スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝   作:ダス・ライヒ

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名前:テック・リ・ア・シックザール(偽名はリア)
性別:女性
年齢:20歳
所属:フリー
武器:スパイクシールド、双剣
概要:様々な場所を転々とするフリーダムな女性。今回のバンカーへの探索は、彼女がふらりと立ち寄った場所で話を聞いたのがきっかけである。
キャラ提供はリン・オルタナティブさん

キナ
血塗れでぶかぶかの一級品冒険者装具を身に着けた謎の少女。
ある目的の為、忘れられたバンカーへと向かおうとしている。一級品な装備をしているが、真面に扱えていない。
五十年前の百合帝国統治時代で作られた兵隊のぬいぐるみを大事にしている。


湿地帯

 忘れられたバンカーがある湖の近くに位置する湿地帯まで来た武蔵を始めとした冒険者らを乗せたトラックだが、運転手は村の近くは危険だと判断してか、そこでトラックを止めた。

 

「おい、なんでここに止める? 村までは後もう少しだぞ!」

 

「もうわしはここまでじゃ! こっから先は、得体の知れん化け物が出ると言う噂がある! 後はお前らで何とかせい! 速ぅ降りィ! 降りんと、連れて帰るかんね!」

 

 荷台の冒険者らが文句を言う中、トラックの運転手が降りろと怒鳴り、彼らはその気迫に圧されてトラックの荷台より続々と降りた。

 

「そんじゃ、わしはここで! それと迎えに来んからね! 後は自分の足で帰ってちょ!」

 

 全員が降りたのを確認した運転手は即座にトラックをバックさせ、一目散に湿地帯より脱出しようとする。

 

「おい! 何をそんなに怯えている!? 何か出るのか!?」

 

「んなもん、見りゃあ分かるとね! 命が欲しくば、この湿地帯からずらかるがとよ!」

 

「あの様子だと、この湿地帯…何か出るな」

 

 理由を問う武蔵の言葉に、運転手は去り際に命が欲しければ湿地帯より逃げろと返し、元来た道を戻って行った。あの運転手の様子からして、土地勘の無い武蔵でも、この湿地帯は何かが出ると察した。

 他の冒険者らも武蔵と同様に余所者であったらしく、各々が得物に手を伸ばし、周辺を警戒している。武蔵も周囲に目を光らせ、他の冒険者同様に警戒する。

 

「ん? まだ片付けていないのか。五十年前の死体が土左衛門(どざえもん)になっちまってるぞ」

 

 周辺の警戒を他の冒険者に任せ、武蔵は自分の足に当たった死体に触れ、腐敗具合で五十年前の戦争で死んだ兵士と断定する。服装は水を吸って変色していたが、濃い灰色であることが分かった。

 

「ドイツ軍の兵士な、訳が無い。性別は女。百合帝国の兵隊って所か。向こうにも迷彩ポンチョを羽織った奴。みんなうつ伏せで射殺されてる。五十年前、敵軍から逃げている最中に、背中を一方的に撃たれたと見えるな」

 

「どうやらその様だな。でっ、なんで運転手があんなに慌てて逃げるんだよ?」

 

「俺もそれを考えていた所だ。ここの土左衛門が襲ってきたりな」

 

「はっ?」

 

 他にも迷彩ポンチョを羽織っている水死体、同じ服装の死体を見て、五十年前に敗走中に敵軍から後ろから撃たれて射殺されたと武蔵は断定した。

 だが、五十年前の水死体で運転手が一目散に逃げ出した理由が分からない。ここで武蔵はそこら中にある水死体が襲ってくると考えたが、動いた、あるいは動かされた形跡が無いので、無いと断定する。

 

「クソっ、気味が悪過ぎる! あの運ちゃんの言う通り、俺は降りるぜ! 後はお前らでやんな!」

 

「お、おい! 迂闊に動くんじゃあない! 何か襲ってくるかもしれんのだぞ!」

 

「だからこそだろ! お前らは勝手にやって…ぎゃっ!」

 

 一人が余りの気味の悪さにバンカーへ向かうのを止め、途中で帰ろうとして離れ始めた。一人がそれを呼び止めるが、彼は聞く耳を持たずに勝手に集団の中を離れる。

 そんな集団より逸れた一人の冒険者に、湿地帯の茂みに潜む何かがその冒険者を襲い、鋭利な爪でズタズタにする。切り裂かれた冒険者は悲鳴を上げ、助けを乞い始める。

 

「ギャァァァ! た、助けてくれぇぇぇ!!」

 

「待っていろ! 今すぐ!」

 

「待ってぃ! 奴は既に死んだも同然だ!」

 

「だ、だが!」

 

「それよりお互いの死角を補い、襲撃に備えろ! どうやらあの運ちゃんは、こいつ等を怖がっていたようだぜ!」

 

 惨殺されようとする仲間を助けに行こうとした冒険者に武蔵は無慈悲に見捨てるように告げ、襲撃に備えて互いの死角を補うように怒号を飛ばした。

 この残酷な武蔵の指示に、場慣れしている冒険者らは互いの死角をカバーし合い、敵の襲撃に備えた。

 

「っ!? 来たぁ!!」

 

 数秒後、集団の中を離れた冒険者を殺した何かの集団が冒険者の集団に襲い掛かった。一撃目を盾で防御し、即座に槍で反撃して襲ってきた何かを倒す。倒したのは、冒険者が知る種類の怪物であった。

 

「こ、こいつは…!?」

 

「集中しろ! 敵はまだ来る!!」

 

 その怪物は青い肌の半魚人であり、両手には鋭利な爪を生やしていた。これを見た冒険者らは驚くが、武蔵に気を抜くなと言われ、戦闘態勢を維持する。

 注意した武蔵は背中の日本刀をようやく抜き、続々と襲い掛かる半魚人を斬り続けるが、背後から迫る半魚人に気付かず、背中を貫かれた。

 

「スマンな、復活して」

 

 だが、武蔵は何度でも復活する。

 武蔵を貫いたと思っていた半魚人は、ワームホールより出現した武蔵に落ちていた赤錆びたMG42機関銃で殴られた。直ぐに武蔵は死んだ自分より工事用ヘルメットを回収して被り、驚愕する半魚人らに応戦した。

 

「ん、誰だ?」

 

 続々と襲い掛かる半魚人らに対処する中、武蔵を含める冒険者らに救援が現れた。

 救援に現れた人物は小柄な女性で、茶色のローブを羽織って太陽から肌を守っており、両手には短い片手剣を持ち、左腕にはスパイクシールドを何故か填めていた。

 そんな救援者は冒険者らを襲う半魚人らを慣れた手つきで切り裂いていく。時には防御にも打撃として使えるスパイクシールドで殴り、次々と半魚人らを倒していった。

 

「半魚人共が逃げるぞ!」

 

「深追いはするな! 今のうちに、この湿地帯より移動だ!」

 

 突如となく現れた救援のおかげで、半魚人らを撃退することが出来た。これに武蔵は追撃を仕掛けないように指示を出し、湿地帯から村の近くまで移動する。

 

「この辺なら良いだろう。お前ら、あの土左衛門共を知っているようだが?」

 

 安全な所まで来れば、武蔵は半魚人を見て驚いた冒険者に訳を問う。

 

「あぁ、俺たちの世界に居るドラウナーって水際に出て来る化け物だ。捨てられた奴が大繁殖でもしたのか?」

 

「こんな世界に別世界の怪物ね。で、あんたは何者だ?」

 

 冒険者の話によれば、あの半魚人の集団はドラウナーと言う水際によく出没する怪物なようだ。何故この世界に居ることは別とし、武蔵は救援車に何者かと問い詰める。これに冒険者らを助けた小柄で独特な戦い方をする女冒険者は、自己紹介を始めた。

 

「私、リア。フリーの冒険者。風の噂でここのバンカーの事を聞いて、来ちゃった」

 

「そんな理由で、こんな地獄がマシとも思える世界に来たのか。助けてくれたことは礼を言おう。だが、今すぐに元の世界へ帰れ。ここはあんたみたいな冒険好きが来て良い所じゃない。そのバンカーにあるのは、宝ではなく、危険な兵器かもしれないぞ?」

 

 リアと呼ばれる冒険者に武蔵は礼を言った後、純粋な彼女の身を案じてか、あのバンカーにある物は宝ではなく兵器かもしれないと告げ、危険過ぎるこの世界から元の世界へ帰るように諭した。これに少し沈黙していたリア、本名テック・リ・ア・シックザールはそれでも行くと告げる。

 

「ありがとう。でも、冒険者らがあんなに集まって探してる物って気になるじゃん。気遣ってくれるのはありがたいけど、私は行ってみたい。てか絶対に行く。勝手についていくから、気にしなくて良いよ」

 

「フン、肝っ玉のデカい姉ちゃんだな。まぁ良い、自分で何とかしろ。恩は返さんからな。お前たちも戻るなら今の内だぞ?」

 

 リアの決意は固く、勝手についていくから気にしないようにと武蔵に告げれば、彼は何を言っても無駄だと判断した。それから他の冒険者らにも帰るかどうかを問えば、大部分がトラックが戻った方向と同じ方へ行った。残ったのは武蔵とリア、三名の冒険者を含めた五人である。

 

「正しい判断だ。さて、運ちゃんが俺たちをこんな沼地に降ろした理由は…? なるほど、地元の奴らか」

 

 大部分の判断を責めず、正しい判断と表した武蔵は、取り出した双眼鏡を覗き、そこに映った光景で運転手が自分らを湿地帯に降ろした理由を知った。

 村へと続く街道には、武装した集団が闊歩していた。殆どが異世界より持ち込まれた武器などで武装し、忘れられたバンカーがある村へと通ろうとする車両を強制的に止めさせ、身包みを剥ごうとしている。

 

「地元の連中は恐ろしいなぁ。さて、俺たちは徒歩で向かうとしよう」

 

「うん」

 

 ドラウナーとの集団戦でやや疲弊しているので、武蔵等は街道を外れて村へと向かうことにした。武蔵等が去った後、村へ向かう他所や他の冒険者と傭兵らが武装集団と交戦を開始した。

 

 

 

「はぁ? 待ってよ!」

 

 一方、バンカーへと向かう現地冒険者の一団の集合場所にようやく辿り着いたマリは、ちょっと休んだだけで置いて行かれた。これに怒り、呼び止めようとするが、運転手や荷台に乗る冒険者らは聞きもせず、そのまま目的地まで走って行った。

 

「あいつ等、どういう教育を受けてんのよ」

 

 弱者に全く優しくも無い世界なのだが、今のマリには口にせずにいられなかった。そんな苛立った彼女に、声を掛ける人物が現れた。

 

「あ、あの…」

 

「はい!?」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

 苛立ったマリは怒鳴り散らすように声がした方を見れば、一級品の冒険者装具を身に着けた小柄な少女がそこに居た。愛らしい外見であり、当たり散らすように当たったことをマリは後悔する。

 だが、この少女はかなり怪しい。身の丈に合わない装備、白い部分は血が滲んでいて、しかもサイズが合っていない。武器である剣を収めた鞘を吊るす位置は素人丸出し。これではいざと言う時に剣が抜けない。そればかりか少女には両手剣を振るえるほどの筋力が無いだろう。おまけに目の下に隈が見え、何日も寝ていないようだ。

 明らかに少女が前の着用者を殺害し、奪い取って来ている感が丸出しだ。そんな怪し過ぎる少女をマリはあろうことか何の疑いもせず、相手の右手を両手で掴んで謝罪した。

 

「ごめん、当たり散らしちゃって。貴方も冒険者?」

 

「えっと、はい! 冒険者です! キナって言います!」

 

 追い返されるかと思っていた少女だが、マリの予想外過ぎる行動にやや困惑しながらも自己紹介する。

 

「私はマリ。それじゃあ、あれで行きましょ」

 

 マリも自分の名を明かした後、バンカーへと向かう移動手段を見付けた。それは街のマフィアのボスが送迎の際に乗る黒いリムジンであった。偶然にマリの視線に入ってしまった。このマフィアのボスと護衛は死んだも同然だ。

 

「あれ、別の…」

 

「良いから! 行くわよ!」

 

 少女はマリが指差したリムジンに、駄目じゃないかと言いたげであったが、彼女は有無を言わさずにそこへ少女の手を引っ張って向かう。

 

「おっ? 何だテメェ!? 何処の鉄砲玉だ!?」

 

 当然、護衛に拳銃を突き付けられたが、マリは時間を止め、ホルスターより抜いたP226自動拳銃で護衛全てを撃ち、全員分を撃ったところで時間を動かした。時間が動いた後、ボスの護衛たちは訳も分からず、頭部を撃ち抜かれて死亡する。同時に外に居た護衛全員が死んだのだ。直ぐにリムジンの運転手がドアを開けて出て、懐から拳銃を取り出そうとする。

 

「なっ!? お、お前ら! なんで全員が倒れてんだ!?」

 

 全員が同時に倒れたことに運転手の男が動揺を覚える中、マリは車を貸せと告げる。

 

「その車、貸して」

 

「何だとこのアマ!? てめぇ、一体何して、あぁん!? お母ちゃーん!!」

 

「おっさん、運転して」

 

 当然ながら拒否される。そんな男にマリは下半身をバスタードソードで切り裂き、絶命させてから後部座席にいるマフィアのボスに運転しろと命令する。一瞬で自分の部下たちを文字通り全滅させたマリにボスは驚愕しつつもその実力を評価し、自分の組織に入れようと勧誘した。

 

「お、俺の組の連中を…! ぶ、部下の非礼を詫びるぜ。どうだい、俺の組に入らねぇ…ばっ!?」

 

「話聞いてた? 運転しろよおっさん」

 

「て、テメェ…! この俺を誰だと思ってんだァ? 俺は泣く子も黙る…ごはっ!?」

 

「良いから運転しろよおっさん。殺すぞ?」

 

 運転しろと命令したのに、勧誘してこようとするボスにマリはバスタードソードの柄を顔面に叩き込み、再度命令した。これにボスは怒って懐よりマカロフ自動拳銃を取り出し、発砲しようとしたが、もう一度顔面に柄を叩き込まれ、鼻を潰された。相手を恐喝するマリは声色を変えて命令する。

 

「ひょ、ひょへ~! 助けてくれぇ~!!」

 

 三度目は殺されると判断したボスはリムジンから飛び出し、マリから逃げようとした。だが、マリは時を止める術を使える。ボスがリムジンから出ようとしている所を戻すような位置につけ、更に運転席に向かわせる。

 

「ぎょ、ぎょえぇぇぇ!?」

 

 外へ出たはずなのに運転席に居ることに驚愕するボスはもう一度外へ出たが、またも時を止める術を使われ、運転席へと戻された。

 

「運転して」

 

「お、俺じゃなくて僕、運転はそこの…」

 

「関係ない。行って」

 

「ひゃ、ひゃいぃぃぃ!!」

 

 この女から逃げられない。そう判断したボスは運転は普段していないと言うが、マリに急かされてハンドルを握った。

 

「えっ…?」

 

「ほら、乗って」

 

 優しかった大人の女性が恐ろしいことをしているのを見た少女は震えたが、マリはそんな彼女に普通に話しかけ、自分の隣に座るようにシートを叩いた。これに応じて少女が自分の隣に座ったのを確認したマリは、ボスにリムジンを出すように命令する。

 

「出して」

 

「ひゃ、ひゃい!」

 

 命の危機が迫っているために少女よりも怯えるボスはマリの命令に応じ、彼女の指示通りにバンカーへの方向へリムジンを走らせた。

 ボスは自分のアジトへ向かおうとしたが、マリはそれを予想しており、ハンドルを別方向へ切ろうとしたところで時間を止め、元の位置に修正してから時間を動かし、逃走を防止する。

 

「逃げたらどうなるか、分かってる?」

 

 何をやっても逃げられないことを悟ったボスは諦め、マリの指示に従事することにした。

 

「奴のリムジンだ! 焼き殺せ!!」

 

 暫く殺伐とした街の中を走っていれば、バイクに乗った集団、またの名を暴走族はボスのリムジンを見るなりバイクのエンジンを掛け、火炎瓶の紐に点火してから襲い掛かる。

 どうやらボスに恨みを持つ暴走族のようだ。それをボスは後部座席に座るマリに報告する。

 

「あ、あの! 火炎瓶を持った暴走族が…!」

 

「アクセル全開。突破しなさいよ」

 

「そ、それをやったら…」

 

「死にたいの?」

 

「うひゃぁぁぁ! 死にたくないですぅ!!」

 

 ボスの報告に対し、マリは殺気を込めて突破しろと命じた。その殺気に当てられたボスはアクセルを強く踏み、火炎瓶を投げ付けるために接近してくる暴走族に突撃した。急に速度を上げたリムジンに暴走族等は対処できず、バイクごと撥ね飛ばされる。

 

「は、速過ぎる!? のわぁぁぁ!!」

 

「わっ!? わぁぁぁ!!」

 

 一人が撥ね飛ばされれば、もう一人は右手に持っていた火炎瓶を自分に落としてしまい、火達磨となって転倒した。それからも続々と暴走族を撥ね続けたが、リムジンは特注で装甲車以上の防御力を誇り、人と単車を撥ねても血塗れになる程度であった。

 それを運転するボスは余りの恐ろしさに失禁していたが、マリは表情一つ変えず、ただボスを睨み付けている。少女も怯えていたが、マリが優しく抱擁して安心感させる。

 数十人と数十代を撥ねたリムジンは少しへこんだものの、走行には支障はない。そのまま街を出て、忘れられたバンカーがある村へと目指した。




DIO「歩道が広いではないか…行け」

実はマリのモデルにした一人の中に、DIOが居るんですよ。
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