スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

7 / 49
巴武蔵
ゲッターロボに出て来る三番目。どの媒体でも死んで無いのが珍しい奴。ゲッター線の手先のクローンになって復活し、また死んで出て来る。
この作品ではバンカーに隠された物がゲッターに関する物では無いかと思い、調べに来る。
そして、マリオの無限残機の如く何回も死んで復活する。
服装は工事現場用ヘルメットに剣道の赤胴、褌、下駄、黄色いマントと言ったいつものコスプレ。
武器は真剣の日本刀。

活動報告にて募集中~


武蔵が来る!

 門を開けることを拒否した村人たちを文字通り一人残らず虐殺し、湖へと向かった武装集団は、その薄気味悪さに身震いしていた。

 刺殺した村の長老が言った通り、怪物や悪霊が出てきそうな感じで、深い霧で五里霧中だ。地面には殆ど霧で見えず、うっかりと死体を踏んだ男が驚いた余り尻もちを着いてしまう。

 

「な、なんだ!?」

 

「死体だ! でも、死んでから日が浅いぞ…!?」

 

 踏んだ死体で男が思わず銃を向ける中、仲間は死体に触れて死んでからそれほど日が経っていないことに驚く。

 だが、その死体が身に着けている衣服や装備は、武装集団から見れば五十年前の戦争の物。こんな格好をしてあのバンカーへ行くなど考えられない。他の死体も同様である。つい先ほど、ここで戦闘があったかのように。

 

「さっきまで戦闘があったみてぇじゃねぇか…!? 破壊された戦車も、まだ熱いぜ…!」

 

 戦争が終わって今から五十年前だと言うのに、戦闘が終わってからまだ一日も経っていないことに、付近で破壊された戦車の残骸に触れ、まだ熱を持っていることに驚きの声を上げる。赤錆びても居ない。

 死臭や火薬の臭いはするが、死体の腐った匂いはしない。半世紀前にこの世界に攻めて来た百合帝国軍の将兵の死体や兵器の残骸もある。敵方も同様であった。これに武装集団は狼狽える。

 

「へへへ、まだ温けぇぜ!」

 

「や、止めろよ気持ち悪い!」

 

「どうしたんだ!?」

 

 こんな状態で自棄でも起こしたのか、武装集団の一人が百合帝国軍の迷彩ポンチョを軍服の上に羽織った兵士、それもイヴ人の兵士の遺体を下品な笑い声を上げながら脱がそうとしていた。どうやら死姦をやろうとしているようだ。

 当然ながら他の仲間たちに止められる。隊長クラスもこの獣のような行為を止めるべく、死体の衣服を無理やり剥がそうとするその兵士を止める。

 

「な、何をしている!? 貴様!」

 

「離しやがれ! 何が起こるか分かりゃしねぇんだ! 楽しんでも良いだろ! どうせ死体でも、侵略者なんだぞ!!」

 

 死姦をしようとする男を羽交い絞めにして止めるが、その男はこの異常な光景に自棄を起こしており、仲間らを振りほどこうとする。

 

「錯乱しやがって…!」

 

 規律と秩序を保つべく、リーダーはホルスターよりマカロフPM自動拳銃を取り出し、安全装置を外して自棄を起こした部下を始末しようとしたが、銃を持って周囲を警戒していた部下の一人が悲鳴を上げ、″何か″に殺された。

 

「わぁぁぁ!?」

 

「なんだ!?」

 

「て、敵襲か!?」

 

 即座に警戒態勢を取る武装集団であったが、数秒足らずで次々と男たちはその何かに殺されていく。武装集団も持っている銃で抵抗するが、何かは異常なまで素早く、一発の銃弾も当たること無く全て避けられる。そればかりか誤射まで起きる始末だ。

 

「うわぁぁぁ!? あぁぁぁ!?」

 

「止めろ! 乱射するな! 味方に当たる!!」

 

 RPD軽機関銃を持つ男が恐怖の余りパニックに陥って乱射するのをリーダーは止めようとしたが、銃弾を躱しながら高速で飛び回る何かに鋭利な刃で首を撥ねられ、機関銃を乱射する男も腹を裂かれ、内蔵を垂らしながら死亡する。

 他の者たちも腕を斬り落とされるか、足を斬り落とされるかして死亡し、この場に大量に転がっている死体の仲間入りを果たしてしまう。まだ生き残りが居り、ここから逃げようとしていたが、何かは一人も残さず、逃げる武装集団の残りを武器らしき鋭利な刃で次々と殺害した。

 

「わぁぁぁ!!」

 

 最後に残った一人は手にしているAK-47突撃銃を乱射したが、何かに当たるどころか背後に回り込まれ、鋭利な刃によって左右に両断されて息絶えた。

 

 

 

 武装集団が向かった忘れられたバンカーに眠る百合帝国の忘れ物は、正体を知らぬ故か強大な兵器かと思われていた。その所為か様々な勢力がそれを手に入れるべく、冒険者を初めとした傭兵、刺客、現地人をそこへ送り込む。各勢力には、忘れ物を狙うそれぞれの目標があった。

 

 ワルキューレはこれ以上イヴ人の武装勢力である帝国再建委員会の勢力拡大を阻止するため、エージェントを派遣した。

 ヴィンデル・マウザーは興味を示し、仮名666の損失を補うべく、正体も分からぬ物を刺客や現地人を送り込んで回収を目論む。

 マクギリス・ファリド率いるアグニカ・カイエル軍はヴィンデルと同じく刺客や冒険者、傭兵を使って回収しようとする。

 第四帝国、似たような理由だ。だが、送り込んだ刺客は一人で後は雇われた者たち。

 帝国再建委員会は忘れ物の回収だ。だが、人員は殆ど送り込んでいない。

 現地の大帝国残党や共産主義者、カルト教団は勢力拡大の為、自分らの世界にあるかつての侵略者の忘れ物を狙う。

 冒険者らは自分らの探求心ゆえに、バンカーへと向かう。

 

 各々が崩壊した百合帝国の忘れ物を狙う中、あらぬ所から忘れ物を狙う者が居た。無関係ではあるはずだが、もしかすればと言う考えの下に干渉を始めた。

 それはゲッター線である。人類を進化に導き、それ以外の種族を排除し続けるゲッター線は、人類ではないイヴ人が作り上げた忘れ物を、次なる人類の脅威と捉え、ある男を現地へ寄越した。

 その名も巴武蔵(ともえ・むさし)、かつては流竜馬(ながれ・りょうま)神隼人(じん・はやと)等と共にゲッター線を主動力とするゲッターロボを駆り、ゲッター3のメインパイロットだった。新型のゲッタードラゴンの完成のため、壮絶な戦死を遂げた男だ。

 死後にゲッター線と同化した武蔵はゲッター線の眷属となり、今も人類に仇なす種族や文明を強大なゲッターの力で滅ぼし続けている。そんな男を一人、ゲッターはこの世界へと送り込んだ。

 

「ここが、ゲッターが脅威となる物がある世界か…」

 

 背中に日本刀を背負い、工事現場用ヘルメットに剣道の赤胴、白の六尺の褌、下駄、黄色いマントと言う出で立ちで降り立った巴武蔵は、肌に伝わる周りの雰囲気で、即座にこの世界がただならぬ世界であると理解する。

 

「臭い、臭過ぎる…! 死だ、死の匂いだ。火薬や肉の腐った悪臭に混じって臭いやがる…! 全く、神に見放された地とは…この世界のこと言うんだろうな」

 

 神に見放された地に相応しい。武蔵の言う通り、この世界はまさに神に見放された土地だ。死と狂気、それと戦争だけが残された世界だ。

 

「本来であれば、この土地ごと吹っ飛ばしてやるが、人類が居るからな。全く、進化に値する奴が居るのか…?」

 

 進化に値せず、互いに殺し合う人類が居るこの世界をゲッターの力で滅ぼしている所だが、神が見放しても、ゲッターは見放さなかったようだ。そのゲッターの意思に、武蔵は疑念を抱きつつ、現地へ向かおうであろうトラックに向かう。

 

「あんたも冒険者け?」

 

「応よ。御覧の通り、冒険者よ。それにゴールド免許なんだぜ」

 

「乗んな! 送るばいね!」

 

「あんがとな」

 

 同じ冒険者らを荷台に満載したトラックの運転手に問われた武蔵は、冒険者であると答え、冒険者ギルドでは最高位である金等級のバッジを見せた。無論、このバッジはゲッターの力で作り上げた物である。運転手はそれなりの手練れと判断すれば、荷台に乗るように武蔵に告げる。

 武蔵を乗せれば、運転手はトラックを目的の場所へと走らせる。目的の場所とはあの忘れ去られたバンカーであり、そこに隠された忘れ物を狙う勢力が送り込んだ手先たちも来ているようだ。

 

「あんたも、あのバンカーに眠る宝が目当てかい?」

 

 荷台に揺られながら、他の冒険者が武蔵にバンカーに眠る忘れ物について問う。彼らはそれを宝だと思っているようだ。これに武蔵は笑みを浮かべつつ、そうであると答える。

 

「あぁ、そうだとも。一攫千金を狙ってな。お前もその口か?」

 

「まぁ、そんなとこだ。ある奴はここら辺を吹っ飛ばす兵器とか言ってるが。なんにせよ、現物を見なけりゃ分からねぇな」

 

「それもそうだな」

 

 返しに質問で返した武蔵に、冒険者は忘れ物が宝かどうかは現物を見て判断すると答えた。

 それから暫く、半世紀前の腐った死体や赤錆びた兵器の残骸で溢れる荒れ果てた大地の悪路をトラックが走る中、銃を持った野党の集団がトラックに目を付けて止めに掛かる。

 

「おっ、不味ぃ! 止まるべ!」

 

「止まることなく、突っ走りゃあいいもんを」

 

 野党の集団を見たトラックの運転手は、あろうことかトラックを止めた。これに荷台に居る忘れ物を狙う男たちは文句を言う。野党の集団が近付く中、トラックの運転手は笑みを浮かべながらある物を持って彼らの元へ向かう。どうやら通行料を払うようだ。

 

「やぁやぁ、野党の皆さん。通行料でしょ? ほら、持ってきたばいね」

 

 愛想笑いをしながら通行料を渡すトラックの運転手であるが、野党の集団はその手を払って手にしている古めかしいライフルの銃口を向ける。

 

「な、何すっとよ!? 通行料はちゃんと払っとるばい! 足りんと言うんね!?」

 

「う、煩い! 煩いぞ!! あのトラックを寄越せ! 俺たちは元の世界へ帰るんだ!!」

 

「か、帰る!? い、いや駄目かんね! 絶対にダメ! あのトラックは俺の商売道具ばい! あんた等に渡したらお飯も食えんと!!」

 

 野党は興奮しており、トラックを渡すように怒鳴るが、大事な商売道具であるトラックは渡せないと断る。だが、興奮した野党らは聞く耳持たず、銃を向けながらトラックを自分らに渡すように脅し掛けて来る。

 

「黙れ! 黙れぇ!! お前の事なんて知らない! 俺たちは帰るんだ!! こんな世界、こんな世界に居られるか!!」

 

 帰りたい。野党の集団はただそう訴えるだけで、運転手の話など聞こうともしない。荷台に乗る武蔵を始めとした冒険者らも問題を解決しようとしてか、荷台から降りて運転手の元へ向かう。

 

「おいおい、どうした? そんなど素人共、俺たちなら瞬きする間に皆殺しにできるぜ」

 

「あぁぁぁ!? 来るなァ! 来るとぶっ殺すぞ!!」

 

 冒険者らが制圧しようと向かえば、野党の集団は更に興奮して銃を向ける。殺し合いに発展しそうな状態に、武蔵は穏便に済ませるために間に割って入る。

 

「落ち着けよ、お前たち。ここで殺し合いなんぞ、全くの無意味だ。ここは平和的に…」

 

「煩いぞぉ!!」

 

 銃を向ける野党の集団を落ち着かせようと武蔵は説得を試みたが、これに錯乱した野党の一人が銃を発砲した。野党が持つ銃の弾丸は赤胴を容易く貫き、運悪く心臓を貫通してしまい、武蔵は射殺されてしまった。

 

「て、テメェ! 撃ちやがったな!?」

 

「なら、ぶっ殺してやるか!」

 

「う、うわぁぁぁ!? 殺すぞ! みんな殺すぞぉ!!」

 

 武蔵が殺されたことで、冒険者らはそれぞれの得物を取り、野党の集団を殲滅せんとする。これに野党の者たちは錯乱して銃を乱射しようとする。だが、殺し合いはある出来事によって阻止される。それは、突如となく現れたワームホールから来る人物であった。

 

「な、何かねあれェ!?」

 

「全く、殺す覚悟もない癖に銃なんぞ持ちやがって。おまけに殺せばこの様よ」

 

「あ、あんた…!? なんで生きてんだ!?」

 

 運転手が現れたワームホールより現れた人物に驚く。その人物とは、殺されたはずの武蔵であった。地に足を着けた武蔵は、死んでいる自分からヘルメットを取り、再び被って野党の集団を見る。

 

「お、お前!? なんで!? なんで生きているんだ!?」

 

「それに錯乱しやがって。さて、お仕置きせんとな」

 

 周りが混乱する中、武蔵は気にも留めずに自分を殺そうとしてくる野党の集団に、背中の日本刀を抜かず、素手で立ち向かう。

 銃を持った相手では、また殺されるのがオチ。そう思っていた一同であるが、武蔵は外見に合わぬ素早さであり、狙った一人目を素手で捻じ伏せた。

 

「わぁぁぁ! なんで!? なんでぇぇぇ!?」

 

 こちらが有利なはずなのに、武蔵は銃を持った相手を次々と素手で制圧している。彼は柔道部の主将であり、しかもゲッターチームの一員として数々の死線を潜り抜けてきた。

 高々銃を持った素人集団など、武蔵の敵では無いのだ。次々と素手で野党たちを伸した後、最後の一人となった男の身体を武蔵は掴み、自分の身体の中心を回転させながら振り回し、遠心力を掛けてから上方向へ向け、その技名を叫びながら投げ飛ばす。

 

「大雪山おろし!!」

 

 武蔵の大技に投げ飛ばされた男は地面に落下して昏倒した。素手で銃を持った野党の集団を制圧した武蔵に、冒険者らは彼が金等級の冒険者であると認識する。

 

「さ、流石は金等級だ…! 一度死んでいるが…」

 

「さて、先を急ぐとするか」

 

「えっ、あぁ…分かったばい!」

 

 死んでいる事を気にしつつ、武蔵がそれなりの実力者であると認識する。彼らが一度死んだ自分に驚いていることを気にせず、武蔵は先を急ぐと言ってトラックへ向かう。聞けば何をされるか分からないので、運転手はトラックに戻ってエンジンを掛け、再び目的の場所へと向かった。




これに出て来る巴武蔵は巴武蔵司令官などで、何度も死んで何度でもワームホールから出てきます。
ついでにあのヘルメットは、本編通り再生できない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。