ、このヴィンデル・マウザーが支配する宇宙に来ていた。
書き上がったので、ここで上げまする。
これを読者応募企画にするかどうか迷ってますが、人間だけになるかも。